イッセーと黒猫の恋物語   作:kue

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第三十四猫

三種族間で和平が結ばれてから数日、学校も終業式が終わった日のことだった。

部長にイッセー君の家に集合、という連絡が僕――――木場祐斗のところに来て、

彼の家に行ってみると以前は一般的な一戸建てだった家が、

凄い高さのタワーマンション並みの豪勢な家に大変身していた。

……まあ、誰がここまでの劇的な変身をさせたのかは一目瞭然なんだけど……今、

僕が一番気になっているのはイッセー君のこと。

学校で彼を少し、見かけたときはひどく落ち込んでいた。

周囲には気づかれまいと必死に以前と同じ様子を保とうとしているようだけど、

どこからどう見てもカラ元気にしか見えなかった。

その雰囲気を感じてか、彼と同じクラスの子たちも心配しているらしいと、

アーシアさんからも聞いた。

「いらっしゃい、祐斗」

インターホンを押そうとしたとき、ドアが開き、そこから部長が出てきた。

「部長……イッセー君は」

「あの子なりに元気に振舞っているみたいだけど……やっぱり、どこか落ち込んでいるわ」

「ところでなぜ、僕達を」

「夏休みの予定を話すのと……イッセーからあのことについて」

あのこと……サーゼクス様が不問にすると言ったことかな。

サーゼクス様でさえ不問にしてしまうくらいのことをイッセー君はしでかしたのか、

それとも巻き込まれたのか。

あの場に黒歌がいたことも何か関係が。

考えるのはそこまでにして部長と一緒に家にお邪魔し、イッセー君のお母様に挨拶をした後、

皆が集まっているというVipルームに入ると既に皆集まっていた。

どうやら僕が最後らしい。

「皆集まったし……イッセー。お前のこと話してもらうぞ」

アザゼル先生がそう言うとイッセー君は首を軽く上下に振って話し始めた。

冥界で主殺しとして指名手配されている黒歌と恋愛関係にあったこと、

黒歌が主を殺したのは妹である小猫ちゃんを救うためであったこと。

そして彼女がテロ組織であるカオス・ブリゲートに加わっていることを知っておきながら、

僕たちに黙っていたこと、この家で玉に彼女と出会ったことを。

「悪い……本当は報告しなきゃいけないことを俺は黙ってた」

「兄様は悪くありません……私も」

「庇いあいはいいんだよ……サーゼクスも俺もお前達のことを誰かに言うつもりはねえよ」

無論、僕たちだって外の誰かにイッセー君のことを言うつもりはない。

サーゼクス様が会議の中で発言したこともおそらく勘違いか、

何らかのことで穏便に済まそうとするだろうし。

そのことを聞いたイッセー君も小猫ちゃんも驚いた表情を浮かべていた。

「まあ、本来なら裁判やらなんやらにかけられるんだろうが、

俺は堕天使だから悪魔のことに関してはノータッチだ。それに、

サーゼクスだって和平を結んで忙しいだろうからな」

「イッセー。貴方はこれからどうしたいの」

「……もう一度黒歌に会います」

それを聞いた僕は一瞬、彼女の方に行くのかと思ったけどイッセー君の表情を見て、

その考えは一瞬で消えさった。

「確かめたいことがあるんです……本当にあいつが俺を裏切ったのかを」

「そう……ならそれは貴方が解決しなさい。私たちは何も言わないわ……さて!

この話はここまでにして夏休みの話をするわよ!」

部長は一度、イッセー君に救われたからああいう風に言ってはいるけど本当は、

助けたくてしょうがないんだと思う……でも、この問題は他人の僕達が首を突っ込んだら、

もっとややこしくなるから。

その後、夏休みは冥界に行くこと、そこで若手悪魔の会合やら何やらが行われることが話され、

準備をした後明日に冥界に行くことが部長から話された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺のことを部長たちに話した翌日の朝、俺たちは最寄りの駅にいた。

部長についていっていたらいつの間にかここについていたんだ。

疑問を抱く俺の先を部長と朱乃さんはなれた様にツカツカと歩いて行って

小さなエレベーターの前で止まった。

……もしかして電車で行くのか?

「じゃあ、イッセーとゼノヴィア、

アーシア達と一緒に先に降りるわ。優斗達は後で来て頂戴」

「はい」

降りる? ……このエレベーターは確か上にしか行かないよな?

この駅に地下繁華街が作られているわけじゃないし、ていうかなんか昔、

そう言うのを作ろうとしたけど地盤に大問題が発生しているからそう言うのは一切合財、

作れないってことになったって聞いたことがある。

……あぁ、なるほどね。地下には悪魔関連のものが広がっているから作れないようにした訳か。

「何してるの、イッセー。早く行くわよ」

「あ、はい」

部長に言われて中に入ると部長はポケットからカードを取り出し、

壁についてある電子パネルに当てるとピッという音が聞こえた瞬間!

「うぉ!」

いきなりガクンとエレベーターが下に動きだした。

部長が持っていたカードはおそらく、悪魔専用のカードでそれを使ってしか下には行けない。

一般人には絶対にたどり着くことができない空間がこの下に存在しているわけか。

そのまま数分ほど下に降り、エレベーターが止まって扉が開くとそこに広がっていた景色は、

想像とは少し違ったものだった。

本当に地下なのかと思いたくなるほど広い空間、そしてその空間に線路が引かれている。

どうやらここは冥界に行く列車しか来ないホームってわけか。

その数分後に木場達も合流し、電車が来るまで自由時間となった。

「兄様」

ベンチに座っていると隣に白音が座った。

「……俺さ。やっと分かった……俺、最高の仲間持ったなって」

ふつう、テロリストとつながっている奴がチームにいたら真っ先に排除するのに、

皆はそれを見逃すどころか俺にチャンスをくれた。

「はい。みんないい人です……本当に姉様は」

「それは分からねえ。だからもう一度あいつに会って確かめたいんだ」

俺はあの日、黒歌に殴られている最中、あることに気づいたんだ。

そのことに気づいたからあいつが纏っていた殺気も理解できた……。

そんなことを考えていると冥界行きの列車が止まり、俺達はそれに乗り込んで、

冥界へと向かった。

走り出して数分、列車は暗がりの道を進み冥界へと向かっている。

動力は冥界独特の燃料らしいが乗り心地などはすべてといっていいほど、

人間界の技術を流用しているらしい。

今、俺達が座っている椅子も引かれている線路なんかも。

「でも、てっきり魔法陣でちゃちゃっと行けるものと」

「本来はそれでもいいのですがイッセー君達、新人さん達は一度、

正規ルートで入国しないと違法入国として罰せられるんですの」

なるほどね。一度、冥界に正式な形で入国して俺たち新人の情報を向こうに登録するという訳か。

「ところでなんで、アザゼルのおっちゃんも?」

「そう言えばまだイッセー君は知りませんでしたわね。イッセー君が気を失っている間に、

いくつか決まったことがあるんです。一つは三種族が和平を結んだこと。

そしてもう一つはアザゼルがオカルト研究部の顧問になったんです」

……マジか。和平は大体分かってたけどおっちゃんが顧問になるのは意外だ。

「どうですかな。初めての冥界行きの列車は」

ふと第三者の声が聞こえ、そちらのほうを見ると車掌さんらしき初老の人物が、

バーコードリーダのようなものを持っておれたちの傍に立っていた。

「新人さん。お手を拝借」

そう言い、車掌さんが機械を俺達の甲に近づけるとピピッという機械音が一瞬だけなった。

「はい。オッケーです。では快適な旅を」

そう言い、車掌さんは俺達の傍から去っていった。

「さて、向こうにつくまでまだ時間はありますからトランプでもしましょうか」

朱乃さんのその一言で部長も集まり、全員でのトランプが始まった。




こんにちわ……やっべ。この後の最終話までの話の持って行き方にかなり悩んでます。
イッセーが原作で英才教育並みのことをされたのはリアスがイッセーのことを好きだったわけで、
この作品の中ではリアスはイッセーに恋をしていないし……めっちゃ迷う。
決定しているのは悪魔主催のパーティーで終わらせるって言うこと。
会長とリアスのレーティングゲームは描きません。
迷うわ~。
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