お昼時、食堂のテーブルで一人、所在なく座っている俺。
周りはもう慣れたモノで、あえてこちらを意識しないようにしている。なんだかなぁ。
食堂で食事もとらずに、丸テーブルにポツンと一人座っている男。
うん。不振である。孤独のグルメでもここまでは不審じゃない。あっちはちゃんと飯食ってるしね。
事情を聞かれても、何と説明していいのかわからないので、いないものとして扱われている現状は正直たすかる。
でも‥何だな。
俺‥ボッチみたいじやない?
何の罰ゲームだと。
あ。向こうの方で、誰か座ってやれよ?みたいなやりとりが始まってる。やめて。ほっといて。
まるでお店を予約して行ったら、自分以外誰も来ない。みたいに見るのやめて。「コース料理お出しし始めて良いですか?」と、気まずそうに聞いてきた店員さんの顔は忘れない。
おい。ケーキとか用意するのやめて。買いに行かないで良いから。
誕生日じゃないですから。一人バースデーパーティーとか、職場の食堂で開くような剛の者じゃないですから。だってパーティ終らない?
始まる予定もないから。
と、俺が居心地の悪さを味わっていると、
気を遣われる事が痛いということを俺は初めて知ったんだ。
「お待たせ~」
と、ガラガラと台車を押しながら、八神司令が現れる。台車の上には多くの食事が鎮座している。
助かった。司令の登場によって漸く、俺に纏わりついていた、憐れみの視線が霧散した。
「みんな。急にごめんな~‥ああ。そのまま食事続けてかまへんよ?」
突如現れた司令官に数人が立ちあがって敬礼をしようとするが、司令はそれをやんわりと押し留める。ガラガラと台車を俺のテーブルの傍に着けると、そのまま、イスへと着席する。
そして、周りは理解する。
食堂に現れた、不審なボッチの事情を‥
おい。地縛霊みたいに言うな。
あれ?おかしいな。また憐れみの視線が纏わりついてきたよ?
そして、続いて、フェイトさんが現れる。
「ジム。待った?‥ごめんね‥お腹空いたでしょ?」
フェイトさんの登場と同時に、憐れみの視線が憎しみの視線へと変わる。
解せぬ。
「おっ待たせ~」
そしてなのはさんも登場。
すると、再び視線が憐れみに‥
ナンデヤ!
なのはさん可愛いやろ!
六課内での、ヒエラルキーが垣間見えた瞬間だった。
「ほな。早速、審査してもらおうか?」
と、司令が手際よく、料理を並べて行く。
「公平を期して、誰がどれ作ったのかは内緒や」
ふむふむ。メニューはきんぴらごぼう、肉野菜炒め、見ればわかる。肉野菜炒めはフェイトさんのだ。あとは、シュークリームか。
きんぴらごぼうをぐいぐい俺の目前に押し分けてくるあたり、きんぴらごぼうははやてさんかな?
シュークリームはなのはさんかな?二次創作で、腕前はプロ級みたいな話があった気がする。うん。デザートとして楽しみにしておこう。
じゃあ‥まずは、と、箸を出そうとした時、気付いてしまった。
三人が物凄い凝視している。まず、どれから行くのか。恐ろしい程の緊張感が場を支配している。
腕が重い‥出そうとしているのだが、鉛でもついているかのように、持ち上げた腕は震えてしまっていた。
こんな中食っても正直味なんてわかる気しないのだが、
ならばここは‥
せっかくだから俺は。パンを選ぶぜ!
と、懐からランチパックを取り出しておもむろにかじりついた。
「いやー!今日もパンが旨い!」
「ええ度胸してるな‥自分‥!」
と、はやてさんが聞いたことの無いような、声色で凄んでくる。
こわっ!乙女が出して良い声色じゃないですよそれ!
俺は慌てて、きんぴらごぼうを箸で一掴みして口に運ぶ。
ぬう。旨い!
甘辛の味付け。しっかり黄金比を守った、基本に忠実な味付けだ。歯応えもしっかりあり美味い。文句のつけようがない。
「これは‥美味いですね‥」
すると、はやてさんの殺気が霧散した。
ホッと、一息ていてさらに味わう。
「この‥優しい甘味は‥蜂蜜ですか?」
「ほう。わかるんか。」
一転はやてさんはニコニコと、料理の解説を始める。
料理好きなんですね。
とても美味しゅうございました。
いい加減腹の虫が騒ぎだしたので、メインディッシュの肉に手を伸ばす。
うん。いつものフェイトさんの味だ。旨い!
フェイトさんを見て、「美味しいです!」
と、声をかけると、フェイトさんは嬉しそうに、柔らかく微笑んだ。
ご飯が、ご飯が、すすむ君~♪
ご飯、肉野菜、きんぴらごぼうの回転が止まらない。俺まるで、人間製鉄所だ!
ウォォオオオン!
あっという間に完食。
さて、デザートである。
お茶碗を置き、シュークリームを手にとる。
甘いモノは嫌いじゃない。
むしろ珠にのぺーすで積極的に取りたいくらいだ。
さて。いただこう。
俺はおもむろにシュークリームにかじりついた。
見た目もキレイで始めのサクッとした歯応えで、このシュークリームが、水準以上の品であることがわかる
トロっとしたカスタードが口の中に広がり、追ってきたのは、甘味‥ではなく、酸味だった。
酸味?
違和感の正体を探りながら、咀嚼を続ける。
そして、鼻に抜けた薫りで、俺は違和感の正体に気付いた。
気付いた瞬間俺は、それを吐き出すことを選択した。
「マズウウウーイ!」
叫びながら、シュークリームを吐き出し、テーブルに顔から突っ込んだ俺を見て、フェイトさんが心配そうに駆け寄る。
「ちょっ!?ジム!?」
「なのは?!何入れたの?」
「マヨシューは正義なの」
フェイトさんの問い掛けに対して何でも無い事のように答えるなのはさん。
あんた。どこの鋼鉄の女王だよ。
そう。シュークリームにはマヨネーズが入っていた。マヨネーズ単品ならまだ耐えれた。
ご丁寧にカスタードとしっかり混ぜられていたのだ。混ぜるな危険。これはもはや兵器である。
八神さーん。機動六課でバイオテロ起きてますよー?
。いかん。瞼が、重く‥遠くでフェイトさんの悲鳴のような叫び声が聞こえながら。
ナニかとても柔らかくて、温かいモノに包まれるのをかんじながら、俺は意識を手放した。
「ジムー?!寝ちゃダメだー?!シャマルさん!?シャマルさーん!?うわー!ジムがなんか良い笑顔で私の胸に寝ゲロ吐いてるー?!」
そろそろシリアス入るので、ネタを突っこみまくり(///ω///)♪まあ、シリアス中でも気にせずふざけるのが、stanのスタイルなんですがね(´・ω・`)そこは好き嫌い別れるでしょうが、申し訳ないm(__)m