◆◆フェイトside◆◆
私はジム君とキャロちゃんの母親という、女性とジム君を挟んで座って向き合っていた。
「ジムとキャロを預かりたい‥ですか?」
「はい‥」
そう、あのあと、私は二人を管理局で預かりたいと申し入れたのだ。
「二人共、類い稀な才能を持っているようです」
そう。特にキャロちゃんの方は、しっかり訓練して、もう二度と、暴走等しないようにしなくてはならない。私は必死にその必要性を説いた。
今回は、事なきを得たが、次もうまく行くとは限らないのだ。
ジム君の方は、上手く制御出来ているようだが、
あんなに仲の良い兄妹を引き離すのは偲びない。
私が後見人となり、二人共に管理局の陸士候補生となってもらえれば、先々、色々都合が良いと考えた。はやてに話したら、2つ返事で、優秀な人材は大歓迎という即答だった。夢の部隊結成の為に人材が欲しいのだろう。逆に絶対にスカウトしてくるよう頼まれてしまった。
「ジムはどう思う?」
お母様は、ジム君へと視線をやり訊ねた。
話しを切り出してから、終止目を見開いて、色々考えていた様子のジム君は、
「いや‥俺は‥」
「母さんに遠慮するんじゃありません」
ジム君が言いかけた言葉をピシャリと遮る、お母様。
「でも‥母さんを一人にするわけには‥」
私はその言葉にハッとする。
お母様に視線を送り、恐る恐る訊ねる。
「失礼ですが‥お父様は‥?」
するとお母様は苦笑をひとつ。
「だいぶ、昔に死別しました」
と、少し寂寥の影を落として、答えた。
私はバカだ。
「すみません‥このお話しはなかったことに‥」
「何を仰います‥先程、あんなに、熱心に話して下さったではありませんか?」
「貴女の仰有った事は何一つ間違っていません‥
それに‥可愛い子には旅をさせよ。と云うでしょう?」
にこりと優しく微笑む姿に私は思わず見蕩れてしまう。
「この子は‥私が言うのも何ですが、とても優しい子に育ってくれました‥だからこそ、キャロ‥妹もとてもなついています‥こんな、優しい子だから、‥こんな機会でも無いと、私も子離れ出来ません‥クスッ」
話しながら、溢れそうな涙を、誤魔化すように小さく笑ったお母様に、私はかける言葉を持たなかった。
「こう見えて、人を見る目はあるつもりです‥グスッ貴女は信用出来る‥」
会ったばかりでそんな風に言ってもらえるなんて、
私は照れ臭くて、頬が熱を持つ。
「どうか、二人をよろしくお願いいたします。ビシバシ鍛えてやって下さい」
そう言って、お母様は深々と頭を下げる。
私も慌てて、頭を下げる。
「はい。お任せ下さい」
「母さん‥本当に大丈夫なのか?」
ジム君がなおも心配そうに尋ねる。
本当にお母さん想いの良い子だ。
こんな良い親子を引き離すのだ。私がしっかりしないとと、身が引き締まった。
「大丈夫よ♪寂しくなったら、すぐに逢いにいっちゃうから♪」
逢いに行くって‥ここからミッド迄は転移門を3つ程使う必要が‥そんな近所に散歩に行くみたいに‥
私がとまどっていると、
「そっか♪わかったよ♪」
と、ジム君迄もが何でもないことのように、返事していた。
「あ、あの‥二人は一応ミッドに住んで貰おうと思っているのですが‥」
何か重大な齟齬が起きている気がして、私は堪らず尋ねた。
「ええ。やだ。フェイトさんったら、先程、そう仰有っていたじゃありませんか?」
クスクスと笑いながらお母様は答える。
どうにも話しが繋がらない。
私がなおも、混乱していると、
「そうですね。実際に見て頂きましょうか」
そう言って、お母様は立ち上り、部屋のドアへと向かう。
見る?何を?
私のハテナマークを感じてか、
「ちょっと管理局に御挨拶してきますね」
え?
「スタンバーイ」
そしてお母様はドアを開け、部屋を出た。
そのあとすぐに、ドアを開け戻ってきたのだが‥
私は今日1番の驚きをする。
お母様は手に何かを握っていた。
《何ですか?ナニが起きたのですかー?》
《はやてちゃーん?助けて下さいでスウー》
聞き慣れたその声はリィン?
「リィン?」
《あ。フェイトちゃ~ん》
リィンが半泣きで私へと飛んでくる。
そんなリィンを抱き留めて、確認する。
うん。間違いなくリィンだ。
どういうことなの?お母様がドアを出て、戻ってくるまで5秒とかかっていない。
《えーと?はやて?》
《あ!?フェイトちゃん!大変や!リィンが拐われた!》
《急に青みがかった髪の美人さんが現れてな!あまりにナイスバディやから見蕩れてたら、いきなり、リィンを掴んで消えてもうたんや!》
《落ち着いて、リィンならここにいるから》
《は?》
《なんでや!てことは、あの美人さんはフェイトちゃんの仲間なんか!?》
は?いけない。はやてがまた暴走しはじめた。
《くそー!やはり、巨乳は敵や!》
《(めんどくさい)じゃっ後でね♪》
《ちょっ?!フェイトちゃん!?今何か聞こえたで?!念話で行間入れるとか器用過ぎやろ!》
とりあえずめんどくさいので、通信を打ち切り、お母様へと尋ねる。
「どうやったんですか?」
「あらあら‥ごめんなさいね。私にも良くわからないの」
は?
わからないって‥私は目が点になる。
「フェイトさんにもわかりやすい言い方するなら‥これは、母さんのレアスキルです。」
ジム君が答えてくれる。
そっか♪レアスキルか。じゃあちかたないね♪
「レアなんちゃらとかはよくわからないけど、昔から、こうなんです。行きたいと思ったところに行けちゃうんですよね♪」
なにそのリアル何処でもドア。
お母様に心で突込みを入れつつ、私は考えるのをやめた。
「では、そろそろお暇しますね?」
「すみません。俺はキャロに話してから行きますんで、そちらに伺うの明日でも良いですかね?」
「もちろん♪これ、私の住所と、連絡先ね」
「はい。お預かりします」
「では、失礼します。」
最後に深々と御辞儀をして、私は部屋を出る。肩に乗ってるリィンが早く説明しろと、ジト目を送っていた。
皆様、おわかりだと思いますが、次は、ジム→キャロと、視点別でいきます。
正直少しめんどい(笑)自分でそういう構成にしたので、自業自得なんですがね(´д`|||)個人的には少し駆け足でストーリー進めたい気持ちもあるんですが、どうですかね?心情描写必要かなと思って、こうした構成にしてるんですが、これから、少しずつ、設定矛盾とか出てくるかもしれません。その時は、多少はおおめに見て下さると助かります。ですが、ご指摘も御待ちしています(笑)どっちやねーん(´д`|||)
読んで戴いた後に、視点別いらなかったな。と、言われないように頑張りたいです(゜ロ゜;
それではまたお逢いしましょう。