ゼロの使い魔~ハルケギニア上空、敵機なし!~   作:疾風海軍陸戦隊

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悪夢

「・・・・・・あれ?ここはどこ?」

 

ベットで寝ていたはずのナオはなぜか暗い空間にいた。ナオは訳が分からずあたりをきょろきょろ見渡すと。突如、視界が広がった。青い海、両岸には山々と街並みが広がる。

 

「ここ、ハルケギニアじゃない・・・・・・」

 

見たこともない風景にナオは今見ている場所が自分の住んでいるハルケギニアじゃないことがすぐにわかった。特にナオがその場がハルケギニアじゃないという確信をした理由は空に輝く月だった。自分の知ってる常識では月は二つ。だが今いる空に輝ている月の数は一つであった

 

「月が一つ・・・・・まさか、ここって直哉の世界かしら?」

 

五銭、ナオやから自分のいた世界は月が一つしかないと言われたことを思い出し、ここが直哉の世界だということがわかった。そして風景はある港が映し出された。港にはハルケギニアの飛行軍艦よりも島より巨大な船が水上に浮かんでいたが、どれも緑や黒色のまだら模様をしていた。そしてその甲板にはハルケギニアの大砲には比べ物にならないほどの巨大な大砲があった。一番小さい軍艦らしき船の大砲でもハルケギニアの大砲より大きい。しかもその船はすべて鉄でできていた

 

「すごい・・・・これ全部船なの・・・」

 

見たこともない大きさに、ナオは息を吞む。するとその港の街からまるで叫び声のような甲高い音が鳴り響く。この音はナオの世界にはないサイレン音だった

 

「な、なにこの音!?」

 

いきなりのサイレン音にナオは戸惑う。するとナオの上空から黒い影が差す。その影にナオは上を見るとそこ身は無数の巨大な銀色の飛行隊が飛んでいた。それはまるで・・・・・

 

「か・・・・怪鳥」

 

ナオはその巨大な飛行隊に目を見開き驚いていた。ナオが見た飛行物体は街の方へ飛んでいく。そしてその腹みたいなところが開き小さな玉みたいなのが真下にある街へと降り注ぎ、落ちた玉は瞬く間に街を火の海にし、その街から苦痛や怨みなどの無数の悲鳴が聞こえる。その光景を見たナオは顔を青ざめ、口を手でおおう。

 

「こんなのって・・・・・・」

 

余りにも残虐な光景にナオは目をそむけたくなる。するとその巨大な怪鳥の真上から無数の小さな飛行物体の群れが急降下して襲い掛かる。。濃い緑の塗装、胴体に赤い丸を付け、低翼でずっしりした機体…見覚えがある

 

「あれって・・・・・直哉のシデンカイ?」

 

そう、直哉が乗っていた紫電改であった。そして無数いる紫電改たちは巨大な飛行機に向かい、そこから何機かの航空機が火に包まれ地上へと落ちていく。それを皮切りに激しい空中戦が始まる

 

「まさか、これが直哉のいた世界の戦争・・・・・・」

 

そう呟いた時、一機の紫電改が巨大な飛行機に急降下して襲い掛かる。

 

「出て行けアメ公!日本の空から出ていけぇっ!!」

 

どこかで聞いた声が聞こえてきた。その声は

 

「・・・・直哉」

 

その瞬間ナオの周りは真っ白に光り、ナオはその光りに包まれるのであった

 

 

 

 

「はっ・・・・・・」

 

目が覚めるとそこは自分の部屋だった。どうやら今見たのは夢だったようだ。だが妙にリアリティのある夢・・・・・・もしかしなくても先ほど見た夢は直哉のいた世界の戦争の夢・・・・

 

「ねえ、直哉・・・・・」

 

ナオは先ほどの夢のことを直哉に訊こうとして直哉が寝てる布団を見てみると、そこには直哉はいなかった

 

「・・・・・あれ?いない?」

 

ナオは部屋にいない直哉がいないことに気付ききょろきょろと見渡す

 

「・・・・・もしかしてあそこかな?」

 

なにか心当たりがあるのかナオは服を着替えて部屋を出る。廊下を歩く時窓を眺めてみるとまだ日が昇る前のようで空は黒と白の混ざっ多様な景色であった。そんな中、ナオは階段を降り寮を出て向かった先は直哉の紫電改が置かれているあの小屋だった。恐らく直哉はそこにいるのだろうと思ったのだ。小屋に向かう最中、

 

「それにしてもあの夢・・・・・・」

 

ナオは先ほどの夢を思い出していた。無数にいる巨大な飛行機械が炎の弾を落とし街を焼く。思い出しても恐ろしい光景だった。もしあんなことがハルケギニアもといトリエスティンにも起きると思うだけでもぞっとする。あんな恐ろしい戦争を直哉はどんな気持ちでいたのか・・・・・そう思っているうちにナオは小屋にたどり着き扉を開ける

 

「直哉?いるの?」

 

扉からひょいッと顔を覗かせきょろきょろと見て直哉を呼ぶナオ。そしてナオは小屋に入ると目の前には直哉の愛機である紫電改が置かれていた。

 

「あの中かな?」

 

ナオはそう言い紫電改に近づく。するとコックピット内から人影が見えた。よく見るとそれは直哉であった

 

「やっぱり・・・・・・・あれ?」

 

直哉がコックピットで寝ているとわかったナオは近づこうとした瞬間。一瞬、彼の傍に髪の長い女の子がいるのが見えた

 

「あれ?・・・・・」

 

ナオは目をこすりよく見たが、女の子の姿はなかった

 

「今、女の子が・・・・・・・気のせい・・・・かな」

 

そう不思議に思いながらナオは紫電改によじ登りコックピットの窓を開けるとその中には直哉がすやすやと寝ていた。それを見たナオはふふっと笑い

 

「ねえ、起きて直哉。もう朝だよ?起きて」

 

と、優しく揺り起こすと、直哉はうっすらと目を開け

 

「・・・・・ん?ナオ?そうか、もう朝か・・・・・そっか。紫電改のコックピットに乗ってそのまま寝ちまったのか」

 

そう言うと直哉は頭を軽く掻き立ち上がるとナオが

 

「ねえ、ナオ。さっきナオ以外のも人いなかった?」

 

「ん?いや?お前しかいないぞ?コルベール先生か?」

 

「いや、女の子なんだけど・・・・・」

 

「おいおい、幽霊を見たなんて怖いこと言うなよ?きっと気のせいだよ。この小屋に来るとしたら俺かナオかコルベール先生ぐらいしか来ないんだから。あ、あと才人も来るか」

 

「そ、そうなんだ・・・・やっぱり気のせいだったのかな?」

 

「そ、気のせい。気のせいだよ。さて、そろそろ学校に戻らないと授業始まるんじゃないのか?」

 

「あ、そうだ。その前に朝食だけど。そろそろ行こうか」

 

そう言い二人は紫電改から降りて小屋を出る。すると小屋からは

 

『フフフ・・・・まるで夫婦ね。主とあの子』

 

と女の子の声が聞こえるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を終えた後、直哉とナオは廊下を歩き紫電改のことについて話していた

 

「ねえ、直哉。あの紫電改。いつ飛ばす予定なの?」

 

「そうだな・・・・・今スグって言いたいところだけど。コルベール先生の許可貰わないといけないからな・・・・」

 

と、そう話すとナオは

 

「ねえ、直哉」

 

「ん?なんだ?」

 

「ちょっと訊きたいことがあるんだけど?」

 

「なに?答えられることなら答えるけど?」

 

「私、夢を見たの・・・・・」

 

「夢?」

 

「うん。大きな港街でね。その港に大きい鉄の船があったの。それで空には月が一つあって、その空から銀色の巨大な怪鳥みたいな飛行機械が真下にある街に火の玉を落としていたのよ・・・・・」

 

ナオがそう言うと直哉はピタッと立ち止まる

 

「ねえ、直哉。もしかして私の見た夢って直哉の世界の・・・・・・」

 

そうナオが言いかけた時

 

「昭和20年、西暦1945年。7月1日の呉空襲。そして呉の街に爆弾を落としたのはアメリカ軍の爆撃機だ」

 

「え?」

 

「あの日のことはよく覚えている。夜中に敵の爆撃機が襲来して呉という街に爆弾・・・・火薬を詰めた樽って言えばいいか?それを一般市民の住む住宅地に翌日の早朝にかけて落としやがったんだ。俺と仲間はすぐに紫電改に乗って迎撃しようとしたんだが、街を完全に護りきることができなかった・・・・・・」

 

悔しさと悲しさの入り混じった表情で直哉はそう言う

 

「(やっぱりあれはただの夢じゃなかったんだ・・・・・・)ごめん直哉。いやなこと訊いちゃって・・・・・」

 

「いや、ナオが気にすることはないよ。夢で見たんならしょうがないよ・・・・・・」

 

「直哉・・・・・戦争って怖いのね・・・・」

 

「ああ、恐ろしいほど怖いよ。よく芝居や本なんかで戦争の最中、英雄が活躍し栄光云々とかが多いけど、実際には違う。戦争で活躍する人の栄光と彼の背景には多くの人間の血が流れている。まさに生き地獄っといったところだ。そして戦争は何もかも破壊する。家族を・・・街を・・・国をそして平和も・・・・・そして残るのは悲しさと虚しさだけだ」

 

「直哉・・・・・」

 

「・・・・すまない。湿っぽい話をしちまったな忘れてくれ」

 

そう言いうと、直哉は何か話題を変えなくちゃと思っていると

 

「・・・・あ、ナオ。そろそろ授業に戻らないといけないんじゃなかったか?」

 

「え?あっ!そうだったわ!!ごめん直哉。私授業に行ってくるね」

 

「ああ、俺は、適当にブラブラしているからさ、また昼休みに会おうな」

 

「ええ、またね」

 

と、そう言い、ナオは走り出すのであった。そしてそれを見送った直哉はしばらく歩き、外に出て壁によりかかると

 

「・・・・・・ナオが俺の世界の夢をか・・・・・・」

 

そう呟き、遠い目で空を見上げていたのであった・・・・・・

 

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