将をなんちゃらするならまず馬をなんちゃら。   作:stan

9 / 70
ある兄妹の旅立ち。

   ◆◆フェイトside◆◆

 

私はジム君とキャロちゃんの母親という、女性とジム君を挟んで座って向き合っていた。

 

「ジムとキャロを預かりたい‥ですか?」

 

「はい‥」

 

そう、あのあと、私は二人を管理局で預かりたいと申し入れたのだ。

 

「二人共、類い稀な才能を持っているようです」

 

そう。特にキャロちゃんの方は、しっかり訓練して、もう二度と、暴走等しないようにしなくてはならない。私は必死にその必要性を説いた。

今回は、事なきを得たが、次もうまく行くとは限らないのだ。

ジム君の方は、上手く制御出来ているようだが、

あんなに仲の良い兄妹を引き離すのは偲びない。

私が後見人となり、二人共に管理局の陸士候補生となってもらえれば、先々、色々都合が良いと考えた。はやてに話したら、2つ返事で、優秀な人材は大歓迎という即答だった。夢の部隊結成の為に人材が欲しいのだろう。逆に絶対にスカウトしてくるよう頼まれてしまった。

 

「ジムはどう思う?」

 

お母様は、ジム君へと視線をやり訊ねた。

話しを切り出してから、終止目を見開いて、色々考えていた様子のジム君は、

 

「いや‥俺は‥」

 

「母さんに遠慮するんじゃありません」

ジム君が言いかけた言葉をピシャリと遮る、お母様。

「でも‥母さんを一人にするわけには‥」

私はその言葉にハッとする。

お母様に視線を送り、恐る恐る訊ねる。

「失礼ですが‥お父様は‥?」

するとお母様は苦笑をひとつ。

「だいぶ、昔に死別しました」

と、少し寂寥の影を落として、答えた。

 

私はバカだ。

 

「すみません‥このお話しはなかったことに‥」

 

「何を仰います‥先程、あんなに、熱心に話して下さったではありませんか?」

 

「貴女の仰有った事は何一つ間違っていません‥

それに‥可愛い子には旅をさせよ。と云うでしょう?」

 

にこりと優しく微笑む姿に私は思わず見蕩れてしまう。

「この子は‥私が言うのも何ですが、とても優しい子に育ってくれました‥だからこそ、キャロ‥妹もとてもなついています‥こんな、優しい子だから、‥こんな機会でも無いと、私も子離れ出来ません‥クスッ」

話しながら、溢れそうな涙を、誤魔化すように小さく笑ったお母様に、私はかける言葉を持たなかった。

「こう見えて、人を見る目はあるつもりです‥グスッ貴女は信用出来る‥」

 

会ったばかりでそんな風に言ってもらえるなんて、

私は照れ臭くて、頬が熱を持つ。

 

「どうか、二人をよろしくお願いいたします。ビシバシ鍛えてやって下さい」

 

そう言って、お母様は深々と頭を下げる。

私も慌てて、頭を下げる。

「はい。お任せ下さい」

「母さん‥本当に大丈夫なのか?」

ジム君がなおも心配そうに尋ねる。

本当にお母さん想いの良い子だ。

こんな良い親子を引き離すのだ。私がしっかりしないとと、身が引き締まった。

「大丈夫よ♪寂しくなったら、すぐに逢いにいっちゃうから♪」

逢いに行くって‥ここからミッド迄は転移門を3つ程使う必要が‥そんな近所に散歩に行くみたいに‥

私がとまどっていると、

「そっか♪わかったよ♪」

と、ジム君迄もが何でもないことのように、返事していた。

「あ、あの‥二人は一応ミッドに住んで貰おうと思っているのですが‥」

何か重大な齟齬が起きている気がして、私は堪らず尋ねた。

「ええ。やだ。フェイトさんったら、先程、そう仰有っていたじゃありませんか?」

クスクスと笑いながらお母様は答える。

どうにも話しが繋がらない。

私がなおも、混乱していると、

「そうですね。実際に見て頂きましょうか」

そう言って、お母様は立ち上り、部屋のドアへと向かう。

見る?何を?

私のハテナマークを感じてか、

「ちょっと管理局に御挨拶してきますね」

え?

「スタンバーイ」

そしてお母様はドアを開け、部屋を出た。

そのあとすぐに、ドアを開け戻ってきたのだが‥

私は今日1番の驚きをする。

お母様は手に何かを握っていた。

《何ですか?ナニが起きたのですかー?》

《はやてちゃーん?助けて下さいでスウー》

聞き慣れたその声はリィン?

「リィン?」

《あ。フェイトちゃ~ん》

リィンが半泣きで私へと飛んでくる。

そんなリィンを抱き留めて、確認する。

うん。間違いなくリィンだ。

どういうことなの?お母様がドアを出て、戻ってくるまで5秒とかかっていない。

《えーと?はやて?》

《あ!?フェイトちゃん!大変や!リィンが拐われた!》

《急に青みがかった髪の美人さんが現れてな!あまりにナイスバディやから見蕩れてたら、いきなり、リィンを掴んで消えてもうたんや!》

《落ち着いて、リィンならここにいるから》

《は?》

《なんでや!てことは、あの美人さんはフェイトちゃんの仲間なんか!?》

 

は?いけない。はやてがまた暴走しはじめた。

 

《くそー!やはり、巨乳は敵や!》

 

《(めんどくさい)じゃっ後でね♪》

 

《ちょっ?!フェイトちゃん!?今何か聞こえたで?!念話で行間入れるとか器用過ぎやろ!》

 

とりあえずめんどくさいので、通信を打ち切り、お母様へと尋ねる。

 

「どうやったんですか?」

 

「あらあら‥ごめんなさいね。私にも良くわからないの」

 

は?

 

わからないって‥私は目が点になる。

 

「フェイトさんにもわかりやすい言い方するなら‥これは、母さんのレアスキルです。」

 

ジム君が答えてくれる。

そっか♪レアスキルか。じゃあちかたないね♪

 

「レアなんちゃらとかはよくわからないけど、昔から、こうなんです。行きたいと思ったところに行けちゃうんですよね♪」

 

なにそのリアル何処でもドア。

 

お母様に心で突込みを入れつつ、私は考えるのをやめた。

「では、そろそろお暇しますね?」

「すみません。俺はキャロに話してから行きますんで、そちらに伺うの明日でも良いですかね?」

「もちろん♪これ、私の住所と、連絡先ね」

「はい。お預かりします」

「では、失礼します。」

最後に深々と御辞儀をして、私は部屋を出る。肩に乗ってるリィンが早く説明しろと、ジト目を送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様、おわかりだと思いますが、次は、ジム→キャロと、視点別でいきます。
正直少しめんどい(笑)自分でそういう構成にしたので、自業自得なんですがね(´д`|||)個人的には少し駆け足でストーリー進めたい気持ちもあるんですが、どうですかね?心情描写必要かなと思って、こうした構成にしてるんですが、これから、少しずつ、設定矛盾とか出てくるかもしれません。その時は、多少はおおめに見て下さると助かります。ですが、ご指摘も御待ちしています(笑)どっちやねーん(´д`|||)
読んで戴いた後に、視点別いらなかったな。と、言われないように頑張りたいです(゜ロ゜;
それではまたお逢いしましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。