イッセーと黒猫の恋物語   作:kue

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第二十五猫

「木場……お前」

「……君に殴られたあと、ずっと考えていたんだ」

突然、木場は表情を少し暗くして独り語りを始めた。

「君の言うとおり、僕は部長に八つ当たりしていたんだ……」

「それに気づけりゃお前なら勝てるつうの」

俺は肩の傷をアーシアと白音に癒してもらうべく、木場とポジションを交代した。

行って来い、そんであの白髪神父をぶっ飛ばしてこい。

「バルパー。完成したか?」

「ああ、完成だ」

バルパーと呼ばれた初老の男性がグラウンドの中央から去るとそこに残されていたのは

白色に輝いているエクスカリバーがあった。

「最後の宴だ。フリード」

「あいあいさ」

コカビエルに呼ばれてイカれ神父が校舎の奥の方から現われてグラウンドの中央に

置かれているエクスカリバーを手に取った。

「バルパー・ガリレイ。なぜ、こんな事をしたんだ!」

木場が怒りを含ませた叫びでバルパーに尋ねた。

「私は聖剣に憧れていた。聖剣を使い、悪を斬り裂く。そんな絵本に

出てくるようなヒーローに……だが、その憧れはあっけなく散った。

私には資格がなかったのだよ。聖剣を扱う資格が……なら、人工的に

作ればいいと考えた。そしてこれがその結果だ」

バルパーが胸元から出したのは白色に輝いている結晶だった。

「聖剣を扱うものは皆、ある細胞を持っていることを発見した私は

被験者たちからそれを採取した」

「そして用済みになった者たちを処分したのか」

「当たり前だ。ごみは捨てなければならないからな」

バルパーはさも当然のごとく、命をゴミ扱いしやがった。

所詮、被験者たちは奴にとってみれば自らの欲望を満たす道具にしかすぎない、

だから奴はあんなにも簡単に命を消すことができる。

「今となってはこんなものもゴミだ。貴様にくれてやる」

そう言ってバルパーは木場の足もとに白色に輝いている結晶の塊を転がしてきた。

「みんな……」

木場はそれを涙を流しながら抱きしめた―――――その直後、

結晶が先ほどよりも激しく輝き始めた。

「……あぁ……そうだね……行こう!」

木場の表情に決意がこもった瞬間、輝きは最大になり木場の目の前に一本の刀が現れた。

この感じは……バランスブレイクだよな? ドライグ。

『ああ……セイグリッドギアは人の思いに応える』

木場は目の前に浮かんでいる刀を手に取り、フリードと対峙した。

 

 

 

 

 

 

 

僕の目の前には神々しい輝き、そして禍々しい輝きの二つを

共に放っている一本の剣があった。

その剣は皆の思いが詰まった最高の剣、聖と魔が宿った剣。

「バランスブレイカー、双覇の聖魔剣

(ソード・オブ・ビトレイヤー)! その身で受けてみろ!」

僕はナイトの特性である速さで高速移動してフリードに斬りかかった。

「そんな駄剣砕いてヤンよ!」

金属音が鳴り響いた瞬間にエクスカリバーの聖なるオーラが一瞬にして消え去った。

「っ!? 本家本元を超えるのかよ! そんな駄剣が!」

「その剣が真のエクスカリバーであれば勝てなかったろうね。

でも、そんなパチもんじゃ僕の同志が詰まったこの剣には勝てないよ!」

「ちぃ!」

フリードは忌々しそうに舌打ちをすると、僕から一旦距離を取った。

「伸びろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

フリードがそう叫ぶとエクスカリバーが意思をもったかのようにウネウネと動き出し

何本も枝分かれして神速でこっちに向かってきた。

擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)と天閃の聖剣

(エクスカリバー・ラピッドリィ)の効力か。

全ての方向からの攻撃を僕はその手に握っている剣を複数回、振っていとも簡単に防いだ。

殺気さえ分かれば来る場所なんてものは分かるからね。

「なんでだよ! 何で当たらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

大昔から最強伝説を語り継がれてきたんじゃねえのぉぉぉぉぉ!?」

フリードは叫ぶ。明らかにその顔には焦りが見えていた。

「ならこれも追加で行っちゃおうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

突然、フリードの持つ剣の刀身が消えた。

透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)の力か。

僕は目を瞑り、聖剣が放っているオーラを感じ取り、

そこへと的確に持っている剣をぶつけるとキィン! という

透明の刀身を防いだということを証明する音が聞こえた。

彼の顔は驚愕の色に染まりあがっていた。

「そのままにしておけよ」

ゼノヴィアが僕達が戦っている間に割り込んでくると聖剣を片手に持ち右手を宙に上げた。

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシス、そして聖母マリアよ。

我が声に耳を傾けてくれ」

何かの言霊を発し始めている。彼女は一体何をするつもりなんだ。

疑問に感じていた僕の視界で空間がゆがむ。

ゆがんだ箇所に手を入れると一本の剣が出てきた。

「我はここに開放する―――――デュランダル!」

彼女が握っている剣からは凄まじい量の聖なるオーラがあふれ始めた!

デュランダルと言えばエクスカリバーと同じくらいに有名な聖剣じゃないか!

 

 

 

「デュランダルだと!」

「貴様、エクスカリバーの使い手ではないのか!」

流石のバルパーとコカビエルもデュランダルの突然の登場に驚きを隠せずにいた。

「私はもともとはデュランダルの使い手だ。エクスカリバーの使い手も

兼任していたがな。私はイリナ達とは違い珍しい天然の聖剣使いだ」

僕らとは違う天然の使い手……初めから聖剣に祝福された存在か。

「フリード・セルゼン、お前のおかげでデュランダルとエクスカリバーの

頂上決戦が出来る。私は今歓喜に打ち震えているぞ。せいぜいデュランダルの

破壊力に倒れないでくれよ!」

彼女の力強い叫びに反応してか聖なるオーラがより一層強くなった。

デュランダルは僕の聖魔剣よりの凄まじいオーラを発している!

「そんなのアリですかぁぁぁぁぁ! ここにきてのチョー展開!

こんな所でそんな設定はいらないんですよぉぉぉぉぉぉぉ!」

透明になり、何方向にも枝分かれしたエクスカリバーがゼノヴィアに襲いかかる。

しかし、彼女は目を瞑り、たった一度だけ、剣を振るった。

そのたった一度の行動で、幾つもの聖剣が重なった自称最強の剣が砕かれ、

パラパラと光輝く砂となって姿を現した。

「所詮は折れた聖剣をあわせたものか、つまらん」

彼女はつまらなさそうに嘆息する。

……これで終わりにする!

「これで終わりだぁぁぁ!」

僕は高速で彼に近づき聖魔剣を振りかざした。

フリードもエクスカリバーで振り下ろされる僕の聖魔剣を防ごうとする。

「そんなものもう何の役にも立たない!」

僕の聖魔剣はパチもんのエクスカリバーごとフリードを一閃し、

辺りの地面を彼の血液で汚した。

「本当に強いのは剣でも銃でもない……人の想いだ」




こんにちわ。気弱なイッセー、および黒猫に関してですがカオス・ブリゲートの
戦いが終わるところまで書くことにいたします。
実は別に書きたいものがあるんですよね。
ウィザード(魔法だけ)×DDです。
もしも、見たい! っていう方は言って下さい。
お試し掲載と題しまして数話、あげちゃいます!
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