ゼロの使い魔~ハルケギニア上空、敵機なし!~ 作:疾風海軍陸戦隊
ナオたちはこの世界では見たこともないものである飛行機「紫電改」を驚いて見上げている中、その紫電改の中では
「いてて…いったい何が起きやがったっ!?」
っと、紫電改のパイロットである直哉はそう叫んだ。すると紫電改のエンジン音が止まり、プロペラも回転が止まり始め急降下し始めた。
「や、やばい!このままだと落ちる!ま、まだ堕ちないでくれ!」
そう言い、直哉は操縦桿とをめいいっぱい持ち上げる
「頼む…俺はまだ落ちるわけにはいかないんだっ!!」
直哉がそう言うと、今まで止まっていた紫電改のエンジンが動き出しその下で見上げていた生徒たちの頭の上スレスレに持ち直した。そして直哉は改めて眼下を見渡すとそこには見慣れない大地が広がっていた
「おいおいおい・・・・なんだここは?俺は九州沖にいたはずだぞ。ここはどこなんだ?」
確か自分は九州沖で戦ってたはずだ。しかし彼の目の前にあったのは見渡す限りの広い大地のど真ん中に五稜郭みたいな大きな建物があった。
「な、なんなんだありゃ?あんなの九州にあったか?ていうか本当にここはどこなんだよ!?」
直哉がそう不思議に思っていると。再びエンジンが止まり始める直哉が燃料計を見るともうほとんどなくいつ落ちても不思議ではなかった。
「くそっ!どこかに着陸できるところは・・・・・・ん?あそこは・・・」
と直哉が目にしたのはその建物にある大きく開けた場所
「(行けるか?・・・・結構ぎりぎりだが低速してはいればなんとか・・・・)」
そう思い、直哉は紫電改をその場所に向けて旋回し低速しつつ高度を落とした。そして紫電改の脚を出し着陸する
「(よし!いける)」
そう確信した直哉。その後、紫電改は減速しつつ、滑り込む形で着地に成功した。
「あはは・・・終わりよければすべてよしってか・・・・」
そう言い安心したのか直哉は意識を失うのだった。
「あ、あれが・・・・私の使い魔?」
ナオは空から現れた紫電改を見て驚く。すると紫電改のエンジンが止まりだし、急降下してくる
「こ、こっちに突っ込んでくるぞ!?」
「に、逃げろォ!!」
生徒たちはこっちに向かってくる紫電改を見て急いで避難しようとする。すると紫電改のエンジンがまた動き出し急上昇し始め地面との激突を避けることができた。そして紫電改はそのままぐるぐると学校の周りをまわっていた。
「やっぱりあれは紫電改だ!」
そして才人はその紫電改を見て驚いていた。
「平民!あれを知ってるの?」
「ああ・・・あれは・・・・」
と、ルイズがそう言い才人が答えようとすると紫電改のエンジンが再度止まりだし、紫電改は学校の正門広場へと向かうのであった。
「おい!あの飛竜。正門の方へ行くぞ!」
「行って見ようぜ!」
そう言い生徒たちは正門へと向かうのであった。
「行かなくちゃ」
「ナオ!私も行くわ!ほら行くわよ平民!!」
「痛でで!耳たぶ引っ張るなよ!」
と、ナオも正門へ行き、ルイズは才人の耳を引っ張りながらついていくのだった。そして三人が正門広場へ着くとそこには人だかりができて、その人だかりの向こうには着陸した紫電改があった。
「おい・・・・これ本当にドラゴンか?見れば見るほど変わった形をしているぞ?」
「ほんとね・・・・一瞬見てもカヌーに似てるし・・・」
「おい、これピクリとも動かないぞ?」
「まさか死んでいるんじゃ?」
と、初めて見る紫電改に生徒たちは小声で話していたタバサも本を見ながらちらちらとその紫電改を見ていた。するとそこへコルベール先生がやってきて
「みんな下がってください」
そう言いコルベールは生徒たちを紫電改から遠ざけ、そして彼は目の前にある紫電改を見る
「(これは・・・・・鉄か?とするとこれは何かのからくりなのか?)」
コルベール先生は紫電改を見てそれが生き物でないことを理解した。するとそこへナオたちがやってきたのだった。そしてナオは紫電改の方へ近づき興味本位で翼に上る。ルイズと才人は改めて紫電改を見ると
「やっぱり紫電改だ間違いない」
「平民さっきっから言ってるけど、なんなのよ!そのシデンカイって?」
「あれは俺の国のもので飛行機っと言ってなそらをとぶのりも・・・・「ミスターコルベール!?」・・ん?」
才人がルイズに説明しようとしたとき、ナオがコルベール先生を呼んだ。才人たちが振り向くとナオは翼の上に乗ってコックピットを覗き込んでいた
「どうしたんだね?ミスユミエール?」
「このドラゴンの中人が乗っています!それにその人酷い怪我をしています!たぶんこの竜を操っていた人だと思います!」
ナオがコックピットを覗くとその中には少年らしき人物が気絶していたのだ
「それは大変だ!ミスユミエール。コントラクト・サーヴァントはあとですまずその竜のコントラクト・サーヴァントはあとだ!まずその人の治療をしないと」
「はい!」
そう言い。その紫電改のパイロットは、医務室へと運ばれるのであった。
『おい。バカヤロー。どうしたんだよ直哉!またオヤジに叱られたのか?まったくおめえは昔の俺に似て無茶しやがるからなコノヤロ!』
菅野隊長・・・・・・
『おい、また誰かにいじめられたのか?よし!俺と隊長でそいつをぶん殴って敵討ちしてやるよ』
杉田さん・・・・
『よぉ直坊。また空戦の腕が上がったな…この調子なら俺を超えるんじゃねえか?』
武藤さん・・・・・
『いいか、直哉。覚えておけよ。不名誉より死。これが俺たち帝国軍人の誇りだ』
軍平・・・・・・・
『直哉・・・もし俺が死ぬときは妹のことを頼むな・・・・・絶対に先に逝くんじゃねえぞ』
・・・・・佐々木
俺の頭に浮かび上がったのはかつての上官や仲間・・・・・みんなあの戦争で死んじまった。俺はなんのために生きている?家族のため?国のため?最初はそう思い戦ってきた。だが、戦っているうちにそれがわからなくなってきてしまった・・・・・俺は一体何のために戦えばいいんだ?俺がそう思った瞬間、光に包まれた
「(これは・・・・・?)」
「・・・・ん・・・・ここは?」
目が覚めるとそこは見慣れぬ天井であった。当たりを見ると少し古臭い感じの部屋だった。身体を見ると包帯とかが巻いてあり、傷がふさがっていた。
「ここは…いったいどこだ?」
俺が首をかしげているとドアが開き、そこから眼鏡をかけた男が現れた。・・・なんだあの服?それにあの顔つき米国人か?いいや、アメリカ人じゃないましてやイギリス人でもない・・・・・誰だ?
「おお、気が付かれましたか・・・・ミスユミエール。彼が目覚めましたぞ」
と、その眼鏡の男がそう言うと、その後ろから少女二人と少年が入って来た。少年の方は見るからに日本人だがなんともみょうちきりんな服を着ていた。すると少年は俺のところに近づき
「な、なあ!あんた日本人か!?」
と、いきなり俺に訊いてきた
「あ、ああ・・・・そうだが?」
「良かった~やっぱ日本人だ~」
と少年は安心したように言う。もしかしてここって捕虜収容所?いや、憲兵がいなしそんなわけないか。俺がそう思っていると
「このバカ使い犬~~~~!!!」
「へぶっ!!」
もお色の長髪の子供?みたいなやつがその少年に飛び膝蹴りをした。蹴りを喰らった少年は頭にたんこぶを付けて気絶した。
「ナオ。私のバカ使い魔が失礼をしたわ。ごめんなさい」
桃色少女はそう言うと、少年を引きずっていく。・・・・・・・なんなんだ?
「ゴホン!」
その時、眼鏡の男がが咳払いを一つする。
「ミスユミエール。どうやら貴女はあの竜と一緒にこの操縦手を召喚したようですが、ミス・ヴァリエールに説明したとおり、この儀式にやり直しはききません。あのドラゴンの主人であるこの少年が貴女の使い魔です。さあ、早く『コントラクト・サーヴァント』を」
と、少女に言う。な、なんだ?コントラクト・サーヴァントって?
「・・・・待って下さい契約の前に彼に説明させて下さい。いくら使い魔儀式といっても彼の人生を束縛してしまうことを、一方的に行ないたくはありません」
と、彼女がそう言うと眼鏡の男はふむふむと頷き
「ミスユミエール・・・・なるほど分かりました。あなたの言い分も最もです」
「ありがとうございます」
彼女はその男に礼を言うと俺の方へ顔を向けた
「改めて始めまして。私は、ナオ・フェメール・ド・ユミエールです。目が覚めて混乱されていると思いますが、お名前を伺ってよろしいでしょうか?」
と、彼女は丁寧に言う
「あ、ああ…俺は宮藤直哉だ。因みに直哉が名前だ」
外国だと名字と名が逆だから俺は直哉が名前だと付け加えていった。
「ナオヤさんですね・・・・なんだか私の名前と似てますね」
「ナオに直哉・・・・確かにそうだな・・・・・・・でここはどこなんだ?」
「はい。今からそれを説明します」
と、彼女は俺に今の現状を説明してくれた。まずここはハルケギニアのトリステイン王国にあるトリステイン魔法学院であること。その学院で、二年生の最初の試験で使い魔を召喚すること。そして俺は、その使い魔として召喚されたこと。もとの場所に戻るのも今現在では方法が無いことを。
「(ハルケギニアなんて聞いたことがない・・・・しかもこの部屋や、周りを見ても戦争中には見えん・・・・それ以前に魔法学校って…そんなの聞いたことがないぞ?・・・まさかというが昔、小説を読む際に菅野隊長に勧められて読んだ「並行世界」ってやつか?となると撃墜されて死んだはずの俺が生きているのも納得できる)」
俺がそう考えていると
「本当にごめんなさい」
「え?なんで謝るの?」
いきなり謝ってきた彼女に俺は首をかしげた。
「勝手に呼び出した上に、こんな事になってしまって」
と彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。なんというか優しい子だな・・・・・
「そんな。頭を下げないでくれ。別に故意でやったわけじゃないんだからな。それにいいぞ使い魔になっても」
「え?いいんですか?」
「ああ、どうせあそこでは俺の居場所なんてないと思うし第二の人生だと思って使い魔をやるよ。それに君もその使い魔契約の試験が合格できなければ困るんだろ?」
さすがに死んだとは言えないしな・・・・・それに彼女の言うことが本当ならここで骨を埋めるのもそう悪くはないかもしれないし、それにそれでも帰りたいと思ったときはこの世界にいながらその方法を探せばいいしな・・・・
「すみません直哉さん・・・」
「いいって、いいって。それとさん付けもいいから気軽に呼んでくれよ・・・・・・で、その契約ってどうすればいいんだ?」
「ああ、はい。今からそれをしますのであ、あの・・・少しだけ目と瞑ってくれませんか?」
「え?ああ…いいけど」
そう言い俺は目をつむる。
「我が名はナオ・フェメール・ド・ユミエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
と、目をつぶっててわからないが彼女は何かの呪文のようなものを唱える。するとなにか口に感じる、柔らかくてしっとりした感触
「(お、おい・・・・もしかしてこれ接吻か!?)」
俺は目を大きく見開く。ナオが離れると、頬を赤く染めて黙っていた。
「も、もしかして・・・・これが契約か?」
俺は顔を赤く染めそう言うと彼女も顔を真っ赤にしてそう頷く。すると、急に俺の左手の甲にまるで火鉢を当てられたかのような痛みが襲う。しかしここで弱音を吐くわけにはいかない。帝国海軍の意地に賭けても。まあ、うめき声ぐらいは出るがな
「ぐっ!・・・・・・」
「だ、大丈夫。使い魔のルーンが刻まれてるの。すぐに終わるから安心して」
彼女が追う言うと、確かに彼女の言った通り痛みはすっと消えその代わり手の甲にないかの紋章・・・いや文字が刻まれた。
「ふむ・・・・ミスユミエールも無事使い魔と契約できたようですね。それにしてもこの文字ミスヴァリエールの使い魔と同じ見慣れないものだな・・・・早速調べてみるか」
そう言うと、その眼鏡男は部屋を出て行ってしまい。残されたのは俺とナオと呼ばれた少女だけとなった。
「さてと・・・・じゃあ、よろしくお願いしますナオさん・・・・」
「ナオでよろしくお願いします。ナオヤさん」
「そっか・・・・じゃあ、よろしくなナオ」
俺が不適の笑みでそう言うと急に彼女の顔が赤くなった。あれ?何か変な事でも言ったかな?俺がそう思ってると彼女は急に元気な笑顔で
「はい!よろしくお願いします!ナオヤ!」
というのだった。はてさて異世界に飛ばされちまった俺・・・・この先どうなることやら・・・・