私が、ある部屋へと向かって歩いていると、目的の部屋の前ではオーリス三佐が立っていた。
「これは、八神二佐‥中将に何か御用ですか?」
「オーリス三佐。レジアス中将にお話ししたい事があるんですが、お取り次ぎお願い出来ますか?」
「お断りします」
「なっ?!」
「中将はお忙しいのです。申し訳ありませんがお引き取りを‥正規の手続きも踏まずに、いきなり来て、中将に会わせろ?‥関西人ならもう少し面白いジョークを飛ばして下さい?」
「非礼はお詫びします」
正規の手続き踏んだって、面会なんかさせないだろうに。なんて考えはおくびにも出さない。
表面上は笑顔を保ちつつ、仕方ない。強硬するかと、言葉を放つ。
「宜しいので?」
「どういう‥意味ですか?」
「こちらは中将の重大な職務違反を掴んでいます」
「それをどうするかをご相談に来たのですが、お忙しいなら仕方ありませんね。こちらは、本局に、提出させて頂きます‥」
「待ちなさい!」
オーリスは
敵意に満ちた目でこちらを睨むと、こちらへと背を向け、どこかへと通信をひらいて、話し出す。
そんな彼女を見て、私はひとつため息をついて、肩をすくめ、壁に背中を預ける。
さて、これからや‥
「お待たせしました。中将がお会いになるそうです‥」
「おや?お忙しいのでは?」
ほくそ笑みながら問い掛ける。
ギリッと歯を食い縛りながら、オーリス女史はまくし立ててくる。
「予想より早く、仕事が終わったのです。中将はは優秀なお方ですから‥」
「そうですね。なんせ、陸の英雄樣ですからね?」
茶化すようなこちらの受け答えに、女史の目は鋭さを増していく。
「それで?中将の職務違反とは?」
探るような問い掛けに、
中将の副官である彼女が知らない筈が無いだろうに。
私はとりあえずはぐらかすことにした。
「事が事ですので、直接お話させて頂きます」
「貴方は‥中将の重要さを‥何もわかっていない!」
「はいぃ?中将の優秀さは、重々承知しておりますよ‥」
「元犯罪者風情にわかるわけないでしょ!あの方は‥あなたが闇の書事件を引き起こしていた時から、自分の身も省みず‥全てを、この地上の平和に注いでこられたんですよ!」
悔しさからか、オーリス女史の目には涙が溢れていた。
だが、はやては動じない。
「公的には、贖罪は済んでおります。今の発言は問題ですよ?オーリス三佐?」
暗に、自分の方が階級が上だと強調することも忘れない。
はやては自分の罪を認め、騎士達と共に、管理局に従事することで、贖罪を終えていた。だが、収監等の実刑を受けたわけではない。その事を快く思われていない事はわかっていた。
はやてが動じず、淡々と言い返してきた事にオーリスは驚きを隠さない。
自分の発言が、問題発言であることは、はやてが上官であることを差し引いても、オーリスにもわかっていた。
いわば、伝家の宝刀を抜いたのだ。いや、抜かされたのだ。自分の本丸に攻めこんできた、この狸を何とか止めようと。
それを難なくいなされたことで、オーリスは気付かされる。はやての覚悟、想いが本物だということに。
フッと軽く息を吐き、オーリスは敬礼する。
「失礼致しました。八神二佐」
「かまへんよ」
はやても敬礼で答える。そして、ニコリと微笑む。
そのどこか憎めない笑顔にオーリスは毒気を抜かれる。
「どうぞ‥」
と、ドアの前から身体をどかし、
入室を薦める。
いよいよだ。
相手は陸の英雄。
一筋縄ではいかんやろなあ。
上手くいったら、ジム君に、美味しい夕食でも作ってもらおう。
それくらいの、御褒美はええやろ?フェイトちゃん。
《(ヾノ・∀・`)ダメー》
すかさず念話を送り込んでくる親友に若干の恐怖を覚え、多少げんなりしながら、ドアをノックした。
オーリス女史で、思ったより、文字数使ってしまった(´д`|||)長くなりそうなので、一度切りますm(__)m