「もう大丈夫なの?マシュ」
「はい。もう体力は戻りました。ご迷惑をおかけしてすいません」
マシュは微笑みながら答える。
あの後、倒れたマシュを私と所長、そしてバーサーカーで看病していた。といってもただ近くに居ただけで特に何もしていないが。
ここにいないキャスターはセイバーとなにやら話があるらしく私達とは離れた所にいた。
「それにしても、セイバーの宝具を打ち消したアレはなんだったの?」
所長がマシュに聞く。アレとは先程の光の壁の事だ。
「私の宝具・・・でしょうか。すいません。私も防ぐ事だけを考えていたので・・・」
マシュが申し訳なさそうに答える。どうやらマシュもあまりわかっていなさそうだった。
「そう・・・。ただ守ろうと思って、宝具を開いたのね」
「とんだ美談。おとぎ話もいいところだわ」
「あの・・・」
「ただの嫌味よ気にしないで」
そう言う所長の顔は少し笑っており、本心から言ったわけではなさそうだ。
「ん?宝具が使えるようになったのか。どんなのだ?」
「えーと・・」
「そう言えばまだ名前とかはないのよね。」
すると、所長は少し黙った後に何か閃いたようにマシュの方を見る。
「ロード・カルデアス」
「えっ?」
「あなたの宝具よ。カルデアはあなたにも意味のある名よ。どうかしら?」
「!とても良いと思います!」
「なら、決まりね。今からそれが宝具の名前よ」
マシュの宝具名を決め終わると、ちょうどキャスターもこちらへ来る。
「キャスター。もういいの?」
「ああ。セイバーには事情を話して帰ってもらった」
「じゃあ・・・」
「ほらよ」
キャスターは手に持っていた黄金の盃を放り投げる。
「これが?」
「そう、それが聖杯だ」
聖杯をまじまじと見る。金でできているそれからは特に何かを感じる訳でもなく、少し豪華だなぐらいの感想しか思い浮かばなかった。
「さてとそれじゃあ聖杯も渡した事だし、大人しく帰るとするかね」
すると、キャスターの体が白い光に変わっていく。
「もう帰っちゃうの?」
「聖杯戦争は終わったからな、もうオレの出番は無いさ」
「ただ最後に一つだけ言っておくぞ」
「あんたにゃあ航海者に一番必要な物が備わってる。運命を掴む天運とそれを前にした時の決断力だ」
「誰かを助けるためにサーヴァントにも立ち向かう。その向こう見ずさを忘れるなよ?そういうヤツにこそ星の加護ってやつが与えられるんだ」
「うん・・・わかった。」
「よし!じゃあな嬢ちゃん」
言い終わるとキャスターは完全に光となり消えてしまった。少しの間キャスターの消えた場所を見つめていたが、すぐにマシュ達の方に振り返る。
「それじゃあ私達も帰りましょうか」
「そうね。帰ったら色々と報告をしないと」
所長が立ち上がったその時声が聞こえた。
「吐き気が止まらないな」
「!」
絶対に聞こえるはずの無い声が。
多分次が冬木編ラストだと思います