キノの旅(✕フーと散歩) -the Wonderful Days-   作:水霧

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―Ⅰ― フォトの日記
だれかのために -Live Hard- by 十六夜の月


 オレの名前は“ソウ”。モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)だ。

 携帯性を重視された特殊な設計をしている。ハンドルや座席を折りたたむことができ、小さい乗り物に積んだり狭い場所に置いたりすることができる。代わりに性能は落ちているがな。

 その持ち主は“フォト”。黒髪の長い年頃の女で、ハツラツな性格をしている。

 オレとフォトは元々、現在住んでいる国の生まれではない。とある出来事で流れて来た流浪者だった。様々な偶然や幸運が重なって、今の生活を送っている。

 その途中で手にした高性能カメラにご執心になり、写真屋を営むことにした。彼女の名前はその馴染みで付けられたものだ。

 本人はどちらもいたく気に入っている。

 

 

 とある日のこと。

「ソウ! 何か来たよ!」

 例によって手紙が来た。

「何かってなんだ」

 だがいつもの感じじゃない。ほとんどは包みがされているものだが、今回は丸めた紙に綺麗な金色の紐で留められている。よく見ると、紙も四隅に金色の装飾が施されているのが透けている。

「とりあえず落ち着け。丁寧に解いて見せろ」

 いつものように言葉を返したいが、そういう雰囲気でもない。

「はい!」

 とか思いつつも、こいつはいつものようにテーブルに置いて見せた。良くも悪くも緊張感がないな。

「早く早く!」

「はいはい。ちょっと待ってろ」

 つまり、こういうことだ。

「他の国で公演会をやるんで、その宣伝のために“アイドル”の写真をバシッとキメてほしいんだそうだ。なるほど、こんな丁重な作りになってたのは、その会社からの正当依頼ってわけだ」

「……あいどる?」

 難しい顔をしている。

「あーっと、そうだな。簡単に言えば世界中で大人気の女の子の写真を撮ってほしいってこった」

「どうしてその女の子の写真を撮ってほしいの?」

「そこからか。んー……例えば、フォトはこの国で写真屋として有名になっただろ? ポプラ通りの写真屋さんって触れ込みだ」

「うーん……そうなのかな?」

「それはお前がそう思ってるだけで、世間様からは評判がいいのさ。だからこうして仕事が舞い込んでくるわけだ。つまり、人気な存在なんだよ」

「う? うん」

「要はおんなじことだ。この“アイドル”ってやつも何で人気になったかはさておいて、世間様から評判と人気があるんだ。するとどうだ? みんな一目見に行きたいって思うだろ? 注目されてるってことなのさ。でもその時はいいけど、記憶が残るだけで形が残らない。その形として写真に収めてほしいってわけだ」

「へえ~。じゃあ“アイドル”さんも大変なんだ」

「一応言っとくが、“アイドル”ってのはその女の子の仕事なんだぜ。オレはそういうのはよくは知らんが、この売り込みようはかなりの自信がありそうだ」

「そ、そうなんだ」

「どうする? 断っとくか?」

 店主はフォトなので、依頼を受けるかどうかはこいつに一任してもいい。だが、そうするとこの性格だからか全部引き受けようとする。さすがにやり過ぎなので、それ以降は二人で決めることにした。

「やってみる!」

 だよな。

「決まりだな。その“アイドル”とやらは明日の昼ごろ来るようだぞ。準備しとけよ」

「うん!」

 

 

 というわけで、その時まで首を長くして待っていたわけだが、昼食を食べて数時間が過ぎていた。向こうにも予定があるだろうから、その遅れと見ていいけど、何かあったのか? それともただのイタズラで無駄に待たされているだけとか?

 オレの心配をよそに、フォトはるんるんで機材のチェックをしている。フォトのことだから、たとえ依頼自体がウソだったとしても笑い飛ばすかもしれない。

「ごめんください」

「はーい」

 と、あっさりと訪ねてきた。

 スーツ姿のメガネ女と同じ服装の男二人、そして警護されている女がいた。その女は深めに帽子を被り、黒幕で顔を隠している。

「ここが写真屋さんで?」

「は、はい」

 いかにも仕事ができそうなスーツの女が前に出る。

「私はマネージャーです。依頼書の通り、今日は“タナ”のポスターやファングッズ等に使用する写真の撮影を依頼しに来ました」

「えっと、“タナ”さんはそちらの方で?」

 珍しくフォトが緊張している。あっちの剣幕がすごいからな。

「これは失礼しました。あなたたちは外で見張りを頼みます」

「は」

 男たちは店から出て、立ちはだかる。気合ありすぎて物騒な気もするが。

「タナ、帽子を取りなさい」

「はい」

 とても綺麗な声だ。

 タナはすっと帽子を取った。

「!」

 こ、こいつは……。

「世界中で注目されているアイドル、“タナ”です」

 ぺこりとお辞儀をした。

「……」

 フォトのやつ、見惚れてやがる。

「フォト、話を」

「え? あ、うん」

 確かにそこら辺にいる女とは比べ物にならないほどだ。茶色の長い髪に端正な顔付き、というのもそうだが雰囲気が違う。一枚の絵画を目の前にしているかのような、そんな感じがする。有名人特有の雰囲気というやつだろうか。

「えっと、具体的にどのような写真が必要ですか?」

「一週間後に別の国で公演会をやるので、その宣伝のポスターやチケット、グッズ……まあウチワとかハチマチとかタオルとかうんぬんかんぬん……」

 要するに、盛りだくさんってわけだ。

「全て違う写真で撮りますか?」

「もちろん! 彼女のベストショットを頼みます」

「わ、分かりました」

「見たところ、この手の仕事はあまり経験がないようで?」

「へ? わ、分かっちゃうんですか?」

「そりゃあ、そういうことを聞かれたら誰だってそう思いますよ」

「……」

 しょぼんと気が落ちている。こればっかりはしょうがないな。

「ですが、この国では評判があり腕が良いと聞いて入国しました。問題ないでしょう」

「……!」

「な?」

 フォトが力強く頷いた。外部の人間にもフォトの働きぶりが認められた瞬間だ。うずうずと喜びっぷりを隠しきれてないぞ。

 しかも遂に、フォトの名が国外にも伝わっていたことが判明した。これから忙しくなりそうな予感がする。

「全部で二十枚ほど撮ってもらって、その中から十枚選別します。残りの十枚はプレミアムショットということにしましょう。プライベート性の高いものにします。もちろん全てこちらで買い取らせてもらった上です。ですから、そうお固くならなくて平気ですよ」

「あ、ありがとうございます」

 こりゃあっちの方が何枚も上手(うわて)だ。いい勉強になるだろうよ。緊張しながらも楽しそうな顔をしている。

「ではタナをお貸ししますので、よろしくお願いします」

「……え?」

 え? なんだって?

「えええっ! マネージャーさんは一緒じゃないんですかっ?」

「私はマネージャー兼代表取締役社長なのです。なので、公演会の準備の方もしなきゃならず……では」

「ちょ、ちょっとまって、」

 フォトの問いかけにも応じず、車でそのまま去って行ってしまった。

「……」

 おいおい、いくら仕事でもここまでこっちに一任されちゃあ困っちまうな。擦り傷一つで訴えられかねないぞ。

「え、えっと、よろしくお願いしますね、タナさん」

「はい。お世話になります」

 

 

 とりあえず、タナと話し合うことにした。

 今までの依頼なら依頼主が撮ってほしい場所や人を指定して、それを撮ってくれば良かったが、今回は違う。フォトの意向になる可能性があるからだ。つまり、フォトの想像力や工夫が必要になる。まあ、フォトの評判を聞きつけて依頼してくれたのだから、やりたいようにやっても構わないのかもしれない。

「タナさんは希望あります? こんな感じに撮ってほしいとか場所とか」

「……」

 ん? どうしたんだ? 緊張しすぎて話せないとか?

「マネージャー、今いないよね?」

「え? あ、はい」

 どすん、とイスに座った。

「あー疲れた。ホントかたっ苦しいのは苦手だわ」

「へ……?」

 あまりの豹変ぶりにフォトが驚いてら。こいつ、猫かぶってやがったな。話し口調からも、かなりのおてんばだ。

「フォトって言ったわね?」

「はいっ」

「この店はアンタ一人なの?」

「あとモトラドのソウと一緒です」

 フォトがオレの方に来て、紹介してくれた。

「まあそういうことになる。よろしく頼むぜ」

「……」

 な、なんだ? まるで馬鹿にしたようなその目は? そっちは客だけど、失礼だろうに。

「ホントに頼れるのかしらねえ。確かにこの国にいる時は何回も聞いたけど、女のアンタが写真屋やってるのが珍しいだけじゃないの?」

 フォト、恐ろしく無礼な客だぞ。なんか一発ぶちかましたれ!

「あははー。やっぱそうですよね」

 がっくし。……というか、店の評判やら何やらに全く固執しない(たち)だった。

「写真が好きになって色んな所を撮っていたら、近所の人たちから頼みごとが増えたんです。そこからだんだん“ポプラ通りの写真屋さん”って噂になっちゃって」

「へー。アンタ、写真が好きなんだ」

「はい。綺麗な風景とか楽しい光景とか見てると、一枚に収めたくなるんです」

「……」

 今度はじいっとフォトを品定めしてやがる。このヤロウ、フォトにも変なこと言ったら言い返してやるぞ。

「そう。私とそんなに年は変わらないのに、いっぱしのプロってことか」

 すくっと立ち上がった。

「もう出発の準備はできてるの?」

「はい! 今すぐにでも!」

「衣装はあるから今から一泊二日で出発するわよ!」

「ちょっと待て。どこで撮影する気なんだ?」

「心配せずとも考えはあるわ。私に付いてきなさい!」

 

 

 タナの勢いに乗せられた感じで街に繰り出したが、

「ねえ」

「はい」

「このトラック、乗り心地悪すぎ!」

「そうですか?」

「儲かってるならもっと良いやつ買いなさいよ! プロなら一流品を扱わないとダメじゃない!」

 早速文句たらたらだった。相手が客じゃなかったらぶん殴って黙らせるところだ。オレの場合は()くことになるが。

 けど、言っていることはそこまで的外れってわけでもないか。節約志向が強いから、基本必要になるまで買わないしな。

 荷物や機材はこうなることを見越して、既に準備させておいたから、滞りなく出発できた。もしここで時間食っていたら、タナにどやされるところだった。

 高級品の一眼レフと諸々のレンズ、三脚と結構な量のフィルム。これくらいで十分だろう。今回は街中での撮影だから、最低限の食料だけ積んである。あと、いつものようにオレも荷台に載せてもらっている。

「にしても、この国は広いわねえ。隅々まで行くと一週間くらいかかるんじゃないかしら」

「ヘタするともっとかかるぞ。山登ったりするからな」

「そうなの? 広いなら農家やるにはピッタリね。ここは真っすぐ行ってちょうだい」

 たっぷりと皮肉を交えて笑っていた。

「私も農家やりたいなあ」

 お前、まだ諦めてなかったのかっ。

「あんなめんどくさくて汚れる仕事が?」

「のどかで楽しそうですよ」

「私はイヤね。きもちわるい、あ、そこ左ね」

 そこら辺で一生懸命働いている農家さんたちに聞こえそうで怖かった。どうしてこんなに失礼な人間がいるんだか、疑いたくなる。

「ところで、これからどこに行く気なんだ?」

「心配せずとも、目星はつけてあるわよ」

「え?」

「当たり前でしょ! 写真屋に頼んでから決めるなんて仕事は遅くなるしお金もかかるじゃない! だから予め現地視察しといたの」

 なるほど、だからか。やたらと行き先を指示してくるのは。

「すごい、すごーい!」

「え?」

「私、行き当たりばったりが多いから、そういう風な考えがほとんどなかったです。でも、プロってたくさん考えてるんですねっ」

「……ふん、当然でしょ? 何も褒められることでもないわ」

 ぷいっと外を眺め始めた。口も悪いが態度も悪いなこりゃ。でもフォトは全然気にしてないようだ。その証拠に笑っている。

 でも、フォトがそう考えるのはすごい進歩だと思う。仕事上、急な依頼が多いのは仕方ないけど、それをどうにかできないかと発想できたってことだもんな。オレもフォトが負担にならないように日取りや指示はするけど、それでもちょこちょこ不備はあるし。

 きっとそこら辺を経験してるからこその感動なんだろうな。

 タナの予定として一日かけて各地を巡り、その場所場所の風景を背景に撮影する、と話していた。特に北側の地区にはぜひとも行ってみたいのだという。フォトもそれに大賛成していた。やはり今になっても気になる部分ではある。

 北側の地区は夏目前なので、山を覆う雪がすっかり解けている。

 露知らずの山林が微風でなびいて、乾いた囁きを聞かせてくれた。陽気良く、(二人にとって)心地いい気候だ。山だから空気も綺麗でさぞかし気分が良いだろう。

 以前の雪道を走るのとは段違いだ。あっという間に村に辿り着きそうだが、その山道でも、

「フォト! ここ撮るわよ! 準備しなさい!」

 と、タナの指示(という名の気まぐれ?)で撮影することもままにあった。

 雪の村独特の家が見えてきた。雪の重みで屋根から潰れないように、角度をよりつけている。色合いも赤と緑と目立つ色合いで彩色されている。道沿いに可愛い家が何軒も連なっている、はずだった。

 しかし今は違う。雪崩が発生してから、その復興作業に追われている。国が本腰を入れるようになってから、その作業も早くなっていると聞いた。

 峠で一旦休憩を取っていたタナが、

「……」

 その一連をじっと眺めていた。さっきまではしゃいでいたのが嘘のように。一応、何をしているのかは理解できているようだ。

「何かあったのね」

「うん」

「雪崩か水害か。どちらにせよ小さくなかったのね」

「!」

 一切話していないのに、見事に言い当てた。

「……」

 ずっと眺めて、髪をなびかせていた。

「? フォト?」

 徐ろにカメラを取り出したフォトが、まるで何かに取り憑かれたかのように、

「!」

 パシャッ、と一枚撮った。

「え? なに?」

「……あ、ごめんなさい。つい、撮りたくなって」

 写真家の本能か何かなのか、フォトが無意識に撮影した。そのシーンはフォトにしか分からないが、何かに突き動かされて撮った一枚だ。帰ってから楽しみ、というのは不謹慎だな。

「戻りましょ」

「え?」

 恐ろしく意外な一言を言い放った。

「気が変わったの。こんなとこで撮ったって気が滅入るだけでしょ。勘違いしないで」

「え? あ、はい……」

 

 

 結局、村に入ることはなく、他の場所で撮影を終えた。枚数は大丈夫だろうけど、中身に関してはフォトの腕頼みだ。大丈夫だとは思うけど。

 しかし、さすがに大言吐いているだけあってその働きぶりはキビキビしていた。フォトの仕事は大方自分のペースでやらせているが、今回はタナに振り回される形だ。額に汗して頑張っていた。さすがのフォトも、

「今日はたくさん撮りましたねっ」

 疲労困憊。という割に夜中の運転はばっちりだ。

「私の付き添いに付いてこれるなんて大したものじゃない。今日で疲れ潰してやろうと思ったのに」

「ありがとうございます」

「それ、お礼言うトコじゃないでしょ」

 なんて悪どいやつ。あれから楽しそうにしてたのはそういうことか!

「あーあ、久々に楽しかった。適当に宿取って休みましょ」

「そうですねー」

 道中見つけた宿で一泊を取ることに。トラックを駐車場に停め、機材はひとまずそのままで、フォトだけが中に入っていった。見る限り怪しい宿じゃないし、一般的な民宿といった感じだ。

「あの子、私を信用しすぎじゃない? このトラック盗まれたらどうしようもないのに」

 それはオレも思うところだ。もちろん言わないが。

「短い間だが、信用してるんだろうさ」

「ちょろっとイイコトしてあげればひょいひょい騙される、一番カモにされやすいタイプね」

 辛辣なことを言っているが、それが事実なのがやるせない。だが、フォトは幸運の星に生まれてきた人間だ。そうやって今までやって来たのだ。

 民宿から出てきたフォトがこちらに来て、喜んでいた。

「二部屋空いてました! 大丈夫です!」

「え? なんで二部屋?」

「なんでって……私とタナさんとで分けようかなって」

「別に一緒でもいいでしょ。ベッドないなら床でも眠れるし」

「そ、そんな! 私が床で寝ますよ!」

「まずは一緒で賛成なのね」

 あ、と口が滑ったように、あわあわと慌てふためいている。あの、えっとそうじゃなくて、と言葉がしどろもどろになっていた。

「ともかく中に入るわよ。ほら、道具持ちなさい。アンタの大切なものでしょ?」

「はい!」

 二人手分けして荷物を中へ運んでいく。その光景を見ていた受付の男は夜逃げか家出かと心底心配していたようだ。オレが事情を話さなかったら、警察に通報されるところだった。ただ、フォトと一緒にいる小娘が世界的なアイドルだとは後ほど思い知ることとなるだろうさ。

 こうしてようやく床に就けるってわけだが、ベッドは二つあった。良かった良かった。

 近くにあったイスに腰掛けるタナは、びしっとフォトに伝える。

「とりあえず、アンタが先に風呂に入りなさい。一番疲れてるだろうし」

「そんなことないですよ! まだまだ、」

「フォト、お客さんの気遣いだ。言葉に甘えとけ」

「あ、あうぅ……分かりました……」

 もっと頑張らなきゃ、と思っていたんだろう。だが、こう言っておけばフォトは一応引き下がる。というより、自分が思っている以上に疲れていることをタナに見抜かれているのだ。

 自分の衣服を取り出して、とぼとぼと浴室へ向かっていった。

「……」

 タナと二人(?)きりか。オレの方も明日のことを考えないと、

「あのさ」

 そう思っていたところに、タナが話しかけてきた。

「なんだ?」

「アンタたちっていつからここに住んでるの?」

「けっこう前からだぜ」

「その時からこの仕事に?」

「まあ、そういうことになるな。でもフォトが話してた通りだ。最初は写真撮影が趣味だったんだが、ご近所さんやら何やらから頼まれごとが多くなってな。そこから商売始めてみたらどうだって提案したんだ」

「ふーん」

 自分から聞いておいて反応が薄いな。

「毎日楽しくやってるよ、フォトのやつも。実際、人の役に立ちたくてってのもあるんだろうけどさ」

「……」

 じっとオレを見るタナ。なんだなんだ? やろうってのか?

 そう言えば、と思って聞いてみた。

「衣装あるって聞いてたが、結局全部同じ服だったな。あとは寝巻きその他くらいだと思うけど、それくらいで大丈夫なのか?」

「!」

 やたらと動揺し始めた。そんなに失礼なことを聞いたか? それともプロを名乗っている以上、唯一の失態を言われて恥ずかしいとかか。

「……」

 しかし、オレの予想は全く外れていた。

 酷く落ち込んでいる。人に強く言うけど打たれ弱いってやつか? いや、そうじゃない。もっと別な何かだと思った。どうしてか? ……あの村を見ていた時と同じ表情だったからだ。

「タナ、もしかしてあの村の出身なのか?」

「え?」

「あの時も今と同じ顔をしていた。だから、」

「話が飛躍しすぎ。あの村とは何ら関係ないわ。私の生まれはもっと遠くの国だもの」

「じゃあなんでそんな寂しそうな顔してるんだ?」

「……」

 ふ、と鼻で笑う。

 独り言よ、と独り言ちた。

「……昔は慈善事業をしてたの」

「慈善事業? それがどうしてアイドルに?」

「“単純な話”よ。戦争地域や被災地で活動してたけど、入ってくるお金より出ていくお金の方が大きかった。だからお金が足りなくなったの」

「単純って……」

 見た目と性格から見たら、どう頑張ってもその隙間すら見出だせない職種だ。

 いやそれより、あっさりと言い切るものの、淡白さが顔に出ていない。身を削って痛みに悶えているようで……。

「そんな中であのマネージャーが私をスカウトしてきた。たまたま、難民救済のラジオ実況をしてた時に見ていたらしくって」

「ヘッドハンティングか。良かったじゃないか」

 シンデレラストーリーってやつだ。その仕事が底辺層ってわけじゃないが、階段を駆け上がるようにして、今の“アイドル”の仕事で花開いたわけだ。

「……」

 しかし、タナの顔は曇る一方だった。

「確かに私の団体にもお金が山のように入るようになって、仲間はみんな喜んでた。色んな人を助けられるようになって私も嬉しかった。でも……その中に私はいなかった」

「タナのおかげで資金繰りが良くなったんだから、むしろ中心人物だと思うんだがな」

「別に、慈善事業が嫌いになってこの仕事を受けたわけじゃない。どんなに酷いこと言われたって、私は誰かを助けたかった。優越感とか自慢とかそんなのいらなくて、ただ役に立ちたかった。……でもこの仕事をやめたら、また前みたいになっちゃうからやめるわけにはいかない。でも、この仕事……いつまで続ければいいのか……」

 まるで悪夢を見て怯える子供のように、身を屈めて(うずくま)る。

 正直、その悩みはオレの手に負えない領域だ。仕事を辞めろとも続けろとも言い難い状況で、しかもどちらも最良の選択とは言えない。フォトと同い年の少女にしては重すぎる難題だった。

 下手に助言はできない。でもどうにかしないと、いつかこの娘は……。最悪の事態になることは容易に想像がつく。そんなことになったら気分が悪すぎる。

 オレが答えあぐねている時に、

「あのー、お風呂上がりましたよー」

 ほかほかと寝巻きを着たフォトが戻ってきた。しかし、すぐに異変を感じたらしい。タナに気をかけた。

「どうしました? 何かありました?」

「……」

 ぷいっと顔を背けて、自分の支度を始めた。

「……なんでもないわよ」

 そして浴室へ向かっていく。

「……タナさんとケンカしたの?」

「いんや。そういう話じゃないから安心しな」

 そう? とベッドに腰掛けてわしゃわしゃと髪を拭き始める。

 フォトは到底気付かないだろうが、こういう時にモトラドの高性能さを呪う。

 いつもこうしているのかと思うと気分は良くない。シャワーの中で、彼女の(むせ)び泣く声がする。

 

 

「おい、起きろ! フォト!」

「ん、んぅ……」

 大変なことになった。

 相変わらず寝ぐせの激しい頭で、オレを見た。いきなり起こして悪かったな。だが、そうも言っていられない事態だ!

「どうしたの、ソウ?」

「周りを見てみろ!」

 この慌てぶりを見て、そして言う通りにしてからようやく気付いた。

「あれ、タナさんは?」

「いなくなってんだよ! トイレとか風呂とか捜せ!」

「う、うん!」

 勘弁してくれよ。このまま失踪なんてことになったら、社長さんに何て説明したらいいんだ。損害賠償云々で済む話じゃなくなるぞ。おまけに昨日の今日でさらに心配度が跳ね上がっちまう。

 フォトがドタドタと部屋中捜して、クローゼットや便器の中まで捜して、首を横に振る。やはり、見当たらないようだ。全く、どこにいったんだよ。

 既に日が昇って燦々としている頃だ。二人が完全に眠ってからオレが休んだんだ。闇夜に隠れて逃亡なんてこともないだろうし、間違いない。しかしまさか、どこかにいなくなるなんて全く想定していなかった。どこかの政治家ばりの失態だ。

 店員さんに聞いてくる、とフォトが慌てて飛び出していった、その前に、

「気をつけて行けよ! 慌てずにな!」

 うん! と慌てて頷いて行ってしまった。一応ドアは閉めていくほどの余裕はあるようだ。

 それから十分ほど経つが、今度はフォトも帰って来ない。

 ……おい、ちょっと待て。確認するのにそんなに時間かかるか? フォト自身も捜索しているなら話が分かるが、フォトのことだからまずはオレの所に来るだろうさ。

 とすれば……?

「お、おいおい……」

 思わず不安が口走る。タナが失踪ではなく、誘拐されたのだとしたら……? それでタナを捜していたフォトまで誘拐されたのだとしたら……?

 しまった。そこまで考えていなかった。焦って不用心な事をしてしまった……! まずは警察に通報する方が先だった!

 すまねえフォト……。オレが情けないばかりに、せっかく拾った命をみすみす……! 本当にすまねえ……! こうなったらオレがスクラップになるまでここにいて、

「あれ? あの子はどこ行ったの?」

「……」

 え?

 一人の少女がドアを開けて入って来ていた。

「た、タナ……?」

「当たり前でしょ? こんな美少女を誰と見間違えるっていうの?」

 間違いない! タナだ!

「で、でも一体どこに? てっきり逃亡したんじゃないかって」

「勝手に消えるわけないでしょ? まだ仕事が終わってないっていうのに」

「仕事?」

「この私を安全に送り届けるっていう重大な仕事!」

 昨日の少女はどこに行ったんだ? いや、むしろ今が強がっているのかもしれない。

「下の食堂で朝食を取っていたのよ。お腹へったし」

「朝飯? なんだよ、心配して損した……」

「なんですってぇっ! このポンコツ!」

 がんがん殴ってくるが、ひとまず無事で良かった。

 ってあれ? じゃあフォトは?

「フォトと出会わなかったか?」

「ええ。食堂にいるとは思ってなかったみたいで、どこか走っていったけど? そろそろ戻って来るでしょ」

 という凄まじいタイミングで、ドンドンとノックがした。そしてガチャガチャとドアノブを必死に捻る音も。

「ソウ! 開けてー! タナさんいなかったよっ! どこ行っちゃったのっ?」

「ここにいるわよ! 入って来なさい!」

「でも開かないよ! どうしてっ?」

 ……あ。

「……っふ、ふふふふ……」

 思い出したようで、タナが笑い始め、

「あっははははは!」

 タカが外れたように大きく口を開いて笑った。

「どうして笑ってるの、タナさんっ? 早く開けてー!」

 忘れていた。ここのドア、自動ロックが掛かるんだった。そして鍵はタナが持っている。おそらく、朝食を食べるんで持って行ったんだろう。つまり、フォトは閉め出されていることになる。

「あーはいはい」

 涙を薄っすら浮かべるほどに笑みがこぼれている。

 かちゃ。

 くすくすしているタナが鍵を外すと、

「うわぁっ」

 急に抱きつかれた。

「良かった! タナさん無事で良かったっ!」

「あははっちょ、ちょっと、……!」

 異変に気付いたタナが笑うのを止める。

「よかった……ほんとに……ほんとに……」

 オレからは陰になって見えないが、おそらく……。

「……」

 タナが一息ついて、埋まるフォトの頭を撫でた。

「ったく、情けない。そういう顔は他の人に見せるんじゃないわよ。誰もいない時だけにしなさい」

「……うぅ……」

 呆れている割には、嬉しそうに微笑んでいる。

 どうしてなのか、すごく印象的だった。これがもし逆の立場だったとしても、成り立ちそうに思えてならないからだ。

 そう思った時、どうしてタナがフォトに強く当たっていたのか、分かった気がする。それはとても“単純な話”だ。

「ほら、もう大丈夫。あとは自分で何とかしなさい。いいわね?」

「……はいっ……」

 

 

 それからすぐに支度を始めて、宿を出る。ふと気付けば既に十時を回っていた頃だった。なるほど、お腹が空くのも無理は無い。それは、タナの朝食の時間はだいたいそこら辺の時間ではないことも示唆している。

 最終的には何事もなく無事に帰ることができた。道中、最初の頃を疑うくらいに、二人が良く話していた。ファッションの話とかお菓子の話とか、いわゆる“女の会話”というものだろう。フォトも楽しそうに“聞いていた”。“聞いていた”と言うのは、そういうことにはまだちょっと(うと)いからだ。だが、フォトも良く笑っている。

 その最中のことだが、途中で現像屋さんに寄って写真を見ることになった。フィルムを三つも使い果たした成果が、分厚い封筒だ。タナが厳しい目で一枚ずつチェックしている。

「まあまあかしらね」

「ほんとですかっ!」

「被写体が良いから良く見えるって意味でね」

「も、もっと頑張ります……」

 珍しく凹んでいた。まあ他と比べられることなんて滅多になかったし、仕方ない。逆に言えば、評価してくれるってことだからありがたい。

「でも楽しかったわ。それだけね。良かったとこは」

「う、うぅ……」

 今にも(また)泣き出すんじゃないかと思ったけど、踏ん張れよ。そういう悔しさがバネになるのだから。

 さて、長かった写真撮影が終わり、店に戻ることができた。誰もいないからホコリかぶっているな。オレを外に置いて、ある程度は掃除した。タナまで手伝ってくれたが、こっちはひやひやものだ。なにせ(まだ)客と店長の関係だ。ケガでもしたら怒られるどころじゃない。ま、そんなことはほぼあることでもなく、掃除も終えるが。

 一時間ほどお喋りしながら待っていると、報せを聞いた社長さんたちがやって来た。いつも通りのイカツイ護衛隊もお出ましだ。

 さっきまで笑っていたタナが、真面目な顔に戻る。

「お疲れ様です。早速ですが、例の写真をお見せください」

「は、はい」

 緊張した面持ちで選別した写真を手渡す。ついでにそっとテーブルに残りも差し出した。無理も無いか。さっきあれだけタナに言われちまったんだからな。

 ところが、

「……素晴らしい」

「……え?」

 予想していたことと真逆の反応が返ってきた。

「タナの長所である清楚さとハツラツさが伝わってきます。しかし、この夕日での黄昏は彼女のイメージをがらりと変えてくれる。ワンシーンずつ丁寧に吟味した様子が窺えます。この中から選び出すのが難しい」

「は、はぁ……」

「こちらも拝見します」

 と言って、残りの写真も残さずに確認した。

 うんうんと満足気に進めていくと、ピタリととある一枚で止まった。社長さんは驚いた表情で、その一枚をテーブルに置く。

 それはあの峠で撮った一枚だった。

 一面真っ青の空に照らしている太陽。背後には緑一面の山がある中、復興中の村が映し出されている。それを遠くから眺めているタナが髪をなびかせ、その村を見下ろしているシーンだった。

 ごくり。タナと社長、そして護衛たちまでもが息を呑んでいる。

「……」

 社長さんがメガネをくっと掛け直す。そして、なぜか顔が綻んだ。

「この度の依頼をこなしていただき、ありがとうございました。こちらは謝礼です。どうぞ受け取ってください」

 護衛の一人がアタッシュケースをテーブルに乗せ、ぱかっと開いた。

「わ、わわわ……」

 ぎっしりと札束が詰まっていた。現実的に言えば、フォトの遺産に比べりゃ端金なんだが、こうやってケースに収めたことがない。つまり、初めて金の山を見ることになる。その圧巻さに、フォトがたじろいでいる。

 それでは、と社長たちも帰っていった。あ、とフォトが思い出すように追いかけ、

「ありがとうございました!」

 深くお辞儀して、見送っていった。

「……」

 フォトは喜んでいた。報酬額に対してでなく、写真を全て受け取ってくれたことに。

 こうして、フォトの仕事は無事に終えたのだった。

 

 

 後日。とある日の晩に、突然に、

「開けて」

 タナが訪れた。

 本当に寝る直前だったため、寝間着のまま出ることになったが、特に気する様子はなかった。

「どうせアンタは仕事で観に来れないと思うから、今のうちに渡しておくわ」

「?」

 一枚の紙と指輪だった。お、おい……これって……。

 良からぬ予感を抱きつつ見てみると、

「契約書」

「何の契約書?」

 おいおい何の契約書だよ、不安すぎる……。フォトはまだ字が読めないから、オレが読むことになるのだが、怖くて中々先に進めない。

 それを察してか、タナが言い出した。

「雇用契約書よ」

「……え?」

 こようけいやく……あ、仕事の方か。良かった良かった。じゃなくてっ!

「つまり、タナがフォトを雇うってことかっ?」

「そうよ。何か文句ある?」

「……」

 急に話がぶっ飛んだんで、しかも寝る寸前だったから、イマイチ内容を把握しきれていないようだ。

「まあその、世界中を飛び回ることになるけど、悪い思いはさせないわ。報酬も悪くないし、世界旅行と思えば楽しいと思うし。どう?」

「どうって……こんな夜中に話すことじゃないだろうよ……」

「仕方ないじゃない。今夜くらいしか時間がないんだもん」

「じゃあ、タナさんは明日出国するんですね?」

「ええ。だからよ」

「……」

 フォトは、

「ごめんなさい」

 言い切った。

「タナさんと一緒もとっても楽しいと思います。でも私、この国が好きなんです。私を受け入れてくれたこの国が……」

「! ……」

 少し難しい顔をしている。

「だからごめんなさい。一緒には行けません」

 ふ、と小さい笑みを皮切りに、

「あっはははははっ」

 大声で笑い出した。

「あ~……この私の誘いをきっぱり断るなんて、世界中見渡したってアンタくらいなものよ」

「いや、他にもいると思いますけど……」

「なんですってぇっ」

 ぽかぽかと軽く(はた)く。いたいいたい、と笑いながらじゃれていた。

「……一緒に行けないなら、専属契約にするわ」

「?」

「つまり、お得意さんになるってこった」

「あ、なるほど」

 そっちは特に躊躇いもせずにサインした。国から離れなければ、拘りはしないんだな。

「これで、仕事があればこの国にやって来るわ。次来る時は腕を磨いておきなさいよ」

「は、はい……」

 あ、また思い出したようだな。シュンとしている。

「それで、この指輪は?」

「別に着けなくたっていいわ。ただの契約の証みたいなもんよ」

 “みたいなもの”? はっきりと決め付けされていないのか。

「別に捨てたっていいし」

「そんな、絶対に捨てません! 大切にします! 毎日お手入れして飾ります!」

「ふふ、着けたりはしないんだ」

「あ、いやっそういうことじゃなくて……うぅ……」

 とても自然で柔和な微笑み。こいつの素直な表情はこういう時以外表れないだろうな。

「それじゃ、またね」

「……はい」

 タナと握手を交わし、

「私も覚悟を決めたわ」

「覚悟?」

 軽く手を振って別れていった。

 フォトはずっと見送っていた。彼女の言う“覚悟”という言葉がどんな意味なのかを考えながら。

 

 

 翌朝、いつものように、

「ソウ! 新聞読んで!」

 新聞を開いて見せた。今日は休みだし、ゆっくりするのも悪くない。ただ、たまには走りたい……。

「はいはい」

 まあ、それは置いておいて、そこには大きい見出しでこう書かれている。

『世界の歌姫からの巨額の寄付金! 復興の大きな力に!』

 先日の公演会で稼いだ売上金を全額、あの村に寄付したという内容が(つづ)られている。その時の写真はないものの、話の流れや内容から考えて、タナたちの事を記事にしたのだろう。その功績を称えて国で大きい授与式を設けたのだが、肝心の当事者が欠席するという異例の事態となった。その理由として様々囁かれているが、とある人物と面会するためではないかと力説している。人物の詳細は全く不明であるとのこと。

「この人物って一体誰なんだろうね、気になるねっ」

 オレが要約して話しているから、概要しか分からないのも仕方ない。というか意図的にそうやって話している。授与式が夜中に催される予定だったと書いてあることから、きっと……。

 タナが授与式をほっぽり出してまで会いたかったのは、それよりももっと大切なことがあったからだ。タナは今の自分と友達になってくれる人がほしかった。どんなに酷いことを言っても、立場に拘らない友達が。“単純な話”だ。だからあの“証”を渡したのだろう。

 “覚悟”ってこれらのことなのか? 確かにタナの儲け、つまり慈善事業への寄付を蹴ってまでこちらを優先したのは、すごく覚悟のいることだ。だが、この行為自体はそこまで悪いことじゃないし、きちんと説明すれば分かってくれるものだと思いたい。むしろこっちのことなのだろうか。

 そうオレが考えていると、またも郵便屋さんがやって来た。……ん、郵便屋さん?

 フォトが不思議そうに物を受け取り、オレの前に置いてくれた。

 ぱらぱらと荷解きをすると、

「あれ、また新聞だ」

 といっても同じ新聞ではない。この新聞社は聞いたことがないから、おそらく他国のものだろう。でも、どうしてそんなものがフォトの家に?

 とりあえず、中身を見てみることに。

 同じように、裏面を一面トップで飾っていた。しかも記事の端っこ、つまり余白に手書きで何か書き込まれている。

「あ、タナさんだ」

 そう、タナの写真。しかも撮った覚えがないってことは、他国からの提供だろう。重要なのはそこではなく、内容だ。

「ねえ、なんて書いてあるの?」

 オレに内容を教えてもらうようにせがんでいた。

 これを話すかどうか、酷く悩んでいた。フォトに話せば必ず行動に移すし、それを止める自信がないからだ。

 読んだ瞬間に、社長さんのあの一笑が思い浮かんだ。きっとこれが彼女の、いや彼女を雇っている会社ひいては社長さんの出した答えなのだとオレは思う。

 そしてタナの言っていた“覚悟”はまず間違いなくこれのことだと痛感した。

 そこにはこう記されていた。

『被災地に国家予算並みの義援金! 世界の歌姫、売名行為か!』

 そして端っこの手書きで、

『いくらでも罵りなさい。私はやりたいようにやるだけよ。親愛なる友へ』

 笑わされた。

 

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