イッセーと黒猫の恋物語   作:kue

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第十九猫

《リアス・グレモリー》

「な、なんだ!? いったい何が起こってるんだ!」

凄い魔力……それに何だか魔力じゃない物まで混じっている気がする。

今、私――――リアス・グレモリーが肌に感じている魔力はとても下級悪魔が

放つそれとは遥かに次元が違う……上級悪魔が発するそれとなんら遜色ないものだった。

――――――ゴオォォォォ!

「きゃっ!」

空高く上がっていて魔力の柱が消滅したと同時に辺りを凄まじい強さの暴風が

吹き荒れ、屋上はもういつ崩壊してもおかしくない状態になった。

「なっ! そ、その姿は!」

爆煙から姿を現したのは――――――赤色の鎧を身に纏うイッセーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウオオォォォォォォォォォォ!」

『Boost! Boost! Boost!』

俺の叫びとともに倍加が三回連続で行われ、俺の魔力が大幅に増大した。

『いつの時代も進化する際は愛……か』

ドライグのどこか悲哀に満ちた声が俺の頭の中で反響する。

悪いな……今はお前の話を聞いてやれるほど俺に余裕はねぇ!

「ま、まさかその姿は!」

――――――ドゴォォォ!

「ごぁ!」

ライザーが言い切る前に俺はナイトにプロモーションしてその速度とバランスブレイクの

力を合わせて従来のナイトの何倍も速い速度で殴り飛ばした。

が、殴り飛ばした直後、腹の底から何かが上がって来て

口から血反吐を大量にはいた。

「げほっ! ハハ……ナイトの速度に体が耐えきれてねぇか」

俺は失笑しながらもライザーの放ってきた火球を避けた。

「ッッッ! 見ないで避けた……だと……余裕ぶりやがって!」

今なら分かる……ライザーが考えていることも次に起こす行動も、部長やアーシアの

気配も手に取るようにわかる……今までみたいに大体じゃねぇ……はっきりと分かる。

俺は目を瞑った。

「おおぉぉぉぉ!」

「右からの回し蹴り」

「なっ!」

俺がそう呟きながら姿勢を低くするとさっきまで頭が

あった場所にライザーの炎が纏った足が過ぎ去っていった。

「調子のってんじゃねぇ!」

「上からの踵落とし」

俺が一歩、右に寄るとライザーが翼か何かで姿勢を整えた直後に

踵落としを落としたらしく地面に亀裂が走る音が響いた。

「プロモーションルーク」

「ごぁ!」

俺はルークにプロモーションした直後に腕を横に

振るうとライザーの顔面を俺に拳が捕らえて殴り飛ばした。

―――――ピシッ!

「ヒビ? ……強く殴り過ぎたのか?」

『半分正解、半分不正解だ』

ドライグか……どういう意味だよ。

『今、お前はバランスブレイクを発動した……が、それは不完全な物だ。

今は黒歌を侮辱されたことによる怒りで保っているだけであり

偶然発動したにすぎん。持って、あと……二十秒だ』

二十秒……構わねぇ! それであいつをぶっ飛ばせるならそれで十分だ!

『Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!』

四回連続で倍加されたことにより俺の魔力は凄まじい量にまで膨れ上がった。

「これで終わりにしようぜ、ライザー。お互い、もう限界だろ」

もう俺の脚は立っていることすら不可能らしく

ガタガタと限界であることを知らせるように震えている。

でも、ライザーもそれは同じ。炎による回復の速度が最初に比べて

格段に遅くなっているし、魔力ももうほとんど感じられない。

「……良いぜ。認めたかねぇがお前は強い。だが、悪魔の世界は

焼き付け刃で行けるほど甘くはねぇんだよ! 兵頭一誠!」

―――――ゴァァ!

あいつの全身から魔力が放出され、それに伴い炎が一気に放出されて

ライザーの身を包みこみ炎の鳥にも見える姿へと変化した。

スゲェな……これが上級悪魔の魔力。

『来るぞ相棒。鎧が保つのももう僅かしかねぇ。一撃で決めるぞ』

「オオオォォォォォォォ!」

『Explosion!』

今まで倍加された魔力が一気に爆発し、俺の力となり全身から滲みだし始めた。

「兵藤一誠―――――――――――!」

「ライザァァァァァァァ!」

俺とライザーは同時に走り出し、そして。

「「ハアァァァァァ!」」

―――――――ドオオォォォォォォォォォ!

同時に拳を相手の顔面へと突き刺すべく、振るった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Reset』

静かになった辺りに鎧が解除される合図となった音声が鳴り響き、先ほどまで

イッセーの身を包みこみ力を渡していた鎧は無残に砕け散り、塵と化した。

「イッセー……」

「イッセーさん……」

私とアーシアはただ、彼の勝ちを祈ることしかできなかった。

互いの拳は互いの顔に突き刺さっている……イッセー!

「……すみません……部長……俺、負けたっす」

そう言い残してイッセーは地面に倒れ伏した。

『リアスグレモリー様のポーン一名…………戦闘不能』

その放送と同時にイッセーは光に包まれ、転移した。

「そんな……イッセーさんが」

アーシアは目を涙で潤わしてイッセーの敗北を悲しんだ。

今、私の駒で残っているのは私と祐斗、そしてアーシア……でも、アーシアは

回復要因。私と祐斗の力を合わしたとしてもライザーに勝てるかは……

「…………何が負けた……だ…………てめえの勝ちだろうが」

「え?」

私はライザーが言った言葉に疑問を抱き、顔をあげてみるとライザーの腹部に

赤い色をしている何かの破片が深々と突き刺さっていた。

「……まさか……鎧の破片?」

「げぼっ!」

その言葉を最後にライザーは口から血反吐を吐いて地面に倒れ伏した。

まさか……あの最後の土壇場にイッセーは自分の鎧を砕いてその破片を

ライザーの腹部に突き刺したっていうの!? 

…………イッセー、あなたって人は本当に分からない人だわ!

『ライザーフェニックス様、戦闘不能! よって、

このレーティングゲーム!リアスグレモリー様の勝ちといたします!』

 

 

 

 

『まぁ、上出来だろうな』

俺の意識がようやく、ドライグがいる場所まで

覚醒してきたらしくあいつの声が聞こえてきた。

『奴の言うとおり悪魔の世界はさっきのような

付け焼き刃の強さでは到底、上に行くことなど不可能だ』

ああ、さっきの戦いで痛感したよ。

俺さ、どっかで強いって思ってたけど……やっぱりまだまだだな。

『誰だってそうさ。始めから強い者などいない。鍛錬を重ねていくことにより

その強さを上げていく。まあ、これから上げていけばいいさ。ひとつ教えておいてやろう』

なんだよ、そんな嬉しそうな感じで話すことなんてあるのかよ。

『お前ほどエロくて煩悩の割合が九十九%なのは歴代でお前くらいだ』

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

俺がドライグに反論を言おうとした瞬間、意識が完全に覚醒した。

目を開けた時に映ったのは白い天井……ではなくて、

マイシスターのきれいな白い白髪だった。

俺の胸で白音が寝てるってことは俺が眠っている間に仙術で

治癒力を高めてくれていたのか…………。

「ありがとな、白音」

「んにゃ?」

俺が白音の頭を撫でた瞬間、白音が目を覚まして俺の顔をジッと見てきた。

「……起きましたか兄様」

「ああ……お疲れ様」

「いえ……兄様こそお疲れ様です。ライザーを倒したんですから」

倒した? ……てっきり俺は負けたと思ったんだけどな。

白音の発言からするとどうやらレーティングゲームは俺達が勝利したらしい。

もしかして、あの時突き刺した鎧の破片で勝ったのか?

「あら、イッセーも小猫も起きたのね」

「……部長」

ガラガラとドアを開けて袋を持った部長が俺の病室に入ってきた。

部長は俺が横になっているベッドの近くにあるミニテーブルに袋を置き、

ベッドの空いているスペースに腰をおろした。

「ありがとう、イッセー。貴方のおかげでゲームに勝てたわ」

「そうですか……良かった。部長みたいに綺麗な人は自分で旦那さんを見つけるべきです!」

「それなんだけどね……」

急に部長のオーラが少し、揺らいだ。

なんだ? 俺達が勝ったんだから婚約の件は無くなったはずだろ?

なのになんで部長のオーラが揺らぐんだ? 嬉しいはずなのに。

「婚約の件は保留になったの」

「………………………………へ?」

保留? ……今、部長保留っていったよな?

つまり……婚約の件は消滅していないっていうことか!?

「確かにゲームで私たちが勝ったら婚約の件は無し……それが向こうが

出してきた条件だった……でも、私考えてみたのよ。今、純粋な悪魔の数は

減ってきているわ。それに名家の血は途絶えることは許されない……

だから、考える時間を貰ったの」

部長は真剣な表情でつらつらと話していく……でも、俺はほとんど理解できなかった。

えっと、つまり俺なんかでは理解できないことを考えるために部長の婚約は保留。

「こんな我儘な私を」

「良いですよ」

俺が部長が言い切る前にそう言うと部長は驚いたような表情を浮かべた。

「俺は部長の下僕です。貴方の決断に従います。それに部長だって

年頃の女性なんですから少しくらい我儘を言っても大丈夫ですよ」

「……イッセー。これからもこんな我儘な私の傍にいてくれるの?」

「もちろんっす! 白音もそうですよ! な!?」

白音は何も言わずに首を縦に振った。

「ありがと、イッセー。小猫」

そんなわけで部長の婚約騒動は意外な幕の引き方で終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

「黒歌」

「……いったい何の用にゃん……ヴァーリ」

「覚悟は決まったのか?」

「…………もう少しだけ待ってほしいにゃん」

「俺は別にかまわん。美候もアーサーもルフェイも

お前が覚悟を決めるまで待つと言っている。だが、あまり時間はないぞ。

すでに旧魔王派、英雄派の何人かが気付き始めている」

「…………分かってるにゃん」

「急げ、黒歌。でなければ……俺はお前も……お前が愛している男も殺さないといけなくなる」




なんか、見たことないやり方かも分かりませんがとりあえず
リアスの結婚は保留としました。
いやね、よくよく考えたらですよ……イッセーは黒歌一筋だから
リアスは悪魔の存続を考えてもいいんじゃないかなと思って。
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