イッセーと黒猫の恋物語   作:kue

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第十一猫

「これが堕天使達のいる教会の地図だよ」

そう言って木場はポケットから丸めた地図を出そうと

するがそれを俺は手でさえぎった。

「イッセー君?」

「そんな小細工は無しだ。考えるよりも行こうぜ」

そう言うと白音が大きなため息をついて大層、呆れ返っていた。

なんでそんなに呆れるのですか、マイシスターよ。

「兄様らしいです…が、言う通りです」

「……そうだね。今は考えるよりも行こうか」

木場も納得してくれたのか地図をポケットに入れるとその手に持っている

刀を肩に担いで立ち上がった。

それを見て俺たちも立ち上がって教会の玄関まで来た。

「あ、そうだ。イッセー君、部長からプロモーションの許可が出てるよ」

確かポーンは駒の特性を変えられるんだったっけ?

前に黒歌に教えてもらったよ。

「さて、白音」

「はい」

「スマッシュ」

「ふん!」

ドゴォォォォォォォォォォォン!

そんな凄まじい音をたてて教会の正面玄関の木製の扉が木端微塵に砕け散った。

 

 

「ハロ~!クズ悪」

『Boost!』

「せいや!」

ドコォォン!

「んぎゃ!」

みっともない音を出して何かが壁に激突した。

うん、髪色が白色で銃と刀を持っていた男性神父なんて見えなかったぞ!

『お前が戦いたくないだけだろう』

ドライグがそうやって神器を通して俺に話しかけてくる。

だって、あの神父イカれ狂ってるから嫌いなんだよ!

「むっがぁぁぁぁぁぁ!死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」

「うぉお!」

そうやって神父は無差別な銃を辺りにぶちまけていく!

うぉ!とうとう、イカれ神父が切れた!

「だったら僕が!」

「俺が止めを刺す!プロモーション!ナイト!」

『Boost!』

木場がイカれ神父に飛びかかろうとした瞬間に俺は、木場を止めると

プロモーションをしてナイトの特性に変えて倍加してから高速で後ろを取った。

「なっ!」

「安らかに眠れ。ルーク!」

ドオオォォォォォォォン!

俺は瞬時に、駒をルークに変えて腕力を強化させると首元に

壁を突き抜けるくらいの強さの裏拳をぶち込んで殴り飛ばしてやった。

白髪神父は壁を簡単に突き破って教会の外に飛んでいった。

「……行くぜ」

「はい」

「うん」

俺達は神父を放置してアーシアのもとへと向かった。

 

 

 

 

「アーシアァァァァ!どこだぁぁぁぁぁ!」

ドゴォォォォォン!ドガァァン!

先程からイッセー君はドアを見つけるとそのドアを殴りつけて木端微塵に壊しては

中を確認し、いないと分かるとまた、ドアを探して見つけると殴りつけていた。

「あ、あのイッセー君?」

「うらあぁぁぁぁぁ!」

そう叫んではイッセー君は籠手から魔力弾を放出して辺りを壊しまくる。

え、えっと一応この協会って堕天使の所有している土地だから結構ヤバいんだけどな~。

「兄様は単細胞なので一度走り続けたら目的を達成するまで止まりません」

と、小猫ちゃんは僕に呟いてくる。

目的を達成するまで止まらないって、まるで泳いでないと死んじゃうマグロじゃないか。

「うらぁぁぁぁ!」

ドオオォォォォォン!

もう何個目か分からないくらいにぶち壊したドアの先に目的の人がいた。

 

 

 

 

「アーシア!」

俺達が入った部屋にはフードをかぶり顔を隠し、あのイカレ神父と

似た武器を持った神父たちがズラリと並んでおり、その先の壁には

張り付けられたアーシアと黒い翼を生やした堕天使がいた。

「あら、案外早かったわね」

「アーシアを返せよ」

「嫌よ。なんで、下級悪魔の言う事なんか聞かないといけないのよ」

そう言って俺を見下したような眼で見てきた。

「さあ、貴方達。儀式を始めるわ、時間を稼いで頂戴」

「あ”あ”あ”あ”!」

すると突然、アーシアの叫び声が聞こえてきた!

「木場!白音!あの神父たちは任せてもいいか!?」

「はい!」

「勿論だよ!」

俺は二人に了承を得ると一気に走り始めた。

「はぁぁ!」

ドゴォォォン!

俺に斬りかかろうとしてきた神父を後ろから白音が飛び込んできて

殴り飛ばし、放たれてくる弾丸を木場が剣で斬り落としていく。

『Boost!』

よっしゃ!行くぜ、ドライグ!

『あぁ!行ってやれ!相棒!』

『Explosion!』

ゴオオォォォォォォォ!

今までに倍加され貯蓄してきた魔力を爆発的に籠手から増幅させ、速度を

上昇させ、さらにナイトの特性の高速移動を上乗せした速度でアーシアに近づいた。

「おおぉぉぉぉぉぉぉ!」

つぅ!我慢だ我漫!

速度に耐えきれず体が軋むが俺はそれを無視してアーシアを救出した。

……なんで、あいつ、何もしてこなかったんだ。

俺は何もしてこない堕天使の女を見ながら一瞬、そう思ったが

すぐにそれを振り払いその場から離脱して外に向かった。

 

 

 

 

「よし、ここなら」

俺は教会の外に出てアーシアをゆっくりと地面に置いた。

「大丈夫か?アーシア」

「ハァ……ハァ、ハァ」

アーシアの呼吸が徐々に苦しそうなものになっていた。

「お、おいどうしたんだよ!」

「す……みません……イッセーさん。私、もう無理みたいです」

そう言う傍からアーシアの額から汗がたくさん滲みだしてきて

顔色が徐々に変な色になってきた。

「な、なんで」

「そりゃ、セイグリッドギアを取ったからよ」

「っ!てめえ!」

後ろから声が聞こえて、後ろを振り向くとそこには堕天使の女性が立っていた。

な、なんでこいつがここにいるんだ!

「ねえ、見て?この肩の傷。さっき、ナイトの子に斬られちゃったの」

そう言い指をさしているところを見てみると

確かにあいつの肩に何かで斬られたような傷があった。

「それがなんだって言うんだよ」

「ほら」

すると彼女は指から淡い光が出して傷をスーッとなぞっていくと

さっきまであった傷が綺麗さっぱりなくなっていた。

あいつもセイグリッドギアを持って……いや、ちょっと待て。

確か、セイグリッドギアを先天的に宿すのは人間、もしくは

その血を引くものだけだと黒歌から聞いた。

堕天使の転生なんて聞いたことがない……まさか!

「ま、まさか。そのセイグリッドギアはア、アーシアの」

「そう、大正解よ」

俺の頭の中に黒歌が前に言っていたことがよぎった。

 

 

 

『セイグリッドギアを持ち主から無理に取っちゃうと

その持ち主は死んでしまうにゃん。イッセー……気をつけてにゃん』

『安心しろ。俺はそう、やすやすと死なねえよ』

『にゃん♪』

 

 

 

「ア、アーシアが……死ぬ?」

「そうよ!その子はもうすぐ死んでしまうのよ!」

俺は恐る恐るアーシアに視線を移すとさっきよりも苦しそうな

表情を浮かべていて呼吸の数もかなり多くなっていた。

「お、おいしっかりしろよ!アーシア!」

俺はアーシアを抱きあげて彼女に呼びかけるとうっすらと目を開けた。

「イッセー……さん」

アーシアはプルプル腕を震わせながら俺の腕を掴んだ。

「な、なんだ?」

「私は……イッセー…さんの……お友達……です…か?」

「あ、ああ!当たり前だろ!ずっと友達だ!」

「はは……嬉しい……………………」

その言葉を最後に俺の手を掴んでいたアーシアの腕がだらんと力なく地面に落ちた。

「お、おい……アーシア?なあ、アーシア!」

「無理よ。もうその子は死んだの」

堕天使の女の声が俺の耳を貫き、頭の中で反響した。

「その子のセイグリッドギアはね!全ての傷を癒すのよ!

私がこの力を使えばシェムハザ様とアザゼル様の愛を受けることができる!

今まで私を見下してきた奴らを潰せる力なのよ!」

「何でだよ……なんでだよ!」

俺は両目から大粒の涙を流しながら叫んだ。

「なんでアーシアみたいな!アーシアみたいな優しい子が死なないといけないんだよ!」

 

 

「あのね、下級悪魔。人間は一日にどれだけ生まれ、どれだけ死ぬと思う?

その子は一日で死ぬ人間の一人にしかすぎないのよ」

「ああぁぁぁぁぁぁ!あぁぁぁぁぁぁぁ!」

俺は右腕を何度もコンクリートの床にぶつけながら叫んだ。

どれだけ痛みが伝わろうが血がどれだけ流れようが俺は殴り続けた。

「馬鹿らしい。別に人間の一人や二人変わらないわよ」

「――――――ッッッッッ!」

その言葉で俺の何かが切れた。

 

 

 

 

俺はアーシアを優しく地面に置き、籠手を呼び出した。

『Boost!』

「何?今更そんなありきたりなセイグリッドギアなんか」

「……けんなよ」

「はい?」

堕天使の女は聞こえないのか俺を舐めた口調で聞いてくる。

聞こえねえなら世界中の奴らが聞こえるくらいにまで大きな声で叫んでやるよ!

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

『Boost!』

グシャァァ!バキィィィィ!

「っ!」

俺の叫びとともに辺りに魔力がぶちまかれ教会を支えていた柱にヒビが入り

俺の立っている周りの地面が大きくへこんだ。

「アーシア・アルジェントっつう女の子はな!もう二度と生まれてこねえんだよ!」

『Boost!』

「一人や二人死んでも変わらない!?そんな奴がいるはずねえだろうがよぉぉぉぉ!」

『Boost!』

4回倍加され魔力が凄い量にまで膨れ上がっている。

その証拠に目の前の堕天使の女は俺の魔力量に絶望の色を見せている。

「な、何よその魔の波動は!上級悪魔のそれをなんら変わらないじゃない!」

「堕天使ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

「化け物が!」

ジュシャッ!

俺の肩を堕天使が投げてきた槍が貫き、聖なる光が俺の体を内側から

焼き尽くし始めた。

「うらぁぁぁ!」

ズボォ!

「なっ!無理やり!」

ジュシャァァァ!

さらに太い槍が俺の腕を貫き、鮮血が辺りに散るが俺はそれを無視して

無理やり槍を引き抜き籠手で握りつぶした。

「ひぃぃ!こ、こんなのに勝てる筈がないじゃない!」

「バレてんだよ!」

俺は仙術で既にあいつが次に何をしてくるかが大体分かっているので

翼を広げて空に飛ぼうとした瞬間に二つの翼を素手で掴んでこっちに引き寄せた。

「なっ!」

『Explosion!』

「うらあぁぁぁぁぁぁ!」

ドゴォォン!

「ごぅぅ!」

俺は今まで倍加してきた魔力の全てを籠手に集中させて凄まじい破壊力の

パンチを堕天使の顎に綺麗に入れて殴り飛ばすと壁を突き破って堕天使が吹き飛んでいった。




お久しぶりです!
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