将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

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久しぶりの日曜休みということで、サクサク投稿♪
今日出来るだけ、ストックを作りたい所存です(*`・ω・)ゞ



ある兄妹の旅立ち。序。

轟っ!

突如、デカイ火が灯ったような音と共に、周りの温度が急上昇する。

音のほうを見ると、熱の発生源の中心には、着ていた白いシャツは黒く染まり、眼から光りの消えたキャロがいた。そしてゆっくりと、こちらへ歩いてくる。

「あれは‥何?」

フェイトたんが驚愕を隠そうともせず、1歩後ろへと下がる。

     ◆◆フェイトside◆◆

 

「あれは‥真竜。ヴォルテール」

呆然と呟く、ジム君に私は尋ねる。

「ヴォルテール?」

「キャロの守護竜です」

「遥か昔の大地の守護者。キャロは、そのヴォルテールの祝福を受けた、竜の巫女なんです」

「何だか‥凄そうだね‥」

感じる魔力凄すぎるんだけど。

《フェイトちゃん?!》

《どうしたの?はやて?》

急にはやてから通信が入り、私は我に還る。

《どうしたもこうしたも。突然、どデカイ魔力がそこに出現したんや!何が起きてるん?大丈夫なんか?》

私を心配する親友の声に、少し心が落ち着く。

《ごめん。ちょっとまだ状況把握中‥》

《わかった。無理はせんでや!》

《了解》

《さて。バルディッシュ?》

《yes!master!》

《解析は済んだ?》

《yes!ターゲットの周囲の温度は未だ上昇中です。近付くだけでもダメージは必至かと》

あらら。

そんなになんだ。バリアジャケットで防げそう?

《sorry完全には無理ですね》

《また、先程迄の戦闘データの考慮した結果、スピードが更に上がっていた場合、マスターでも対応はむずかしいかもしれません》

《一人では難しいかと。撤退を進言します》

むう。確かに、先程は、不注意とはいえ、一瞬で、懐に入られてしまった。

見たことろ、攻撃力は明らかに高そうである。

一点集中ならともかく、纏うタイプの防壁なら軽々しく突破されそうである。

どうしよう。近くの聚落には避難勧告はしていない。撤退はあり得ない。

 

《バルディッシュ!setup!》

私はとりあえず、バリアジャケットを纏う。

そして、ジム君にプロテクションをかけ、女の子に相対する。

 

「私が意識を逸らすから、君はその間に、村の人達に避難するよう伝えてくれないかな?」

 

「フェイトさん‥無茶ですよ!」

 

彼は心配して止めてくれるが、やるしかない。

「お願いね」

 

私は短く言葉を発すると、彼から目線を切って歩きだす。

 

良し。行くよ。バルディッシュ!

 

《ご武運を!》

 

バルディッシュの諦めたような応援に私は苦笑する。

こういうとき、私は止めても聞かないとわかっているのだ。

長年連れ添った最高の相棒がいるのだ。やってみせる。

バルディッシュを握る手に汗が滲むのを感じる。

 

こんなに緊張しているのは久しぶりだ。

 

 

 

もう少し、もう少しで間合いにはいる。

 

 

「‥‥さん!」

 

急に手を掴まれ、引っ張られ、私は我に還る。

そこにはジム君がいた。

何で?プロテクションは?

「すいません。破壊しました」

 

え?

 

見ると、先程迄、彼が居たところにプロテクションの魔力の残骸がガラスのように散らばり、消えていくところだった。

内側からとはいえ、プロテクションを簡単に破壊するなんて、やはり、この子もタダ者じゃない。

「聞いて下さい!今のキャロには、パルちゃん‥パルティニアスの加護はついていません!」

 

「うん。うん?」

 

「つまり、さっきまでのキャロとは、戦闘スタイルは別物です。多分、スピードは大幅に落ちているかと。」

 

 

「そうなの?」

 

「はい。暴走を抑える、心当たりもあるので、少しの間だけ、時間を稼いでください!お願いします!」

 

そう言って、彼は深々と頭を下げる。

 

「そっか。うん。わかったよ」

 

私がそう返すと、彼は心底安心したように、微笑むと、女のコの方を心配そうに見つめる。

やっぱり優しいお兄ちゃんだ。

 

「じゃっお願いします!」

 

そう言って彼は、村の方へと駆け出した。

良い情報をくれた。

スピードが上がってないのなら、時間稼ぎの持久戦は望むところである。

だよね?バルディッシュ。

 

《yes!nosilly!butkeepyourguardup!他愛もないです。くれぐれも油断無きよう》

 

 

うん。了解。

 

「ライトニングバインド!」

 

私がバルディッシュを向けると、女のコに無数のバインドが絡みつく。

しかし、女のコはまったくきにすることもなく、歩みを止めない。

 

やっぱりダメか。

 

バインドが紙のようだ。

いや。紙でももう少し、拘束するだろう。

 

そしてゆっくりと女のコは右腕を振り上げた。

私は身構える。

あの突進技だろうか。

ゴクリと、喉が鳴る。

 

しかし、意に反して、女のコは右腕をそのまま、地面に突き立てた。

すると、そこから、黒い焔が吹き出しながら、私に迫ってきた。

えっなにそれこわい。

私は意識的に大きく回避した。

空を飛びながら、様子を伺っていると、

さっきまで私が居たところを大きな黒い焔が呑み込んだ。

危なかった。小さく回避していたら、捲き込まれていたかもしれない、

私が地面に、降り立つと、女のコは再びこちらを向き、無表情のまま、こちらへ歩きだした。

こわっ。

子供の頃、なのはの家て見た、ターミネーターを思い出した。

次はどうくる?

私が油断なく身構えていると、

 

「あらあらー」

 

突然、のんびりした声が響き渡った。

見ると、ジム君が妙齢の女性を抱き抱えながら、そこにいた。肩で息をしている。

ジム君が女性を下ろすと、女性は女のコに向かって、歩きだした。

ちょっ?危ない!

私が女性を止めようとすると、ジム君が私と女性の間に入り込んだ。そして、手でこちらを制してくる。

「キャロちゃん?おいたはその辺にね~」

 

女性は女のコに優しく語りかける。

すると、女のコはピタリと動きを止めて、

やがてプルプルと、震えだした。

すると、女のコを再び、黒い焔が呑み込んだ。

私は状況がまったく呑み込めない。

ジム君と女性は静かに、その光景を見守っている。

えっ?わかってないの私だけ?

 

やがて、焔が納まると、そこには、一回り小さくなった、少女がちょこんと土下座していた。

どういうことなの。

 

 

 

 

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