将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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ある兄妹の旅立ち。ジム偏。

キャロの暴走が治まって後、キャロは今、自室でぐっすりお休み中である。

そして、俺はというと、リビングで、母さんとフェイトさんに挟まれる形で座っていた。

フェイトさんは母さんに、俺とキャロを預かりたいと申し出た。

原作が始まったかと、俺は、ほくそえむ。

だが待てよ?ウチには父親がいない。つまり、俺とキャロが出ていったら、母さんは一人になってしまう。

どうする?俺の心は正直、もうフェイトさんとひとつ屋根の下へ、想いを馳せてしまっている。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「フェイトさん♪お背中お流ししますね♪」

 

「こら♪ジム♪目がなんかやらしいぞ♪」

 

「てへっ♪すいませーん♪」

「フェイトさんの身体があまりに素敵過ぎて(キリッ)」

 

「もう♪仕方ない子だなぁ♪」

 

「あっこーら♪前は良いってば♪」

    ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ヤバい‥

フェイトたんマジ天使

いかーん!

違う!

こんな煩悩に流されて、母さんを一人にして良いのか?

女手ひとつで、俺とキャロをここまで育ててくれたんだぞ?

結論。あり得ない。

俺が心を決めた時、

 

「ジムはどう思う?」

 

母さんが俺に意見を求めてきた。

 

「いや‥俺は‥」

 

「母さんに遠慮するんじゃありません」

 

反対だと言おうとしたら、母さんにピシャリと遮られてしまった。

俺の葛藤はお見通しだとばかりに、母さんは俺を真っ直ぐ見ている。

 

わかってる。

母さんは俺とキャロの事を1番に考えてくれているのだ。

確かに、俺の煩悩はともかく、

キャロは二度と暴走しないようにしっかり訓練したほうがいい。それは是非もなく、正論である。

それに、これからJS事件が起こるとするなら、キャロは機動六課の重要なメンバーである。

もし、キャロがいなかったら、原作がバッドエンドになるかもしれない。

それはあかんやろ。

でも‥それでも俺は、母さんに寂しい想いをさせたくない。させたくないのだ。

これは俺のワガママである。

そんな子供のワガママを通そうと、俺は口を開く。

「でも‥母さんを一人にするわけには‥」

 

俺の言葉にフェイトさんがハッとする。

 

「失礼ですが‥お父様は‥?」

 

そして、母さんは苦笑をひとつ。

 

「だいぶ、昔に死別しました」

 

その顔には、寂寥の影が滲んでいて、

「すみません‥このお話しはなかったことに‥」

 

ああ。やはりこの人は優しい。

 

天使!フェイト!大天使である。

 

だが母さんはフェイトさんになおも反論する。

 

「可愛い子には旅をさせよと云うでしょう?―――――――私も子離れ出来ません‥クスッ」

 

ずるいよ。

 

ずるいよ母さん。

 

そんな涙をこらえながら、そんな風に言われたら、俺はもう何も言えない。

どうしたら良いんだろう?

どうすれば、俺は貴女に恩を返せる?

答えは決まってる。

立派な大人になろう。

貴女に誇りに思ってもらえるような、立派な大人に。

そして、貴女の分迄、キャロを守る。

俺が静かに決意していると、

 

「――はい。お任せ下さい」

 

話しは進んでいた。

最後に不安になり、

 

「母さん‥本当に大丈夫なのか?」

 

母さんに尋ねる。

 

「大丈夫よ♪寂しくなったら、すぐに逢いにいっちゃうから♪」

 

そっか。母さんにはあれがあった。

 

「そっか♪わかったよ♪」

 

「あ、あの‥二人は一応ミッドに住んで貰おうと思っているのですが‥」

 

フェイトさんが戸惑いながら、声をかけてくる。

そっか。どう説明したものか。

そう思っていると、母さんは実演するようだ。

リビングのドアの前に立ち、ドアを開け放つ。

 

「管理局に御挨拶してきますね」

 

え?管理局行くの?

大丈夫かな?捕まらないといいけど。

まあ、捕まっても大丈夫だと思うけど。

 

「スタンバーイ」

 

その瞬間、小さい2頭身の母さんがドアの向こうに見えた。

そして母さんはドアをくぐる。

心配したようなことはなくすぐに母さんは帰ってきた。

が、手に何かを握っていた。

あれ?ツヴァイちゃん?

脳ミソ蕩けるようなお声が響く。

やっぱ可愛いわ。マジ小天使。

その後、フェイトさんに軽く説明をして、フェイトさんは帰る事になった。キャロに説明するために俺は1日猶予を貰った。

さて。キャロにどう説明したものか。

俺が一緒だから、大丈夫だとは思うけど

トラウマを刺激しないように気をつけないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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