思い付いた小ネタ   作:あびゃー はぴぴぴー

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思い付いた小ネタ

 

 ある日、妖精(―というか、ニンフ?)に襲われて―気がついたら、半ば女になっていた。

 ―半ば、女である。...よく見ると、その体はその女、ニンフのように見えた、

 ―あまりにも不気味だった。先程まで「していた」、―というか、半ば、いや大概無理矢理されていたのだが、その女と―混ざっていたのである。理性は男と確りにあるが、しかしてこの体は確かに女のものと混ざっている。その証拠に―その、自分の―不本意ながらにも隆起した、ソレが目に入る。自分の体で欲情するとは、名に聞くナルキッソスのようだ。そうだ、私は―

 そういえばだが。名を―ヘルマプロディートス、という。

 

・ー・

 

ナルキッソス「世界一カワイイ僕世界一カワイイ僕世界一可愛いボク世界一可愛い僕世界一可愛い僕世界一可愛い僕世界一可愛い僕世界一可愛い僕世界一可愛い僕世界一可愛い僕」

 

・ー・

 

 イルカが攻めてきたぞォ...

 

 その声は、可憐であるはずなのに、どこか狂気を孕んだ、狂喜した驚喜の唸り声。すべてを食らいつくさんとする、獣(イルカ)の唸り声。血に飢えた眼で、いざ、獲物を―と。

 しかし、演技だろうか。いや。演技だとしても狂人を演じる時点で狂人とはよく言われる。故に、きっとアレは狂人だ。狂人にして強靭、無惨にして無慈悲。そういうものだ、アレは。もはや、哺乳類、としての。いや、生物、としての枠組みを越えている。ああ―こうなれば、挑むしかないか、くそ食らえだ―!

 「pポッキーゲェェェェェェェェム!」

 ―あむ。

え? その声が。租借音が。死神の足音とも言える、いや、死神そのものと言おうか。五感に近付き、察知してしまったのは、ただ一瞬のことで―瞬く間に、「御馳走様。」という声が聞こえたのだったけど。それを確認する頃には。

 「捕まえましたよぉ。うふふ...」

どこか妖艶に、可愛らしく、禍々しい笑顔を浮かべたイルカ(シロ)がたたずむのであった。

 「お握りの具は、きつねもありますよね?うふふ...」

 「な、何を言って...」

 「あ、デザートは別腹ですよ?シロ、女の子ですし。」

「ぁ...やめ、やめるのじゃー!た、食べてもおいしく、」

「ああ、でも。先輩方もおいしかったですねぇ。」

「―ッ!?」

な、何を言っているんだ?コイツは。まさか、人を、喰ったのか―!?狐という要素がある自分を置いて、まさか、人という人種を、人を、先輩を、女性を―!?

 冒涜している。生命を。理を。人理を。人類史を。人という、生命そのものを。

 「キイッ、しろそろそろお腹がすいてきちゃいましたぁ。食べても、いいですよね?」

「―は?」

つい、言ってしまう。漏らしてしまう。口内に溜まる涎が見える。まさに無力な狐など、イルカ(狩人)にとっては容易い獲物だということか。キイッ、キイッ、と、歯軋りの音ともに口から、喉から、体から。反響する、食欲(こえ)。もう、食べられてしまうのか。

 「お、お握りなら何回でも作るから!だから、や、やめ、いや―!?」

 「だーめです。『聖地』で食べたかったですけどぉ、まぁいいや。戴きまー、す」

 「や、やめ、の―!」

 ガブ。口から滴るのは、自分の血。食い込むのは、牙とも言える程鋭い歯。その杭は痛みを教え生へと繋ぐ境界線にして―死に繋ぎ止め、かくして導く、無慈悲な漕ぎ師でもあった。

 「あ、ああああああ、ああああ―!」

 声が出る。泣き叫ぶ。助けなんか来るわけないのに。違う。これは、本能的な逃走だ。闘争などなく、構想などなく、朦朧とした意識の中で、覚醒と気絶を繰り返す痛みに対する―逃避だ。遁走だ。もっとも、遁走などできるならしたいのだが。

 「せーの、あむっ。」

「い、があああ、ああ―!?」

 可愛い声とは裏腹に、深く、より深く食らいつく。噛みつく。何も、咀嚼のためのそれではない。捕獲のための。蛇がするような、逃がさないための。もしくは、より楽しむための。身じろぎをする。が、より、深く食い込む。痛みから逃れようとするも、より痛みを深める。

 まるで調理とでも言うように、いっそ当たり前とでも言うように、歪みなきほどに顔を歪めながら、さらに噛む。噛む。噛む。噛む。噛む。味などどうでもよいのだろう。殺人と、食事ができれば。本能的な獣と、理性的な人類。その二つを持った化け物、快楽に従う化け物。まさに、そんな―それより凶悪な獣だった。

 「あ、ああ、ひっ、ぎ、ぅ、ぁぅ―ぇ、あ!」

「うるさいですね、ふっ!」

 「ぎ、あ、ああああああああああ―!」

 グチャリ、と音がする。租借音というより、ちぎられた、そんな、攻撃的な―痛い!痛い!痛い!思考で現実逃避していたが、何より痛い!脇腹が、引きちぎられ―いやだ、やめ、 

 「あむっ。うむっ、んむ...」

「うああ、あ、あああ―!?」

 力を込め、先程より早さを上げてより多く引きちぎる。立っているのが奇跡的なほど、上半身はボロボロだ。

 「そろそろ、ですかねぇ?」

「い、やじゃ、嫌じゃ―死にたく、―」

 もう感覚も無い。そのはずなのに、痛みだけが何より鮮明だ。危険を知らせてくれてるのだろうか。しかし、もう無意味だ。だって―逃げられるものなら、逃げている。危険だというなら、わかっている、

 しかし―逃げられない。まさに絶望。いや―いまや、望む事もできないか。

 「―あはは。あは。あははははは!」

「―壊れちゃいましたか。それじゃあ、そろそろ。あーんっ。」

 躊躇いも、繕いもなく。一気に口を開け、下半身へ。脚が消える。足が千切れる。腰の感覚がなくなる。そして―意識は途絶えた。

 




 後半virtualYouTuber乃お話になっちゃいましたね。小話、終了。
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