「風が騒がしいですね‥でも‥この風‥泣いています‥」
ポツリと、窓の外を眺めながら呟いたギンガさんにツッコミを入れたくて堪らない。
まあ絶賛土下座中の俺には望むべくもないことだが。
俺を土下座させている帳本人のお方の顔をチラリと、盗み見ると、これでもかというくらいまでにほっぺを膨らませて、私、不機嫌です。アピールをしていた。
なんとも可愛らしい。嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい‥ゲフンゲフン。いかん。なんか、混線してる‥。
そんな俺が一瞬和んだ雰囲気が察知されたのか、
床に擦り付けている頭のすぐ横にバルディッシュが叩きつけられる。
ヒヤヒヤしながら、バルディッシュを眺めていると、スッとバルディッシュが退かれた。
「ちゃんと反省しているのかな?かな?」
あっ‥フェイトそんの言葉から「‥」が消えてる‥
これ‥ヤバいヤツや‥。
「反省と言われましても‥勉強を教えて頂いてただけで‥」
「してなかったよね?」
即座に否定されてしまう。
「部屋に連れ込んで?二人で楽しそうにおしゃべりして?」
全部事実である。
「ギンガ?」
何も反論出来ない俺にあきらめたのか、今度はギンガさんに問い掛けるフェイトさん。
「ひゃいっ?!」
「ウチの‥いや、私のジムが迷惑掛けてごめんね?」
何で言い直したんですかね。
「いえいえ‥殿方の御部屋に、《二人っきり》というのは、私も初めてでしたので、貴重で、とても楽しい経験をさせて頂きました‥」
「それにジムさんにはスバルがいつも、お世話になっているようですし‥可愛い後輩に《私が》《頼られる》のは嬉しかったですよ?」
何で所所単語を強調させるんですかね。
それを聞いたフェイトさんもこれにはにっこり。とはいかず、余計に威圧感がマシマシで「‥そう‥」
と、再び呟いた。
これは確かに風が騒がしいわ‥。俺の部屋限定で、でも‥俺が泣きそうだわ。
「やれやれ‥ジム兄は本当に仕方無いなあ‥」
そんな俺をキャロがヨシヨシと慰めてくれる‥。
やっぱりキャロは天使だった‥。
空の上から愛の種を撒き散らして、この部屋から憎しみ消したかった‥。
「それはそれとして‥人の恥ずかしいエピソードを勝手に他人に話すのはどうかなぁ‥かなぁ?!」
と、優しく撫でられていた手に、突如力が籠り、言葉にも不穏なオーラが乗せられる。
天使がご乱心!?
「イタイイタイ!いや、アツい?!キャロちゃん?あんまり強く頭皮擦らないで?!お兄ちゃんハゲちゃう?!ハゲちゃうから?!」
スクラッチばりにゴシゴシ擦るキャロの手を掴み、何とか止める。
「節操の無いジム兄なんて‥ハゲちゃえば良いんだ‥」
プイっと、拗ねたように唇をとがらせて、顔を剃らすキャロちゃん可愛い。
「おやおや?ヤキモチかな?キャロは本当に可愛いなあ‥」
「は?はぁ?そんな可愛いなんて言葉じゃ誤魔化されないんだからねっ?!」
その割りに口角緩みまくってるけど‥。
「全く‥妹迄口説き始めるなんて‥ジム兄はあれなの?清竜人でも目指してるの?龍座だけに‥」
と、ドヤ顔でそんなことを宣うキャロちゃん。だれうま。
一瞬、脳内で、フェイトさんや なのはさんと はやてさんの三人娘が、スケベコールをしてる姿が思い浮かんだ‥。
‥‥良い‥!
「‥なに‥ニヤニヤしてるの?気持ち悪い‥」
「うぇっ!?してないよ!?想像して‥ニヤニヤなんかしてねーし!」
「‥へえ‥?想像してニヤニヤしてたんだ‥?」
おうふ。キャロちゃんの視線の温度がみるみる下がっていく。
オーロラエクスキューションかな?
「いや、上手い事言ってやった‥みたいなドヤ顔してるキャロが可愛いくて‥」
「うっさい!」
ピアキャロッ?!」
問答無用とばかりに殴り倒される。
殴り倒されるときにふと見ると、
こちらを羨ましそうに見ている、ギンガさんと、目が合った。
ふふん。妹と触れ合っている俺が羨ましいのだろう。
わかるよ。その気持ち。今の俺‥超‥リア充やもん‥。
おもいっくそ勝ち誇った笑顔を浮かべてやった。
その瞬間、ギリイッと音がしそうなほど歯を食い縛り、悔しそうな顔をされた。
やり過ぎたかな‥等と、後悔の波が押し寄せる前に、俺は意識を手放した。
キャロちゃんったら‥また強くなったのね‥。
◆◆
私とエリオはフェイト姉に呼び出され、自習室でミーティングをしていた。
話題はジム兄が曹への昇級試験を間近に控えているということ。フェイト姉は試験の中に分隊教練が有ること。
なので、私達でジム兄の練習に付き合う事を提案してきたのだ。
そんなの勿論光の早さで可決である。
だが、私には心配事があった‥。
それはもちろんジム兄の事だ。
最近ジム兄とフェイト姉の距離が近付いている。
フェイト姉は良い人だ。
‥おっぱい以外は‥。
おっぱい以外は私も素直に慕っているのは認める。
だけどね‥。こちとら、ジム兄を追いかけて、転生してきている身なんですよ?
ハイそうですか。と譲る程、私は諦め良くないのです。
何よりこのまま、すんなりくっつかれるのは非常に口惜しい。
―だから、私は意地悪をすることにした。
話が終わり、自習室から解散となり、エリオが退室してから、フェイト姉に近付き、耳打ちする。
「‥フェイト姉‥最近ジム兄と上手くいっているんでしょ?」
「ヴェッ!?」
と、奇声を上げて、フェイト姉は真赤になり固まる。
この人、成人してるんだよね?ちょっと初心過ぎない?
おまけになんかバツの悪い顔してる。
キッと私に悪い‥とか、思っているんだろう。
とりあえず今は味方に思わせておいた方が都合が良いかな‥?
「応援してるからね♪愚兄をよろしくお願いいたします‥」
すると、フェイト姉はポロポロと涙を溢し始めた。
‥うん‥ありがとう‥キャロ‥」
底抜けに良い人。
ジム兄の事が無ければ、大好きだよ‥フェイト姉‥。
「そういえばね‥この間、雑誌で見たんだけど‥今は面白い女の人が人気らしいよ?」
「尾も白い‥?私尻尾ないけど‥」
私はゴミを見る目を慌てて封印し、言葉を放つ。
「フェイト姉‥寒いよ?」
「えっ!?はやて直伝のこの、ジョーク‥ダメ?」
「‥0点」
「ガーン‥」
ショックを受けるフェイト姉を無視して、私も自習室を出る。
と、スバルさんが走って近寄ってきた。
聞けば、ギンガさんがジム兄の部屋に遊びに行ったらしい。
ギンガさんか‥。
大和撫子風‥◎
お姉ちゃんキャラ‥◎
巨乳‥チッ‥◎
あれ‥?結構ジム兄の好みに合致してる?
これはあかん。思わぬ伏兵の登場である。
私は自習室からフラフラと出てきた、フェイト姉を早速捕まえ、ジム兄が部屋にギンガさんを連れ込んだという情報を教えた。そして、現在、私とフェイト姉はジム兄の部屋の前で聞き耳を立てていた。
中からは愉しげな談笑が聞こえてくる。
どうやら、お互いの妹自慢をしているようだが‥。
何故私の悩殺ポージング練習の事を知っているのか‥小一時間‥(ry
それよかフェイト姉の冷気がヤバイ。
さっきの面白い女性が人気らしいというジャブがタイムリーにジワジワ効いているようだ。
ブツブツと、ナニか呟いている。
「ジム‥うわ‥き‥ゆる‥さない‥面白い‥?面白いってナニ‥?‥わからない‥ワカラナイ‥ジムはオモシロイ女がスキ?ウソ‥ウソ‥ウソダドンドコドン」
怖いからやめていただきたい。
そうこうしているうちに、ジム兄がこちらに気づいたので、フェイト姉と中に突入することにした。
上手くいけば、ここで仲違い‥。
フヒッ。
先ずは、ジム兄に謝らせない事。
ジム兄はこういう場面では、先ず間違いなく謝る可能性が高い。自分が悪くなくても、先ずは謝るのだ。人の良いフェイト姉はそんなジム兄を許すだろう。
そうはさせない。
謝らせない事で、二人の間に楔を、穿つのだ。
‥てか、既に土下座してるんだけど‥。
早いよ!予想はしてたけど!
案の上フェイト姉はたじろいでいる。
させるかっ!俗物が!
秘技土下座キャンセル!有耶無耶!
「―仕方が無いなあ‥」
すると、ジム兄は此方をキラキラして目で見てくる。
天使。とかとでも思ってるんだろう。
ちょろい。
楔を穿つと、同時に私の好感度も上げてみせる‥私は天才なんじゃないだろうか‥。フフ怖フフ怖♪伊達になのはさんに鍛えられていない。
ジム兄に撫でられ、つい口角が弛んでしまう。
おっといけない。
フェイト姉が此方を羨ましそうにみている。
このままだとフェイト姉の不興を買ってしまうかもしれない。
それは得策ではない。それに、ジム兄にちょろい女と思われるのも、シャクだしね。
私は照れ隠しに、ジム兄の頭皮をDBスクラッチくじ張りに、擦る。
「―龍座だけに‥」
最後にジョークも忘れない。
勘違いしてほしくないのだが、私は決してフェイト姉にはウソは教えていないのだ。
面白い女性が人気という記事は実際に、読んだものだし、ジム兄は面白い女性が好きだと思う。
ドヤ顔を突っ込まれたのは、恥ずかしくて、照れ隠しについ殴り倒してしまったが。
当初の、目的通り、ジム兄には謝らせずに、有耶無耶にするという目的は果たせたので、良しである。
分隊教練の中には、3on3の模擬戦もあるらしいので、ちょっとエリオを鍛えておこう♪
私は本当に出来た妹である。
読んでいただきありがとうございます。
清竜人知ってる方いるかな?(笑)
一夫多妻制という、新しい形の三次アイドルです。
何より曲が格好いいので、知らない方は是非ググって欲しいですm(__)m実際スケベコールをなのは達三人組で妄想出来た人は作中のジム同様、ニヤニヤ必至だと、思います。
妄想は一人の時にね♪
私は散歩中にニヤニヤしてました‥orz
では、また来週ノシ