それから数時間、母さんが帰って来るまで下のリビングで待たせることにした。
リビングに入れた二人は不思議そうに周りを見てる。
茂「とりあえず俺は親に連絡するんで。何も触るな。いいね?」
リーネ「は、はい。」
ペリーヌ「分かりましたわ。」
そう言って2人はリビングの椅子に座る。
俺は母さんの携帯に電話をかける。
だけどボタン押しても動かない。
茂「ん?なんで動かない…あっ、ブレーカー落ちっぱなしだった。」
我ながら何という凡ミス。
キッチンに行ってブレーカー戻して電話掛けてと。
母『もしもし。』
茂「母さん、色々不味い事が起きた。」
母『不味いってどう言うこと?何やったの?』
茂「えーまあそのー口で説明すると長くなる。見ればわかるけど。」
母『分かった。早めに帰るから帰って来るまで悪化させないで。』
ブチっと。
親に連絡した、あとなんだ?ああお茶。
茂「一応椅子に座ってて。お茶用意するから。」
キッチンに行って急須取って、お茶入ってるな。コップを二つ取ってお茶を入れて2人に出した。
ペリーヌ「ありがとうございます。」
茂「まあいいよ。それにしてもあんたの名前さ、どっかで聞いたことあるんだよなぁ?」
座りながら俺が話す。するとペリーヌが、
ペリーヌ「それはそうですわ。私は元は501にいたウィッチですから。」
501?それってさ、
茂「501って第501重戦車大隊?それともSS第501猟兵大隊?」
陸軍脳の俺にとっては501は重戦車大隊しか出てこねえ。501〜509の番号全部重戦車大隊だろ?
後者はマイナーだけど。なにせその次が第502猟兵大隊ってフリーデンタールだからなぁ…
ペリーヌ「501といえば第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズですわ。
そんなことも知らないんですの。」
茂「なにそれ?国連軍の統合任務部隊?第一ウィッチってなんぞや?あのさっきの電撃もあんのか?」
まずウィッチってなんなんだよ。魔女?
ペリーヌ「ウィッチはウィッチですわ。こうして魔力が使える人の事ですわ。」
そう言ってペリーヌの体が光った。うわぁしゅごい頭から猫耳出てるよ…猫嫌いだけど。
あとさ気になるんだが、
茂「あのさ、今更なんだがズボン履いてくれる?」
ペリーヌ「?何言ってますの?ズボンなら履いてますわよ。」
ペリーヌが答えた。は?何言ってんだこいつ。それはどう見てもパンツですよね?ズボン?せめてスカートぐらい履けよ。
茂「あのーすごい言いづらいんだがそれはどう見ても俺の中の常識ではパンツって定義されるものだった気がするんだが。」
ペリーヌ「これはズボンですわ。」
茂「うん、君らの常識ではそうかも知れんがこっちの常識だとパンツって言って丸出しにしたらブタ箱に放り込まれるやつよ。
せめてスカートぐらい履いてください。」
ペリーヌ「スカートって何ですの?」
WTF!何言ってんだこいつ。
茂「は?何言ってんだ?スカートだったら世界中にあるぞ。アフリカのど田舎ですらスカート履いてるのに。
スコットランドのキルトみたいなやつだよ。」
ペリーヌ「それはベルトですわ。」
もうわけわかんねえ…パンツがズボンでスカートがベルトとか何をどう間違えたらそうなるんだよ…
まあ家から出なけりゃ問題はないが。
茂「まあ外に出れば問題だけど家の中なら何の問題もないからこれ以上言う気は無い。」
とりあえず釘を刺しとこ。すると今度はリーネが聞いてきた。
リーネ「あの…あれなんですか?」
リビングの真ん中に置かれた液晶テレビを指差す。
茂「何って?テレビだけど?」
リーネ「テレビって何ですか?」
ちょ、待てや。テレビが分からんとは…今やアフリカの最奥地はおろか南極、宇宙にもあるぞ…
茂「え、ちょっと待って。テレビが分からないの?今や超の付く辺境とか田舎でも1台ぐらいはあるもんだぞ。
分からないとか1940年代じゃあるまいし。今や21世紀に入って17年も経つんだよ。」
ペリーヌ「何言ってますの。今年は1944年ですわ。」
茂「1944?ならヨーロッパは戦火のど真ん中、6月6日のDデイに連合軍が上陸してらあ。今年は2017年。平成29年だよ。」
1944とは…1944なら電子レンジすらねえじゃねえか…テレビはアメリカで試験放送中らしいが…
てか1944って世界大戦ど真ん中、まだ最後の一年だからいいとしてそれでも戦争中、しかもフランスって戦後の方が大混乱してたような記憶があるんだよなぁ…
大丈夫かよ。
茂「あー確認だがキャベツはいないよな?ヤンキーとトミーが開放してアスパラガスが偉ぶってるよな?」
ペリーヌ「何のこと言っているのですか?ガリアならネウロイから解放されましたわ。」
茂「ネウロイとはなんぞや?というかそちらの歴史とやらを聞かせてくれない?そっちの方が手っ取り早い。」
これ以上話し続けたらどうしようもない。
まとめて聞いた方が手っ取り早いよ。
俺の言葉にペリーヌは、
ペリーヌ「いいですわ。簡単な流れですけど…」
そう言ってかなり簡単な歴史を話してくれた。
それによると…
・古代から怪異、今で言うところのネウロイと何度も戦争があった。
・その怪異とやらにまともに勝てるのはウィッチぐらいしかない。
・で、その怪異が39年に黒海から来て瞬く間にヨーロッパは壊滅。
・それに対抗するためにできたのが統合戦闘航空団。501はガリアの北にあるブリタニアでブリタニアの防衛とガリアの解放が主任務。
・ペリーヌとリーネはそこの部隊にいた。
・501の活躍でガリアは解放されて今ペリーヌ達はペリーヌの故郷の復興に従事。
と、こんな感じですか。
ペリーヌ「ところでそちらの歴史はどうなんですの?」
茂「まあ少なくともウィッチも怪異もネウロイも影も形もない。
詳しくは中学の歴史の教科書あるからそれ読んで。説明めんどいし。」
そう言ってリビングの隅に放置されてた中学時代の歴史の教科書を放り投げる。
2人はそれを読み始めた。しばらくすると全部読み終わったのか頭をあげる。
そしてリーネが衝撃を受けたような声で聞いてきた。
リーネ「こ、これに書いてあることは全部本当なんですか?」
茂「全部本当も何も教科書だよそれ。間違ったことが書いてないと思う。」
間違ったことは書いてない、筈だよ。多分。たまに文科省で揉めてるけど。
そういや最初に話してたのはなんだっけ?
ペリーヌ「そういえば私の名前聞いたことがあるってどう言うことですの?」
茂「ああ最初その話ししてたな。あんまり覚えてないんだが軍人でそんな名前のやついたような…
あー思い出せん。こういう時のグーグ◯先生だな。」
ペリーヌが聞いてきたが全く思い出せない。
なんでスマホ出して検索と。
ペリーヌとリーネはスマホを不思議そうに見てる。
茂「クロステルマンっと…
あー思い出した自由フランス軍のトップエースピエール・クロステルマン!この人の自伝だ!」
そうだそうだピエールクロステルマン!フランス軍一のエースで著作もある人!
で、そんなこと思って検索結果を下にスクロールさせたら…
茂「は?へ?え?どゆこと?」
とんでもないものがあった。
何があったか?下にスクロールさせたら画像検索の結果って出るだろ?
そこにな、ペリーヌが居たんだよ。
なんで…なんで…なんでペリーヌがいるんだ!なんでペリーヌが画像検索のトップ候補に出てきてる!
一体何がどういうことなんだ!もお訳わかんねえ…
ペリーヌ「茂さんどうしました…え?これどういう事ですの!」
リーネ「ペリーヌさんがいる…」
俺の反応が気になったのかスマホをペリーヌたちが後ろから覗いて俺と同じように驚いてる。
ペリーヌ「どう言うことですの!なんで私がいるんですの!」
そう言って俺を揺らす。
茂「揺らすな!俺が知るわけないだろ!とりあえず調べるから揺らすのやめろ!」
とりあえずニコニ◯大百科のページ開いてと。
ふむふむ、要約すればパンツじゃないから恥ずかしくないとかいうストライクウィッチーズ、略称ストパンのキャラクターね。
ペリーヌさんは階級が中尉で、坂本少佐とかいう奴が好き、ツンデレねうん。
これ知ったらコイツどんな反応するんだろ。とりあえずこれはかなり重要な情報だなうん。
茂「あー、ペリーヌ。とりあえず椅子に座って。今から言うことをよく覚悟して聞いてくれ。」
ペリーヌ「は、はい。」
俺の言葉に普通ではないものを感じたのか素直に椅子に座って。聞こうとする。
リーネも同じように聞こうとする。
茂「どうやらこちらではペリーヌは存在する。」
ペリーヌ「え?どういう…」
リーネ「どういうことですか?」
リーネとペリーヌが反応する。
2人とも状況を飲み込めてないなうん。俺もだけど。
茂「ただし、アニメのキャラクターとして。
つまりあんたらはこの世界の娯楽として存在するんだ。信じられないと思うが真実だ。」
ペリーヌ「はぁ!?それって私たちはフィクションの存在ということですの!」
ペリーヌが信じられないようで叫ぶ。そりゃ誰だって自分の人生がフィクションなんて信じられないだろう。
こちらの都合で殺されたり生かされたりするのは残酷すぎる。
茂「そう言うことになる。よくわかんないがそれなりに人気の作品で10年ぐらい前のアニメ。
去年の冬アニメで3期になるブレイブウィッチーズがやっていたらしい。」
ペリーヌ「そ、そんなのあ、ありえません…私たちがフィ、フィクションの存在なんて…」
まあ動揺するよなぁ…
今度見ようかねストパン。ガルパンは見たけど。
まだこいつら来て1時間も経ってないのに衝撃的事実が多すぎだ…これ以上何も起きなきゃいいけど…
この作品ではストパンは存在します。
ただし主人公は知りません。
一応時系列ではガリア解放直後という設定です。