卵を割りにちょっと異世界ダンジョンに行って来ます? 作:たくぼん
ーーーーーーそれはまるで夢の始まりのように俺の物語が始まったーーーーーー
「ん〜と、とりあえず落ち着こう…いや多分これは夢だな、うんきっとそうだ」
そうだと思い俺は下手だがほっぺたをつねった。
「い、痛い‼︎これは夢じゃないのか!てかここどこだよ日本…じゃないよな!」
そう思うのも仕方がない俺がいるのはまるで中世ヨーロッパのような街並みでそこには様々な店が建ち並び活気のある声が飛び交っている。
スゲーマッチョなおっさんが熱々とした鉄をたたいている武具屋のような店、押し売りが得意そうな叔母さんがいる雑貨屋、他にも店があるが其処まではまだいい、問題は人種だ今俺の目の前を通って行った男女のカップルはどちらも美男美女で耳が尖っていた。
「やっぱりあれはどう考えてもエルフだよなー、」
「おーい!そこの兄ちゃんちょいと道を開けてくれ!」
「え?あ、す、すみません!」
「おう!すまねぇな!」
後ろから太い声で呼ばれ振り返ると大きな荷物を運ぶ馬車が俺のせいで止まっていて馬を引いていた背が小さいおそらくドワーフのようなおっさんに道を譲った。
「ふむ、ドワーフもいるのか、後は獣人と普通の人間か、あのいかにも冒険者みたいな人達も結構いるな、あ!獣人の女の子めっちゃ可愛い!もふりたいなぁ、ってそんなことは良いんだよ!」
状況の整理をしょうとして周りを見ると近くにいる人達から変な人見るような視線を感じる、さっきから一人でぶつぶつ喋ってたからだ。そう思い恥ずかしくなりその場から移動した。
歩きながら店に並んでいる商品や道行く人たちの会話を聞きながら情報収集する。
へ〜、ポーションとかエーテルがあるって事は魔法とかも使えるんだよな、いいなぁ俺も使えんのかな?
前を歩く獣人の男二人の会話に耳を澄ませる
「おい、どうする?今日もダンジョン探索に行くか?」
「ん〜、いや昨日の探索で結構この剣もヤバイから直してもらわないといけないし消耗品も買い揃えないとだから今日は無理だな」
「あ〜、昨日は結構ヤバイかったな、モンスターの数がやけに多かったし、まさか深層にしかいないケルベロスがいた時はマジで死ぬかと思ったぜ」
「本当に逃げ切れて良かったぜ」
「よし!んじゃ命があることに感謝して今から一杯やりに行こうぜ!」
「いや、昨日もそう言って飲んだだろ…それに今からやる事を言ったばかりだろ!」
「んじゃそれが終わった後だな、早く行こうぜ!」
「ハァー、わかったわかったって」
ダンジョンなんてあんの!マジか、だから冒険者がいるのか!行ってみたいなあ、でもあんな話聞くとちょいと怖いな…まぁダンジョンは後で考えるか。
そしてしばらく歩き人通りのない路地裏に着き今の自分のことを改めて整理する。
「えーっと、此処に来る前はまず学校が終わってからバイトに行ってそれから帰って普通にゲームして寝たんだよなぁ、特に変な事は無かったはず」
そして念のためにもう一度ほっぺたをつねった。
「やっぱイテェな、これはやっぱり異世界転移ってやつなのか?でも俺死んでもないし神様にも会ってないしなぁ、ん〜あ〜も〜!わからん考えんのやめたとりあえず今の所持品は銃が二丁とお金も単価がわからんけど結構あるな、腹減ったしなんか食べるか」
どうせならと思いきた道を戻るのではなく今いる路地裏を進んで行くと段々と道が枝分かれしていく、まるで迷路のようだ。それにもう日が暮れかかってきている。
「ん〜、やっぱし戻った方が良かったか?よし!もうちょいしても何もなかったら戻るか」
そう言って先に進むと唸り声のような不気味な声が聞こえてきた。
「ヴゥァーーーーーーーーヴゥァーーーーーーーーヴゥァーーーーーーーー」
「何なんだこの声はめっちゃ行きたくねえ…でも行かないとストーリー的に進まないよなぁ…あ〜あやだなぁバッドエンドとかになりませんように!」
未だに現実感がない俺は何だかRPGゲームの主人公になったつもりで路地裏を歩いて行く。
「ハァ…ハァ…ヴゥッ…ハァ…ハァ…ヴゥッ」
声のする方へと進むとその声は女性の声だとわかる苦しそうな声に俺はいつの間にか足早になっていた。
そしてもう日が暮れた暗い路地裏に倒れているエルフの女性がいた。
俺はその光景に駆け寄ろうとした、しかしその常軌を逸した彼女の姿に足が止まってしまった。彼女の周りには血溜まりが出来ていて、ライオンにでも襲われたのかと思うほどボロボロになった防具や切り裂かれた傷や咬み傷それに火傷もしている。
誰が見てもわかるほど彼女の命は風前の灯火だ、
俺は動かなくなっていた足を動かしその血溜まりの中に足を踏み入れ声を掛けながらうつ伏せに倒れている彼女を起こした。
「お、おい大丈夫か、おいしっかりしろよ、おい!」
すると彼女の血がべっとりと付いた手が俺の腹に触れると緑色の風のような靄が出てきた、そして腹に物凄い衝撃が走ると次の瞬間には吹き飛ばされてゴミだまりに突っ込んでいた。
「ぐっはっ!ハァハァな、何だ今のガッホァ………おいおいマジで…バッドエンドじゃねぇか!ガッホァ…クッソ…チョー…イテェ…ハァハァ」
飛ばされた衝撃で意識が朦朧とする、そして猛烈な吐き気に襲われてそれを出した吐き出したそれは真っ赤でただと気付き体を見ると自分の腹に鋭く尖った木の柱が腰の少し上あたりを貫通して腹から突き出ていた。
ピチャピチャと音がしてそっちを向くと瀕死だった彼女がゆっくりと立ち上がりこちらを生気がない目この世の終わりのような顔で涙を流しながらこっちを見ている。
「ハァハァ…どうして……返して…ハァ…返して…それは大切なも…のなん……だ」
そう言って彼女はまた血溜まりに倒れた。
「クッソ、ハァハァ…知らねえよ…何もとってねえだろうがハァハァ…ガッホァガッホァ」
チクショウこんなんで俺は死なねえよまだ何もしてねぇじゃんか、それにあんな顔して泣かれたら助けたくなっちまいますよ!
そう自分を鼓舞して意識が飛びそうになりながら立ち上がり彼女の元に戻り背負った。
「よし…まだ息してんな…ハァ…死なないでくれよ…ハァハァ」
さておそらくはこの路地裏を進むよりもきた道を戻るのがいいな、あー腹いてぇなぁクソ、しかも女の子背負ってこんなこと思うのもあれだけど重い今のこの体でこれは重い!でもこの背中に当たる感覚は役得だな。
そんな事を考え痛みを紛らわしながらもう真っ暗になった路地裏を戻って行く。
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マズイな、後もう少しで路地裏から出れるってのに前が霞んであんまり見えなくなってきやがった、それに手足に力が入らねえこのままじゃ止まっちまう、チクショー、歯を食いしばれ手足に力を込めろ!命を燃やせ‼︎おっぱいパワー全開だオラー!。
最後の気力を振り絞って全速力で路地裏を走り抜け昼間にポーションやエーテルなどが売っていた道具屋に飛び込んだ。
「オイオイオイオイ!何時だと思ってやがる店に入るならもっと静かにしやがれ!だいたいもう閉店ださぁ帰った帰…った…!お前らなんて怪我してやがんだ」
道具屋の中にはスゲー怖そうなおっさんが居て閉店後に来た俺たちを追い返そうとしたが血塗れの俺たちを見て驚いている。
「ハァハァハァ…すみませんおっさん…このお金を…ガッホァ…使っていいので彼女を助けてください…ハァハァお…お願いしますハァハァ」
「それはいいがお前の怪我もヤバイだろうが!」
「俺は…後でいい…ハァ…彼女にはきっと大切な何かがあるんだよ‼︎ハァハァ…だからお願いします。」
俺はおっさんの目を見ながら必死になって頼み込む。
「よし、わかったわかったからもう喋るなマジで死ぬぞ!」
「アンタどうしたんだい騒がしいね」
すると二階から奥さんと思われる女性が降りてきた。
「おう!ミキちょうどいいところにお客だ手伝ってくれとりあえずポーションとエーテルをありったけ持って来てくれ‼︎」
「ーーーッ‼︎わ、わかったわ‼︎」
ミキと呼ばれた奥さんは状況を理解するとすぐにものを取りに行った。そしておっさんは背負ってる彼女を抱きかかえると店の中にある長椅子に横に寝かせた。
「アンタ!持ってきたよ!」
「おう、こりゃかなり酷いな魔力切れまでしているし何より深い傷が多すぎて血を流し過ぎたな、よしとりあえずはハイポーションを飲ませて後体全体にポーションをかけるぞそうした方がハイポーションの効き目が早くなる」
「わかったわ、けどあっちの子はいいのかいかなり酷そうだよ!」
「あいつは後だ、いい男の頼みを聞くのはいい男の嗜みってもんよ!その男も助けるさ!」
そんな事を言ってもらえて嬉しいなぁと思うながら俺は意識を手放した。
「こっちはもう大丈夫だな、よし次はそっちの男だ!」
「ちょっとアンタ!この子もう……」
「バカ言ってんじゃねえよただ気絶してるだけだ!それよりこの腹を貫通してる木を抜くぞ‼︎ミキは木を引っこ抜けゆっくりとだぞ、俺は暴れないように押さえておきながら空いた穴にポーションをかける、そしたら後は口にハイポーションを突っ込んで終わりだ、よしやるぞ失敗したら死んじまうからな気合い入れてやるぞ!」
「…それじゃ、いくわよ!」
ミキは男の子の背後に立ち突き刺さった木をゆっくりと抜きはじめた。
腹からくる激痛で俺は意識を取り戻した。
「グアァァアァァガァアアアアァガッホァッ!グアァァアァァガァアアアアァガッホァガッホァ」
俺自身もビックリする位の叫び声と血を口から出しいてる。
「気合い入れろ男だろが!根性で耐えろ!」
クソ!クソクソクソクソ!ぐぁぁああ!イテェ、イテェよ、こんなん根性とかでなんとかなるレベルじゃねえよ‼︎‼︎
「グアァァアァァガァアアアアァア!グアァァアァァガァアアアアァ‼︎ガッホァ、ガッホァ」
「もう少しよ!頑張って‼︎」
まじかよ!まだもう少しあんの!イテェ!イテェ!イテェ‼︎イテェ‼︎‼︎頼むから早く終わってくれ‼︎
そしてようやく腹にあった異物が抜けたと思ったらハイポーションを口に突っ込まれたのと同時にまた俺は意識を手放した。
「ハァー、とりあえずは終わったな……」
「えぇ、お疲れ様。それでこの子達は…」
「んー、わからんいきなり血塗れで転がり込んできたんだ」
「…そう、それじゃこの子達が目を覚ましたら話を聞きましょう」
「あぁ、よしコイツらを空き部屋に寝かせて俺たちも寝る!」
「……ちょっと、周りを見て掃除よ掃除!明日お店を開けられないでしょ!」
「あー、…ハァーこりゃ徹夜だな…今日はとんだ厄日だ‼︎」
店は床や壁、長椅子など至る所に血が付いていた。
「さぁ!早くやりましょう」
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ーーーーピピピピッピピピピッピピピピッピピピピッピピピーーーー
「ん、ん〜…………?知ってる天井だ」
俺は身体を起こしまだ鳴っているスマホのアラームを止めた。するとそこは異世界なのでではなく一人暮らしをしている俺の部屋だった!