将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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少し遅れました。
理由はヲタ恋、コミがが終わって、生きる気力をロスっていたからです。あまんちゅアドバンも終るし‥何かDVDでも、買おうかなあ‥



嵐の中で輝いて。

春の陽ざしの向こうから、初夏の足音が聞こえてくる暦。

 本日は曇天なり。雨が降っていないのが、不幸中の幸いか。曇り空の雲が凄い勢いで風に流されていくが、いっこうに太陽は顔を出さない。ミッド地上、時空管理局隊舎は季節外れの台風に

見舞われていた。まるで、何かの前触れのように

ガタガタと窓を揺らす風。

太陽さんは厚い雲に覆われ、そのご尊顔すら拝めない。

こんな日でもAmazonさんは、休まず品物を届けてくれる。ありがたい事である。

漸く届いた注文の品を片手に、部屋の外へと出る。フェイトさんも確かオフだった筈である。

フェイトさんの部屋への道すがら魔王とエンカウントした。

管理局はラストダンジョンなの?

逃げるコマンドは無駄なので使わない。

「こんにちはなのはさん」

 

「ああ。ジム君こんにちは♪」

 

「凄い風ですね‥洗濯物とか飛ばされちゃいそうですね‥」

 

「本当だね気をつけないとね」

おや?今一瞬だけ‥なのはさんの目が鋭くなったような‥

だが、今はニコニコしている。

 ‥気のせいか‥

「それでは俺はこれで‥」

 

「うん。バイバイ」

胸の前で小さく手を振る魔王樣。

何事も無く、エンカウントが過ぎ去った事に、小さく胸を撫で下ろしながら、フェイトさんの部屋のドアをノックする。

「あ‥ジム‥どうしたの?」

ドアを開けて確認すると、直ぐに中へと迎え入れてくれるフェイトそん。

「注文してた好きな酒が漸く届いたんで‥御一緒出来ないかなと‥」

と、Amazonそんが届けてくれた品物を掲げる。

 

「へえ‥良いね‥さ。入って入って‥」

 

リビングへと通されると、テーブルの上にはパソコンが起動していた。

「お仕事中だったんですか?」

 

「うん‥もう終るけどね‥」

 

部屋は綺麗に片付いている。

さっき迄掃除していたのか、掃除機がコードに繋がっていた。

「お仕事大変なんですか?」

ソファの角に腰を下しながら、フェイトさんに問い掛ける。

「~♪ううん。平気だよ。最近はジムの例のシステムのお陰で、事務仕事も格段に楽になったからね」

鼻唄交りにキーボードを叩きつつ、否定するフェイトさん。なんか機嫌良いですね。

テンションフェイトッシモだ。

俺が遊びに来たから?なんて思うのは自意識過剰だろうか。

そんなご機嫌なフェイトさんを見ながら、持ってきた袋を開ける。

中から取り出したのはビールだ。ただし普通のビールじゃない。

物音に気付いたのか、フェイトさんが振り返り、

こちらをジト目で睨んでいた。

「わっ‥なぁに?それ‥?」

「ビールですよ」

隠し事が見付かったような子供の気分で、フェイトさんに瓶を掲げて見せる。

「これ‥唐辛子‥?」

ご名答。

そう。俺が持ってきたのは350くらいの瓶ビールに唐辛子を漬け込んだモノ、通称チリビールだ。

「頷きながら、もう一本の蓋を開け、煽る。

「かああ~♪」

ビールの炭酸の後から、唐辛子の辛みが追いかけて来て、喉を焼く。

この感覚が、堪らない。

昔飲み屋で見付けて、興味本位で飲んでからすっかり虜になってしまった。

 

「飲みますか?」

フェイトさんが物欲しそうな瞳で見ていたので、勧めてみる。

瓶を手渡され、フェイトさんは少し顔を赤らめながら‥飲み口をじっと見て、躊躇しているように見えた。

 

あれ?もう酔ってます?

まあ‥初めて飲む人はそうなるかも知れない。

俺も初めはおっかなびっくりだったし‥

すると、意を決したようにフェイトさんは一気に煽った。

ゴキュゴキュと、音をたてて、飲み込んでいく。

「プハッ」

半分程飲んだところで口を放し。息を吸い込むフェイトさん。

さて、感想は?

俺はドキドキしながらフェイトさんの言葉を待つ。

「~~~っ!」

と、フェイトさんはバンバンとこちらを叩いてきた。

お気に召さなかっただろうか‥

「~~っおいっし~~♪」

と、思ったらニコニコしていた。

え?じゃあ何で叩かれたの?

「お気に召しました?」

「うん‥これは新感覚‥喉越しが最高だね‥」

良かった。喜んでもらえたようだ。自分の好きなモノを気に入ってもらえるとうれしい。

「辛さは大丈夫ですか?」

辛いのが苦手な人にはそれなりにツラい品物だと思われる。

「うーん‥ヒリヒリはするけど‥壮快感の方が勝ってる感じ?」

「良かった♪トマトジュースで割っても美味しいんですよ?辛くて飲めないって人にはその飲み方も、おすすめです」

「トマトジュースかあ‥うん。合いそうだね♪」

そう言ってフェイトさんは台所に消える。

程なく、台所から、肉の焼ける香りが、漂ってくる。

流石。これに合うツマミはやっぱり肉だと、思う。

ワクワクしながら、ただ待っているのもあれだったので、

パソコンに向かう。

うん。このくらいなら‥

パチパチと、キーボードを叩く。

 

うし。終わり。

 

元の席へと戻ると、丁度フェイトさんが肉炒めをお皿に盛って、持ってきてくれた。

「なんだか懐かしいですね‥」

 

「うん‥そうかもね‥」

「戴きます」

 

「クスッ召し上がれ‥」

テーブルに置かれると同時に、箸を伸ばす。

行儀?知らない言葉ですね。

フェイトさんも慣れたものて、仕方無いなあといった感じだ。好みの、味付けに

お酒も、すすむすすむ。

「うーん‥相変わらず美味しいですね~♪」

 

「そう?ありがとう♪」

 

「毎日食いたいです!」

 

そんな言葉を発した瞬間、空気が止まった。

なんぞ?と、フェイトさんを見ると、顔を真赤にして、目を泳がせていた。

 

「‥毎日‥作って‥あげようか‥?」

 

「それって‥?」

 

フェイトさんの言葉に俺が意味を尋ねると、

 

「ねえ‥?そっち‥行って良い‥?」

 

と、返してきた。

そっち?

どっち?

そりゃここはフェイトさんの部屋ですしおすし。

フェイトさんが行ってはダメな場所なんて、ありませんよ?

俺が頷き返すと、

フェイトさんはギュッと、瓶を両手で握ると、

ゆっくりと此方へ近付いてきた。

そして、

―俺の膝に腰をおろした。

良い匂い。

え?なんぞ?

そしてゆっくり、膝の上で身体を回転させて、俺の胸へと、顔を預けた。

良い匂い。

何事?

殿中でござる。

フェイトさんの顔が近い。

「ジム‥凄い、ドキドキしてる‥」

やめて。報告しないで。言わなくても、自分が1番わかってますから!

胸に顔埋められたらそりゃわかりますよね。

誤魔化しようがないです。

 

「よ、酔ってますんで!」

 

「ジム‥凄く、顔赤いよ‥?」

 

わかってますとも。さっきから、すっごい顔熱いですもん。

 

「よ、酔ってますんで!」

 

フェイトさんが喋る度に、熱い吐息がクビに掛かって、ぼかぁ‥ぼかぁ‥もう‥

そして何よりも、俺の胸に押し付けられる、双丘の感触が‥!

「ジム‥?なんか‥当たって‥あっ‥」

やめて。報告しないで。後生ですから。

しかも、なんで最後のあっ‥て、ちょっと嬉しそうなんですか?

フェイトさんは悪戯を見つけた、お姉さんのように、悪戯っぽく微笑みながら、こちらを見つめてくる。その瞳はどこか、女の色気を孕んでいて、二人の間に妙な雰囲気が、流れる。

俺は吸い込まれそうな目線を何とかはがし、

ふと、窓の外を見る。

と、そこには、風に靡いている、黒光りするダイアモンド‥いや、黒の下着が見えた。

えっ?何でこんな日に外に干してるんですか?

風に煽られた下着を固定しているハサミのひとつが外れ下着を繋ぎ止めているのが、残り一つになるのが見えた。

「危ない!」

 

「えっ?」

 

「洗濯物が‥!」

俺はとりあえずフェイトさんを下し、洗濯物を保護しに向かう。

フェイトさんも俺の意図を、察し、後ろからついてくる。

そして、俺が窓を開けると同時に、無情にも、最後のはさみが外れた。

俺の目の前で風に飛ばされていく、下着達。

―そんな‥俺のお宝が‥!

慌てて、手を伸ばすが当然届かない。

嫌だ。諦めたくない。嵐の中でも黒く光る。その、宝石のような、お宝を、夢を‥俺は諦めたくない。

必死に伸ばした手の先を白い影が通りすぎた。

その影は俺のお宝を掴むと、ゆっくり此方を向いた。

ていうか魔王だった。

「なの‥は‥?」

フェイトさんが呆然と呟く。

「罠だったかー!?」

と、なのはさんが、ガビーン!という効果音でも付きそうな顔で叫んだ。

「「何がっ!?」」

俺とフェイトさんのツッコミが重なる。

「とりあえず、それ‥返してくれる?」

フェイトさんが冷静になのはさんが今も掴んで離さない下着を指して、言う。

 

「だが断る」

 

「ちょっ?!なのはっ!?」

 

「これは風に飛ばされた所をなのはが救ったの。

 

即ち、なのはの、物なの」

 

「いや、その理屈はおかしい」

 

魔王の暴論にフェイトさんも冷静に返す。流石魔王との付き合いが、長いだけある。

 

「そうです‥それは俺のモノです」

 

「ジムも何言ってるの?」

 

フェイトさんの冷ややかな目が俺にも突き刺さる。

超気持ち良い。

なのはさんは黙って下着を懐に入れる。

「ちょっ‥そんな‥男子が、軽々しく、探れない場所に‥!」

返す気はあくまでもない。ということか。

 

そして、なのはさんはゆっくりと右拳を握る。

 

―来るっ!

 

「そぉい!」

 

なのはさんのスリークォーターからの、スマッシュを俺はぎりぎりでかわす。

なのはさんはゆっくりと拳を戻すと、此方に背を向けて、ベランダの縁に飛び乗る。

そして、こちらをチラリと振り返り、

「ねだるな。勝ち取れ‥!」

と、宣うのだった。

「上等です‥師匠!」

お互いの宣戦布告が済み、なのはさんはフッと小さく笑うと、飛び立った。

こうして、何処までも下らない闘いが、幕を、開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ウチのなのはさんはいつも壊れてしまうなあ。
なのはさんヒロイン物もいつか書きたいんだけどなあ‥可愛いなのはさんがなかなか書けない(´д`|||)
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