さてさて、皆さま。いかがお過ごしでしょうか。
俺――――――兵藤一誠が悪魔に転生してからもうすぐ、一か月でございます。
いや~早いものですね~。
さて、今俺は部屋である人物をマイシスターである白音とともに待っております。
その人物とは
「にゃ~♪」
「黒歌!」
「……姉様」
黒い着物に身を包みこんだ黒髪の美女、黒歌が窓から部屋に入ってきた。
ええ、俺の愛する女性である黒歌でございますよ。
彼女は今、はぐれ悪魔として悪魔の社会から姿を消しカオス・ブリゲートと
いう組織に入っている。
本音を言うと俺は黒歌にテロ組織なんかに入って欲しくはないんだが、彼女の話によると
『私がいるチームは戦いはするけど絶対に殺さないっていうチームにゃん♪』
と、満面の笑みで俺に言ってきたので俺は彼女を信じている。
最近は暇だからとかなんかでよく、うちに遊びに来ている。
「さて、白音、イッセー。仙術トレーニングを始めるにゃん♪」
「おう!」
「……はい」
そんな訳で俺は黒歌に仙術を教えてもらっている。
とは言っても人間かぶれの悪魔が出来ることは限られているが……
「ぐぬぬぬぬ!」
「ん~やっぱり、イッセーは魔力の才能は無いにゃ~」
うぅ、そんな残酷な事を笑顔で俺に言わないでくれよ!
そんな俺に比べて白音はぐんぐん成長してきている。
「にゃにゃ! 白音の成長レベルは凄いにゃん♪どっかの
誰かさんとは大違いにゃん♪」
うぅ! 止めを刺さなくてもいいじゃねえかよ!
俺のハートは壊れやすくて割れ物注意なんだ!
「……よしよし」
そんな俺を白音は頭を撫でて、優しく慰めてくれる。
「白音は優しいな!」
「……ど、どうも」
そう言って顔を赤くして白音は俯いてしまった。
うわっほう! なんて可愛い光景なんだ、この野郎!
「可愛いじゃねえか!」
「に、兄様」
俺は思わず白音に抱きついてしまった。
いつもなら黒歌の関節技が俺に襲いかかるんだけど……
「………」
黒歌はどこか遠いところを見ていた。なんだかその表情は悲しそうに見えた。
「黒歌?」
「にゃ?」
俺が声をかけると黒歌はいつもの表情に戻ってこっちを振り向く。
ん~気のせいか?
そんな疑問を抱いた日であった。
さてさて、黒歌も帰って俺とアーシアは今、悪魔稼業をしています。
「きゃぁぁぁぁぁぁ! イッセーさん、速いです速いです!」
「だーっはははははははは! 俺の力はまだまだこんなもんじゃないぜ!」
俺はアーシアを自転車の後ろに乗せ、到底人間では出すことのできない
速度でペダルを漕いで一本道を爆走していた!
「あ、イッセーさん! あそこが最後です!」
「よっしゃ! ドリフトだぜ!」
俺は両方のブレーキをかけながら自転車を少し傾けるとタイヤが地面との
摩擦により火花を散らせながらドリフトのような格好になってポストの前に停止した。
「行ってきますね!」
「ああ」
そう言ってアーシアはチラシをそれぞれの家のポストに入れていく。
下に視線を移すとタイヤから少し煙が出ていてゴムが焦げたようなにおいがしていた。
あ~あ、タイヤが焦げちまった。
『……むしろ、そのくらいの速度を出せる相棒が凄いぞ』
ドライグ……俺はいったい何度地獄の特訓から生還していると思うんだ?
「投函完了しました!」
そんな風にドライグと話しているとポストに宣伝広告を
入れ終わったアーシアがこっちに戻ってきた。
「よし! じゃあ、行くぜ!」
「はい! あ、でも帰りは安全運転でお願いします」
アーシアの頼みなら仕方がねえ。
俺は誰が見ても遅いだろうというくらいの速度で自転車を進めて
学校のオカルト研究部室へと向かった。
「ただいま、帰りま……した」
な、なんだ? この異様な気配は……す、すげえ。部長の隣に立ってる
銀髪メイドさんの気配……なんか、化け物見てる感じだ……。
部室に入ってすぐ、凄まじいほどの圧力が俺にかかってくるのが感じられた。
その圧力の出所を見てみると部長の隣に立っている銀髪メイドさんから感じられた。
「お帰りなさい、イッセー」
部長はいつも通りに俺を迎え入れてくれる……けど、なんかその気配は
どこか鬱陶しさを感じさせるものだった。
も、もしかして俺また、何か失敗を。
そんな風に考えている時に部室の床に突然、見たことのない魔法陣が現れた。
「白音。あの魔法陣は」
「フェニックスです」
白音がそう言った途端、魔法陣から炎と熱風が部室になだれ込んできた。
……っていうか、魔法陣から炎出すなよ。暑苦しいだろうが!
俺は額から流れてくる汗を拭きながら魔法陣を見ていると炎の中から
一人の男が出てきた。
「ふぅ。会いに来たぜ、愛しのリアス」
「ライザー」
……ん~なんかいやな予感がビンビン感じられるな。
「まあ、そう不機嫌な顔をするなよ。せっかくの美人が台無しだ」
「貴方に言われても嬉しくないわ」
先程から部長の気配は鬱陶しさからイライラしたものへと変貌し
チョイ悪系の男からはなんか……うん、気配を感じているこっちがイライラする
くらいの『俺って超イケメン』みたいな気配がしてくる。
ああもう! ぶっ飛ばしてぇ!
「お茶ですわ」
「ありがとな、リアスのクイーン」
姫島先輩のオーラもいつもの柔らかいものではなくどこか、
刺々しい感じのものに変質していた。
「で、何の用で来たのかしら」
うんうん、一番知りたいのはそこだ。
「何って嫁の顔を見に来るのはいけないことなのか?」
「嫁じゃないわ。それに貴方のお嫁さんなんてまっぴらごめんよ」
クフフフフフフフ! あ、あいつ! よ、嫁って!
俺は必死に笑いが出るのを堪えながら二人の話を聞いていた。
「さて、早速でもないが式の詳細を決めよう。既に教会は決めてあるんだ」
「冗談じゃないわ! 私は貴方とは結婚しないの!」
部長は男性が広げたカタログを手で弾きながら立ちあがった。
クヒャヒャヒャヒャヒャ! あ、あいつ! 部長に振られてやんの!
ま、まあともかく話の概要は分かった。
あのチョイ悪兄ちゃんと部長は婚約してんだけど部長が嫌だと言ってんだな。
「あの~部長」
「何? イッセー」
「俺、帰ってもいいすか?」
俺の質問に部長は少し驚いたような表情を浮かべ、白音を除く他の
部員の皆のオーラも一瞬、揺らいだ。
「ああ、良いぜ。てか、お前誰だよ」
「新入りの下僕。白音、帰ろうぜ~」
俺は白音の手を取って部室から出ようとするも、
いつの間にか後ろに銀髪メイドさんが立っていて出ることが出来なかった。
「あの~邪魔なんですけど」
「今、出ていってもらっては困ります」
「いやいや、あの男の事なんて俺には関係ないっすよ」
と、言うもののメイドさんは一向に退く気配を見せるどころか
むしろ出ていかないでという気配が感じられた。
「そうですよ、グレイフィアさん。その餓鬼の言う事はもっともだ」
「お! あんた案外話分かる人じゃん!」
「はっ! 俺を誰だと思ってんだ? ライザー・フェニックスだぞ?」
いや、そんなのは知らないんだけどさ。
と、言う具合で何度も帰ろうと試みたんだが失敗し続けたので
ひと先ず話だけ聞いた。
「つまり、部長はもっとフリーダムに恋愛したいと?」
「え、ええまあ」
「で、あんたは部長と結婚したいと」
「おう」
俺は一拍、間隔を空け腹の底から大きな声を出した。
「一言、言わせて下さい。んなこと知るかぁぁぁぁぁ!」
『っっっ!?』
俺が大声でそう言うと全員がおっかなびっくり!みたいな顔をした。
「御家の事はあなた方で決めてください。以上!」
「では、レーティングゲームで決めてはどうですか?」
俺が言っている傍からあの銀ぱつメイドさんが話に割り込んできた。
あぁもう! なんで、この空気をぐちゃぐちゃにするんだよ!
「レーティングゲーム……上等よ!」
えぇぇぇぇ!?
「俺も構わねえ。じゃあ、ゲームは10日後だ」
それを聞いた部長は少し、顔をしかめた。
「それは私宛のハンデかしら」
「ああ、俺の卷属と互角に戦える奴なんざ雷の巫女くらいだろ。
少しでも修行して力をつけた方がいい」
ほほぉ~。舐めた口をきいてやがるな、こいつ。
『相棒、一発かますか?』
まあ、今のところは我慢だ。
『そうかい』
そう言ってドライグは深い場所へと潜った。
「最後に俺の可愛い卷属を紹介してやる」
ライザーって奴が指をパチンと鳴らすと魔法陣から下僕らしき
メンバーがぞろぞろと現れた。
「……ダメ……ダメ……ダメ……ハァ……全員アウト」
俺は魔法陣から出てくる女性を一人一人、観察しながら採点をしていく。
結果、全員俺の範疇外だった。
「何がよ」
向こうの卷属の一人が俺の言った事に質問してきた。
「いやね、全員美人じゃないな~って思って」
『ッッッ!』
何故か、ライザーとか言う下僕さん達のオーラが一気に刺々しいものに変質した。
あ、あり? なんか地雷ふんじゃった?
「雑魚のくせに生意気よ!」
棒を持って和服を着た女の子が俺に突撃してくる。
「あ~殺すなよ?」
ライザーがめんどくさそうな口調で言う。
「私が」
「いや、良い」
俺は白音を腕で遮った。
「はぁ!」
素早く棒を突き出して俺の顔面めがけて放ってくる。
俺は腕に籠手を呼び出し、思いっきりつきだされてきた棒を殴った。
バキィィィィィ!
「なっ!」
棒は先端の部分から一気に砕け散って、辺りに破片が飛び散った。
ふむ、意外と柔らかい棒だったんだな。
相手は棒を一発で折られた事に驚愕しているのかその場から
一歩も動けないでいた。
「ん? お前まさか相手と自分の力量の差も分からない?
だったら俺が教えてやるよ」
「ひっ!」
俺は超ニコニコ笑顔を浮かべながら和服ガールの近づいて行くが何故か
和服ガールは顔を引きつらせて後ずさる。
「そこまでです」
と、俺達の間に銀髪メイド様が立ちふさがった。
「これ以上はおやめ下さい」
まあ、俺もこれ以上暴れる理由はないし。
「は~い。白音、帰るぞ」
「はい」
俺は近くにいた白音の手を取り、部室から出て、家へと戻った。
「……おい、リアス。あいつは何だ」
「あの子は兵藤一誠。兵士の駒、全てを消費して悪魔に転生したの。
所持しているセイグリッドギアはブーステッド・ギア」
「……これは面白くなりそうだ」
こんばんわ! 今回は異常に短いです!