イッセーと黒猫の恋物語   作:kue

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第二十猫

ライザーとの激闘から数日が経過した。

あのレーティングゲームで俺の仙術を扱うレベルは一段階上がった……と俺は

思っているんだがやはり、あの状態は偶発的に起きたバランスブレイクと同じで

偶然起きたものようだった。

あれから何度か試してはいるもののバランスブレイクも全ての気配を

感じることができる状態にもなれやしない。

「イッセーさん? どうかしたんですか?」

「お、アーシア……あれ!? もう授業終わったのか!?」

「はい。もう今はお昼休みです」

どうやら考え事をしている間にかなり時間が進んだらしい。

心配してくれているのかアーシアが俺の顔を覗き込んでくる。

「悪いな。俺は大丈夫だ。昼飯にすっか」

「はい!」

俺とアーシアは鞄から弁当を取り出し、マイシスターが待っている屋上へと向かった。

 

 

 

「うん、やっぱり皆と一緒に食べるご飯はおいしいね」

ああ、その意見には賛成さ…………でもな。

「なんでてめえがここにいるんだよ! 木場!」

俺の算段では昼飯を食う子たちは白音とアーシアのはずなのになんで男のこいつが混ざってんだ!

あぁぁぁ! 俺のミニハーレムが汚されていくぅぅぅぅぅ!

「いやぁ、偶然小猫ちゃんを見つけてね。僕も今日は

買い弁だったから入れてもらおうと思ってね」

「うぅ……俺の一日の癒しが……うぅぅ」

俺は目に涙を食べながら口の中に唐揚げをヒョイと入れて咀嚼する。

畜生! 本当なら白音が俺のお膝に座って弁当を食うのに

なぜか俺の隣には木場が座ってるしよぉ!

「ハァ……まあ、お前なら良いんだけどよ」

「それは嬉しいね」

まあ、ほかの変な輩よりかはマシだな。

アーシアはこの学園に入学してからというもののその純粋さにプラスされて

もともとが美人の類なので男にも女にも大ヒットした。

女は放っておけないその雰囲気がいいらしく、男の場合はアーシアが

無意識に放っているという癒し系のオーラにあてられて……そんなところらしい。

そしてマイシスターの白音も体格が小さいということも手伝って

両性に愛されている。

「飯も終わったし帰るか」

「あ、イッセー君。何か落ちた……これは」

昼御飯を食い終わり俺が弁当を持って立ち上がると、ポケットから生徒手帳が落ちて

木場がそれを拾った瞬間、こいつの気配が一気に刺々しいものに変わった。

「イッセー君、この写真は」

「ああ、その写真は俺の幼馴染とのツーショット。それがどうかしたのか?」

木場は刺々しい雰囲気を隠さないまま、写真の端の方を指差した。

「これ、聖剣だよ」

この写真が今回の大事件のトリガーになることを、このときの俺はまだ知る由もなかった。

 

 

 

放課後、俺はアーシアと白音とともに部室へと向かっていた。

「イッセーさんは授業中寝ていましたよ。小猫さん」

「……貴重な情報の提供に感謝します」

「ま、待て待て待て! お、お前らいつそんな協定を組んだんだよ!」

「姉さまに報告するためです」

「ノォォォォォォン!」

そう、俺は黒歌から勉強だけはしっかりして欲しいといわれており

もしも授業中に寝たら俺の関節ちゃんたちが泣き叫んでしまう。

畜生! 学年が違うから大丈夫だと踏んで寝たのが仇になったが!

通りで授業中、アーシアの気配が俺に集中していたわけだ!

「マイシスターよ! 今日だけは! 今日だけは勘弁を! 昨日は勉強してて」

「……私にウソは通じません。昨日はエロサイトを巡っていました。

キチンと証拠である履歴もすべて押さえています」

うおおぉぉぉぉぉぉん! 神よ! なぜ、マイシスターをこんなにまで

シスターコンプレックスにしたのですか!

『自業自得だろう』

頭の中でドライグの突っ込みがさく裂した。

うぅ……まぁ、そうなんだけどさ。

俺は部室に続くドアを開けると部室にはオカルト研究部以外の面々が座っていた。

ん? 生徒会長……あぁ、なんか昨日の晩に部長から連絡来てたな。

部長曰く『私の一番の友人が部室に来るわ』と言っていた。

一番の友人というのはこの学園で同じ、純潔の悪魔というつながりを意味していたのか。

「あれ? リアス先輩、俺たちのこと話して

ないんですか? まあ、気づかない方もおかしいけどさ」

と、生徒会長が座っているソファの隣に座っている男子生徒が俺たちを何やら

下に見ているかのようなオーラを出しながらそう言ってきた。

えっと、確か新しく生徒会に入った男だっけ?

「気づかなくて悪かったな。坊ちゃん」

「あ? なんだと」

俺の一言が癇に障ったらしくオーラを荒々しいものに変化させて俺の方を睨んできた。

「イッセー。私の下僕なら相手に敬意をもって接しなさい」

「……すいません。つい」

「匙。貴方もですよ。貴方の先ほどの言い方は下に

見ていると感じられてもおかしくない言い方でしたよ」

「…………すいません」

お互いに主に少し、怒られてから渋々相手に謝罪をした。

「で、なんでここにシトリーの皆さんが」

俺がそう言うとここにいる全員のオーラが少し、揺らいだのを感じた。

どうやら俺が会長たちを悪魔だと知らない物だと判断していたらしい……

まあ、そう考えるわな。俺、仙術使えるとは言ってないし。

「知っていたのなら早いわ。イッセー、アーシア。二人とも挨拶して」

「うす。部長の新しいポーンになりました兵藤一誠です」

「ビ、ビショップのア、アーシア・アルジェントです」

アーシアには人見知りが少しあるらしく若干、オーラが普段よりも弱いものになった。

うんうん、アーシアは可愛いから許すぞ!

「俺は生徒会書記だ。お前が普段、学園で平穏に暮らせているのは会長と

その下僕悪魔の俺達が日中走りまわってるからでもあるんだぜ?」

「良いからさっさと名前を言えよ。はっ倒すぞ」

「けっ! 俺は会長のポーンだ。ちなみに自慢じゃないけど

イーヴィルピースを四個消費しているんだ」

知ってるか? 『自慢じゃないけど』っていう

セリフの後の言葉は自慢ごとを話しているもんだぜ?

別に口に出していっても良かったけどこれを言ったらたぶんあいつはブチぎれる

だろうからここはグッと我慢しておいた。

 

 

 

 

「最近、悪魔になったばっかりだが、兵藤なんぞに負けるかよ」

ほっほ~。どうやらこいつは俺に喧嘩を売っているらしい。

「あんまり調子に乗るなよ。なんだったら今ぎゃふんと言わせて」

―――――ドゴォォ!

「ぎゃふん!」

匙と呼ばれた男をぎゃふんと言わせるどころか逆に何者かに脇腹を思いっきり

殴られてぎゃふんと言わされてしまった。

こ、この殴り方! この痛みの広がり方はまさか!

「……兄様。そろそろやめてください。見っともなさすぎです」

「だってだって! あいつが挑発してきたんだもん!」

「……相手の挑発をスルーして友好的に接するのが大人な男性だと思いますが」

むぅ……確かに白音の言うとおりだな。……よくよく考えてみたら

俺はなんて安い挑発に乗ってしまっていたんだ……反省反省。

「んん! いやぁ、見苦しいところを

見せたな! 同じポーンとしてお互いに頑張ろうではないか!」

「……よろしく」

匙とか言う奴は渋々、俺が出してきた手を握って弱弱しい力で握手してきた。

そんな感じで少々、場の空気が盛り下がってしまったが無事、生徒会の人たちは帰って行った。

「うぅぅぅぅぅ! あいつぶっ飛ばしたぃぃぃぃぃぃ!」

「………兄様。うるさいのでエロ本でも読んで静かにしておいてください」

そう言って白音が取りだしたのはってそれ俺の机の下の箱に入れてたやつじゃないか!

「ぐすっ! 俺にプライバシーはないもんね」

俺は涙目の状態でエロ本を堪能した。

「まあ、イッセーはそのままでいいわ。明日からスポーツ大会よ!

みんな、絶対に優勝を狙うわよ!」

あぁ、そういえば明日からスポーツ大会があるんだっけ……けっ! 

仙術のハイとロウは自由に操作できるんだがオンとオフは残念ながら

今の俺では出来ないので相手が何をするのか丸わかりなのである。

そう……たとえば気合いに満ちているこの部室の中で唯一、

刺々しいオーラを出している奴がいるのを感じ取ることのできるように。




お久しぶりっす
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