Fate/Grand Ordar The lost memory   作:カラクリヤシキ

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過去の断片故にーーーー







喪失者の断片

満月が辺りを照らす夜。

それは、火の灯りも必要がないぐらいの明るさで、とても珍しい夜だった。

そんな月の光に照らされている中の一つの家の中では、トントントンと小刻みに一定の音が鳴り響いている。

 

「今日は、とても珍しい満月ですね…」

 

外を見る。

おそらく夜目があまり利かない人でも整っていない夜道でも躓かずに歩くことが出来るぐらいの明るさです。

 

 

「これでは、朝とあまり変わりませんね…あぁ、そろそろですね」

 

鍋の中身がグツグツと煮上がり、それをかき回す。

匂いはよし。味の方は…

 

 

「ちょうどいいですね」

 

後は、器に入れて持っていくだけですね。

 

器を乗せたお盆を持って縁側に出る。

カチャリとした小さな音が静かな夜に響く。

歩いてふと庭を見る。やはり、何時もよりも明るい月明かりで庭の隅々が目で見える。

こういう月も悪くありませんね…

 

「お食事を持ってきました」

 

目的の襖の前に着く。

お盆を縁側に置いて襖を開けて中に入るとそこには近藤さんと土方さんが話し合っていて。

 

 

 

「待ってましたよ!黒さん!」

 

沖田さんが座りながら手を振ってました。

 

 

 

 

 

「あー、やっぱり美味しいですねぇ…」

 

見回りと鍛練で疲れて余程お腹を空かしていたのか、沖田さんはご飯を頬張りながら食べている。

失礼ですが心の中でまるでリスだと思ってしまいました。

 

 

「ありがとうございます…沖田さん、口元にお米が」

 

「あ、どうも…」

 

そう言って口元に付いた米を手で取る。

沖田さんの美味しそうに食べてる姿を見る限り、どうやら今回もちゃんと(・・・・)出来ていたようです。

ただ、もう少しゆっくり味わってほしいですね…あ、ゆっくり食べてくれてますね…少しぎこちない動きになってますが…?

 

 

「やっぱりお前の作った沢庵美味ぇな、今度樽で用意してくれ」

 

「さすがに、樽ぐらいの量になると少し難しいですね…」

 

「そうか…」

 

土方さんが沢庵を頬張りながら言う。

さすがにそんなに用意することは出来ないので我慢していただきたいです。

土方さん、心底残念そうにしていますが…我慢していただきたいです。

 

 

 

 

 

 

食事を終えてから暫しの休憩。

時間は、もう夜五つ刻(20時)…。皆さんの食器を一つのお盆の上にまとめる。

 

 

「しかし、黒殿が来てからもう一年も経つのか。時の流れというのは早いものだ…」

 

「…ですね」

 

近藤さんに言われ、私が倒れてからもう一年が経つのかと少し思い更ける。

最初の頃は、色々(・・)と大変でしたよ…

今では、親しい方からは、(くろ)と呼ばれるようになってますね…

 

「最初は、歳三や他の隊の奴等も貴殿を此処に住まわせて大丈夫かと思っていたようだが、こうやって食事を作ったり、稽古を積極的に付き合ってくれたお陰で打ち解けていったんだったな…」

 

たしかに最初の頃は、まだ疑われていましたが稽古等で付き合っていたら自然と打ち解けてくれてたんですよね…

 

 

「いえ、私はただ皆さんが用意していただいた所を使わせていただいていただけです。私の力だけではとても…」

 

ですが、稽古(これ等)は沖田さんが誘ってくれたからこそ、食材もほとんど新撰組のお金から使わせていただいたからこそ出来たもの。

決して私だけでは出来なかったことです。

 

 

「何を言うか黒殿、貴殿のお陰で我々の研磨に付き合い。俺達の腕を上げてくれたのも有り難かった上に食生活も整えてくれたと言ってもいい。もっと胸を張りなさい」

 

「そうですよー!あの沢庵まみれの日々から抜け出せたんですよ!他の隊の方々だってお礼を言ってましたよ」

 

此処にいない新撰組の方々がお礼を言ってくれていたとは…作り続けた甲斐がありました。

 

 

「俺もあの沢庵だけの日々は、正直辛かったからなぁ」

 

「あの沢庵地獄はもう味わいたくありませんよ…」

 

近藤さんと沖田さんが()()みと言う。

たしかに、初めの頃の食事は、沢庵の山を食べているような光景でしたね…

お金が少なかったですし、仕方ないと言えばそれまでなんですが…

 

 

「そうか?沢庵なら樽で持ってこられても食べられる自信があるな」

 

「それは、土方さんだけですよ。私は、あの日々のせいで沢庵が少し苦手になりましたよ…」

 

沖田さんがげんなりとした表情をして言う。

沖田さんも辛そうでしたからね…土方さんは、大の沢庵好きですからね…

 

 

 

 

 

 

 

「コホッ…んッ…」

 

四半刻(30分)ぐらいの間、談笑していた時に沖田さんが何度か咳き込む。

 

 

「沖田さん、大丈夫ですか?」

 

「は、はい!ただの咳ですよ…」

 

「そうですか…」

 

そうは言っていますが、最近よく咳をしているのをよく見掛ける。

風邪でも引いたのでしょうか…

 

 

「もう夜も遅い。先に休むといい」

 

「そうします…ではお先に失礼しますね…黒さんまた後で…」

 

「はい、また後で」

 

沖田さんとは、同室で共に暮らさせてもらっているので、また後になりますね。

戻る時に風邪薬でも持っていこうか…

 

 

「最近、沖田の調子が悪かったしな…次の襲撃には参加させない方がいいか…」

 

「襲撃ですか?」

 

「あぁ、次の戦いは少し狭い場所に攻め混むのでな、その事を今夜にでも沖田(隊長)土方(副隊長)に話そうと思っていたんだが…」

 

攻め込む重要な話…しかし、最近の沖田さんの調子を見ると少し不安がありますね。

 

 

「しかし近藤さん、あいつは俺達の中でも指折りの実力を持った斬り込み隊長です。あいつを抜くと戦闘が長引いちまう可能性が高い」

 

「…そうだな、少し様子を見てからにするか。黒殿、すまないが、しばらく沖田の事を少し見てやってくれないか?」

 

「はい」

 

返事は即答。当然です。体調が悪い沖田さんの姿を見て、なにより恩人でもある方を助けないなんていう理由がありません。

 

 

「では、私も失礼させていただきます」

 

「うむ」

 

「あぁ」

 

お盆を持ちその場を後にする。

縁側を歩く。トットッと足音が静かに響く。

やはり夜は、少し冷えますね…

 

「…もう、一年なんですね」

 

…思い返せば本当に色々と大変だった。

なにせ此処は、私のいた時よりももっと先に進んでいる未来(・・)だったんですから…

 

 

町中を見れば、右も左も私が見てきたものがより高度に発展していて、わからないものだらけだった。

ですが、沖田さん達が教えてくれたお陰で迷うことはなくなり、なんとか難を逃れる事が出来た。

そして沖田さん達には、行く宛なしの身である私を新撰組(ここ)に住まわせてくれている。

今でもなんとお礼を言えばよいのかと…そう思う。

 

 

「…」

 

そんな人たちに、今でも私は言えない事がある…

『行く宛がないと』…新撰組の方々に言ったが、それは真実ではない。

ですが、言えるわけもない。何百年も前にいただなんて…

 

 

「たしか私は、あの時に」

 

そう思いに耽る。

私は、傷が原因で倒れて、それで意識を失って目が覚めたら此処にいて…思い出しても何故私が未来(ここ)にいるのかがわからない。

 

 

ーーーーただ一つ気掛かりがあるとすれば

 

 

 

 

「……巴…元気にしていたのだろうか……」

 

 

月を横目にして呟いてしまった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「洗いはこれで終わり…」

 

カチャッと洗い終えた椀と椀を重ねて戸棚に仕舞う。

あとは、いつも通りに私も部屋に戻るだけですが…

 

 

「たしかここに…ありました」

 

食器とは別の棚から餅を取り出す。町で美味しいと噂されていたものなので買い置きしたもの。

今晩にでも食べようと思っていたので折角です。お茶と薬と一緒に持っていこう。

 

盆にそれらを乗せて部屋に向かう。

部屋は、少し離れの場所にあるためかいつも静かだ。

 

 

「沖田さんも気に入るといいですが…」

 

沖田さんは、甘味を結構好んで食べているので(これ)も大丈夫でしょう。

そう思いながら部屋の襖の前に着く。

 

 

「沖田さん、御体大丈夫ですか?」

 

襖を開けながら言う。

最初に目に映ったのは布団に横になっている沖田さん。

やはり、少し辛かったのでしょうか…

 

 

「あ、黒さん」

 

横になっていた体を起こす。

動きは、いつものように普通でなんともないような感じです。風邪ではなかったのでしょうか?

 

 

「気分が悪そうだったので一応お薬持ってきましたよ」

 

「え?あ、ありがとうございます…」

 

沖田さんは、最初は何を言っているのかがわからなかった様子でしたが、思い当たるところがあったのか困ったような顔をしている。

 

 

「あ、お餅!」

 

「えぇ、町で買ってきましたので一緒に食べましょう」

 

「やったー!さすが黒さん。私の好物を知ってますね!」

 

 

布団ではなく立っていたら飛び跳ねているんじゃないかというくらいに喜んでます。やはり甘味が大好きでしたか。

 

 

 

「じゃあ、いただきますね!……ッ」

 

そう言って、餅を食べようとした時だった。

沖田さんが咳き込む。それは、さきほどの咳よりも酷く。まるで噎せたような咳だった。

 

 

「コフッゴホッ」

 

「沖田さんッ!」

 

沖田さんに近寄り背中を擦る。

さっきまでは、普通だったのに何故…

 

 

 

 

「ありがとうございます…」

 

少しの間擦って幾分かは、落ち着いたようだ。

 

 

「やはり、風邪ですか?無茶はいけませんよ……?」

 

「すみません……どうしました?」

 

沖田さんが両手を素早く後ろに隠す。

ですが私は、隠される前にその手の平にあったものが見えた。

 

 

「沖田さん、それ…血ですよね?」

 

「…違いますよ」

 

顔を反らして言う。沖田さんは、嘘をつくのが下手なのか顔や行動がとても分かりやすい…

…まさか

 

 

 

「もしや、今回が初めてではないんですか?」

 

「…初めて」

 

「まさか、この間のあの咳も吐血(それ)だったのでは…」

 

「……」

 

「近藤さん達は、この事を知っているんですか…?」

 

「……いえ」

 

これは思った以上に病が進行しているかもしれませんね…

そういえば、近藤さんが次の仕事は、いつもより大変だとも言ってましたね。

こんな状態では…

 

 

「近藤さんに次の仕事を控えてもらうように頼んで」

 

「待ってください!」

 

近藤さんに伝えようと思い、立とうとした時だった。

沖田さんが必死に私の腕を掴んで止める。

 

 

 

「お願いです…この(・・)事は誰にも言わないでください」

 

沖田さんが焦りを(あらわ)にしてに頼む。

このような沖田さんの姿は、見たことがなかった。戸惑う気持ちがあるが、それよりももっと別の気持ちの方が勝っていた。

 

 

――――何故彼女は、このような状態になっても誰にも言わずにいたのか…そして…

 

 

「何故ですか…」

 

 

座り直して沖田さんを見る。

頭に鈍痛が走る…

 

 

 

――――どうして彼女は、そんな体になっていても戦いに行くことを()めなかったのか…

それを問わなくてはならないと思った。

 

 

「えっ」

 

 

吐血した沖田さんを見てから頭が少し、痛い(・・)…ズキズキする……

 

 

知らなくてはならないと、そう思った。

そうしなければ、彼女は…沖田さんは、自分の事を一人で抱えて終わってしまう(・・・・・・・)のではないかと…そう思えた。

 

 

「それは、おそらくとても重い病でしょう…」

 

「…」

 

「なのに、何故誰にも言わなかったのですか…」

 

 

二人の間に沈黙が流れる。

先程の会話がまるで無かったかのように部屋の中がしんと静まる…

 

 

 

 

 

 

 

「…嫌だった」

 

 

静寂した部屋に声が小さく響く。

だがその声は、小さいとは裏腹にとても重く感じた。

 

 

 

「黒猫さんが来る前にも、何度か寝込んだことがあったんです。当時は、吐血(こんなこと)はあまりありませんでしたが…少なからずありました」

 

私が来る前から…ということは、やはり病が強く…

 

 

「床に伏して開けられた戸から見える庭や空を見続けたり、天井を見ていると、ふと頭の中を()ぎるんです。何も出来なくなった私(・・・・・・・・・・)の姿が…」

 

沖田さんが顔を俯きながら、両手で自分を抱きしめている。

まるで不安で震えている体を抑え込んでいるように…

 

 

「それが堪らなく嫌だった…新撰組で近藤さんや土方さん達が誠を掲げているのに…戦っているのに……それなのに…」

 

そう言って俯いていた顔をゆっくりと上げる。いつも天真爛漫で笑った顔を絶やさなかった沖田さんの表情(かお)が、とても悲痛な面持ちで――――

 

 

「私だけが戦えずに、共に駈けることも出来ずに、誠を掲げる事も出来なくなるのが――――」

 

 

 

触れてしまえば今にも壊れそうで…

 

 

 

「――――とても嫌なんです」

 

 

 

泣いているように感じた…

 

 

 

 

「だから、お願いします…」

 

私に向かって頭を下げる。後生だと言われているように聞こえた…。

沖田さんの本音を聞いて私は、考えを巡らす。

彼女は、一人で抱え込む癖みたいなものがある。

もし、私が吐血しているところを見ていなければ彼女はずっと隠していたでしょう。それも死んでしまうまで…

 

 

「…」

 

新撰組(なかま)に心配されまいと、共に歩みたいと、置いて行かれたくないと…

そんな彼女の姿を見て、『行かせない』『休みなさい』と言うことが出来ない。

なぜならそれは…

 

 

「わかりました」

 

 

『貴方にだけは、見られたくなかった…』

 

 

その姿が、(あの娘)に似ていて…そして――――

 

 

「この事は誰にも言いません」

 

ずっと()に、似たような事があった(・・・・・・・・・・)気がするから……

 

 

 

「っ本当ですか!」

 

「ですが、約束してください」

 

「約束ですか…?」

 

「気分が悪いと思ったら私に言ってください。出来る限りの力を尽くしますから…だから自分だけで抱え込まないで、無理はしないでください」

 

 

だからせめて、沖田総司(この人)希望()を叶えようと思った。

近藤さん、土方さん、頼んでくれたのにすみません……。

心中(しんちゅう)で謝罪する。

 

 

「…はいっ」

 

沖田さんが涙を流して言う。

だが先程の不安の影は無く…少し穏やかな顔をして笑っている。

 

――――ですが

 

 

「…涙なんて流さないでください」

 

沖田さんの頬に触れて手で涙を拭う。

(そんなもの)を見るために言ったのではないんですよ。

 

 

「…すみません」

 

また俯いてしまった。顔は見えないが、耳元が赤くなっている。

泣き顔を見られて恥ずかしかったのでしょう。

…仕方ありません。

 

 

 

 

 

「しかし、これでは餅も食べれませんね…近藤さんや土方さんに渡しておきましょう」

 

「いえそれは、ちょっと待ってください!食べます!食べますからー!」

 

ばっと、俯いた顔を上げて沖田さんが慌てて言う。うん、少し顔が赤いですが沖田さんらしくなってよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある朝のことだった。

パキャッと、乾いた音が鳴り響く。毎日やることの一つである薪割りだ。

一つ終わればまた一つと、乾いた音を立てて割り続ける。

 

 

「…はぁ」

 

溜め息が漏れる。薪割りが一段落して、呆然と立ち尽くす。

一月前に行われた襲撃で沖田さんが、血を吐いて倒れてしまった。

幸い、怪我はなく。他の隊員の方の助力もあって難なく戦線離脱できたようです。

 

 

 

それだけならよかったのに…

 

 

「…」

 

沖田さんの病気を知った。知ってしまった(・・・・・・・)。『労咳(ろうがい)』というらしい。

不治の病とも言われており、治すことが出来ない病気だそうだ…。

そんなに長生きできないものらしい…

 

 

「…っ」

 

それを思い出して前にもあった頭痛が起きる。

それは、前よりも強くて、手を額に当てて抑える。一体何ですか…

 

 

…もしかして過去にも労咳(このようなこと)があったのでは――――

 

 

 

 

 

「黒殿、ここにいましたか」

 

頭痛が和らいだ時、後ろから声を掛けられる。

 

 

「山南さん?」

 

振り向くと其処には、新選組の総長である山南敬助さんがいた。

山南さんとは、沖田さんと話しているところで知りあい。見掛けることがあればよく話したりする中で、沖田さんが兄のような方だと言って慕っており、他の隊士の方々からも親しまれている方だ。

新撰組では、珍しい温厚な人だと思う。

 

 

「どうされたんですか?このようなところに来るなんて珍しい…」

 

「ちょっとな…」

 

「?」

 

少し言い淀む。なんでしょう?何時もならそのようなことはないのですが…

 

 

「いや、沖田の調子はどうだって思ってな。最近多忙であまり会ってなくてな」

 

沖田さんですか…

 

 

「今日は、少し具合が悪そうでしたので少し横になってますよ」

 

「そうか…」

 

…あ、そうです。

 

 

「山南さん、まだ時間がありましたら沖田さんの所に行きませんか?きっと喜びますよ」

 

「いや、いい大丈夫だ!まだ片付けるものがあるからな。

また今度にするよ…」

 

「そうですか…?」

 

少し残念ですが仕方ありません…

まだ仕事があるのに何故此処に来たのでしょう?

 

 

「ん?あぁ、これを貴殿に渡そうと思ってな」

 

私が疑問に思っているのに気づいたのか、山南さんが懐から封筒を取り出して渡す。これは…?

 

 

「手紙だ。だが今はまだ開けないでほしい。開ける時が来るまで待ってくれ…」

 

?それは一体…

 

 

「…黒殿には、感謝しているよ」

 

「…え?」

 

感謝?山南さんに感謝されることに身に覚えがなく少し首を傾げる。

 

 

「いや、沖田のことだ。あいつは腕は立つんだが、一人で抱えちまうところがあってな…

病の件なんて正にそれだ」

 

確かに沖田さんは、病の事を隠していましたね…

 

 

「だがな、貴殿が来てから、良い方向に変わったと感じたよ。

少し前なんかは、まるで憑き物が落ちたように穏やかな雰囲気になっていたしな…」

 

沖田さんが変わった?もしそれが病の件でしたら確かに、具合が悪ければちゃんと教えてくれたりしてくれるようになりましたね…

 

 

「それはおそらく私ではなく、沖田さん自身が変えたのだと思います」

 

「そうか…」

 

そう。どんなに周りの人が言っても、本当に変わる事が出来るのは、自分自身でないと出来ないことなんですから…

 

 

 

「それじゃあ、失礼するよ。話を聞いてくれてありがとう」

 

「いえ、久しぶりに話せて嬉しかったです」

 

「はは、俺もだ」

 

山南さんは、そう言って踵を返す。

さて、私も続きをやらなくては…

 

 

 

 

 

 

 

「…沖田のこと、頼んだぞ」

 

山南さんの声が後ろから聞こえた。

 

 

え?

 

 

 

「山南さん?」

 

それはどういう…

後ろを振り返ったが、そこには山南さんの姿はなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

――――それから数ヶ月の時が過ぎたころ、山南さんが新撰組から脱走した。

 

 

 

 

 




やっと書けました…
今回は、前より少し長かった為に夜になってしまいましたね…
また活動報告にも書かせてもらいます。
それでは、また報告と次話でお会いしましょう!
ではー!
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