将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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雨風ヒドイですねー(´д`|||)
どこぞの高木さんみたく、フーハハハー。吹けよ風!なんて叫びたくなりますね。花粉症の身としては、雨は望むところなんですが、風とバリューセットだと、出掛けるのもキツいので鬱になりますね。皆様もどうかお気をつけて(。>д<)


ある兄妹の新生活。

ジュー。

と、肉が焼ける音と、共に、良い匂いが立ち込める。

「キャロ~?そこの瓶とって?」

 

「うん。これ?」

 

「そそ。ありがとー」

匂い付け程度に酒を投入。

更に良い音と匂いが台所を包む。

「向こうのテーブルの片付けは終わったか?」

 

「うん!」

キャロがキラキラした目でまだかまだかと急かしてくる。

俺は苦笑しながら、盛り付けを開始する。

「キャロ?盛り付け手伝ってくれるか?」

「はーい」

空の皿を棚から出して、俺の傍迄持ってきてくれるキャロに軽く礼を言うと、

キャロは四人分のご飯をよそいはじめた。

ここは、ミッド郊外のフェイトさん宅。

なんとフェイトさんは、俺達を預かるにあたって、わざわざ、一軒家を間借りしてくれたのだ。

隊舎の寮では、四人は流石に手狭だからと言うらしい。

執務官って、稼ぎ良いんだなぁ等と、下世話な事を考えながら、

盛り付けをしていると、

「ジム兄さん。何か手伝える事ありますか?」

そう声をかけてきたのは、赤毛の美少年。

「ん~じゃあ、悪いけどレタス剥いてくれるか?」

「はい!」

と、元気良く返事をして、水にさらしておいたレタスを慣れない手付きで剥いていく、エリオ、モンデヤル君。

そう。エリオも一緒に住む事になったのだ。

当初は仲良く出来るか心配していたが、

思いの外、エリオは良い子だった。

会ったばかりの頃は、人見知りなのか、虚空を見て、ともちゃんとやらに話しかけていて、なかなか馴染んでくれなかったが、

同年代の同性と接するのが楽しいらしく、

今では、

ジム兄さん。ジム兄さんとなついてくれた

可愛い、弟が出来たようで、少し嬉しかったのは内緒である。

え?誰にって?

もちろん、キャロにである。

キャロは最初のうちは、兄が取られるとでも思ったのか、少しエリオに対して、威嚇することがあった。

同性にすら嫉妬する妹の愛の深さに、うれしいやらなんやら、もうなんやらお兄ちゃんわかんね。

当然これからは家族になるんだからと諭しましたよ。それからは、エリオ君♪キャロ♪といつの間にやら、仲良くなっていた。

うんうん♪仲良きことは美しきかな♪

元々相性は悪くない筈なのだ。

唐突だが、俺は、前世の記憶はある。

なので、人生経験的にはかなりのものになっている。前世では死んだのは‥いくつだっけ?三十路であったのは間違いないのだが。

なんせ、妹様にさんざん三十路をからかわれたからな。

此方へ、来てから、10年は経ってるだろうし、

もう俺もアラフォーか‥いや、この身体は‥あれ?いくつだっけ?12?うん。12だった気がする。いかん。少ボケがきているかもしれん。

だからか、一緒に住んでから、フェイトさんには何度か、子供っぽくないと、不審がられた。

そういった事もあり、エリオとキャロには、軽く勉強も教えている。

と、言っても、こちらの歴史や地理は全然知らんから、結構ちぐはぐになることもあるんだけどな。そこらへんは、一緒に勉強してる。

おっと、脳内説明をしていたら、もうフェイトさんが帰ってくる頃合いだ。

「よーし、二人とも、食事をご飯の部屋に運んでくれ?」

「「はーい」」

我先にと、突っつきあいながら、食事を運ぶ二人。

うん。仲良いね!

お兄ちゃん少し寂しいかも。

なんて、哀愁を感じながら、俺も料理を持って、二人の後を追う。

テーブルに料理を並べていると。

「ただいまー」

「「「おかえりなさーい」」」

フェイトさんが丁度帰ってきた。

「うーん。良い匂い。」

テーブルに並んだ料理を見て、フェイトさんが目を輝かす。

「今日もお務めご苦労様でした」

フェイトさんからコートと鞄を預かり、手早く、片付ける。

「もうご飯にします?お風呂も沸いてますけど?」

「あはっ♪至れり尽くせりだね。ジム。ありがとう」

そう言って、俺の頭を撫でてくれる。

頭を撫でられるのは未だに少しだけ恥ずかしい。

視線を感じ、横を向くと、

エリオが羨ましそうに、しかし目はキラキラと、流石ジム兄さんです。とばかりに、こちらを見ていた。

エリオは良い子である。

フェイトさんを母と慕い、常々、何かしてあげたいと、考えているのだが、何をすれば良いのかわからない。といった葛藤を抱えてるのをお兄ちゃんは知ってるよ。

つねに学ぼうとしているその姿勢は好感が持てるし、何より、そういう想いはちゃんと伝わるものだ。

現に、フェイトさんもそういうエリオを微笑ましく見ているし。キャロは‥あ?こめかみがひきつりだしてるわ。

限界が近いなあれは。

以前に比べて、キャロはだいぶ丸くなった。

いや、グレてたわけじゃないけど、

俺を独占したい気持ちが、溢れて、暴走してたあの頃のキャロはもういない。

年を重ね、少しは自制が効くようになってきたのだろう。兄としては、少し寂しくもあるが、嬉しい成長である。

「今日の分の書類仕事はわかる範囲でまとめて、処理して書斎の机に置いておきましたので、後で確認お願いします」

「ホント?助かるよ」

「それで‥お時間あるようでしたら‥その‥」

 

「うん。お陰で時間は空いたよ。勉強?」

 

「はい。お願いします」

 

俺は、執務官試験を受けようと勉強していた。

現役執務官のフェイトさんの家庭教師は非常にたすかる。独学では、限界あるしね。

だから、その代わりにと、家事をこなし、仕事の手伝いもしているのだ。

仕事の手伝いといっても、捜査とかは勿論しないよ?教えてもらってわかったのだが、執務官はかなり忙しい。

捜査だけでなく、書類仕事もかなり多いのだ。

手続きや申請が諸々とにかく多い。

こういう、行政が融通効かないのは、いつの時代、何処の世界でも変わらないんだなと苦笑する。

諸経費等の、excel入力、ワードを使っての公式文書作成。俺でも出きる事を最初に教えてもらって、継続している。

幸い前世では事務職をそれなりにしていた。

ジムだけに(ドヤァ)

あっ。すいません。調子こきました。

なので、パソコンの基礎的な作業くらいはお手の物である。

それに、フェイトさんの家庭教師以外にも、ひとつ嬉しい事がある。

仕事を手伝うと、フェイトさんはいちいちお小遣いをくれるのだ。

勿論、そんなに大きい額じゃない。

いや、割と、大きいかな。あくまで例えだが、

わかりやすくいうなら、五千円くらいだ。

家事をして、書類仕事をして、五千円。

これを多いととるか、少ないととるかは、人各々だろう。

 

 

フェイトさんは過保護な印象があったが、違う。フェイトさんは律義なのだ。俺みたいな子供に対してもしっかりと真摯に真っ直ぐ向き合ってくれる。

だってそうだろ?

仕事の手伝いだってそうだ。無理だ。やらなくていと決めつけるのではなく、とりあえずやらせてみせてくれるのだ。そんな信頼が何より嬉しくて、有り難くて、ミスだけはしないように、正確さを第一に手伝いをしている。

普通、俺みたいな子供が、執務官になりたいなんて言っても、鼻で笑い飛ばすぜ?

わざわざ自分の時間を割いて迄、家庭教師なんてしない。ミスられるかもしれないと、自分の仕事だって任せたりはしない。

しかも、俺達の為に、新しく家迄、借りてるんだぜ。生活費だって、普通に倍増してる筈だ。

小遣いだって本来渡さなくたって、文句なんか出ない筈だ。

なのはさんの親友だけあって、お人好し。

それが俺のフェイトさんへの今の印象である。

貰った小遣いは勿論貯金だ。キャロとエリオにお菓子を少しづつ買ってやり、残りは全て貯金箱にシュート!!超エキサイティング!

あ、もちろんキャロとエリオもお小遣いは貰ってるよ?ただ、手伝い等している分、俺の方が多目になるのは致し方無い。

その部分で軋轢が出ないように俺なりに考えている。

フェイトさんには内緒にしているが、考えていることがある。

陸士訓練校に行こうかなと、思っている。

フェイトさんと同じ、三ヶ月の速成コースだ。

特に深い意味はない。

出といた方が、将来有利かなと思っただけだ。

フェイトさんに内緒なのは勿論、資金の事だ。

フェイトさんならきっと、喜んで出してくれるだろう。

しかし、そこまで甘えていいものか?

いくらか知らないけど、決して安くはないだろう。

フェイトさんにバレないよう、こっそり、情報収集をしてるのだが、資料請求等したら、バレる可能性大なので、少しずつしか進んでないのが現状だ。奨学金とかもバレずにやるのは不可能だろうし。もう少しデカクなったら、バイトでもするかね。

あ、もう少ししたら六課出来るんじゃね?

そしたら、そこで雇ってもらえるように頼んでみようかな。

その為にはトレーニングの方にもう少し時間割いた方が良いかもな。

現在は専ら、家事と勉強に時間をとられ、戦闘訓練の方はあまり出来ていない。

瞑想して小宇宙を感じたり、筋トレ、体力作り程度だ。

嬉しい誤算がひとつ。キャロの詠唱が無くても、俺の意志で、フリードを聖衣化することが出来るようになった。

フリードも漸く、俺の事を、パートナーとして認めてくれたようだ。竜槍はまだ具現化出来ない。

あれは、フリードじゃなく、純粋にキャロの召還の産物だっようだ。

まあ、聖闘士としては徒手空拳は望むところだ。

別に、武器の扱いに慣れてたわけでもないしね。

六課が出来たら、フェイトさんに訓練のお願いしてみようかな。

いや、フェイトさんに迷惑かけるわけには。

 

と、俺が脳内で考えをまとめていると、

 

「「「いただきまーす」」」」

 

と、三人が、席に着いて、いただきますをしていた。

俺も慌てて席に着く。

 

「ジム兄おいひいよー」

 

「ゴックンしてから、喋りなさい」

 

咀嚼しながら、料理の感想を言ってくる、キャロを軽く嗜める。

「でも‥ありがとうな」

と、頭を撫でてやる。

キャロはニコニコしながら、くすぐったそうにしている。

 

「ジム兄さん本当においしいです!」

 

「おう。エリオもレタス、きれいに剥けてるな」

エリオも物欲しげだったので、頭を撫でてやる。

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

くすぐったそうに目を弓にするエリオ。

 

ワイワイと、賑やかな食卓。

 

こういう雰囲気は嫌いじゃない。

 

「そういえば、ジム?体力錬成は進んでる?」

 

え?何で知ってるんです?

 

俺が驚いていると、

 

「ふふ。エリオから聞いてるよ?」

 

な、ナンダッテー!

 

確かに何度かエリオと一緒にトレーニングをした。

俺がエリオを見ると、

エリオは申し訳無さそうに目を伏せた。

 

いや。良いんだよ?別に秘密にしてって、言ってたわけじゃないし。

そういう気持ちをこめて、エリオに笑いかけると、エリオはホッとしたように、息を小さく吐いた。

「うーん。まだまだですね」

 

「そんな事無いです!ジム兄さんは凄いです!」

 

と、エリオがフォローしてくれる。

 

そうは言っても、まだ原子の破壊は出来てないし、拳速もマッハには程遠い。

 

正直、伸び悩んでいる。

 

俺の雰囲気を察したのか、フェイトさんが口を開く。

「明日はオフだし、私が見てあげようか?」

 

「ホントですかっ!?」

 

天啓とでもいうかのようなタイミングの提案に1も二もなく、俺は飛びついた。

「うん。それで、今の実力具合を見て、執務官補佐、やってみない?」

「え?」

「将来、執務官目指すんでしょう?

それなら、きっと良い経験になると思う‥」

本当にこの人は‥

ここまで真剣に俺の将来を考えてくれていたんだなと、胸が熱くなる。

「はい!是非お願いします!」

「うん。でも覚悟してね?甘くはみないからね?」

「勿論です!」

 

「すごいや、ジム兄さん!」

 

「ジム兄頑張って!」

キャロとエリオが応援をくれる。

「おう!兄ちゃん頑張るぜ!」

そんな俺達を、フェイトさんは何処までも優しい 眼差しで見守っていた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

食事を終えて、書斎で、俺はフェイトさんに勉強を教わっていた。

「うん。法務関係もかなり覚えたね」

と、フェイトさんが頭を撫でてくれる。

恥ずかしいのだが嬉しくて、口角が上がるのを感じる。必死に表情を崩さないよう努める。

「ありがとうございます」

「うん。これならやっぱり、補佐も事務関係なら問題無さそうだね♪」

 

「フェイトさんのご指導の賜物です」

俺の返事に、

フェイトさんは苦笑をひとつ。

「ねえ?ジム。君は何者?」

「え?」

突然の問い掛けに俺は固まる。

 

「気を悪くしないでね?はっきり言って、君は異常だよ?とても12才とは思えない。」

「私は、時々君が

歳上に見えるんだ。」

 

精神年齢はアラフォーですから。

「エリオやキャロ達への接し方だってそう。

彼らと同年代には見えないよ」

転生者。なんて言葉が通じるだろうか。

この人なら信じようとしてくれるだろう。

その先には、ナニが待っているだろうか。

モルモット扱いで、何処かの施設か病院に、入れられるかもしれない。

フェイトさんは優しい人だが、世界は優しくはない。その後キャロはどうなる?

引き離されるのは間違いないだろう。

いや、それよりなんて言えばいいのだ。貴女が凌辱される姿に興奮しまくって、テクノブレイクしましたと言えと?いつかそれを再現したいと

せっかく築いた信頼も簡単に砕けるだろう。

やはり、言うわけにはいかない。

「ただの子供ですよ‥力の無い、子供です。」

 

「ただ、立派な大人になりたいです。」

 

「母さんが誇りに思えるような、立派な人間に‥」

「そんな目標迄の最短ルートを心掛けているだけです」

本音を隠しつつ、嘘偽りの無い気持ちを口にする。

「そっか‥」

「立派な目標だね。お母様も喜んでると思うよ?」

「貴女にもですよ?フェイトさん」

「え?」

「いつか貴女にも恩を返したい。」

「俺が執務官をめざしてるのは、俺にとっての立派な人間が貴女だからです」

「貴女が俺の目標です」

そう言うと、フェイトさんは目を見開き、じっと、俺を見つめる。

その目には、じわりと涙がにじみ、

俺は慌てだす。

そんな俺を見て、フェイトさんはクスッと笑うと、

「そんな風に思ってくれてたんだ‥」

「あはっ‥嬉しい‥うん。嬉しいな‥ちょっと恥ずかしいけど‥」

フェイトさんは安心したように笑うと、グスグスと泣き出してしまう。

泣いてる子をあやすのは得意だが、歳上の女性となれば話は違う。

俺はあわあわと慌てる事しか出来なかった。

「クスッ」

そんな俺を見て、フェイトさんが小さく笑う。

何故に?

「ふふっ‥漸く可愛いところ見えた」

そんなフェイトさんの言葉に、俺は赤くなって小さくなる。

その後、なかなかフェイトさんが笑うのを、やめてくれないので、俺は黙って勉強へと、没頭した。

明日は頑張ろう。

そう心に決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




それではまた明日お逢いしましょう。
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