「今のは!?」
急な爆発音に慌ててしまう。音のした位置から屋上で何かあったらしく、窓の外では瓦礫が落下していた。
(確か屋上には所長とキャスターが・・・!)
屋上に行った二人の事を思い出す。あの二人なら大丈夫だとは思うが、それでもつい心配になる。
「先輩!ここから脱出します。私に掴まってください!」
「う、うん!」
まだ頭の中では少し混乱していたが、とりあえず逃げることにした。
マシュの首に腕を回す。するとマシュはお姫さま抱っこの形で私を持ち上げ、窓に勢いよく走っていきそのまま窓に突っ込んでいった。
下にはキャスターとバーサーカー、所長がもう降りていた。着地するなりキャスターが「走るぞ!」と言う。
「ちょっと待って何が起きてるの?」
「それは走ってる時に教えっから、今はとりあえず山に行くぞ!」
キャスターは言い終わると同時に、返事も聞かずに走り出す。
「あ、ちょっと!?」
「先輩。落ちないようにしっかり掴まっててくださいね」
マシュもキャスターを追いかけ走り出す。
「それじゃあ私達も行くとするか」
「は?ちょっ待っ」
バーサーカーは所長を担いで追いかける。
「ちょっと何で担ぐのよ!マシュみたいに持てないの!?」
「普通に持てるが、こちらの方が走りやすい」
「前見えないんだけど!?」
「安心しろ。ぶつかったりはしないさ」
「そうじゃなくて!ああもうっ!」
あっちで何か揉めてるけど大丈夫かな・・・
あの二人組の事は気になったが、まあ大丈夫だろうと放っておくことにした。それよりもキャスターに学校で何があったのかを聞いた。
「あれはアーチャーの野郎だな」
「アーチャー?」
「ああ。いつもはセイバーを守ってるんだが、俺らの姿を見つけて攻撃してきたんだろうよ」
キャスターの顔は険しく、アーチャーに対してかなり警戒している様だった。
「じゃあ、アーチャーの所に行って倒した方が良いんじゃないの?」
「アイツは頭は良いからな、俺らが探し回ったところで見付けられねぇよ」
「それじゃあどうすれば・・・」
それを聞くとキャスターは簡単だといった笑みを浮かべる。
「そんなもん決まってんだろ。向こうから来てもらえばいいのさ」
「アイツはセイバーを守ってるつったろ?だったら洞窟の近くまで行けばアイツは俺らを止めるために接近してくるだろうよ」
「あっそうか」
何故そんな簡単な事すら思い浮かばなかったのか、自分にびっくりした。
「だが、アイツの相手となると俺一人じゃあ少し分が悪い。そこでだ嬢ちゃんのバーサーカーを借りていいか?」
「バーサーカーを?良いけど・・・」
それだとマシュが一人でセイバーと戦う事になってしまうが大丈夫だろうか?
それはマシュも思ったらしく不安な顔をしている。
「そんな心配そうな顔すんな!俺とバーサーカーがいればアーチャーの野郎なんざ、すぐに片付く。」
「嬢ちゃんは少しの間マスターを守ってくれるだけで良いんだ。得意分野だろ?守るのは」
キャスターが笑顔で励ます。
話した時から思っていたが、キャスターは俗に言う良い兄貴だと思う。マシュもそれによって多少不安な気持ちは無くなったらしい。
「はい!」
「うしっ!良い返事だ。・・・おっ、ちょうど着いたな」
走り抜けると開けた空間が広がっており、向こうの壁には大きな穴が空いていた。あそこがセイバーのいる洞窟だろう。
「降ろしますね先輩」
「うん。ありがとうマシュ」
「死ぬかと思った・・・」
「な?危険は無かっただろう?」
マシュから降りるとバーサーカーと所長に先ほどの事を説明する。
二人とも不安ながらも了承してくれた。
「それじゃあさっそく・・・!?」
「避けろ!」
キャスターが叫ぶ。
すると私達の周りに大量の剣が現れ、それが一斉に飛んできた。
「ちぃ!」
「ほう」
「くっ!」
剣はサーヴァント達が防いでくれたが、このままここに居てはいつ死ぬかわからない。
「嬢ちゃん!早く行け!」
「うん!行こうマシュ、所長」
「わかりました、先輩!」
「何で私がこんな目に・・・!」
私達はキャスターとバーサーカーを置いて洞窟の中へと入っていった。
キャスター達の目の前には両手に剣を持った男が立っていた。
「殿のつもりか、殊勝な事だな」
「そりゃどーも」
「貴様がなぜ漂流者の肩を持つ?」
「テメエらよりマシだからに決まってんだろ」
キャスターは淡々と答える。
「やはり貴様とは相容れん」
さっきと同じようにアーチャーの周りに剣が現れる。
「永遠に終わらないゲームなんざ退屈だ」
「良きにつけ、悪しきにつけ、駒を先に進ませないとな?」
不定期更新で本当にすみません。