どうもどうも、シベリアです。
まーたやってしまいました。18時に公開するつもりが……
さて、今回は活動報告とかでも言いました通り、本年度の目標の「挑戦」ということでバンドリの2作目を投稿しようと思います。
本当は1作目をある程度進めてからにしようと思ってたのですが、この作品のアイデアばっかり思いついていたので忘れないうちに書き始めようと思った次第ですね、はい。
それでは、どうぞ。
「────
かの有名な戦国武将、武田晴信(信玄)の軍旗に書かれていた孫子の兵法書の一節である。
これは世間では「風林火山」と言われる。
────さて、みなさんはこの原典をご存知だろうか?
「故に其の
言わば「風林火山陰雷」だ。
ここはあるライブハウス。
ここで現在、あるバンドが単独ライブをしている。
────その歌は風の如く。
ギター&ボーカル、
────その滑らかさは林の如く。
キーボード、
────その太き音色は火の如く。
ベース、
────その構える姿は山の如く。
ドラム、
そして………
『ワァーーーーー!!』
曲のギターソロ、そこで観客の興奮は今日一番のものとなっていた。
その力強く響く音に誰もが魅了され、憧れた。
────その音は雷の如し。
ギター、
この5人こそ、現在のバンド界では有名でその名を知らない者はいないとされるバンド、"風林火山"のメンバーだ。
「Thank you……」
『ワァーーーー!!!』
曲が終わると観客達は歓声をあげた。
風林火山のメンバー達はそんな観客に手を振ったりしながらステージ袖に去っていった。
「なんで断ったんや!?」
ライブ後、控え室では雷光が声を荒らげて机を力強く叩いていた。
「まぁまぁ落ち着けよ雷光」
「これが落ち着いてられっか!」
林輔が興奮する雷光を落ち着けようとしたが、その興奮はおさまることが無かった。
雷光が何故ここまで興奮しているのか。
何故その興奮がおさまらないのか。
その答えはただ一つ。
「だって、デビューできるチャンスだったんやろ!?それをみすみす断るやつがあるか!」
それは、風林火山へ寄せられたスカウトを風太郎が断ったからだ。
風林火山は有名だが、CDを会社などを通じて販売したり活動してはいない。あくまでライブハウスでのライブのみ行っている。
だがメンバーの中で1人、その状況をよく思わない人物がいる。それが、雷光である。
雷光は公にデビューして、世に自分のギターの音を広めることを目指している。
だが他のバンドメンバーは同じ理想ではなかった。他のメンバーはデビューなどはせずに、ただライブハウスで「知る人ぞ知る存在」で充分だと思っている。
今まで雷光はそれを不満に思いながらも「まだその時ではない」と納得していた。だが、今回こそは、今の自分達ならデビューするに相応しいバンドになっただろうと思っていていた。夢であるデビューを果たすことが出来る……そう思っていた。
チャンスが訪れていたのにも関わらず風太郎はそれを断り、他のメンバーもそれを良しと思っていた。
「雷光……デビューすることとは本当に俺達風林火山にとって大切なことなのかな?」
風太郎はその出来事をあまり重要な事だとは思っていなさそうに、ギターの弦を優しく弾いて落ち着いた口調で言葉を発した。
「俺も風太郎と同意見だな」
「私もだ」
「俺も」
「お前ら全員か……なんでっ……!」
雷光は業火、銅山、林輔が同感していくのを見て拳を握る力が強くしていき、歯を食いしばった。
「……………はぁ、もうええわ。
雷光は呆れたようにそう言うとギターケースを肩にかけた。
「どこに行くんだい?」
風太郎の言葉に歩きかけていた雷光は足を止めて振り返り、風林火山のメンバー達の方を睨んだ。
「決まってるやろ、
「ちょ待てよ!」
雷光は銅山の静止の声を聞こうともせずに控え室の扉を閉めた。
そうして風林火山のギター担当響木雷光は、ただのギタリストの響木雷光となった。
「さて、これからどうするか……」
雷光はライブハウスを出て自宅への帰り道でこれからのことを考えながら歩いていた。
風林火山を抜けたのはいいが、デビューしていないため稼ぎはバンド活動で自作のグッズ販売だけではなく、各自が内職などのアルバイトをして稼いでいた。
雷光はちょうどやっている内職に飽きてきたところなのでバンドと一緒に辞めるつもりだ。
「ん、ライブハウスか……よし」
そして雷光は途中にあったライブハウスを見かけてそこに入ることを決めて足をそのライブハウスに向けた。
そのライブハウスの名は、『
ライブハウスに入るとドアの上の方についていた鈴の音が鳴って、受付カウンターでしゃがんでいた店員の女性が体をあげてドアの方をみた。
「いらっしゃ……いま、せ……」
その女性は雷光の顔を見ると目をパチパチとさせてその顔を見つめた。雷光はそれを気にすることなく受付に向かっていった。
「姉ちゃんスタジオ空いてるか?空いてたら1時間ほど使わせてほしいんやけど……」
「あっ、あっ、はい!5名様ですか!?」
「………いや、1人や」
「わかりました!では10番のスタジオをどうぞ!」
「ありがとうな」
お礼を言うと雷光はスタジオへ向かった。
その背中を女性店員はキラキラした目で見つめていた。
「どうしよう……あれ、風林火山の響木雷光さんよね?」
「あぁ……こうイライラするときは1人で思いっきり弾くのが落ち着くわ」
雷光はギターをスピーカーに繋げて音量調節のために軽く音を出した。
「よし、こんなもんか……」
雷光は音量に納得がいくとカバンから楽譜を取り出して、スタジオにあった譜面台にその楽譜を乗せた。
そしてスっと息を吸って、吐くのと同時に一気に力強い音を響かせた。
一人っきりのスタジオで思いっきりギターを弾き歌をうたう。これほどすっきりするものは無い。
しかもこの曲は雷光が密かに作っていた曲で、この曲の存在を知っているのも自分だけ。いつか風林火山でやりたいと思ってはいたが、それはもう今となっては叶わぬ夢。
雷光はその曲を弾きながらこれからのことについて考えていた。
だがひとつだけ決まっていることがある。
それは………
(バンドなんて、もう絶対組まん………)
そう思う雷光のギターを弾く力は強まり、心なしかその音はさらにその力強さを増した。
それから雷光は気持ちがスッキリするまで弾くことを辞めなかった。
「あ、あの……そろそろお時間なんですけど……」
雷光が一旦弾き終わって息を吐くとスタジオのドアが開いて受付にいた女性がその部屋を覗いた。
「あ、すまんすまん。時間忘れて弾いてもうてたわ。すぐに片付けるわ」
雷光はその言葉を聞いてすぐに片付けを始めた。
女性は片付け始めたらいなくなると思いきや、何かを言いたそうにして雷光を見ていた。
「……どうかしたんか?」
「えっ!?いや、その……」
雷光がそんな女性が気になって声をかけると、その女性は遠慮しているような仕草を見せた。
「なにか聞きたいことあるんやったら答えたる。言うてみ」
「本当ですか!?では、お言葉に甘えて……」
「と、その前に姉ちゃんの名前教えてくれるか?それが礼儀ってもんやろ?」
「あ、そうですね!すみません」
その女性は嬉しそうに姿勢を正して自らの名前を名乗った。
それが雷光の運命を地味に変えることはこのときは誰も予想だにしなかった。
この出会いはただ、雷光がたまたま寄ったライブハウスにいた女性がこの人で、なんの意味もない、長い人生の中でも泡のような出会いの一つであると思っていた。
「私は
「…………そんなことかい」
いや、雷光といちファンの偶然の出会いとでも言うべきだろうか。
ありがとうございました!
まりなさんかわいいですよね!
出来れば早めに2話目を上げれればと思いますので、頑張ります!
他の作品もお願いします……(ボソッ)
それでは、次回もお楽しみに!