「ん、ん~」
俺は準備運動を兼ねた欠伸びをしながら体のコンディションを整えていた。
ゲームが終わる時間はまだまだ先だと思うし、このくらいゆっくりしていても問題ないだろ。
なんか、若干殺気を感じるけどまぁ、気にすることはねぇだろ。
ていうか脇腹イテェ。け伸びするたびに痛みが体に走るぜ。
「てめえ、どこでそれほどの力を」
「お前は俺たちを簡単につぶせるとでも思って鍛錬も何もしてないんだろ? 違うか?」
焼き鳥南蛮野郎は何も言わなかったけどあいつのオーラみたいなものが
少し、揺らいだのを感じたから俺が言ったことは正解なんだろう。
「まぁ、そりゃそうだろうな。お前は純潔の悪魔。対して俺達は部長以外の
奴らが全員転生悪魔であり人数もお前の半分以下だ……でもな、俺たちは
死ぬ気で鍛えてきて死ぬ気でてめえに挑んでるんだ。生半可な覚悟で戦う
てめえごときに俺たちは絶対に負けねぇ! そのために鍛えたんだ!」
俺は籠手をあいつに向けた。
「てめえは俺が潰す。ここに来る前に散った二人のためにも俺はてめえを潰す!」
「やれるもんならやってみろ!」
焼き鳥南蛮野郎の全身から炎と魔力が滲みだして辺りに放出される。
魔力は俺たちに容赦なく押しかかり、炎が発せられたことにより熱が
俺たちに襲いかかってきて今にも焼きつくそうとする。
「アーシア、部長。下がっていてください。俺は単細胞だから
二人を巻き込まずにあいつと戦うことなんてできません」
「わかりました! 部長さん!」
俺が来る前にあいつと戦闘を始めていた部長の肩を抱いてアーシアは
俺と焼き鳥南蛮野郎から離れた。
「容赦は死ねぇぞ! ライザァァァァァァァ!」
俺は叫ぶと同時にライザーに向かって走り出し、あいつもそれと同時に走りだして
あいつは炎を自らの拳に纏わせ、俺は仙術のエネルギーを籠手に纏わせた打ち出した。
――――――ドオォォォォォォ!
俺とライザーの拳がぶつかり合い、すさまじい魔力の奔流が
屋上のタイルに凹みを生み出し、炎が辺りの空気を熱した。
「ぬおらぁぁぁぁ!」
「ごあぁ!」
俺は空いているもう片方の腕をふるい、あいつの顔面を思いっきり殴り、
腕を振り切るとライザーはそのまま殴り飛ばされて翼を生やして空中で姿勢を戻した。
『Boost!』
「喰らいやがれ!」
「よっと」
ライザーが俺に向かって炎の火球を投げる直前に俺はその場を離れて火球を避け、
籠手から魔力弾を放つと奴に直撃して大爆発を起こした。
「どうだ! 焼き鳥南蛮野郎!」
「この程度で不死身のフェニックスを狩れると思うな!」
「うおぉ!」
爆煙の中からバスケットボールサイズの火球がいくつも飛んできて
俺の周りに着弾して燃え上がり炎の檻になって俺を閉じ込めた。
「死ね! ガキが!」
さらにそこからあいている部分に蓋を被せるごとくライザーが掌に作った
巨大な火球が俺に向かって放たれてきた。
うぉぉぉ! このままじゃ俺死んじゃうぞ!
火傷するかもしれねぇけど死ぬよりかはましだ!
「ドアッチィィィィッィ!」
俺は周りを囲んでいた炎の檻に特攻していき、外に出ると
さっきまで俺がいたところに巨大な火球が飛んできて大爆発を起こした!
「アチアチアチ!」
俺は燃えている制服の上を脱ぎ棄てて
上半身裸になりながらもライザーの方を向いた。
「てめえよくも俺の制服を燃やしやがって! 金かかるじゃねぇか!」
「知るかボケェ! てめえが俺に勝ったら制服代くらい払ってやる!」
そう言いながらライザーが翼を羽ばたかせて俺に殴りかかってきたのを
ギリギリのところで避けて、あいつの腹部に思いっきり蹴りを入れてやった。
「おらぁ!」
「がっ!」
ライザーは血反吐を吐いて上に上がった。
「ぶっ!」
突然、俺の口からも血反吐が出てきやがった。
くそ! さっきの仮面の女に蹴られたところか!
「そうか……お前、イザベラに脇腹をやられたのか……はっ!」
ライザーは乾いた笑みを発して俺に突撃してきた。
どうせ、あいつのことだから俺の脇腹に攻撃を加えるんだろ。
「てめえの考えることくらいわかんだよ!」
俺は突撃してくるライザーに向かって飛びあがり、
あいつの顔面に一発パンチを入れてやろうとした瞬間。
「なっ!」
突然、ライザーが急停止して俺のパンチは空を切った。
「おれがそんな簡単なことをそのまますると思ったかぁ!?」
―――――バキィィィ!
「がぁ!」
空中で身動きが取れない俺の脇腹に向かって炎を勢い良く吹かせて推進力を得た
ライザーがものすごい速度で俺の脇腹に蹴りを入れた。
蹴りを入れられた俺はそのまま屋上に叩きつけられた。
「あがぁ! ぐげぇ!」
体験したことのない激痛が俺の全身に脇腹から伝わって痛みにのたうち回った。
「弱いなぁおい!」
「―――――ッッ!」
痛みにのたうち回っている俺に向かってライザーが火球を何発も放ってきやがった!
「くそ! プロモーション! ルーク!」
ルークの特性は攻撃力と防御! これで耐えきれるか不安だけどな!
――――――ドドドドドドドドドドド!
プロモーションした瞬間、殴られるような衝撃と体を熱する熱が俺に襲いかかってきた。
「イッセーさん!」
「イッセー!」
ガハッ……部長とアーシアの声…………痛すぎて……感覚があまり……
「はあぁぁ!」
「がぁ!」
急降下してきたライザーの膝が俺の腹部にめり込み、口から
血反吐を吐くと同時に全身に激痛がさらに加えられた。
「なめんな!」
「ぐっ!」
俺は膝を入れられながらも籠手から巨大な魔力弾を放ってライザーに直撃させた。
「ハァ……ハァ……げほっ!」
屋上を俺の血反吐が赤色に汚した。
……クソ……どこから来るのか……分かっても……体が動かねぇ……
「まだ立つかよ」
「あたり……前だろうが……ここで倒れたら……部長にも……アーシア
にも…………俺の愛する人にも…………顔向けできねぇんだよ!」
『Boost!』
「はっ! その愛する人のために勝つってか!? ハハハハ!
それは無理な話だな! てめえはここで俺に負ける!」
「がっ!」
炎を吹かせたライザーが猛スピードで俺に突っ込んできて顔面に拳を
ぶつけると、そのまま腕を振り切り殴り飛ばした。
「げほっ!」
……あ~……身体が……痛いし……熱いし……
「まったく! てめえみたいな奴が愛する女なんてたかがしれるな!」
「―――――ッッッ!」
あいつ今……何を言った……俺みたいな奴が……愛する女なんて……
たかが知れる……――――――――――ッッッッッッッ!
「ライザァァァァァァァァァァァァァァァ!」
俺は全身に響いている激痛を無視して目の前の敵の名を叫びながら立ち上がった!
「てめえはいったい誰を侮辱したぁ! 俺の女が
たかが知れるだぁ!? ふざけんじゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉ!
俺の怒りとともに俺の中にあった魔力が全身からダダ漏れになって辺りに放出され始めた。
「確かになぁ! 俺はどうしようもなくおっぱいが好きな変態だぁ! そんな俺を
侮辱するならいくらでもしやがれ! でもなぁ! 俺の大切な人を! 俺の愛する
女を侮辱することは絶対に許さねぇぇ!」
その瞬間、籠手に埋め込まれていた宝玉から凄まじい光が放たれ始めた。
「なぁ、セイグリッドギア! いやドライグゥゥ! 俺にこいつを!
焼き鳥南蛮くそ野郎をぶっ飛ばす力を! 圧倒的な力を寄こせえぇぇぇぇぇぇ!」
『Welsh Dragon Balance blaker!』
俺が籠手を空に向けて掲げてそう叫ぶと籠手から今まで聞いたことのない音声が
鳴り響いて、辺りに魔力がブチまかれた!
こんにちわ~。餃子って食った後の息が凄まじい!