将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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ある兄の試練② ☆side。

「ティア~?早く攻めないの?時間無くなっちゃうよ~?」

 

「うっさいわよ!バカスバル!」

 

 私はチラリと、なのはさんを見る。

 なのはさんは、壁にもたれ掛かり、腕を組み目をじっと閉じている。

そこはかと無く滲み出る怒りオーラに、声を掛けるのも躊躇われる。ていうか、掛けたくない。障らぬ神(破壊神)に祟り無しだ。

まあ‥気持ちはわかる。私達だって戸惑ったものだ。今朝突然告げられたジムの試験の相手。それだけならまだいい。

問題は4対3の変則マッチだってこと。

そんなの聞いたことがない。

108陸部隊のギンガさん迄狩駈りだしているという、手回しの良さ‥それはつまり、これが突発的でなく、予め、準備されていた事だという証明。

ナカジマ三佐に協力を取り付けられて、

尚且つ、現在なのはさんが意に沿わない指示に従っている点。

‥きな臭い。

これ‥かなり上が絡んでるんじゃ‥?

解せない。

たかが曹への試験程度で、こんな‥嫌がらせのような‥道理を曲げて、妨害してくる意図は何‥?

わからない‥。

 何かの陰謀?

そんなモノに関わっていいの?

 

 

意外だったのはジムだ。

こんな‥イミフな嫌がらせで、大事な試験を邪魔されて、なんで、あんな顔が出来るのか‥。

諦観したような顔で、逆にこちらを気遣うように、本気で掛かってこい。と、来たもんだ。

生意気。生意気!生意気!

お望み通り、本気でやってやろうじゃない!

 

私はひとつ気合を入れて、エリアマップに目を落とす。

路地が狭い。

数的有利が余り活かせない。

チラリともう一度なのはさんを見る。

やはり、動く気配は無い。

先ずは私にやってみろ。という事なのだろう。

単純に遣る気がないだけかもしれないが。

実際、私が失敗しても、なのはさん一人で何とかしそうだし‥。

進入経路は一本道。

私の機動力じゃスバル達に付いていくのは無理。

入り口に私は待機して、スバル達に突入して貰うしかないか‥?

敷かし、そうなると、スバル達は3対2で対峙することにならないか?

目的エリア迄の距離が微妙に長い。

スバル達にスピードを落としてもらい、私も一緒に突入するか?

ゴリゴリの格闘戦では私は足手まといにしかならない。

ゆっくり警戒しながら歩いたら、タイムアップの可能性が高いか?

考えろ!ティアナ!

私の得意分野に引き込むんだ!

シルエットで攪乱するのはどうだろうか?

 

「ねえ‥スバル‥?ギンガさん‥」

 

「ん?(はい?)」

 

「私‥考え違いをしていたわ‥」

 

「どういう事?(です)?」

 

「無理して進入する必要なかったのよ‥」

 

「こっちにはアトミックボム(なのはさん)がいるんだから!」

 

「なのはさんが心置き無く動ける場所を私達で創れば良かったのよ!‥ですよね?!先生!」

 

と、私はなのはさんを見るが、そこには誰も居なかった。

 あれ‥?

と、同時に私のツインテールが左右から掴まれた。

スバルとギンガさんは私の後ろを見て、青ざめている。

 ‥まさか‥

 

「むしるか‥ボソ」

ゾッとする程の低い声が後ろから聞こえた。

同時に私のツインテールが左右に引っ張られる。

「ぎゃああああ!痛い痛い痛い痛い!脳ミソ飛び出るううう!?助けてえええ!?バルス‥」

 

「さりげに、滅びの呪文紛れ込ませてる辺り、余裕あるね‥ティア‥」

 

「余裕‥なんか‥無いわよ‥バカスバル‥ゼエ‥ハァ‥」

漸く痛みから解放され、私はジンジン痛むツイテールを抑えてへたりこむ。

 

「それで、結局どうするの‥?」

 

「アトミックボム(なのはさん)が倒されるとしたら、それはあの三人に3対1で襲われる事‥寧ろ、其れしか無いといえるわ‥だから、私達で先ず一人落としましょう!」

 

「ジムとキャロを秒殺するのは、二人掛りでも厳しいでしょ?だから、狙うはエリオよ!」

 

グッと握り拳を握り、宣言した私の腰に白い腕が廻される。

 

「えっ‥?」

 

「ティアも懲りないよね‥?」

目の前には頬をひきつらせながら、こちらを見て、苦笑するスバルの姿を認識した瞬間、私の身体は重力の制御を喪い、視界は反転した。

そして、後頭部から地面に叩き付けられる。

 

「出たー!なのはさん十八番のディバインスープレックス!」

 

「まあ‥なんて綺麗なブリッジ‥」

 

‥ちょっとナカジマ姉妹黙って。

 私は後頭部の痛みに耐えながら、何とか立ち上がる。

「先ず!私がシルエットで先行する‥その後ナカジマ姉妹二人で突入!目標はエリオよ!キャロとジムは無視しても良いわ!エリオさえ落とせば、私達の勝利よ!」

ぐだぐだになりそうな空気を叫ぶように指示を出す事で引き締めて、私は震える膝を叩いて気合を入れる。

私‥既に撃墜寸前なんだけど‥。

 

「オッケー!解りやすくて助かる♪」

 

能天気なスバルの声に気を取り直し、

「今から5分後にシルエットを先行させるわ!速攻で終わらすわよ!先輩の意地見せてやりましょう!」

 

 

 

 

 

 

 




もうちっとだけ続くんじゃ。
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