朝から止まない雨が降っていた。
雨のせいだけでなく、そこかしこで泣きむせぶ者。かくいう俺も泣いていた。湿っぽい空気は苦手だ。
突然の「飲み友A」の訃報。
心配していたとおり、ヤツは大した装備もなく、現場に出、部下を庇い、あえなく、命を散らしたそうだ。偉くなったところで、何も出来ん。自分の無力感にやるせなさを感じて、涙が止まらない。何が陸の英雄だ‥
何故だ!何故、現場の奴等が死ななければならない!
ワシは一体何のために‥飲み友Aの遺影の前で踞り、胸中でヤツにひたすら謝る。
そんな俺の頭にそっとタオルが掛けられる。
見ると、喪服に身を包んだオーリスが悲しげに立っていた。
オーリスもヤツには小さい頃からなついていたからな。酒も飲めない頃から、俺達が呑んでいる間に入り、楽しそうに、俺達のツマミを摘まんでは、俺達の下らない話を楽しそうに聞いていた。
「父さん‥ご霊前です。あの方は賑やかなのが好きな方てました‥笑って見送って差上げましょう‥」
、そうだな‥」
佇まいを正して、改めて手を合わせる。
俺もそう遠くないうちに逝くだろう。
何故だか、そんな気がしていた。
だから親友‥ポテトでも食って待っててくれや。
逝く前に必ずミッド地上は平和にしていくからよ‥
その時、後ろに人の気配がした。
振り返ると、そこには八神はやてが喪服で立っていた。
ワシはヤツを憎々しげに睨み付けた。
するとヤツはそっとハンカチを差し出してきた。
「目‥真っ赤ですよ?」
「手を合わせてもよろしいでしょうか?」
ワシは羞恥に顔が熱くなる。が、ここは、親友の告別式。怒鳴りそうになる気持ちをかろうじて抑えて、ハンカチを奪い取る。そして、場所を譲る。
「礼は言わんぞ‥」
「ハンカチなんてどうでも良いです。それよりも‥仲間の死に涙を流す‥そんな貴方が見れて、良かったです‥」
「フン‥ワシは‥魔法が‥魔術師が‥嫌いだ‥」
「魔力があろうとなかろうと、想いは一緒ですよ?中将‥」「管理局の仲間が殉職して‥悲しいです‥何故その場に私が居なかったのかと無力感に胸が締めつけられてます‥」
そう言ったヤツは唇をキュッと、結んで、本当に悔しそうに、悲しそうに涙を流した。
そうか。泣いてくれるか。ワシの親友の死を惜しんでくれるか‥。
「ありがとう‥」
ワシは小さく、本当に小さく呟いて、そこに背を向けた。
聞こえただろうか?いや。聞こえてないほうが、良い。
レジアスが去って、はやては瞑っていた目を開き、合わせていた手を下ろすと、静かに微笑んだ。
それは‥見た者は思わず見蕩れるような、優しい微笑みだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆おまけ◆◆
仕事が終わり、管理局を出た私の目の前にスポーツカーが横付けされる。
窓がゆっくりと開き、そこにはフェイトちゃんが微笑んでいた
「お疲れ様。なのは」
そう言って、ウィンクをひとつくれるフェイトちゃんは今日も格好いい。
助手席に私が乗り込むと、
フェイトちゃんがゆっくり顔を近づけてきた。
近い。近いよ!
それだけで私の鼓動は跳ね上がる。
近くで見ると、フェイトちゃんは本当に綺麗な顔をしてる。すっきり通った鼻筋。長い睫毛。薄いのにプルプルと瑞々しい唇。
顔が熱い。私は思わず見とれてしまった。おかしいよね?女のコ同士なのに。
「動かないで‥」
そう言って、フェイトちゃんは更に顔を寄せて来る。
ふわりと良い薫りが漂う。
私の好きな薫り。
随分前にこの薫りが好きだと言ったら、それからずっとフェイトちゃんのシャンプーはこれだ。
期待しても良いのかな?
フェイトちゃんも私と同じ想いだって‥期待しても良いのかな?ねえ?フェイトちゃん?
「なのは‥?」
「なぁに?フェイトちゃん?」
「そろそろ‥私達‥進まない‥?」
「す、進むって‥?」
「こういう事‥っ!」
「きゃっ」
急に座席シートが倒され、フェイトちゃんにのし掛かられてしまう。
「ふふ‥きゃっ‥だって♪なのは可愛い♪」
私は羞恥で顔が熱くなる。
悲鳴を挙げてしまったのは不覚だった。
「バルディッシュ‥自動運転モード」
《yessir》
え?そんなこと出きるの?
《どちらへ向かいますか?》
バルディッシュの機械的なシステムボイスにフェイトちゃんは時計をチラリと確認すると、事も無げに返事する。
「ご休憩でよろしく♪」
《ya!》
そこから、30分程でクルマはご休憩場所についたらしい。その間、私はずっとフェイトちゃんにのし掛かられて、胸をまさぐられていた。
そして、フェイトちゃんは手慣れた様子で、私を横抱きに抱いて、部屋へと連れて行ってくれた。
スカートの中はケダモノでした。
タターンと、キーボードを叩き終えムフーと、鼻から息を吐く。シャーリーへとメールで送る。と、すぐに返事が返ってきた。
「お疲れ様です。フェイトさんへの熱い想い。頂きました(///ω///)♪ただ、言いにくいのですが、流石に元上司をネタにエロ描くのは抵抗があるので勘弁してくださいm(__)m」
「クロノさんやユーノさんはあまり面識無いので、そんなに抵抗無かったのでいいのですが、ササスガの私でもナマモノはちょっと‥(ヾノ・∀・`)」
シャーリーからの返事を見て、私は‥
「ガッデム!」
キーボードに拳を叩きつけた。
「良いもん。それなら、お姉ちゃんに描いてもらうもん‥」
私は唇を尖らせながら故郷のお姉ちゃんに書いたプロットをメールで送る。お姉ちゃんはシャーリーと、同等の絵師である。すると、お姉ちゃんから返事が来た。
流石神速のお姉ちゃん♪仕事が早いの。私はワクワクしながらメールを開く。
「どうしたの?病院行く?」
書かれていたのは簡素な一文のみ。
「マンマ・ミーア!」
私は頭を抱えて、天井を振り仰いだ。
一人シリアスのメビウスから外れていくなのはさん(笑)ヒーローは遅れて登場するのが世の常だからね。ちかたないね