「それじゃ‥執務補佐のテストってことで、フェイトちゃんと模擬戦してもらおうかと思ったんだけど、またイチャイチャされそうだから、やめます」
「「ちょっ?!」」
あんまりと言えばあんまりななのはさんの物言いに、俺とフェイトさんの突っこみが重なる。
「てことで、ジム君には実戦形式のテストをさせてもらいます」
はやてさんが異論は受け付けませんとばかりに言葉を続ける。
実戦形式ね?
望むところである。
「お?やる気満々やね?」
「はい!お願いします!」
「ほんじゃ、説明していくで?リピートアフターはやてしなさい」
「最近巷を騒がせている奴等がおる」
「現場に出たとしたら、まず間違いなく、そいつらと抗戦するやろ‥それがこいつらや!シャーリー?」
「はいはいはいっと~」
シャーリーさんが軽く返事をすると、
何も無いところから、卵型の機械が現れる。
大きさは、俺と同じくらいだ。
というか、どこでリピートすればいいんだろう?
「通称ガジェットドローン」
「これはシミュレーター用の仮想再現だけど、侮るなかれ。攻撃は結構鋭いよ?」
なのはさんが追加で説明をつけ足す。
「ところで、ジム君は戦闘タイプ何?」
「戦闘タイプですか‥強いて言うなら、近接格闘ですね」
「了解♪それじゃ頑張ってねー相手は5体、一体も逃がす事なく、殲滅してみせて!」
「今回は初めてだし、動作レベルB攻撃精度Bでいくね?」
説明しているうちにも、ガジェット五体は
俺を取り囲むように展開する。
と、ガジェットは一斉に、俺に向かって、魔力弾を放つ。
「なんとぉー?!」
間一髪で、俺は回避する。
つづけざまに、魔力弾が放たれるが、なんて事はない。聖闘士には一度見た伎は通用しない。
全て回避し、回避している間に近付いてきたガジェットに、振り向き樣に拳を叩きこむ。
易々と姦通し、火花を散らすガジェット。
新たに周りを取り囲まれそうになったので、
腕を抜いて、とびすさる。すると、その瞬間、ガジェットは爆発した。
「仮想再現でも爆発するのか。あぶねーっ‥」
跳びながら身体を捻り、俺の着地点に回り込んでいたガジェットに回し蹴りを一閃。
俺の蹴りは易々とガジェットを引き裂き、
再び爆発。
後三体っと。
チラリと周りを見ると、ガジェットが集合して、俺から逃げようとしていた。
やれやれ。めんどくさいなあ。
俺はダッシュして、逃げるガジェットの前に回り込む。知らなかったのか?聖闘士からは逃げられない。
そして、心を落ち着けて、ドラゴンの星座を自らの身体でなぞる。
俺の小宇宙は既に把握している。
それを魔力で増幅してやる。
戦闘中に小宇宙を解放するのは初めてだ。
気分が高ぶっているのか、思いの外すんなりと、コネクトできた。小宇宙が膨れ上がるのを感じる。イケル。
「廬山‥」
ガジェットが慌てて、ブレーキをかけるが、おせえ。
「龍、飛翔!」
ガジェット三体の間を光りが一閃する。
そして、ガジェット三体は同時に爆散した。
「ミッションコンプリート!」
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「おいおい‥」
はやてが、呆れたように、言葉を紡いだ。
「フェイトちゃん?彼は本当に、素人なんか?」
「うん‥その筈、だけど‥」
私だって驚いている。
「とか言って、本当は隠れて、特訓してたんやろ?秘蔵っ子やもんな?」
本当に特訓なんてしてないのだが、言っても信じてもらえなそうなので、私は首だけ振った。
「それにしても凄い魔力だったね」
なのはが感心したように呟いた。
うん。ジムがなんか変な躍り?をしたら、突然、彼から爆発的な魔力が感じられた。
それだけじゃない。ガジェットを三体同時に倒した技。
まるで龍が駆けたかのような速さだった。
私より速い‥かも?
「プッ‥あの、変な躍り、なんやったんやろな」
はやてが笑うのをこらえながら、呟く。
「あれは‥もしかしたら‥」
「知っているのか雷電。」
意味ありげに、呟くシャーリーに、はやてが、無駄にキメ顔を作って問い掛ける。
あい変わらず、何言ってるのかわからない。
多分、私の知らない漫画かなんかのネタなのだろう。この二人が揃うといつもそうだ。
「キタキタ躍りに違いないです!」
シャーリーが無駄に力強く答えた。
「ネタ古すぎやっちゅーねん!」
スパーンと、はやてがどこからともなくハリセンをとり出し、シャーリーを殴り倒した。
私が呆れて二人を遠巻きに見ていると、なのはが目に入った。
「なのは‥?」
なのははずっと難しい顔で、考え込んでいて、何を考えてるのか、私にもわからなかった。
私の呟きが聞こえたのか、なのははこちらに視線をくれると、少し恥ずかしそうに、苦笑した。
「フェイトちゃん‥ごめんなの‥」
え?何を謝ったの?
私の疑問の視線に答える事なく、なのはは歩き出した。
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ガジェットは全滅させたが、それから何の音沙汰もなく、10分程が過ぎていた。
テストダメだったのかなぁ?
と、ウィンドウが浮かび、なのはさんが写る。
「congratulationなの!お見事でした!」
「ありがとうございます!合格‥ですか?」
おそるおそる尋ねる。
「いやー強いね。ジム君♪かっこ良かったよ♪」
「あ、ありがとうございます?」
何だろ?なんかやな予感がする。
「そんなジム君にはついでにおまけのテストをしちゃおうかな?」
「おまけのテスト?‥ですか?」
「そう。実は、まだ秘密なんだけど‥もうすぐ、時空管理局には、新しく部隊が創設されます!」
な、ナンダッテー?一体機動何課なんだ?
「このテストに合格出来たら、君をその部隊のFWとして迎えます!ワーパチパチパチ!」
「わ、ワー‥」
「君、執務官志望なんでしょ?その経験は将来絶対有利に働くと思うよ?」
「やります!」
即答する俺。
「その意気や良し!」
急に上から声が降ってきた。
ポカンと見上げると、そこにはなのはさんがいた。
パンツ見えてますよ?
オレンジか。いや、ベージュか?
ていうかいつのまに?
「それで、テストとは?」
俺は、下着が目に入らないように、横を向きながら、問う。
「それは‥シュートイベイジョンなの!」
なんか聞いた事あるような?
「今から5分間、なのはの攻撃を全部避けきるか、なのはに一撃クリーンヒットを与えればクリアーだよ!」
あー。新人達をしごいてた時のやつか。
まあ。やれというならやりますか。
「なんでこっち見ないの?」
なのはさんが呑気な声で問い掛ける。
「‥るんです!」
「え?」
「パンツが見えてるんですよ!」
やけくそ気味に叫ぶ。言わせんな恥ずかしい。
あー。頬があちい。
言われたなのはさんはと言えば、みるみる真っ赤になり、スカートを下に引っ張って隠そうとしている。
可愛い人である。萌える。
19歳でも俺は、萌えますよ?
ただ、なのはさんの、周りに、五十発近くの魔力弾が浮かんでいなければ‥だが。
五十かー‥たしか、あれ誘導弾だよね?
初見で避けるのはきちいな。
新人しごいてた時と違って、今回はターゲット俺一人だし。
なら‥先手必勝‥かな。
俺は、未だに、スカートを引っ張って、あたふたしているなのはさん目掛けて、飛び上がる。
一瞬で、なのはさんの正面へと、到達すると、
驚愕に目を見開くなのはさんにゆっくり手を伸ばし、
「ピーンっ」
デコピンをした。
「あうっ!」
おでこを抑えて後退るなのはさん。
跳びながら、器用なもんである。
そして、なのはさんに向けて、ひとさし指を指し、
「ミッションコンプリート♪」
と、いい放つ。
言われたなのはさんはキョトンとして、ボーっとしている。
心なしか、顔が赤い。
か、可愛いィィン!
やがて、再起動すると、顔を真っ赤にして、怒りだした。
「もー!ずるいの!今の無しなの!」
「いーや‥有功や‥」
と、いきなりはやてさんが通信で割り込んできた。
「ジム君。機動六課は君を歓迎します↑」
「はい。よろしくお願いいたします!」
うーー!ちょっとはやてちゃん!?》
すまんな、なのはちゃん。悪いけど有望なFWは喉から手がでる程欲しいんや》
《再戦なら、入隊してからいくらでも訓練でできるやろ?今は我慢してや》
《うー‥わかったの。今は我慢するの》
《おおきに。今度飯作りにいったるから堪忍な‥》
《ほんと?わーい。約束だよ?》
《せやけど有望な新人もみつかったし。《だいぶ、新部隊の構成も目処がたってきたな‥》
《あ、はやてちゃん?なのは、ジム君欲しいなー?
《うーん‥それは‥どやろな?》
《多分やけど、フェイトちゃんが放さへんんやろ?》
《あー‥そっかー‥》
そんな念話が交わされれている事など露知らず、俺は、ゆっくりと、微笑み手を振るフェイトさんへと歩き出していた。
ついに機動六課かー。
廬山昇竜波早く完成させないとな!
読んで頂き、ありがとうございます。
漸く半分くらい迄来たかな。
これからも頑張りますので、
最後迄お付き合いお願いいたしますm(__)m