肌に刺さるような夜風が二人の間を通り抜ける。
火照った身体には丁度良い心地好さだが、
身体を冷さぬように、手のグラスの中に残った液体を煽る。
咽を灼きながら、食道を液体が伝り抜けると、再び身体が火照るのを感じる。
グラスを傍のテーブルに置き、隣に立つ彼女にチラリと、目をヤると、頬を朱に染めながら、肩に掛けたストールをキュッと握りしめていた。
寒いのだろうか。
外に出たいと言ったのは彼女だが、
薄着な彼女にはこの季節の夜風はツラいだろうと、ソッと隣に寄り添う。
俺の肘に悪戯っぽく自分の肘を当ててくる彼女の肘はやはり‥冷えていて。
俺は照れ臭く思いがらも、ソッと彼女の肩を抱き寄せた。
「寒いなら‥中に戻りますか?フェイトさん?」
すると、彼女はみるみる頬を膨らませて、
フルフルと首を振った。
「もう!いつまでさん付けするつもり?ジム=ニー一等陸尉?」
「つい‥癖で‥」
「もう、奥さんをさん付けする夫婦なんていないでしょ?」
いや。それは割りと居る気がします。
それにまだ‥結婚して‥n(ry
なんて勿論、言わないけどね。これ以上拗ねられても困るし。
しかし、そんな俺の、心を読んだかのように、
フェイトは更に俺に近付くと、
「‥駄目?」
と、上目遣いを繰り出してくる。
ディストーションfinish!
降参である。
「悪かったよ‥フェイト?」
「‥よろしい」
呼ばれると嬉しそうにドヤ顔である。
何この可愛い生き物。
俺達は明日‥夫婦になる。
プロジェクトを成功させた俺は、程無く、一尉になることができた。
リンディ提督、クロノ提督どころか、オーリスさんに中将迄、推薦してくれて、滞りなく早々と昇進することが出来た。
それを受けてハラオウン家は光の速さで、フェイトと俺の婚約を発表。
その時のキャロの顔がガッシュベルのウマゴンがウマゴンと名づけられた瞬間のような表情をしていたのは、見ない振りをした。
そんなキャロだが、一時期程、俺にべったりすることは無くなった。
今はエリオといい感じっぽい。
まあ、エリオがガンガン背伸びて、それを憎々しく見つめているのが御愛敬だが。
式の招待客が豪華な事もあり、
各々のスケジュール調整に少し時間が掛かってしまったが、漸くである。
「‥ねえ?」
「ん?」
「私、幸せ‥だよ?」
なんてニコリと頬笑む彼女に
「何言ってんのさ‥」
「ぇ‥」
「これから幸せになるんだよ?‥一緒にね」
「‥そっか‥うん‥そうだ‥ね」
そう、呟くと、彼女はゆっくりと瞳を閉じて、俺へと頭を預けた。
「私達、明日
、家族になるんだね?」
「うん‥漸くだ‥」
「漸く?」
「フェイトは気付いてた?‥俺‥最初から、フェイトの事好きだったんだよ?」
「ええっ!?そ、そうなの?」
「うん‥フェイトに保護されて、保護者と居候の立場になって‥それから、上司と部下の立場になって‥それから、恋人になって‥同階級に成るために色々努力して、もしかしたら色々回り道をしたかもしれないけど、漸く、最初に夢見たゴールに辿り着けた‥」
「そっか‥ううん。回り道なんてしてないよ‥初めに君を保護して、安らぎと暖かさを一杯貰って、上司と部下になってからは、一杯助けて貰って、信頼出来る相棒になって‥恋人になってからは、一杯、愛を貰って‥そして、明日、新しい家族をくれる‥君と過ごした日々に無駄な事なんて何も無かった‥全部、必要な事だったんだよ。それを回り道というなら、きっと、これが最短コースだったんだよ‥」
「そっか‥そうかも‥待たせてごめん‥」
「全然待ってないよ?‥一尉迄上がるの大変だったでしょ?ごめんね?クロノと母さんが無理言って‥」
「ううん。必要な事だったと今では純粋に思うんだ‥何より、管理局が一体になったのは喜ばしい事だし‥」
「ふふ‥本当にお疲れ様♪」
プロジェクトは成功し、ミッド地上の治安はとても良くなった―
お陰で中将も今では療養入院に入っている。
やはり、相当身体はボロボロだったらしい。
それに伴い、長官の位置にはオーリスが就いた。
レジアス政権下よりは、海との連携はとれていそうだ。
「油断すると、予算を搾り取られるよ‥」
とは、クロノ義兄の言だ。
そして、オーリスは陸にも、海の次元航空部隊のような精鋭部隊を創設を宣言した。
それが、彼女なりの海と陸のバランスを是正するための秘策だったようだ。
メンバーには、なんとナンバーズを編入しようというものだ。戦闘機人を部隊運用すると言うことには、まだまだ障害も多い。
しかし、先ずは、自然保護部隊に編入するなど、少しずつ、規制事実を作り上げるつもりのようだ。
正直オーリスならその内に達成するだろうと思う。
ふと思う。オーリスは、最初からこれが目的だったのではないか。
バランス是正の為という大義名分を隠れ蓑にすることで、戦闘機人の部隊運用という、ある意味ジョーカーをバーターにしたのではないか‥。
そう考えると、背筋が寒くなり、思わず身震いしてしまった。
俺はというと、その部隊の部隊長での着任を打診されたのだが、正直、興味はあるし、手伝いたい気持ちはある。
チンクちゃんprprしたい。
でも‥固辞した。(血涙)
だって、フェイトと一緒にいたいし。
そう言ったらフェイトも喜んでたから、まあ、良いのだろう。
「‥」
見ると、フェイトの顔が優れない。
何だろう。まさかさっきのチンクちゃんprpr思考を読み取られたのだろうか‥
フェイトは俺の邪な思考に鋭い。
それと同じくらい、俺もフェイトのネガティブな思考には鋭い。
これは、怒ってるわけじゃなく、何かまた下らない事をウジウジ悩んでる顔だ。
俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。
「どうしたの?」
と、声を掛けると、フェイトは少し驚いた後、微笑んだ。
「ジムには‥何でもわかっちゃうんだね?」
「フェイトの事なら大抵は‥ね?」
「家族になったらさ‥」
「うん?」
「いつかは、子供も出来るでしょ?」
「そうだね」
「その子にさ、良い親って思ってもらえるかな‥って‥ほら?私の、母さん‥あんなでしょ?」
「ああ‥」
フェイトには親子像というのがわからないんだろう‥
「ていっ」
俺はフェイトに軽くチョップする。
「あうっ」
チョップを受けて、目をバッテンにして小さく呻くフェイト。
何この可愛い生物。
「難しく考え過ぎ‥親子なんてさ‥子供を愛したい親がいて、親に愛されたい子供がいれば‥それだけで、成立するんだよ?何より、俺もいるんだからさ‥一人で悩むとか‥これからは無しだよ?」
そう言って、俺はフェイトを優しく抱き締めた。
子供が出来るような事もまだしてないのに‥何悩んでんだかね、ウチの御姫様は‥。
でも‥こんな御姫様が俺は好きなのだ。
前世から続くこの劣情、早く受け止めて欲しい。
―悲しいけどこれ‥R18じゃないのよね。
二次元の壁は越えられても、Rの壁は越えられなかったよ‥チャンチャン♪
70話も使った割にオチが弱い。等色々御指摘はあるかもしれませぬがそこは申し訳ないm(__)m
まあ、それもひとつのボケの形なんじゃないでしょうか。(それっぽい言い訳)
何はともあれ、最後までお付き合い頂いた皆様に感謝をm(__)m次作があれば、またお付き合いお願い致しますm(__)mはやて、フェイトと来たので‥次は‥???‥ゲフン。明言は避けます(笑)
それでは‥りりなのSSもっと盛り上りますように(///ω///)♪