滝は良いねえ。雑念を洗い流してくれる。
滝に打たれながら、俺は、自分の中の小宇宙を魔力で、ゆっくり高めていく。やがて、全身に小宇宙が循環する。先ずは、ショートアッパーを繰り出してみる。
「廬山‥昇竜‥波!」
一瞬だけ、滝が割れた。
違うな‥
もっと、小宇宙を乗せるイメージで。
全身のバネを生かす感じで‥!
膝のバネを意識して‥そうか。ガゼルパンチの感じかな。
「廬山‥昇竜‥波ァ!」
すると、全身の力が拳に載った気がした。
そして、まるで、龍が昇るように、滝を切り裂いて行く。
これだ。この感じだ!
やったよ。鴨川さん!
確認するため、俺は跳躍して、滝をのぼっていく。
滝の上迄飛び上がり、見ると、未だに、滝は二つに別れたままでいた。
うん。
良いだろう。廬山昇竜波完成だ。
俺が達成感に、打ち震えて、ガッツポーズを取っていると、
視線を感じた。見ると、
フェイトさん達がポカンと、こちらを見ていた。
ちょっと‥今のガッツポーズみてたの?!恥ずかしい!
どこ見てんのよ!?
「何‥?今の‥?」
フェイトさんが呆然と聞いてくる。
「流石だね!ジム兄!」
キャロは当然だとばかりに、褒め称えてくる。
「必殺技です。」
どや顔で、報告する俺。
そう。必殺技である。必ず殺す技。
廬山昇竜波‥体力の無い時にやると、その膨大な小宇宙消費によって、全身から血を吹き出して絶命してしまう、諸刃の刃である。
「ジム兄、ずっと修業してたもんね?」
キャロが問い掛ける。
「ああ。長かったぜ。」
「いつも、私が部屋に入ると、「おぉーい?!」
って、言いながら、凄い早さでうつ伏せになってたもんね?」
キャロちゃんそこまでだ!
それ違う修業の時だから、
あ!何人か気付いてらっしゃる!
はやてさんとシャーリーさんが二人で生暖かい目でサムズアップしてきてる!‥うぜえ。
なのはさんと、フェイトさんはわかってないようだ。「何その‥修業‥なんの意味が‥?とか、話し合ってる。やめて!掘り下げないで!
「カギくらいかけーや。」
と、はやてさんが頬を染めながら、にやにやして言ってくる。
お、頬染めてるあたり、少しポイント高し君ですよ!部隊長。
「カギかけると、キャロがドア壊すんで‥」
「難儀やな‥」
やめて!同情するくらいならもうほっておいて!
「一時期、家のドアが壊れてたのはそんな理由が‥」
と、フェイトさんが戦慄している。
本当にすいません。
でも仕方無くない?同じ家に暮らしてれば、やはり、多少のニアピンはある。
溜まるのだ。小宇宙以外で放出しないと身体に、悪いでしょ?
「若いんだから仕方無いよね~」
シャーリーさんがにやにやと聞いてくる。
あ、この人はもう手遅れだわ。
まあ、実際問題、良い修業になっていたのだ。
心を落ち着けて、こすりながらも、いつドアが開くかと、いう恐怖。そして、同じ家の中で、キャロとエリオの小宇宙‥いや気配を探りながら、
擦るのだ。おかげで、小宇宙を感じとる事が当たり前になり、自分の中の小宇宙を感じとるのも楽勝になった。
時々、夢中になりすぎて、ギリギリになることはあったけどね。
勿論、証拠なんて、何ひとつ残さない。専用の、ゴミ袋を、用意して、毎度、済んだら処分している。あとはファブリーズだ。あれマジで便利。
開発者も、多分そういう用途のために作ったんだろうね。マジで感謝。
母さんと、一緒に住んでた時は全く出来なかったからね。母さんは、家の中、空気の、揺らぎとかで全て把握してたから、隠しようがなかったのだ。フェイトさん宅に、来てからは、それまでの分を晴らすように息子も、腫れた。
あ、うまいこと言ったかも。
と、下らない事を考えていて、俺は気づかなかったのだ。
魔王の様子がおかしいことに。
「ねえ?模擬戦しない?」
魔王がソワソワしながらなんか言い出した。
お断りしたい。
「さっき戦ったばかりじゃないですか」
俺はげんなりと、返す。
「その‥必殺技見たら、ヤりたくなっちゃった」
なんか‥ビッチっぽいですよ。
読んで頂き、ありがとうございますm(__)m明日は、用事あるので、休みます。