fgo にオリ鯖を出してみた   作:もーふちゃん

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十三話です


帰還

「!あなたは」

 

《馬鹿な・・》

 

「・・・!」

 

「あの人って・・」

 

「誰だ」

 

 声のした方を向くとそこには、バーサーカーを除き私達ほぼ全員が知っている人物が立っていた。

 

 緑のタキシードに身を包み、頭には同じ色のシルクハットをかぶった、赤い長髪の男。初めて会った時とは違いその目は大きく開かれ、まるで別人の様に思った。そこにいたのはカルデアの技師である、レフ・ライノールだった。

 

「レフ!」

 

 教授を見るなり所長は走って教授の方に行ってしまう。突然の事に私達の反応は一瞬遅れてしまった。

 

「あっ、所長!?」

 

「レフ!良かった、生きていたのね!」

 

「やあ、オルガ。元気そうでなによりだ、大変だったね」

 

 所長に対して優しい笑みで答える教授。だが、その笑みに私は何か不気味なものを感じ取る。

 

(・・・何だろう?何か嫌な感じがする)

 

「ええ、そうなの!予想外の事ばかりで頭がどうにかなりそうだった!でもあなたがいれば何とかなるわよね?」

 

「ああ。本当に予想外の事ばかりで頭にくる」

 

「中でも君だよオルガ。爆弾な君の足元に設置したというのに、まさかまた顔を合わせる事になるなんて」

 

「!?」

 

「え・・・?」

 

 あの爆発はレフ教授が仕組んだもの・・・!?

 

 信頼していた人物からの言葉に私達も、そして当然私達よりも強く信じていた所長も、全員が呆気に取られていた。

 

「トリスメギトスはご丁寧にも死んだ君の残留思念を拾い上げ、一緒に転移させてしまったのだろう。適正のない君の肉体ではレイシフトは出来ないはずだからね」 

 

「だが折角だ。生涯をカルデアに捧げた君のために今のカルデアがどうなっているか見せてあげよう」

 

 すると、レフ教授の上の空間が裂けおそらく管制室と思われる場所が見える。そこにはたくさんの瓦礫があり、とても悲惨なものだったがそれよりも目を引いたのが赤く染まった地球環境モデル《カルデアス》だった。

 

「カルデアスが真っ赤に・・・」

 

 所長が後ろに二歩、三歩と下がっていく。すると、突然所長の体が空中に浮きだした。

 

「!?」

 

「最後に私からの慈悲だ。君の宝物に触れると良い」

 

 所長の体がカルデアスへと進んでいく。赤に染まった地球の中へと。

 

「や、止めてお願い。高密度の情報体よ?次元が異なる領域なのよ?」

 

「そう人間が触れれば分子レベルで分解される。ブラックホールだ。遠慮なく生きたまま無限の死を味わいたまえ」

 

 レフ教授は無慈悲にそう告げる。だが、助けに行くにも遠すぎてとても間に合いそうにはなかった。

 

「バーサーカー!所長を助けられない!?」

 

「・・・すまない。ここからではとてもじゃないが無理だ」

 

「そんな・・・」

 

 そうこうしている内に所長とカルデアスとの距離は近くなっていた。

 

「いや・・・助けて、誰か助けて!私こんなところで死にたくない!」

 

「だってまだ褒められてない。誰も私を認めてくれていないじゃない!」

 

「誰も私を評価してくれなかった、みんな私を嫌ってた」

 

「生まれてからずっとただの一度も、誰にも認めてもらえなかったのに!」

 

 今までずっと溜まっていたものが溢れだしたその叫びは誰にも届くことなくカルデアスの中に消えていった。

 

「所長!」

 

「さて、これで煩い奴は消えた。改めて自己紹介でもしようか」

 

「私の名はレフ・ライノール・フラウロス、お前たち人類を処理するために遣わされた2015年担当者だ」

 

「なっ・・!」

 

 人類を処理?担当者? 色々とわからない事が頭の中に入ってくるが、それを聞いていたロマニからの通信音が聞こえてくる。

 

《なるほど・・・。外部と連絡がとれないのはそのせいなんですね》

 

「ロマンか。ああ、そうだとも。お前たちは未来が消失したなどとほざいていたが、未来は消失したのではない焼却されたのだ。結末は確定した。お前たち人類はこの時点滅んでいる」

 

「カルデアスの磁場でカルデアは守られているだろうが外はこの冬木と同じ結末を迎えているだろう。最もカルデア内の時間が2016年を過ぎればそこも宇宙から消滅するがね」

 

「そんな・・・」

 

 レフから告げられた事実に私は言葉を失う。人類が滅んでいるなど信じたくなかったが冬木の光景を思い出すと事実だと思うしかなかった。

 

「信じられないか?だがこれが真実だ。お前たちは進化の行き止まりで衰退するのでも異種族との交戦の末に滅びるのでもない」

 

「自らの無意味さに!自らの無能さ故に!我らが王の寵愛を失ったが故に!過去も現在も未来もなんの価値もない紙くずの様に跡形もなく燃え尽きるのさ!」

 

「そんなことさせない!」

 

 レフに対して戦闘態勢を取る。すると急に洞窟が揺れ始め、体がよろめく。

 

「おっと、そろそろ時間のようだな」

 

「私はここでお暇するが、最後にそこのバーサーカー。一つ質問だ。何故こちらがわに来ない?どちらに付くのが正しいのか貴様ならわかるだろう」

 

「バーサーカー・・・!?」

 

「お前たちに付いたところで面白くないからに決まっているだろう」

 

 バーサーカーはそう言い放つ。それを聞くとレフは「ふん」と言い、どこかに消えてしまった。

 

「バーサーカー、貴方って・・・」

 

「悪いがそれは後でだ、もうすぐにレイシフトが始まる。意識を強く保てよ」

 

「!先輩。私の手を!」

 

「う、うん」

 

 バーサーカーに話を切られ、マシュと手を繋いだところで私の意識は途切れた。

 

 

 目が覚めると私は白いベッドに寝かされていた。まだ意識がはっきりとはしていなかったが見たことのある白一色の部屋にいたことから自分がカルデアに帰ってきたのだと分かった。

 

 起きてすぐに扉が開き、そこからマシュが姿を見せる。

 

「先輩、お目覚めになりましたか」

 

「マシュ・・・私達」

 

「はい。無事に帰ってこれました、これも先輩のおかげです。」

 

 マシュが頭を下げる。私は慌てて首を横に降った。

 

「そんな・・・私の力じゃないよ。全部マシュとバーサーカーが居てくれたから・・・」

 

 そこまで言ってハッとする。

 

「そうだ!バーサーカーとかは?」

 

「そうでした。皆さん管制室でお待ちです」

 

 すぐに起き上がり管制室に急いで行く。行く途中でマシュから外にいる人達からの連絡が無いことからレフの言っていた事が真実だろうと聞いた。

 

 管制室に着くと、中にはロマニ、バーサーカー、そして派手な格好をした女の人が立っていた。

 

「!立香ちゃん。おはよう、体調は大丈夫かい?」

 

「はい。私は大丈夫ですが・・・その・・」

 

「ああ。わかっている。とりあえず今の現状を話しておこう」

 

「マシュから話は聞いていると思うが、既に人類は滅んでいる。そして、この状況を打破しなければ僕達もいずれ滅びるだろう」

 

「打破できるんですね?」

 

 私の問いにロマニは頷く。

 

「これを見てくれ」

 

 ロマニがモニターを指差す。すると、モニターに世界地図が写しだされ色々な場所に点が付けられている。

 

「そこに写し出されているのは冬木とは比べ物にならない時空の乱れの発生が確認された所だ」

 

「だけど、今の所解析済みなのはここ・・・西暦1431年フランス オルレアン。ここが人類の選択点だろう」

 

「選択点?」

 

「そうだ。過去は現在を証明する足跡。その中でも人類史に点在する現在の人類を決定づけた土台である究極の選択点。その崩壊により人類は存在の証明を失ってしまった」

 

「この状況においてこれは強制に近いと理解している。だが、それでも僕は君に問わなければいけない」

 

「君に人類の未来を背負い戦う覚悟はあるかい?」

 

 ロマニは鋭い眼差しで私を見る。それに対しての答えはもう決まっていた。

 

「もちろん。私にできることなら」

 

「・・・ありがとう。その言葉で僕たちの運命は決定した」

 

「これからの戦いは長く苦しい物になるだろうだが、僕は君たちなら出来ると信じている」

 

「そして・・・」

 

 ロマニはバーサーカーの方を振り向く。

 

「君にも力を貸してもらうだろうバーサーカー。君の力は彼女達にとって必要不可欠だ」

 

「もちろん良いとも。マスターの為ならどんなことでもしてみせよう」

 

 バーサーカーは水を出しながら答える。その姿に私は不思議な安心感を覚えた。

 

 ロマニはそれを聞くと再度こちらを向き深呼吸をする。

 

「それではこれよりカルデア最後にして原初の使命、作戦名 人理守護指定グランドオーダーを開始する!」

 

「魔術世界の使命をもって我々は未来を取り戻す。たとえどのような結末が待っていようとも・・・!」

 




第二部が始まったのにまだここですよ・・・
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