将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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またやってしもうた。
一話にまとめきれない己の未熟さよ‥。
読みにくくて読者樣には申し訳ありませんが、
多分4つくらいになります。
このシーンが終る迄はなるたけ間を開けずに
投稿する所存。お付き合いくださいませ。


ある兄の試練。①

天高く、馬肥ゆる秋。

そんな言葉通り、空も高く見える程、澄みきり、晴れ渡った快晴。爽やかな空気を肺一杯に吸い込みつつ、俺は試験会場の扉を開けた。

中には俺の他にも数名の受検者。

他の受検者に比べ、一回り程度歳若い俺の姿に

好奇の視線が刺さるが取り合わず、黙々と自分の席を探す。

先ずは、筆記前半戦。国、数、英、社等の基本教科。

その後、法務や、専門的な智識に入る。

特に問題も無く筆を走らせ、

概ね問題無く解けたという、安心感、達成感に

頬も緩む。

 そして昼休憩となる。

お昼を食べたら、体力テスト及び、分隊共練の基本動作テストだ。

食堂のおばちゃんにカツ丼ダブルという激励を頂き、午後に挑む。

 体力テストと基本動作は問題無くクリアー。

夕日が沈み出した頃‥次の模擬戦の場所へ向かうよう告げられた。

模擬戦はチーム戦ということで、

予め、申請しておいたメンバーで挑める。

勿論、申請出来るメンバーの階級には制限があるが。

俺はキャロとエリオに頼んでいる。信頼、チームワーク。実力面でこれ以上ない編制で頼もしい。

二人と合流して、所定の場所にて、指示を待つ。

 

「はーい。ちゅうも~くなのですよ~♪」

 

ホロウィンドウにまるで少女のような可愛らしさをまだ残した銀髪の甘ったるい声の美少女が映し出された。

身体のサイズも相まって、より若く見えるその少女。

だがこれでも上官である。俺達は姿勢を正し、敬礼を取る。

「俺達の一糸乱れぬ敬礼を見て、ツヴァイ曹長はウンウンと頷くと、続けてその可愛らしい声を幾分張って発した。

 

「それではこれより、ジム=ニー一等陸士の二等陸曹への昇級試験‥模擬戦を行います!」

 

「ハッ!お願い致します!」

 

「尚、今回の模擬戦は防衛戦を想定して行います!」

 

 防衛戦‥?

 

「人数は3on3‥指定されたエリアにおいて、特定のエリアに敵を進入させないこと!時間は30分!30分間持ちこたえられれば、クリアーです!」

 30分か‥結構長いな‥。相手は誰だ‥?

 

「そちらのメンバーはジム=ニー、キャロ=ル・ルシエ、エリオ=モンディアル、の3名で間違い無いですね?」

「はい!間違いありません!」

 

 曹長の問いに叫ぶように答える。

 

「では、お待ちかね‥仮想敵の発表をします」

 

「‥えっ!?‥どういう事ですか‥?」

 

だ‥誰だ‥?

資料を片手に急に顔面蒼白になったツヴァイ曹長に不安を煽られる。

流石に最強メンバーは無いと思いたいが、

この慌てよう、まさか、あり得るのか‥?

「高町なのは一尉、スバル=ナカジマ二士、ティアナ=ランスター二士、ギンガ=ナカジマ陸曹の以上4名です!」

 スターズかー‥。いやいやいやっ?!4名?4名って言った?

 魔王もいるスターズに更にギンガさん+1?

紹介と共に、なのはさん達の顔がそれぞれウィンドウで映し出される。

なのはさんは若干‥いや、結構キレている。

スバルさんとギンガさんは気不味そうな顔をしている。ティアナさんも多少気が乗らなそうだ。

「先輩方、今回は胸をお借りします。どうか‥本気で‥!よろしくお願いいたします!」

 

俺の宣言になのはさんは一瞬目を見開き、ようやく笑顔を見せた。

 

「上等‥!」

 

「オッケー!手は抜かないからね‥ジム坊!」

 

「妹に良い所を魅せるのは私です!ギタギタにして差し上げます!」

 

「キャー!ギン姉カッコイー!」

 

「ふん‥っ生意気‥」

 

 

「質問はありますですか?」

 

「撃墜判定等は通常の模擬戦と同じく、モニタリングによるHP依存でしょうか?」

 

「その通りなのですよー♪」

 

「では今から30分の猶予を与えます。その間に作戦会議しといてくださいね♪」

 

「あの‥防衛エリアの情報等は‥無いのでしょうか‥?」

場所の情報も無しに、作戦もなにもないのだが。

 

「うーん‥そうですね‥」

 

 俺の質問に迷ったように固まる曹長。

 

「良いよ‥」

 

と、なのはさんが一言漏らすと

 

「‥っ‥コホン‥んっ‥んんっ‥!通常は無いのですが、今回は何故‥か!4対3ということなので、後でデータを送りますですよ!」

 なるほど。

若干プンスカしているところから、今回の件がツヴァイ曹長にとっても想定外であり、許せない事であることが伺える。そしてなのはさんが情報ありでも良いと、許可をくれたのだろう。

 その小さな肩をいからせて、ワナワナしているツヴァイ曹長にこれ以上問い詰める事は出来なかった。

 そして次の瞬間。俺達は大きめの岩が立ち並ぶエリアに立っていた。

岩はとても巨大で、空の上迄届いていそうだ。

そんな岩の壁を見ながら‥俺はボーッと考えていた。

 どういうことなのだ。

 4対3ておかしくね?

 なんで大切な試験でこんな嫌がらせみたいな事されてるのん。

さっきはちょっとこいちゃって、本気で来いみたいな事言っちゃったけど、

大丈夫だよね?みんな良い大人なんだから、

言葉通りに取られてないよね?

なのはさんの笑顔が思い出される。

‥あ‥。あの人絶対わかってないわ。

‥元々、曹を目指してるのは成行きである。

偉くなってナニがしたいとかもない‥いや、ナニはしたいけど。

どこぞのシスコンにフェイトさんを貰う条件として、言われただけ。

そのひとつだけで、動機は品切れである。

ユーは何しにニッポンへの外人達の方がよっぽど動機は多い。

 そうか‥。

‥あの真っ黒クロスケの仕業だな‥。

だってこんな嫌がらせ、よっぽど上の人間でないと出来ないもの。

 シスコン拗らせて、邪魔しにきたわけだ。

‥なんてやつだ‥。

俺は負けない!負けてやるもんか!

キャロ、エリオ‥すまない。

兄ちゃん、いたく身勝手な理由でお前達を死地に付き合わせるわ。腑甲斐無い兄を許しておくれ‥。

さて、なのはさんをどうするか‥。

俺は脳内で対なのはさんシミュレーションを開始する。

 

 

 

 

 

 

それから間もなく、メールが着信する。

‥エリアの情報が来たようだ。

 

 

「うし‥作戦会議といこうか」

 

「うん(はいっ)」

 

エリオとキャロを引き連れて、少し拓けた場所に腰を下ろす。

先程着信したエリアのデータを空間に映し出し、

レーザーポインタでエリアマップを指し示しながら、話していく。

 

「このエリアへの進入を防ぐ訳だな‥この岩に挟まれた狭い通路しか道は無く、岩の部分は、進入不可エリア、と‥相手の進入経路が絞られてるのはありがたいな‥その分、駆引き最低限でぶつからないといけないわけだ‥」

 

「ジム兄はどう考えてるの?」

 

「‥1番怖いのはやはりなのはさんだな‥でも、やりようはある。

 

「というと?」

 

「この三人での3対1の状況を作り出す事だな‥」

 

「二人とも強くなってるし‥三人がかりなら多分倒せる‥!」

 

「ジム兄さん‥っ!」

 

「でも‥総力戦‥数‥力押しできたら?」

 

「それは多分ないかな‥」

 

「何で?」

 

「今回の防衛戦、このエリアへの進入を防ぐ訳だけど‥見ての通り、進入経路である路地が狭い。こんな狭い場所に四人で来たら、なのはさんやティアナさんの良い所を消すだけだ‥」

 

「つまり?」

 

「今回序盤はなのはさんはお留守番で固定砲台の可能性が高い。」俺達三人含め、あっちも、ティアナさん以外はインファイターだしな。

そんなメンバーが狭い場所でぶつかりあったら、

射撃掩護は邪魔にしかならない。

それに狭い場所でのぶつかり合いなら、インファイターの数が多いこちらのほうが有利だ。

 

「よって向こうも数任せの力押しはメリットよりもデメリットのほうが多い」

 

「小数でのチーム戦は一人の価値が大きいしな‥多分お互い、いのちだいじにで牽制だろうな‥でも、人数の拮抗が崩れたら、一気に押し切られる‥」

 

「じゃあどうするの?」

 

「どうするかって?確実で安全な方法を取るんだよ」

 

「先ずは向こうの編成を見てみよう。予想されるのは、ティアナさんをこの路地の入り口で待機させて、掩護要員。突入はスバルさんと、ギンガさんの突破力姉妹コンビ‥ってとこだろうティアナさんはお得意のシルエットで攪乱、陽動位は仕掛けてくるかもしれないが‥それは射撃魔法で落ち着いて対応しよう。キャロ?頼む」

 

「アイアイサー」

 

と、軽い調子で笑顔で敬礼を返す妹が頼もしい。

その後もキャロとエリオの質問にひとつずつ解りやすく答えていった。

 

 

 

 

少しずつ、キャロ達のの目にも、理解の色が浮かぶ。

 

「さて、安全に確実に数を減らしたい‥どうする?」

 

「それこそ数で押せば‥?」

 

「いや、3対1なら兎も角、3対2だと、まだ少し危険だ‥」

 

「どういう事?」

 

「3対2は確かにこちらが優勢だ‥時間をかければ、安全に仕留められると思う‥でも、相手にしてみたらどうだ?時間をかければ、確実に戦力を削られる‥黙ってさせると思うか?俺達はなのはさんを倒さなければいけない‥それには三人とも無事に残る必要があるんだ‥戦闘場所によっては、ティアナさんの本領が出てくるしな。窮鼠に噛まれるわけにはいかない。だからもう一捻りしよう

 

「一捻り?」

 

「先ず、ここら辺‥ティアナさんの射程外‥路地の真ん中辺りで俺が一人でナカジマ姉妹を迎え撃つ」

 

「はっ!?」」

 

「いくらジム兄でも、危険過ぎるよ?」

 

「まあ、聞け‥確かにいくら俺でもあの二人を相手に無傷で倒すのは無理だ‥でも、倒されないようにする事は出来る」

 

「‥ジム兄の狙いがわかったよ♪伏兵‥だね」

 

「お。キャロ正解」

 

そう。俺は囮である。

流石に二人を倒すのは難しいが倒されないようにする事は出来る。

適当にやられた振りして‥逃げるからそこを突いてもらえば良い。

幸いエリオとキャロは突撃力は高い。

不意を突ければ、ワンキルも可能だろう。

 

俺はキャロの頭を撫でてやる。

キャロはくすぐったそうにしながら、言葉を続ける。

「伏兵が尤も刺さる瞬間は相手が勝利を確信したとき‥」

 

「って‥なのはさんが笑顔で言ってたんだ♪エグいなあ‥と思ってたけど、やる側だとワククするね」

 

どうしよう‥妹が魔王に毒されてきている‥。

 

しっかり仕留めてくれよ‥」

 

「俺は適当なタイミングで退く‥其処で二人‥エリオとキャロ同時に攻撃を仕掛けてくれ‥出来れば姉妹同時に倒したい‥」

 片割れが倒された時の二人は多分キレそうだし‥。特にギンガさんはヤバそう。

「ねえ?作戦は解ったけど‥それ、なのはさんがお留守番前提だよね?」

 

 「そう。俺は最初はティアナさんの指揮でくると思っている。」

 

「何で?なのはさんの性格なら最初から自分だけでも突っ込んで来そうだけど‥」

 

「多分ないと思う‥」

 

「何で?」

 

「こういう場面ではなのはさんは先ず、ティアナさんに指揮を取らせると思う。あの人は良くも悪くも、教導官なんだ‥究極的に言えば、確かにあの人一人でひっくり返せる力を持ってる‥だから‥先ず教え子に経験積ませようとすると思う」

 

「なるほど‥ねえ?ジム兄がいきなり一人で迎え討ったら、警戒度上がるんじゃないかな?」

キャロが不安気に疑問を挟む。

 

「一理ある。ティアナさんは用心深い。

先ず、伏兵の存在は警戒されるだろうな‥」

 

「だから‥先ずは私とエリオで2on2挑んだらどうかな?」

 ふむ‥。悪くない。いや、むしろその方が定石だろう。

「だが‥その場合、仕掛ける場所はより路地の入り口に近くなる‥。ティアナさんの射撃援護の射程範囲になるから、危険度はかなり高くなるぞ?やれるか‥?」

 

 中~短距離のティアナさんは判断も早いし、射撃も正確。マルチタスクの並行処理能力は六課随一。ある意味、なのはさんよりも厄介だ。

ナカジマ姉妹の突破力と機動力を考えると、俺の迎撃地点はこれ以上下げられない。

 

「やれるよ!ね?エリオ?」

 

キャロはこちらに視線を合わせて、強い意思で頷く。

「頑張ります!ジム兄さん!任せてください!」

 

 弟妹が頼もしい‥。

 

「わかったよ‥何度も言うが、なのはさんを倒すには、三人の力が必要だ‥くれぐれも、落ちないでくれよ?」

「「はいっ(うんっ)!」」

「さて‥肝心の、なのはさん対策だけど‥」

 

「‥ーとまあ、こんな感じでやってみよう」

 

「面白いけどうまくいくかな?‥そのまま倒せたらそれでよし。と‥最終ステップ迄行くかわかんないよね?」

「ばっか。お前‥なのはさんだぞ?行くさ‥寧ろそのまま倒せる可能性の方が0に近い‥」

「もし作戦㊥になのはさんと3対1の状況になったら、その時点がクライマックスだ‥全力で片付けよう‥なのはさんさえ倒せばミッションコンプリートだ‥あとは、どうとでもなる」

 

 

 

 

 

 

 

 




戦術ガバガバ(笑)
だって魔王樣一人で/(^o^)\なんだもの。
それを覆すには、必殺御都合主義しかないのです。
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