ゼロの使い魔~ハルケギニア上空、敵機なし!~   作:疾風海軍陸戦隊

10 / 17
虚無の曜日

あの決闘から数日後、俺はいつもの小屋で汗と油にまみれながら紫電改の整備をしていた。無論それは俺だけじゃない

 

「どう、直哉?」

 

「ああ、後はこいつを飛ばすだけだな。ここまで治ったのはナオのおかげだよ。ありがとな」

 

「う、うん///」

 

と、お礼を言うとナオは顔を赤くしながらそう言う。するとナオは俺を見る

 

「それにしても直哉。あの決闘のせいで服、ボロボロだね」

 

そう言われ俺は自分の格好を見る。確かに所かしこ破けてたり焦げていたり俺の着ていた飛行服はズタボロだった。まあ、シャツやズボンはまだましだがいつまでも同じ服は衛生的にあまりよくない

 

「まあ、派手に暴れたからな。それ以前にこの世界に来る前の戦闘でもグラマンの銃撃でボロボロだったんだけどな」

 

「グラマン?」

 

「いや、なんでもないよ。それにしても困った替えの服なんてないからな・・・・・」

 

と、そう呟くとナオは

 

「それじゃあ、買い物に行かない?ナオヤの服や日用品とかさ」

 

「え?」

 

「だって、服が無くて困っているんでしょ?それに直哉を何時までも毛布だけで床に寝させとくわけにもいかないし。その他にも必要な物があれば買ってあげる」

 

「い、いや、そんなに迷惑かけるわけには・・・・」

 

「いいの!私は一応貴族なんだよ。そのぐらいの出費は大したことないから遠慮しないで」

 

そう言われ直哉は少し考えそして・・・・

 

「それじゃあお言葉に甘えようかな。確かに服以外にも布団とか欲しいと思ってたしな」

 

「じゃあ、決まりね」

 

「で、いつ行くんだ?」

 

「明日よ。明日は虚無の曜日・・・・つまり休日だからちょうどいいわ」

 

「ふ~ん。で街ってどこにあるんだ?」

 

「トリステインの城下町。馬で3時間の距離よ」

 

「結構遠いな・・・・・という以前に馬か・・・・俺、馬には乗ったことないんだけどな」

 

陸軍の知り合いに騎兵出身の奴がいたけど。こうなることがわかっていたら乗馬とか教えてもらうんだったな・・・・そう思っていると

 

「大丈夫よ直哉。そうだと思ってもう手は打ってあるわ」

 

「へ~どんな手だ?」

 

「それは明日のお楽しみよ♪」

 

「?」

 

その後、ナオは授業があるため教室に向かい俺はというとやることがないため外をぶらぶらしていた。そして広場に着くとそこには生徒たちの使い魔たちが集結していた。

 

「さすが異世界。見たことのない生物がいっぱいだな」

 

とそう呟き壁に寄り添って寝ころぶ。すると一匹の水色の竜が俺のところにやって来た。たしかあの竜っていつも本を読んでいるあの眼鏡っ娘の使い魔だったけな

 

「やあ、竜君。機嫌はどうかな?」

 

と、そう言うと・・・・

 

「(竜君じゃなくて私の名前はシルフィードなの!)」

 

と、頭の中で女の子の声が聞こえ俺手に刻まれているルーンが光る。恐らく今の声はこの龍の言葉だろう

 

「そうかそれは悪かった。で、シルフィードだったけか?今日はいい天気だな」

 

「(うん。いいお天気なの。で君は・・・・・)」

 

「ああ、俺は宮藤直哉。よろしく」

 

「(よろしくなの、あ、そう言えば・・・・)」

 

「ん?どうかしたんだ?」

 

「(うん。明日ね・・・・・・・あ、)」

 

「ん?明日がどうかしたのか?」

 

「(な、ないでもないのね。あははは!)」

 

と、なぜか何かを隠しているようなそぶりを見せシルフィードはどこかへ飛んで行ってしまった。なんだったんだろう。明日、何かあるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝、朝食を終わった後俺とナオはとある部屋に向かっていた。そして部屋に着くとナオはドアをノックして

 

「タバサ、入るね」

 

と、そう言うとドアを開けて部屋に入る。するとその部屋には青い髪に眼鏡をかけたナオと同じぐらいの背丈の少女がベットに座っていた。

 

「おはようタバサ、今日はよろしくね」

 

と、そう言うと彼女は頷く確か彼女はシルフィードの主の眼鏡っ娘か・・・・なるほどナオが言っていたのはこのことか

 

「・・・・・・」

 

と、彼女はじっと俺を見ている。

 

「あ、あの・・・・・」

 

「自己紹介しなくていい。あなたの名は宮藤直哉、ナオの使い魔で平民の深緑の竜使い。前の決闘を見てた。私はタバサ・・・よろしく」

 

「あ、ああ・・・・・よろしく」

 

と、そう言った瞬間、ドアが勢いよく開き、キュルケが入ってくる。

 

「タバサ。今から出かけるわよ!早く支度して頂戴!」

 

入ってくるなり、そんな事を言った。

 

「・・・・先約がある」

 

「わかってる。貴女にとって虚無の曜日がどんな日だか・・・・って、ええっ!?」

 

タバサの言葉を聞かずにまくし立てようとしたところで、タバサの言った言葉の意味を理解して驚くキュルケ。するとナオが

 

「ごめんキュルケ、私たちの日常品の買い物に行こうと思ったんだけど直哉、馬に乗ったことが無いらしくて。それで、自分たちと荷物を運べる移動手段を持ったタバサにお願いしたの。で、キュルケはタバサになんの用なの?」

 

「ああ、そうだった。アタシね!あの才人って平民に恋したの!でね?その人が今日、あのにっくいヴァリエールと出かけたの!あたしはそれを追って、2人が何処に行くかつきとめなくちゃいけないの!けど、馬に乗っていったから、タバサの使い魔じゃないと追いつかないのよ!」

 

と、すごい剣幕で言う。そう言えば才人の奴、前にキュルケのサラマンダーに連れていかれキュルケに誘惑されたって言っていたっけ。あいつも難儀な奴だな

 

「で、才人たちはどこに行くのかあんた知っているのか?」

 

「え?確か城下町の方へ行くとか何とか聞いたような・・・・・」

 

「じゃあ、目的地は同じだな。ナオ・・・・・」

 

「うん。タバサ、彼女も一緒でいい?」

 

と、ナオがそう訊くとタバサは頷き、そして窓の方へ行くと窓を開け、口笛を吹いた。すると窓の外から彼女の使い魔であるシルフィードがやって来た。なるほど移動手段ってこれのことかこれなら馬よりも早いし荷物も運べる。そして俺たち4人はシルフィードに乗り飛ぶあがるのであった。そしてシルフィードの背の上では

 

「なるほど・・・・・昨日シルフィードの言っていたことはこう言うことだったのか」

 

と、そう訊くと本を読んでいたタバサは俺のほうを見て

 

「あなた、なんでシルフィードの名前を知っているの?」

 

「え?ああ、昨日広場でこいつと会話してな」

 

とそう言うとタバサは怪訝そうな顔をすると

 

「ああ。彼、使い魔のルーンの能力で動物の言葉が分かるみたいなのよ」

 

「そう・・・・」

 

と、呟いて、タバサは視線を本に戻す。

 

「やっぱりあなたのシルフィードは速いわね~ほれぼれするわ」

 

とキュルケがそう言うが直哉は

 

「時速150キロほどか・・・・赤トンボよりも遅いな・・・・」

 

と、そう呟く因みに赤トンボとは大日本帝国海軍の練習機の九三式中間練習機のことである。するとナオが

 

「ねえねえ、直哉。あなたの紫電改とシルフィードどっちが速いのかしら?」

 

「さあな。競争させないとはっきりわからないが、紫電改の速度は・・・・・ナオ。ここでの速さの単位ってなんだ?」

 

「え?キロメイルだけど?因みに今のシルフィードが飛んでいる速度は大体100キロメイルぐらいのはずよ」

 

なるほど世界は違えど単位は同じか

 

「そうか。じゃあ俺の乗っていた紫電改はアメ公の戦闘機と互角に戦うために新型のエンジンを積んでいたから大体600キロメイルだな」

 

「600!?うそでしょ竜騎士の操る風竜よりも速いじゃない!!ねえ、直哉今度紫電改の修理が終わったら乗せてくれる?」

 

「ああ、でもあれは一人乗りだから二人乗りに改造するとなると時間かかっちゃうけどいいか?」

 

「うん。約束よ」

 

と、シルフィードの背の上でそう話すのであった。そして一時間後、シルフィードは城下町に到着する。キュルケとタバサは、才人とルイズを待つようで、俺とナオは別行動することになった。そして二人は城下町を歩いていた石造りの町で、人々にも活気があったが

 

「・・・・・狭いな・・・」

 

そう道が狭いのだ

 

「え?これでも大道りなのよ」

 

「え?そうなのか?」

 

ぱっと見大体5メートルぐらいで下町の裏通りを通っているみたいな感じだけどこれで大通りとは・・・・

 

「直哉の世界の大道りって大体どのくらいの広さなの?」

 

「そうだな人以外にも車とかが通るから大体、15~20メイルぐらいだと思うぞ?」

 

「直哉の世界って色々とすごいんだね。ねえナオヤあなたの国ってどんな感じの国なの?どんな習慣があるの?それに・・・」

 

何かスイッチが入ったのかナオの質問攻めが始まった。俺は歩きながらナオの質問に答える。そして一通り質問攻めが終わると

 

「直哉の世界って不思議だね」

 

「俺から見ればここの世界も十分不思議だよ。まあそれはそれで面白いからいいけど」

 

と、そんなことを話していると街の人たちが

 

「あの二人カップルかしら?」

 

「仲良さそうね。デートかしら?」

 

という声が聞こえる。その言葉はナオにも聞こえたのか彼女も顔を赤くする。俺はそういう経験はないからよくわからないが、確かに若い男女が仲良く歩いているのを見たらそう思われるのも仕方がないか。そんなことを考えていると、ナオがそっと俺の手を握る

 

「ん?どうしたんだナオ?」

 

「あ、あの、直哉。手を繋いでもいいかな?ほら人混みで迷子になっちゃうし」

 

と、恥ずかしそうに顔を赤らめそう言う。まあ彼女の言うことも一理あるな

 

「そうだな。その方がいいな」

 

俺はそう言い彼女の手を繋ぐ。そしてナオはなぜかガッツポーズをした。俺は不思議に思ったが聞くのは野暮だと思い訊かなかった。そして俺とナオは買い物をする。服に布団なんかの日常品なんかだ。そして一通り買い終えると

 

「ねえ、直哉。あなた日用品以外にも欲しいものとかある?」

 

と、聞かれ俺は考える。そして

 

「そうだな・・・・・・・そうだ。剣や短剣とかが欲しいな。ほら、さすがにナオを守るとき素手って言うわけにもいかないからな」

 

一様、懐には護身用の九四式拳銃を所持しているが予備の弾倉とかは持ってはいるが今後の弾薬のことも考えると剣とか持った方がいいだろう。ナオに聞けばこの世界の銃といえば19世紀に使われたマスケット銃やフリントロックピストルしかないみたいだからな。そんなのを使うんなら剣を使った方がいい

 

「そう、なら剣を買いに行きましょ」

 

そう言いしばらく歩くと武器屋につき俺とナオはその店に入る。すると・・・・・

 

「あれ?宮藤さん?」

 

「おお、才人か奇遇だな」

 

と、店の中には才人とルイズがいたのであった。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。