だいぶフライング気味ですが、どうぞm(__)m
「おにーいちゃん♪」
そんなねこなで声が聞こえた瞬間、俺の身体はダッシュしていた。
が‥過ぎ行く視界の片隅にピンク色のアホ毛が一瞬見えた瞬間、俺の腹部に強烈な痛みが走った。
「ぐ‥ぁ‥」
突然の衝撃に、肺の中の酸素が全て押し出され、
身体から力が抜けていく。
そのまま俺の足腰は踏ん張りを失くし、後ろへと、無様に倒れ伏した。
「知らなかったのか?‥妹からは逃げられない‥!」
と、物騒な事をドヤ顔で物騒な顔で宣う愛しのマイシスターが俺を見下ろしていた。
ちょっとなのはさんに、似てきたな‥
「ぐふっ‥いきなり何‥しやがる‥マイシスター‥」
「お兄ちゃんがいきなり逃げるからでしょ‥?」
だって兄ちゃん知ってるよ。キャロが俺の事をジム兄じゃなくお兄ちゃんて呼ぶ時はろくでもない事を考えてる時だって‥!
未だ横たわる俺のわき腹に腰を下ろしながら、
マイシスターはゆっくりと俺をねめつけるように視線を這わせる。
打たれた腹に痛みはまだあるのだが、其処に乗られているにも関わらず、重さと痛みは全く感じない。
腹に尻の温度を感じながら、時折わざとらしく、妙に熱い吐息が俺の首筋の肌を灼く。
まるでヘビに睨まれたカエルのように‥脂汗を流しながら、俺はその視線に耐える。
「今日のオフ‥一緒だよね?キャロ‥一緒に遊びに行きたいな♪」
バチコーンっ♪と効果音がしそうなウィンクと、上目遣いのバリューセットが俺を襲う。
Imloveinit!
可愛い。あかん。それオーバーキルや。
可愛い妹の笑顔‥プライスレス。
いやでも‥お兄ちゃん‥お仕事しないと‥
「妹とお仕事どっちが大事?」
と、ジト目でキャロ。
モノローグにカットインするのやめなさい。怖いから。
因みに勿論妹です。
「キャロはここのところ、寂しい思いをしてるのです‥」
‥うぐっ!?
確かにここのところ余りキャロに構ってやれてなかったのは事実だ‥。
「知ってる?お兄ちゃん?‥妹って寂しいと死んじゃうんだよ?‥」
スイマセンデシター。
俺は即時降伏した。
妹に寂しい思いをさせる兄等、兄ではない。
「何処に行きたいんだ?」
「流石お兄ちゃん♪だから大好き♪‥ところでいつまでヤムチャスタイルで倒れてるの?」
お前のせいだろ。
‥そんな俺の恨みがましい視線もなんのその、俺の足をガシッと掴むと、そのまま出口に向かって引摺りだした。
部屋の敷居とかに背中や頭がガンガン当たって痛いんだけど。
俺のそんな不満は届く事無く、キャロは俺を引き摺ったまま、外へと出るのだった。
「えっと‥何を、してるん、ですか?」
そうして、表に出たところで、声を掛けられた。
ギンガさんだった。
「こんにちはギンガさん。今日はお兄ちゃんとあそぶんです♪」
「あらー♪良かったですねえ♪キャロちゃん」
「はい♪そういえば、ギンガさん、今ウチの愚兄と一緒にお仕事してるんですよね?」
どうしよう。すげえ朗らかに会話が弾んでる。
ギンガさんはこの状況を不審に思わないのだろうか?
あ。この人全然、不審に思ってないわ。
それどころか少し羨ましそうにしてるわ。
そしてキャロちゃん。さらっと、粗茶ですが、みたいな感じで愚兄扱いするのやめて。‥まだ体力は動ける程回復していない。
なので、俺は無様に引き摺られたままである。
なんせ、生身に不意打ちで、カウンター気味に良いの貰っちゃったからなあ。
「それでは♪」
そしてキャロはペコリーヌッ!と、音がしそうな勢いでギンガさんに御辞儀をして別れる。
「うん♪行ってらっしゃい♪‥妹に引き摺られる‥アリね。今度、スバルにやってもらおうっと♪」
ギンガさんもニコニコと手を振る。
あれ?ギンガさん本当に俺の事見えてない?
ギンガさんはもうダメだ。
そうして、ギンガさんとの会話を切り上げ、再び、俺の足を掴んで引摺り始めるキャロ。
「‥お兄ちゃん?いい加減、自分で歩いてくれない?」
虫の息の兄に対してなんて惨い仕打ち。
「ならせめて回復魔法かけてくれよ‥」
「逃げない?」
疑わしげに聞いてくるキャロ。
「ニゲナイヨ」
妹から逃げる兄なんて居るわけナイジャナイデスカー。
それから、キャロはひとつ溜息をつくと、俺に回復魔法をかけてくれた。
漸く身体に力が戻ってきた。
俺はスックと立ち上がると、キャロに向かって、手を差し出す。
キャロはそんな俺の手を不思議そうに見ると、
「何?」
「‥出掛けるんだろ?」
そう言うと、すぐに察して満面の笑顔を浮かべながら、俺の手にしがみついた。
そうして、手を繋いだまま、俺達は歩き出した。
その後、適当に街に出て、アイスを食べたり、ゲーセンで遊んだりした。
◆◆◆◆
夕日が木々を茜色に染めていく。
終わった。
終わってしまった。
ジム兄は飲み物を買いに行ってくれている。
今は休憩がてら、たまたま通りがかった公園のベンチに座ってジム兄を待っている。
今日一日で気付いた。
気付いてしまった。
いや、わかってはいたのだ。
ジム兄の一番はもう私じゃない‥と。
想い知らされた。
前世では、正兄に彼女が出来ても、一番は私のままだったから。
仕方無いなあ。なんて、笑っていられたけど。
今回は違う。
一緒に歩いていても、遊んでいても、歩幅、視線の高さ等で嫌が応にも気付かされてしまった。
もう、兄の目には私は映っていない。
私と居る時でも‥見てるのは唯一人。
あはは‥わかってはいたのだ。勝てる訳が無い‥と。なんだ。あの、おっぱい‥
此方ときたら、二度目の人生だというのに、待てど暮らせど、一向に生えてこない。
はぁ~背も伸びねえ!
胸も生えねえ!尻もそんなに丸くならねえ!
何だこのロリボディ。心のロリ幾三が歌い出してしまう。
誰かが言ってた。
おっぱいには夢が詰まっていると。
つまりなにか?おっぱいの無い私には夢も見れ無いと?ふざけんな。
お兄ちゃんと‥結ばれたかったな‥
優しい正兄の事だ。私がダメ元でも告白したら、
応えてくれるかもしれない。
だが、その結果は‥?
同情や憐れみで結ばれても、その先にあるものは‥?兄が屈託無く笑ってくれることはなくなるだろう。受けいれてくれても、受けいれてくれなくても‥だ。
兄にそんな屈託を抱かせる?
妹の誇りにかけて、そんなこと‥出来やしない。
兄の幸せが第一なのだ。
其れが妹として当たり前のMassiveWonders!
わかってる。‥そんなことわかりきってるのに。
心では、理解してるのに‥なんで‥こんなにも‥胸が締め付けられるのだろう
なんで‥こんなにも、涙が溢れてくるのだろう‥。
いっそ、フェイト姉が嫌な女だったら良かったのに‥残念な事に私はフェイト姉も大好きで‥
ああ‥本当に残念だなあ‥
諦めない理由すら みつからないなんて‥
顔を上げろ、キャロ。
上を向いて‥涙が溢れないように‥。
ジム兄にこんな顔を見せてはいけない。
‥でも‥好き‥
大好きだよ‥ジム兄‥
拭っても拭っても、止まらない涙と、鼻水まみれの顔を隠すには‥下を向くしかなくて余計に涙が溢れた。‥そんな時、ふと視界の端にゴミ箱が目に入った。
私はソッと背中にしょっていたリュックを下ろす。
そして、中から漸く完成したばかりの、手編みのセーターを取りだした。
トボトボとゴミ箱へと歩き出した。
‥そして、それを 棄てた。
すると、不思議と気分はスッキリした。
何故だろう‥とても清清しい気分だった。
とめどなく溢れてくる兄への想いで、私の心が壊れないように‥脳が思考に自動的に蓋をしてくれたようだった。
そして、私は飲み物を手に帰ってきた兄を笑顔で‥出迎えた。
「もう!遅いよ~お兄ちゃん!」
ウソだ。もう少し早かったら、兄を困らせていただろう。
涙は既に、止まっていた。
鼻水はリュックで拭った。
読んで頂きありがとうございますm(__)m
あ。次回最終回です(ノ´∀`*)現在八分程書けてるので、時間がとれれば割とすぐ目にm(__)m
2作目も何とかここまできたかあ‥(ノ´∀`*)一作目もそうだったけど、寂しくなりますね(笑)
え?9課?なんぞそれ?(笑)こんな作品にお付き合い頂いた方方には感謝しかありませんm(__)m
御指摘&ご感想、氷菓頂けた方。感謝の念しかありませんm(__)mそれでは、また~。