中年ハンターと新人ハンター達が頑張るようです。   作:Borubo

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最終話 前編 災厄の再来

「む…」ポポの荷車に揺られながらファラクは目を覚ます。驚くほどスッキリとした目覚めだ。

「モナ………懐かしいな」ファラクは首に掛けてあるジャギィノスの牙の首飾りを触る。これはモナの遺品だった。ボルボロス討伐から二年後。

 

野暮用のため、ドンドルマへ買い物に行った帰りだった。「俺の為に頑張ってHRを昇格しようと頑張っていたことが裏目に出て俺の前から消えることになるとは……皮肉だな……」

 

ファラクは懐かしむような、慈しむような顔をする。

そして。久しぶりにウワフ村に帰って来たのであった

「大変じゃ大変じゃ!」

「避難するんだ!」

 

村人たちが慌ただしく動き回っていた。近くにはギルドの関係者が避難勧告をしていた。

「皆さん!直ぐにポポ荷車にお乗りください!ここは危険になります!」

 

ファラクはその関係者に尋ねてみることにした。

「なぁ、これは一体全体どう言うことだ?」

「あ!ファラクさん!今は私は手が一杯なので詳しくお話しすることができません!とにかく、集会所へ行ってください!」

 

「む?あ、ああ。わかった」

ただならぬ予感がし、小走りで集会所へと向かった。

集会所の扉を開ける。中は大勢の狩人がいたが、何時もと打って変わって静寂に包まれていた。そこにはライタとアロもいた。

 

そして、竜人族の若い(竜人族の中では)女性のギルドマスターが口を開いた。

「今、皆さんに集まっていただいたのは、他ならぬ、黒狼鳥と恐暴竜の件です」

 

「!!」

黒狼鳥「イャンガルルガ」

イャンクックに似た、鳥竜種だが、イャンクックとは違い、捕食をしない相手でも積極的に攻撃を加えたり、敢えて相手の縄張りを荒らすことによって戦闘をし、自身の戦闘欲を満たすとても危険なモンスターである。

尻尾には毒があり、戦闘力はとても高く、場合によっては飛竜種を大きく上回る。

 

そして、恐暴竜「イビルジョー」

肉食恐竜のような姿をした巨大な獣竜種のモンスターである。異常な新陳代謝機能を持ち、その食欲は異常という言葉を超える。目に入る物は兎に角喰らう。自身の体の一部の尻尾でさえも切り離されたら餌としかみない。

加えて力もとても強く、戦闘力も極めて高い。

 

「一昨日から、発見された黒狼鳥により、既に上位ハンターが十人以上殺害されました。加えて恐暴竜の痕跡が調査班により、発見されました。姿は確認できませんでしたが、どうやらこちらに向かって来ているようです。状況は最悪です。

そして、ギルドはこの黒狼鳥をG級とします」

 

周りの狩人からおおっと声が上がる。

「しかし、今この村にはG級ハンターがいません。」

「居るぜ。」

一人の中年男性が名乗りをあげる。

皆一斉に彼の方向を見る。

「ここに一人な」

それはGの狩人だった。歳をとり、力は衰えてもたしかに男は狩人だった。

沈黙が場を包む。

 

「ファラクさん……帰って来てたのですね」

「ああ、今さっきな」

「ですがファラクさん。かのクエストは一人では身が重いのでは?」

「平気だ。俺はGの狩人だぞ。それに、オトモも連れて行く。ショウガとトウフ。どっちも猛者だ。そしてイビルジョーもイャンガルルガもとても好戦的なモンスターだろう?出会えばお互いに殺しあうはずだ。それを狙う。」

「……………」ギルドマスターは考えているようだ。

「任せろ」

ファラクは強く言う。

「わかりました。ギルドはこのイビルジョー、イャンガルルガの狩猟をファラクブローニングに一任します!」

が、その中で異を唱える者が現れた。

「待てよファラク!」

 

「ファラク!私達も連れて行ってよ!」

アロとライタだ。

二人ともファラクの前に立つ。

「ゲハハ。心配してくれるのか?平気だよ俺は」ファラクは二人に笑いかえす。しかし、同行は認めない。

それでも二人は引き下がる気は毛頭無いようで、アロは続ける。

 

「でも、相手は上位ハンターを10人も殺害しているんだよ?そんーーーーーー」

「「勝てっこないよ」ってか?」

なんでわかったの?という顔をするアロ。

「え?」

「前にもこんなことがあった。俺が若い頃の話だ。G級のモンスターが現れた。村のハンター達はどんどんやられて行った。そんな中で、俺の知り合いも止めに行かなくちゃならなくなった。」

「……………………」

ここにいる全員は沈黙を保つ。

「俺はそいつに言ったんだよ。「勝てっこないよ」ってな。だが、そいつは逃げなかった。……………まぁ結果はお察しだがな」

「じ、じゃあなんで!」

「お前らを守りたいからだよ!!」

ライタの声を遮るが如く言い放つ。

 

あたりを静寂が包む。

「わかってくれ」

今、やっと、あの時から三十年過ぎてようやく、あの時のモナの気持ちがわかった気がした。俺はこの二人を、モナは俺を、「守りたかった」んだ。

「安心しろよ…俺は必ず勝つさ」

 

準備をする為に踵を返して集会所を後にする。

 

ファラクの家

「ショウガ、トウフ。出番だ」

「「ハイですにゃ」」

事情を話しながらオトモ二匹とファラクは装備に着替え始める。

「悪いな、巻き込んじまったって」

「構わないですにゃ。僕達はファラクに恩義があるのですニャ。」ショウガは言う。

「死ぬときは一緒ですにゃ」

トウフも同様だ。

「…有難うな」

 

集会所

「目的地は密林です。」受付嬢が密林へ続く道に案内する。

「わかった。」

「ファラクさん……お気をつけて」

「ああ」

「ファラク。必ず帰ってこいよ」

「約束して」

ライタとアロも居た。

「……ああ。帰るとも。だから待ってな」

 

ファラクは猫タクシーに乗り込む。

大きめの担架の上にファラクとお供二匹が乗り込むと、10名ほどの猫達が持ち上げ、密林へと向かって駆け抜けて行く。

遠くなるファラクの背中。ライタとアロはこれで良かったのかと思った。




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