火と剣がぶつかりあう。
当たっては消えるを繰り返していたそれらだったが、やがてアーチャーが接近戦を仕掛けてくる。アーチャーはすさまじい速度でキャスターに近づくと両手の剣で斬りかかってくる。
「バーサーカー!」
キャスターが呼ぶとバーサーカーはアーチャーの剣を弾く。
しかし、バーサーカーは武器を持っておらず弾き方もただ腕を伸ばしただけだ。なんと、バーサーカーは腕を覆っていた鱗で弾いていた。
「!?」
アーチャーもこれには驚いた顔をする。
だが、すぐに冷静な顔に戻り、今度は弾かれていない方の剣でバーサーカーの顔目掛けて振り上げる。
「おっと」
バーサーカーは体を反らしてそれを避ける。アーチャーは追撃しようとするも、地面から噴き出した水に阻まれて失敗に終わる。
アーチャーは一度跳び退き、こちらを睨み付けた。鋭いその瞳には殺意がこもっていたが、バーサーカーはそれを見ると遅く拍手をする。
「まさかここまでやれるとはな。正直な話、一瞬で終わると思っていたよ」
「さすが洞窟の門番といったところだ。そこら辺の奴とは違うな」
「?何が言いたい」
突然の称賛の言葉にアーチャーは訝しむ。
「そう怖い顔をするな。強いと思ったのは本当だ」
そこまで言うと、バーサーカーは小さく笑みを浮かばせる。
「まあ、もうおしゃべりはおしまいのようだが」
すると、周りが急に暗くなる。
「なんだ・・・?!」
上を見ると、ビル程の大きさの巨人が立っていた。体は無数の細木の枝で構築されており、胸の部分には鉄格子が付いている。
「これは・・・」
「まったく・・・、バーサーカーをお喋りの道具として使うのは貴様ぐらいだぞ?」
「そりゃすまなかったな。だが、おかげでこいつを呼び出すことができた」
上の方からキャスターの声が聞こえる。
探すとキャスターは巨人の肩に乗っており、どうやらこの巨人はキャスターが召喚したものらしい。
「さてと、どうするよ?もうテメエに勝ち目が無い事ぐらいわかってんだろ?」
アーチャーへの問いかけ。
それに対してアーチャーは気迫を強め答える。
「どうするか、だと?簡単な事だ」
アーチャーは高く跳び、最初とは比較にならない量の剣をだす。
「その人形ごと貴様を消すだけだ!」
巨人に向かって剣を放つ。それは当たると大爆発を引き起こした。
「他愛ない」
勝利を確信した様子でそう言う。実際、あの量の剣を喰らってはいくらサーヴァントといえど消し炭になるだろう。
「森の賢者を舐めんじゃねぇよ」
「!!」
その時、煙の中から巨人の手がのびる。
空中で動きが取れなかったアーチャーは巨人の手に握りこまれる。キャスターには傷一つ付いておらず、巨人の方にも損傷は無かった。
「そら、これで終いだ!」
巨人の体が激しく燃え出す。巨大な火柱となったそれはアーチャーごと燃え尽きていった。キャスターは燃える前に肩から降り、黙って燃えていくのを見つめていた。
「さあ、マスター達を追いかけるぞ」
バーサーカーが洞窟に向かって歩き出す。
「待ちな」
キャスターに呼び止められたバーサーカーは少し苛つきながら振り向く。
「なんだ?私もマスターに死なれると困るのだが」
「その演技はいつまで続けんだ?」
「・・・ほう?」
バーサーカーの目が鋭くなる。
「テメエがなにもんかは興味ねぇが、何でこんな所に居るのかは聞いておきたくてな」
「・・・いつから気付いていた?」
バーサーカーの問いにキャスターはため息をついて答える。
「いつからも何も最初からだよ。あんな気配出されちゃ誰だって気付く」
バーサーカーはそれを聞き黙っていたが、やがて大きく笑い出す。
「はははっ!それもそうか!すまないな、馬鹿な事を聞いた」
「たくっ・・・、で?何でテメエがここに居るんだ。こっち側じゃ無いだろテメエは」
キャスターが呆れたように言う。
だが、その顔は真剣そのものだった。
「まあ、怪物としての私ならな。だから、今回は別の私としてサーヴァントになっただけだ」
「そこまでして、アイツの召喚に応じた訳はなんだ?」
「それは秘密だ。強いて言うなら面白そうだった。」
バーサーカーの顔は悪魔の様に笑っており、今までではまったく想像のつかない笑みだった。
「そろそろ行こうか。セイバーにマシュ一人では可哀想だ」
バーサーカーは話を切ると洞窟の中へと入って行く。
話を切られたキャスターも警戒はしつつも中へと入っていった。
二桁にいけました。