「ち~す。兵藤で~す」
「おぉ! 来たか。座れ座れ」
いつもの通り、俺は悪魔稼業を行っているんだが最近は妙な人に呼び出されている。
浴衣を着ているおっちゃんなんだが……何故か、いつも俺ばかりを指名してきやがる。
外人じゃないみたいだけど……試しに探ってみるか。
俺は男性が席を離れた時に目を瞑り、仙術で男性が纏っている気を
感じてみると俺の考えは当たっていた。
「よし、今日の代価は」
「その前に……あんた、人間じゃないだろ」
そう言うと、お宝らしき光物を持ったまま男性は固まった。
図星っぽいな。黒歌直伝の仙術をなめるなよ! おっさん!
「やるじゃねえか。何で感じた」
「仙術だ」
「へぇ。その年で仙術を使えるのか……誰に教えてもらったんだ?」
「言うかよ」
そう言うと男性は口角を上げて背中に十二枚の堕天使の翼をバサッと
展開した。
コカビエルとかいう奴よりも断然に強い魔力も感じられる……こいつ、
一体何なんだ。
「俺の名はアザゼル。堕天使の総督をしている」
その翌日、旧校舎の部室で白音とオセロをしている中、部長は一人で
プンスカと昨晩のことで怒っていた。
曰く、アザゼルがやったことは人間でいえば営業妨害にあたるらしい。
つっても、あのアザゼルとか言う奴からは特に悪意やらは何も
感じなかった。むしろ、それ以外の感じがビンビン伝わってきた。
こう、なんていうか……ワクワクしているような。
「アザゼルはセイグリッドギアオタクだからね」
白音に止めの一撃を加えようとした瞬間、聞き覚えのある声と感じが
して振り返ってみると部室の入口にサーゼクス様とグレイフィアさんが立っていた。
「お、お兄様!」
「ぬあぁぁ!」
魔王の姿を見て全員が膝をついた瞬間、もともとオセロの盤の置いてある場所の
バランスが悪かったために盤自体が床に落ちてしまい、そのまま俺の超優勢だった
状況は一瞬にして砕け散った。
白音の怪力で若干、無理やり気味に膝をついたものの俺の頭の中で
白音に初勝利するチャンスが消えたということでいっぱいだった。
「急に来てすまないね。リアスの授業参観を見に来ようと思って」
「……グレイフィアね。お兄様に伝えたのは」
顔を若干、赤くしながら部長がグレイフィアさんにそう言うと
グレイフィアさんは何も言わずにただ首を縦に振った。
そう言えば俺の両親も授業参観を見に来るらしい。
まあ、お目当てはアーシアなんだろうけど。
「と、まあそれは本質じゃなくてね。実はこれまだトップ陣しか
知らされていないけど三種族の会談をこの学校で行おうと思うんだ」
全員、ソファに座ってからその驚きの事実を聞かされて驚きを露わにしていた。
三種族の会談をここで行うってことは天使のトップ、堕天使のトップ、そして
悪魔のトップであるサーゼクス様がこの学校に集合する訳か。
となると俺達が護衛に盛り込まれるのは確実……そうじゃなくて、コカビエルとの
闘いの真実を報告するだけか。
「お兄様、今日はどうされるのですか?」
「それが困ってるんだよ、リアス。この時間帯だと人間界のホテルなどが開いていなくてね」
そう言えば黒歌から聞いたことがある……悪魔っていう生物は動物で言うと夜行性に結構、
近いから夜になっても平気でお店も営業しているし宿屋なんかも夜からは、
一番のお客の入れ時だとか。
とはいってもここは人間界。夜の営業に関しては結構厳しめの法律という網が、
張り巡らされているからあまり真夜中に営業している店は少ない。
まあ、最近は二十四時間営業なんていう店も増えてんだけどさ。
……仕方がない。幸運にも今日は黒歌が来る予定はないし。
「魔王様。俺の家に来ますか?」
「良いのかい?」
「ま、この時間帯で行けるのは俺の家くらいですし」
そう言った瞬間、軽く後ろに引っ張られ無理やり振替させられるとそこに白音がいた。
「良いのですか?」
「まあ、今日はあいつこないし」
「ですが姉様はかなり自由人ですからひょろっときたりしますよ」
まあ、そうなんだろうけどあいつは仙術っていう力を持っているし、何やら怪しげな他の力も、
いくつか使えるみたいだからそうそう捕まらないだろ。
その後、何とか白音を説得して魔王様を俺の家に招待することとなった。
そして数日後、授業参観が始まったわけなんだが……俺の両親はスーパー親バカになっていた。
授業中、ずっとアーシアの姿をカメラに収め続け、我が息子には一度たりともカメラに、
その姿を収めはしなかった。父さん、母さん……地味に傷つくぜ。まあアーシアの魅力もすごいが、
俺の愛する黒猫ちゃんの魅力もすごいぞ!
そんなこともあったりして今は休憩時間、廊下を白音と一緒に歩いていると、
向こうの方で人だかりができていた。
何かの撮影会でも行われているのかと思うくらいに、パシャパシャと
カメラのフラッシュが光っている。
「やあ、イッセーくん」
「あ、木場。なあ、あそこでなんかしてるのか?」
隣に木場も来て俺たちは二人でその撮影会の中に入っていくとそこには魔法少女がいた。
比喩じゃないぞ、本当にそんな格好をした女性がいた。
テレビのチャンネルを回していると偶然見たことのある格好だ……なんだっけな~。
……でもまあ、悪魔なんだろうけどさ。あの人の中にある魔力の質というか、そういうのが、
ライザーなんかよりも何万倍と違う……相当の存在だな。
「おらおら! こんな所で撮影会すんな! ちれちれ!」
騒ぎを聞きつけて派遣されてきたのか生徒会の男がカメラを持ったThe オタク! っていう、
恰好をした奴らを散らばせていく。
「ふ~。あんたもこんな所でそんな格好しないでくれよ」
「これが私の正装だもん☆」
だもんてあんたねえ……ていうか誰かに似てるような……なんか、魔力の質も誰かに、
似てるんだよな……似ているというか……こう……水っぽいというかひんやりとしているというか。
「匙、いつも物事は簡潔に」
あっ……分かった。あの人は
「あ! ソーナちゃん見っけ!」
俺が会長の姿を見て正体に気づいたと同時にその魔法少女は会長に抱きついていた。
そうだ。会長に似ているんだ。会長の鋭い目を柔らかくしてお胸も1カップ大きくして、ヒップも
「イダダダダダ!」
「エロ妄想禁止」
畜生! なんで俺の妄想が白音に筒抜けなんだ! プライバシーの侵害だ!
「変態のプライバシーなどエクスプロージョンです」
お、俺のプライバシーは大爆発するのかよ……トホホホ。
「セラフォルーも来ていたのか」
ここでまさかの魔王様登場……やっぱりこの人は。
「紹介しよう。彼女は私と同じ魔王の」
「セラフォルー・レヴィアタン! 魔王少女だよ☆ブイブイ♪」
そう言って横チョキをして決めポーズらしいものを決めていた。
な、何この人めっちゃフリーダムじゃん。
「むぅ~。どうしてお姉ちゃんに授業参観を知らせてくれなかったのさ~」
「そ、それは」
あの会長が珍しく狼狽されていた。
ほぅ……あれをゆすりの材料に……ひっ!
「じょ、冗談だから拳をパキポキならすな」
相変わらず白音は手厳しいぜ、畜生。
「まったく~。お姉ちゃん誘われなくてショックでショックで……天界に、
思わず宣戦布告して攻め込んでデストロ―――――イ! しようと思っちゃったんだからね☆」
いやいや、授業参観を誘われなかったって言うだけで戦争を起こさないでくれよ。
と、急に俺の方を向いた。
「ねえねえサーゼクスちゃん。この子が赤龍帝の少年だよね」
「そう、彼が兵藤一誠君だ」
ま、魔王様をちゃん付けって……あ、でも魔王同士だから良いのか?
「ほう、これはレヴィアタンどの。相変わらず奇抜な格好ですな」
ここで部長さんに連れられて部長さんのお父様も登場。
な、なんだかすごい絵面だな……グレモリーという大貴族の現当主に魔王のトップに、
魔王の一角……テロが起きてもおかしくないな。
「あら、おじ様☆今この格好が流行りですのよ」
流行ってません。
部長のお父様も『そうだったのか』みたいな顔をしないでくれ。人間界で流行ってるのは、
一部の大きなお友達だけだ!
ふと、会長に視線を移すと顔を真っ赤にして俯いていた。
「ソーナちゃん、どうしたの? お顔が真っ赤ですよ? ここは
『お姉ちゃん!』『ソーナたん!』で抱き合って百合百合な展開でもオッケーだよ!」
「うぅ! もう耐えられません!」
会長は真っ赤になった顔を手で蔽い隠しながら、いずこへと走っていった。
「あ! 待ってよぉぉぉぉ! ソーナたぁぁぁぁぁぁん!」
目に涙を溜めながら、レヴィアタン様はフリフリの衣装を
揺らしながら会長を追いかけていってしまった。
シスコンの姉を持つ人は大変だな~ 。
そんな感じでのほほんと平和に授業参観は続いていく。
「ごめんね……イッセー……こうしないと貴方が……」
グニャリと何もない空間が歪み、悲しみの表情に染めた黒歌が学校の校門前に現れた。
このお話は一応、オリジナルのお話で完結します。
詳細を言いますと会長との戦いをカットして、オリジナルのお話をぶちこんで、
完結となります。
それでは!