見たら、もう52話とは‥(´д`|||)ツークール分やって‥予定より話が進んでない‥(´д`|||)
あ、少し遅れてすみませんm(__)m
俺は再びクロノ提督と対峙していた。
話があるということで、フェイトさんと別室に連れられて、テーブルを挟んで向いあっていた。
な、何の話だろう‥やはりフェイトさんと別れろ。とかそういう類いだろうか?
俺は緊張を誤魔化す為に、エイミィさんが運んできてくれた緑茶に手を着ける。
ひと口含んだ瞬間、口に広がる緑茶の渋み‥いや、暴力的な甘味に思わず吹き出す。
「ブハッ!」
「だ、大丈夫か‥?」
「し、失礼しました‥ゲホっ!ゲホっ!」
俺は慌てて、テーブルに飛び散った緑茶の残滓を拭き取る。
口の中が気持ち悪い‥。
「エイミィ!」
「はーい?」
「母さんに茶を淹れさせるなと言っただろう?直ぐに何か新しい飲み物を‥」
「はーい」
そうか‥これがリンディ茶‥忘れていたよ‥
そんなモノがありましたね‥。
これは京都で言うぶぶ漬けのようなもの‥。
やはりハラオウン家の俺に対する好感度は最悪のようだ‥当たり前といえば当たり前の事実に俺は泣きたくなる。
「お待ちどー♪」
と、エイミィさんが新しい飲み物を運んできてくれた‥。
恐る恐るそのコーヒーに口を付ける。
程好い苦味と酸味が口内をリセットしてくれる。
俺が持ち直したのを見て、クロノ提督が口を開く。
「さて‥本題といこう」
「はい」
俺も姿勢を正して、聞く姿勢を取る。
「結論から言おう。今の君には‥フェイトはやれん‥」
‥やはり‥か。
当然だろう‥
だが、今の君には‥ということは‥まだ道はあるということだ。
「ではどうしたら‥認めて頂けますか‥?」
俺は意志と決意を込めて、クロノ提督を見つめる。
クロノ提督はゆっくりと頷くと、
「尉官迄出世してくれ」
返された言葉に俺は言葉を失う。
尉官‥尉官だって‥?
余りに無茶振り過ぎませんかね‥。
えっと‥俺は今‥?一士か‥。
先ずは曹にならないとか‥
戦時中でもない平和な今の時代。
昇進機会なぞ殆んど無いと考えて良いだろう。
なのはさんとフェイトさん、そしてはやてさんは
特殊過ぎる例ですからね?
でもそれ以外道が無いならやるしかない。
「わかりました」
俺の答えにクロノ提督は少し意外そうな顔をする。
「頼もしいな‥困難な道だと言うことも解ってるだろうに‥」
「はい!惚れた弱みですから‥仕方ありません‥」
「フッ‥違いない‥男はこういうとき頑張るしかないもんな‥」
「はい!」
俺とクロノ提督との、間に奇妙なシンパシーが産まれたところで、お互いに微笑み合う。
なんだろう。クロノ提督も色々苦労してらっしゃるのだろうか?
その内飲みにでも行きたいものだ。
「餞別として‥とりあえず二曹に推しておいた。
近々試験を受けてくれ‥」
三曹飛ばして二曹スタートは有り難い。
「ハッ!恐縮であります!」
俺は敬礼で応えると、クロノ提督は苦笑いしながら、言葉を続ける。
「君が海所属なら話はもっと簡単だったんだがな‥陸の人事には私も、そこまで関われない‥かといって、君みたいな優秀な人材を海に引き抜くと、色々問題もあってな‥」
「いえ!勿体無いお言葉とお心尽くしに感謝致します!」
そうか‥海を選んでいたら良かったのか‥。
海だと違う次元世界を渡り歩くから、フェイトさんにあんま会えないかもと思って、軽い気持ちで、陸にしたんだよな‥選んだ時はまだ空も飛べなかったし‥
後悔してる場合じゃない。試験に向けて勉強しないと‥!
えっと‥六課だと‥曹は‥ヴァイスさんか‥教えてくれるかな‥?
人懐っこい兄貴分の顔を思い浮かべる。
「さて‥あんまり君を捕まえていると、フェイトに怒られてしまうな‥名残り惜しいが‥駐車場でフェイトが待ってる‥行ってやってくれ‥」
「ハッ!それでは失礼致します」
「しっかりな‥。今度飲みにでも行こう‥」
鷹揚に頷きながら、そんな事を言ってくれるクロノ提督は紛れもなく兄の顔をしていた。
激励が何より有り難い。
「是非に!機会を楽しみにしております!」
俺は何度も頭を下げた。
敬意や礼儀関係無しに、下げたかったのだ。
足早に部屋をお暇し、駐車場へと歩を進める。
早くフェイトさんに会いたかった。
思えば先程、俺の気持ちは知られてしまったのだ。
それに対するフェイトさんのリアクションは解らず仕舞である。
拒絶されるかもしれない。
そんな恐怖心も少なからずある。
拒絶されたらされたで仕方ない。
その時は黙って身を引こう。
無いと思いたいが‥。
駐車場のドアを開くと、厳ついスポーツカーにお尻を預けているフェイトさんが目に入る。
フェイトさんは跳ねたように顔を此方に向ける。
その顔は不安で染まっていて‥。
次の瞬間、俺は抱き締められていた。
‥見えなかった‥だと‥。
「ジム‥ジム‥」
フェイトさんに思いきり抱きすくめられ‥息が出来ない。
うわ言のように、俺の名前を呼び続けるフェイトさんを慰めるようにそろそろと、俺もフェイトさんの背中に腕を回し、抱き締める。
すると顔に感じる、鼓動がどんどん早くなる。
なにこれ‥スゴい柔らかい‥。これってもしかして‥
俺は息をするのも忘れて、更に顔を埋めていく。
「落ち着きました?」
俺は恐る恐る声を掛ける。
「うん‥」
スンスン言いながら、
フェイトさんが腕を弱める。
「あの‥もしかして‥ノーブラ‥ですか‥?」
次の瞬間、俺はバルディッシュで殴り倒されていた。
「なんで‥そういうこと言うかなっ!」
俺は痛む頭を擦りながら、フェイトさんを見上げる。
ノーブラだと、思うと、Tシャツがなんか余計にエロく見えるな‥
‥殺気?!
俺が危険を察知してその場から跳び立つと、先程迄俺が居た場所にバルディッシュが叩きつけられる。
「何するんですか?!」
「視線がエロい!」
直ぐ様フェイトさんはバルディッシュをサイズフォームにして、追撃してくる。
それを何とかいなしながら、叫び返す。
「仕方ないでしょ!男なんですから!」
「エッチなのは‥っ!いけないと思いますっ‥!」
フェイトさんがバルディッシュを横に振りかぶる。
ここだっ!
俺は振り払われるバルディッシュに向かって、拳を叩きつける。
甲高い金属音と共に、起こる反動を利用して、距離を取る。
お互い肩で息をしながら、にらみ合う。
すると、ふとフェイトさんが視線を外し、ボソッと呟いた。
「時と場所とタイミングさえ選んでくれたら‥少しくらいは大目に見てあげるから‥」
そう言ったフェイトさんは真赤だった。
「お、大目に‥?」
俺はゴクリと咽を鳴らしてしまう。
時と場所‥そう言えば、今ここは‥
ふと、俺が周りを見渡すと、二つの視線を見つけた。
「ありゃ‥みつかっちった‥」
「あ‥私達は気にしないでどうぞ続きを‥」
というかアルフさんとエイミィさんだった。
「「出きるかっ!?」」
俺とフェイトさんの叫びがハモる。
その後フェイトさんは神速で車に乗り込み、発車させると、俺の目の前に付ける。
そして俺達は先程迄の言い合い等無かったように、流れるようなコンビネーションで車を発進させ、ハラオウン家を後にするのだった。
「ちぇ~っ良いとこだったのになあ‥」
「あれはもうカウントダウンだね‥」
と、そんな様子を見て、呟いた二つの影を残して。
◆◆◆
私は駐車場でジムを待っていた。
さっき迄、リンディ母さんに言われて、クロノとジムの会話を部屋の外で聞いていて、
「フェイトさんを僕に下さい!」
ジムがクロノに叫んだ言葉を聞いて、私はすっかり参ってしまった。
ジムの言う男女になりたいとはそういう意味だったのだ。
私は今迄の自分の思考が恥ずかしくなってしまって。
その後、リンディ母さんから、彼の覚悟を確かめたいと言われ、私はまた部屋の外で待機。
リンディ母さんが確かめたい覚悟とは‥聞いてみれば成る程だった。
それは私の過去。後にプレシア事件と呼ばれるそれに私は関わっていた。
色々な事情を鑑みて、私には無罪の温情判決が、出されたが、それでも今も、まだ陰口を叩かれることはある。悲しくはあるが、それでも私はその事実を受け入れている。だって私がそれを否定してしまったら、次元の狭間に飲まれて消えた母さんが可哀相な気がして、
だから、それが例え謂われの無い謗りであろうと、私はそれと共に生きていくと決めたのだ。
だがそれは私の事情である。ジムには関係無いのだ。もし私のせいでジムがそんな謗りを受けるようなら‥それを恐れてジムが離れる事を選択するなら‥私はそれを否定できない。
願わくば、一緒に居て欲しい。
あの暖かい食卓と、笑顔を失いたくない。
私は祈るような気持ちで耳を澄まし続けた。
「震える足でドアに寄り掛かりながら、その時は訪れた。
「フェイトさんと一緒にいられるのなら、如何様にも!」
私はその言葉を聞いて、顔を手で覆ってしまう。
後から後から、涙が溢れて止まらない。
嬉しかった。
なのはのリボンを貰った時と同じ位嬉しかったのだ。
直ぐにでも叫び出したかった。
心が叫びたがってるのだ。
私は嗚咽をこらえてその場に座りこむ。
そんな私を優しく抱き締める者がいた。
「良かったな‥良かったなフェイト‥」
涙で顔をくしゃくしゃにしたアルフだった。
アルフに促され、私はその場を後にする。
私も涙で顔がぐしゃぐしゃなので洗面所に行きたかったのだ。
洗面所で顔を洗い、お化粧を整えて、
私は駐車場へと行くように促される。
道すがら、私は懸念をアルフに聞いてみる。
「アルフ‥」
「どうした?フェイト‥」
アルフは優しく微笑んでくれる。
「ジムの希望は解ったけど、じゃあもう私は‥ジムに甘えちゃ駄目なのかな‥?」
「は?」
アルフは心底わからないといった感じで聞き返す。
だって、姉弟じゃ無くなるのなら、
私のお姉ちゃんだから何しても良い理論はどうなるの?
ジムに甘えるの楽しかったんだけどな‥
「別に良いだろ?甘えたって‥」
「そう‥なのかな?」
「普通の恋人だって女は男に甘えるもんだろ?」
「ならフェイトがどうしたいかじゃないか?」
「私がどうしたい‥?」
「ああ。フェイトはジム坊と姉弟でいたいのか?恋人になりたいのか?」
「恋‥人‥解らないよ‥恋人なんて‥いた事‥無いもん‥」
「全くフェイトは可愛いねえ‥」
と、アルフが急に私を抱き締めて頭を撫でる。
「ならさ‥とりあえずは‥ジム坊の希望を叶えてやれば?そんで‥フェイト自身の希望も、叶えりゃ良いだろ?」
「私の希望も、叶える?」
「ああ‥だって別にお互いの希望が相反しているわけでもないんだからさ、悩む必要ないだろ?」
そっか‥。アルフは賢いなあ‥。
「とりあえずぶつけてみなよ?遠慮なんてせずに、友達みたいにさ、フェイトの素をぶつけてみなよ‥」
うん。アルフ‥ありがとう。
そうだね。例え、姉弟じゃなくても、ジムには甘えよう。でも‥否定されたら‥
すると、ネガティブな意識が私を支配する。
もし、ジムがしっかりしたお姉さんタイプが好きだったら‥甘えたら、幻滅されてしまうかもしれない‥。
そんな不安な気持ちに、押し潰されそうになりながら、私はジムを待っていた。
読んでいただいた貴方に感謝を。m(__)m話が進まん(´д`|||)