将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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とりあえず説明回。
説明回を面白く書ける人ってすごいよね?
stanが上手くなる日は来るのだろうか。
まったく想像出来ません。



ある兄妹の日常。

俺が転生してから一ヶ月程経った。

 

ある日の夕飯の食卓。

「ぱ、ぱよ~‥」

どこか物憂げな声に見やると、キャロがせっせと、ニンジンをおかずから分離していた。

「こーら。キャロ~」

俺が声をかけると、ビクッとしてこちらを哀しげに見てくる。

「好き嫌いしないでちゃんと食べないと、大きくなれないぞ~?」

本当に切実に。

ヒロイン選択を広げる為にも、大きくなってもらわなければ困る。

リアルプリンセスメーカー作戦である。

 

「ぱ、ぱよっ‥」

 

キャロはこちらから目を逸らし、グイグイと、皿をこちらへ押しつけてくる。

「ふーん?俺だけどんどん大きくなっちゃうけど良いんだな~?」

「ぱ、ぱよぉ‥」

哀しげに目を伏せ、いやいやをするキャロは可愛い。

前世の愛すべき妹様もこのくらいの時は可愛いかった。胸はずっと可愛いままだったが。

「仕方がないな‥じゃあお兄ちゃんだけ大きくなっちゃうか♪」

そう言って、人参を一気に掻き込む。

「ぱ、ぱよっ?」

キャロが驚愕に目を見開いて、俺を見てくる。

皿の上は既に綺麗に完食している

「ぱよ~」

唸り声のような声色で唸りながら、俺の足をゲシゲシと蹴ってくるキャロ。

若干涙目である。

「わかったわかった。じゃあお兄ちゃんのニンジンあげるから」

パアッと明るくなるキャロ。

「ほい?」

そう言って、キャロに渡した皿には

ニンジンとピーマンが山盛になっている。

このキャロはニンジンよりもピーマンの方が嫌いらしい。そんな設定無かったと思うが、まあ気にしない。

パアッと明るくなった顔をサアッと青ざめ、キャロは皿を持って震えていた。やがてゆっくりと、お皿をテーブルに戻し、

「ぱよぱよ~!」

今度はポカポカと俺を殴り出す。

「あはは。ごめんごめん」

「ぐっ。グフッ‥ちょっキャロ?ブーストしてない?」

いつものキャロとは思えない程の強烈な打撃が俺のみぞおちに突き刺さる。

キャロは現在10才だが、召還というレアスキルを持っており、支援系魔法も既に使いこなす。

いや。この場合は私怨系魔法か。あ。また上手いこと言ったわ。

俺が転生したばかりの時は、まだおっとりというか、身体のつかい方があまり上手くなく、よく転んで泣きそうになっていたのだが、毎日毎日、外へと遊びにつれ回しているうちに、だんだん身体のつかい方を覚えたのか、そんなことも無くなった。お陰で、今では普通に肉体言語で負けてしまう。いや、この年代でブースト使われたら‥一才くらいの差や男女の差なんてないようなもんですよ。

為すすべなく、キャロに打ち倒され、キャロが馬乗りになって見下ろしてくる。

 

「ぱよー」

ムフーと、鼻の穴が広がりながら、

ドヤ顔をしてくるキャロは可愛い。

「鼻の穴」

「ぱよっ!?」

俺が呟くと

サッと鼻を隠して

俺から顔を背ける。

俺がニヤニヤとしていると、

キャロの目にだんだん涙が貯まっていく。

あっやべっ。

「ぱよ~いよ~い」

キャロは泣き出してしまった。

その泣き声に反応する高速の白い物体。

 

「キュクル~~!」

目にも止まらぬ速さで

ズザーしてきたのはフリードだ。

「や、やあ。フリード。これは。違うんだよ‥」

無駄と知りつつも一応弁明を試みる。

「キュクルッ(ギルティッ)」

そして、フリードは俺の鼻へと噛みついた。

「ぎゃあああ!」

俺の悲鳴に応えてくれるものは居なかった。つらたん。

「あらあら。相変わらず仲良しさんね~」

そう声をかけてきたのは、マイマザーである。

このマザー。驚くなかれ、ヴィジュアルCVは共に三浦あずささん。

なんてこった。もうマザーで良いんじゃないだろうか?

息子の筆下ろししてくれないだろうか。

「ぱよっ!」

そんな俺の邪な思考を中断するように、腹に重い一撃が突き刺さった。

見ると、キャロが唇を尖らしながら、俺へと拳をめり込ませていた。

そしてパッと、俺から飛びすさると、フリードも俺の鼻を解放し、キャロの隣へと並ぶ。

 

いかん!

俺はダッシュで外へと逃げ出す。

「フリード!バーストぱよっ!」

走っている俺の背中に、強烈な衝撃波がぶち当たる。

説明しよう。

バーストぱよっ!とは‥空気を圧縮した衝撃波を繰り出す、フリードの得意技である。

フリードはバーストフレアと言う、強烈な火弾を飛ばすことも出来るが、そんなもん食らえばさすがに死んでしまうため、キャロ&フリードの最上級の手加減技なのだ。いわゆるアマガミである。

まあ十分痛いんだけどね(泣)

どれくらいかと言うと、濡れタオルでビシィッくらいだろうか。

「あらあら。キャロちゃんもフリードちゃんもそのくらいにしてあげてね~~」

俺が背中の痛みに耐えながら倒れ付していると、

マザーの呑気なお声が聞こえてきた。

「ぱよっ!」

 

「キュクルッ!」

一人と一匹が揃って敬礼ポーズをしていた。

キャロもフリードもマザーには頭が上がらない。最早、絶対服従の姿勢である。

キャロは召還というレアスキルのせいで、元々育った部族を追われ、一人と一匹でとぼとぼと歩いていたところを孤児院にフリード共々拾われたらしい。

だがお世辞にもその孤児院は経営状況は良くなく、育ち盛りの一人と一匹の食費もギリギリだったらしく、困った孤児院関係者から知り合いである、うちのマザーに話が行き、

ならばと、ウチで引き取ることになったのであった。この時、この肉体の俺、3歳の時である。

マザーマジ聖母。

最初のうちこそ、キャロは心を開かず、部屋の隅で邪魔にならないようにと、1日縮こまっていたのたが、まず、フリードがマザーの聖母オーラにやられ、マザーになつくと、徐々にだが、キャロも気がつけばトコトコといつもマザーの後を着いて回るようになっていた。俺自身もまだ小さかったので、あまり構ってやれなかったことが悔やまれる。

キャロは居場所というものに人一倍の憧れを持っていたようだ。8年間も一緒に過ごせば、お互いに情も沸く。それに多少なりと信頼しなければ一緒になんて暮らせやしない。

今ではこうやってじゃれあうくらいには家族になれたと思う。

リアルプリンセスメーカー作戦等と言ってはいるが、俺自身キャロの事は妹として愛しているし、

守りたいと思っている。キャロが望む限り、彼女の居場所であり続けたいと思う。

その為には彼女を良い女に育て上げ、恋人になるのが手っ取り早い。その為のプリンセスメーカー作戦なのだ。

ホンとだってば。

 

「さあ。ご飯食べるわよ~」

「「はーい(キューイ)」」

マザーの提案はいついかなるときでも絶対なのだ。

この幸せが何時までも続きますように。

 

 

 

 

 

 




説明回が終わったとはいえ、まだ疑問はあるでしょう。それはおいおい、作中で説明出来たらと思っています。気長に御待ちくださいな。
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