キノの旅(✕フーと散歩) -the Wonderful Days- 作:水霧
オレの名前は“ソウ”。モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)だ。
携帯性を重視された特殊な設計をしている。ハンドルや座席を折りたたむことができ、小さい乗り物に積んだり狭い場所に置いたりすることができる。代わりに性能は落ちているがな。
持ち主は“フォト”。黒髪の長い年頃の女で、ハツラツな性格をしている。
オレとフォトは元々、現在住んでいる国の生まれではない。とある出来事で流れて来た流浪者だった。様々な偶然や幸運が重なって、今の生活を送っている。
その途中で手にした高性能カメラや写真にご執心になり、写真屋を営むことにした。彼女の名前はその馴染みで付けられたものだ。
本人はどちらもいたく気に入っている。
とある日のこと。
「ふーん、強盗犯ねえ」
暇なので新聞を読んでいたんだが、こんな国でも強盗があるとはな。裏一面に飾るくらいだから、相当デカイ事だったんだろう。なになに、犯人は複数の外国人、もとい旅人か。宝石店やら質屋やら金目のものを、
「手紙きたー!」
突風でも吹き込んだかのように店主、つまりフォトが戻ってきた。手には手紙が握られている。
まるでおもちゃを買ってもらった子供のようにはしゃいでいる。裏表のない
新聞を読むのをやめて、その手紙とやらを見せてもらおうか。
「じゃあ見せてみな」
「はい!」
ゆさっと長い髪を揺らしながら、オレが読んでいた新聞の上に置く。読んでいる間に髪を後ろで留めさせるように言った。よく見ると逆さまじゃないか。まあ読めなくはないが。
字は達筆というまでではないが、よく書き慣れている。おそらく成人だろう。
「……長いな。びっしり書いてある」
「じゃあ簡単に言って!」
「はいはい。ちょっと待ってろ」
つまり、こういうことだ。
「たまたま入国していた旅人だが、写真屋の噂を聞きつけて依頼したい。この国に来る間に出くわした湖が素晴らしかったので、ぜひ写真に収めてほしい。できれば朝昼夜の景色を見てみたい。この依頼書を発送してから一週間近く滞在する予定なので、その間に頼みたい」
手紙の隅に指定場所への地図が書かれていた。おそらく、フォトとオレがここへ来た時の道だろう。なるほど。この旅人も同じようなルートを通ってきたんだろうな。
あそこまでは丸一日くらいかかったはず。そうすると、一時的な出国手続きをしなきゃならなそうだ。出国する前にある程度の説明をした方がいいだろう。
「ねえソウ? ……なにを撮ればいいの?」
「湖だよ湖」
「あ、そっか」
「受け取りは三日後か最終日だそうだ。どうする?」
店主はフォトなので、依頼を受けるかどうかはこいつに一任してもいい。だが、そうするとこの性格だからか何から何まで全部引き受けようとする。さすがにやり過ぎだから、二人で決めることにした。自動的にスケジュール組み立てもオレが担当することになった。
「やる!」
「分かった。そうと決まったら準備するぞ」
スケジュール的にも問題ない。
「どうせ外に出るんだ。他の風景写真も収めようぜ。何かに使えるかもしれないしな」
「何かって?」
「例えばそうだな……インテリアだよ」
「インテリア?」
「インテリアってのは簡単に言えば、部屋の飾りつけってとこか。綺麗な風景の写真を飾ると、ちょっと良い気分になったりするヤツもいるのさ。フォトも前に撮った写真を飾ってたろう? まさにあれがインテリアになるな。ハマると面白いらしいぞ」
「ソウが言うなら面白いんだろうね!」
そうじゃなくてだな。自分が面白いかどうかだと思うんだが、まあいい。
指定された場所はフォトも知っている所だ。あの時はビビりながら走っていたから到着に時間がかかったが、今回は別。フォトの運転技術も上がったし土地勘もあるし(なくてもオレが分かるからいいが)。二日ほどあれば仕事は済むだろう。
早速、遠出の準備をすることにした。出発は翌朝、三日間で全てをこなす予定を組む。まず間違いなく、移動するのに時間がかかるだろうからな。
そのための荷物も多めにトラックに積む。撮影機材とテント、多めに五日分の食料や衣類、燃料等々買い物しに行った。経験したことがあるからか、フォトも熟れた様子で準備する。
「明日、楽しみだね」
「おう。運んで転ばないように気をつけろよ」
「うん!」
フォトのやつ、まるで遠足に行くかの気分で荷物を積んでいた。こっちは心配で心配で仕方ないってのに。
特に心配なのはおかしな奴に遭遇することだ。フォトは頑なにパースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)を使おうとしない。まあ使えてもあれだが、ないよかマシだ。できれば護衛とか用心棒とかほしいな……。
しかし、そのアテはなく、結局オレたちだけで行くこととなった。依頼人が旅人らしいから、実際に会って相談したかったな。旅人ってくらいだから、少なくともそこら辺の草食って死ぬ連中よりかは強いだろうし。
フォトを何とか説得して、パースエイダーを持たせるだけには成功した。相当グズったがな。
今度は出国手続きだ。入国管理局の所へ行って事情をあれこれと説明する。ただ、フォトには難しすぎる話だから、管理官に駐車場までわざわざ来てもらって、オレが説明することにした。管理官も面白い顔してたぜ。なにせ持ち物が代弁してんだから。
四十代前半の女管理官だった。
「そんなわけで、仕事で三日間出国したいんだ」
「なるほど。しかし護衛もなしで大丈夫ですか?」
「正直大丈夫じゃない。ここはそういう
「法に触れてしまいますので、斡旋はできません。ただし、」
「ただし?」
フォトの一言に、にこりと微笑む。
「“それとなく”世間話はできますよ」
「せ、世間話?」
なるほど。そういうことか。
「最近、連続強盗犯が逮捕されたのは知っていますか?」
「そういや新聞で見たな。犯人は外国人とか」
「その立役者が明日、出国するんです。身長は百七十前後、黒い服装にリュックを背負っていて変な首飾りをしている人です」
「ほー、そいつは頼れそうだな。今いるのか? 一目見てみたい」
「私もー」
「では明日の朝七時に門の前でお待ちください。おそらく彼はあなたに気を引きますよ」
「え? どうして?」
「フォトが女だからか?」
翌朝、トラックに荷物を載せて出発する。オレはさすがに助手席には置けないから、他の荷物と一緒に荷台に載る。
今日は多く動くから、フォトには髪をしっかり後ろにまとめさせた。
「とってもいい天気だね! いい写真撮れそう」
「そうだなー」
季節的には秋頃だが、日差しが優しい。ぽかぽかして気持ちよくなりそうだ。
まだ朝早いから、フォトの服装は長袖の白シャツにチェック柄の上着、黒のジーンズとスニーカーだ。動きやすく着替えやすい服装にさせた。
フォトは初めてに近い出国で、いつもより気分上々だ。それに、
「護衛の人ってどんな人なんだろうね」
「楽しみなのは結構だが、他人なんだから油断するなよ」
「大丈夫だよ。だって悪い人を捕まえてくれた人だから悪い人じゃないよっ」
「まあ、そうだろうけどさ」
こいつはどうして疑うってことを知らなんだか。フォトの良いとこでもあり悪いとこでもあるな。今さらどうしようもないけど。
何もなきゃいいんだが。
トラックを運転して、朝の七時に門に着くように走った。郊外のポプラ通りから都市部中心を過ぎて、城門前の小広場に着いた。邪魔にならないように端に停車する。
「あ」
ちょうど、入国管理官と話している男がいた。確かに昨日の管理官の言うような格好をしている。
管理官がフォトやオレに気付くと、微笑みかけてくれた。覚えてくれてるようでよかった。
手はず通り、管理官がしばらく待つように男に話し、そこら辺でうろついてるように言った。
その男がこちらに来る。多分、暇つぶしに話しかける気なんだろう。
「よ」
車に乗ったままのフォトに話しかけた。こっちは聞いてるからあれだけど、あっちはまだ初対面だ。いや、こっちも初対面か。
「お、おはようございます」
いつになく緊張している。
「あんたも朝早くからお出かけ?」
「は、はい」
「へー。でも一人みたいだけど大丈夫なのか? それとも実は相当な達人とか?」
「あ、いや、そういうわけじゃなくて……」
「なら出国はやめた方がいい。腕に自信があったって死ぬんだから」
さすがに旅人。物事をはっきりと言いやがる。
「お名前は何というのですか?」
「名前はフォト、……あれ?」
お? 今明らかにこの男じゃない声がしたよな? バリバリ仕事ができる冷めた女みたいな声がさ。フォトも違和感というか異様感を感じていた。
「フォトか。なんか写真屋さんみたい。そう言えば評判の写真屋さんがあるって聞いたなあ」
「住民の皆様が話していたことですね? 可愛らしい女の子が営んでいるお店で有名だとか」
「あ、あの……それ、私です……」
「……へ?」
そう! 目の前にいる女がその大評判の写真屋、“ポプラ通りの写真屋さん”なのさ! そう言ってやれ!
「実は仕事で国の外に出ないといけなくて……」
なんだよ。ちょっとばかり胸張って自慢したっていいんだぜ。フォトの性格じゃしょうがないか。
「それはいけませんね。こんな可愛らしい女の子が外に出たら、野党共の餌食になるだけです。“ダメ男”、ここはフォト様のお手伝いをするのです」
「えっ? なんで? 今から出国しようって時だよっ?」
「あなたはフォト様が可哀想な目に遭ってもいいと言うのですか? なんというゴミクズ野郎です。ゴミ野郎のせいは、」
「わかったわかった! それ以上は言うな! フォトの手伝いするよ!」
「よろしいです」
さっきから男に話しかけるこの声は何なんだ?
「い、いいんですか?」
「“フー”の言うこともごもっともだし、噂の写真屋にも興味が湧いた。フォトが良ければの話だけど」
「よろしくお願いします!」
「んー。じゃあ自己紹介しとくか」
男は服の前に首飾りを出した。何というか、小型の無線機みたいな形をしてるな。色合いは水色っぽいけど。
「この機械は“フー”と申します。この男は適当に“ダメ男”とでも呼んでください」
“ダメ男”が無線機みたいなものを見せながら自己紹介された。それが“フー”で、オレと同じ喋る道具ってわけだ。
にしても“ダメ男”ってなんだよ。十中八九偽名だろうけど、ひどすぎやしないか? それに特に反論しないし……。
「え! それがフーさんなの? ソウとおんなじだー」
「そう?」
「フォト、自己紹介しとけ。これから世話になるんだぞ」
「え、あっごめんなさい」
フォトは車から降りて、ダメ男たちをオレの方に来させた。
「私は写真屋のフォト、このモトラドがソウです。よろしくお願いしますっ」
「モトラドっ?」
なんでそんなにびっくりすんだよ。ビビりすぎだろ。
「そんなわけで、モトラドのソウだ。フォトが至らないとこがあるだろうけど、オレからもよろしく頼む。こいつに死なれちゃオレも錆びちまうからな」
「ソウ“は”義理堅い方なのか?」
「いや、そういうわけでもないと思うけど、どうしてだ?」
「形が違うとはいえ、同じモトラドでも全然違うなぁって」
「?」
出国してから相変わらず森林が広がる地帯だが、前と違ってきちんと道を把握しているから進みやすいってもんだ。フォトも運転技術が上がっているから、安心してのんびりできる。現に、お喋りしながら走るくらいだ。
ダメ男は荷台に乗って周りを見ていた。代わりに助手席にはフーがぽつんと置かれている。普通は逆なんだが、護衛ということもあって荷台の方が都合いいそうだ。一目のほほんとしているだけにしか見えないんだけどな。
朝日を拝んでから日が昇り、天辺に到達した頃に休憩を取った。
思った通り、その頃には温かくなり、フォトは袖を捲っていた。
昼食はコンソメにレトルト野菜を加えて煮詰めた簡単なスープだ。フォトが携帯用コンロで作った。
「目的の場所はまだかかるのか?」
「このペースなら夕方くらいか。森林を抜けて平原に出てから少しした所に大きい湖があるのさ。もっと先は荒野になっててゴツゴツしてるんだ」
「じゃあ森林を抜けてからは一段落つくな。そこからはオレが運転しようか。運転しっぱなしは疲れるだろ」
「大丈夫です! 私疲れてないです!」
「お、おお。でも降りた時にけっこう眠たそうな顔してたけど?」
「そんなことないですよっ」
「ダメ男、フォト様がおっしゃるなら大丈夫なのでしょう。それに、仕事用の車を壊したら、それこそ迷惑をかけてしまいますね」
「分かった。なら任せるよ」
「ダメ男も護衛頼んだぜ」
幸運にも、怪しいヤツは出てきていない。やはりフォトは幸運の星の元に生まれてきているようだ。ますます確信は深くなる。
ダメ男は笑いながら野菜スープを美味しそうに食べていた。
休憩を一時間ほど取ってから出発した。
「ここの森には動物がいっぱいいるなぁ」
ダメ男は運転室に寄りかかりながら、景色を眺めていた。と言っても森ばっかりだが。
そういえばと、フォトが例の事件について尋ねた。
「ああ、あれか? たまたまフーが盗まれそうになったんでとっ捕まえたんだよ。そしたら、他の犯罪も仕出かしてたようで、芋づる式になってたんだ」
「危なかったんだな」
「いつものことですから。でも、犯人を捕まえることができたのは国にとっても良かったです」
「けっこうな被害に出てたらしいからな。フォトのやつ、話をしてみれば分かる! とか言いやがるから説得するのに一苦労だったぜ」
でも、フォトも進歩しているのかな? 悪い人間が分かるってことだから。
「ダメ男も少しはフォト様を見習った方がいいですね」
「うっさい」
「ダメ男さんいい人だよ、フーさん! 護衛も頼まれてくれたし」
「ほらほら! 今回は味方がいるぞ、フー」
「本音と建前というものです。フォト様も気をつけてください。この男、隙あらば襲ってきますよ」
「え! そうなんですか? 気をつけないと」
「あっさり寝返るなっ。ソウはオレの味方だよな? な?」
「オレはフォトのモトラドだからな。ご意向はいつだってご主人様寄りだぜ?」
「ぐぅ……」
「さすがダメ男ですね。滑稽で面白いです」
悪いな。多勢に無勢ってやつだ。
それからさらに何時間も経った。一緒にいても暇になるかと思ったんだが、さすがに話題が尽きなかった。ダメ男やフーが旅での出来事を面白可笑しく話してくれたからだ。
見た感じ、ダメ男も若いのに、かなり苦労をしているのが分かる。
「やっと見えたー!」
やっと森の端が見えたか。
森を抜けると緑一面がぶわっと迫ってきた。木がぽつぽつ生えた所で、一本の大きな河が横に走っている。そこを伝って走ると例の湖にたどり着けるわけだ。
「今何時だ?」
「十六時三十五分四十二秒を切ったところです」
前は約一日かかったのに、想像以上に早い。
「フォトけっこう飛ばしてたもんな……」
「えっ! 気持ち悪かったですか?」
「いんや。ただ、話を聞いた分じゃ早かったから、何かあったのかなって」
正直、夜中になるんじゃないかと思っていた。だが、想像以上にフォトは上達していたようだ。
それから河の方へ向かってから、沿って走っていく。平原から少し走り、草が薄くなり始める。大地に土が目立ち始めて、遠くに見える山には尖った木が多くなっていた。
その山の麓に近い所。大きなトラブルも一切なく、怪しいヤツに襲われることもなく、
「着いたー!」
到着した。
もう日が傾いて空が赤っぽくなっている。なんだかんだで夕方頃になったか。まあ十分すぎるな。
湖の端だ。山に生えていた尖った木と同じようなものが取り囲むようだ。砂や砂利に山草が散らばっている。
そこまで車を走らせると雨が降った時に嵌まりそうだから、手前の森の中に停車させた。
「夕焼け空が映る荒野付近の湖ですか。綺麗ですね」
「んー、いいとこだなぁ」
背伸びしながら湖を眺めている。その間に、
「フォト」
「なに?」
「お疲れのとこ悪いが、今のうち撮らないと明日の夕方からも野宿することになるぜ」
「あ、そうだね」
フォトに撮影準備をさせた。ダメ男たちがのんびりしているってことは、辺りに危険はないってことだからな。
三脚やらレンズやらでカメラの機材を運んでいる時だった。
「?」
オレたちとは違う所、十メートルくらい離れた所から一人の女が現れた。綺麗で短い黒髪に白いワンピース姿で、異様に肌が白い。血管が青く浮き出そうなほどだ。
ダメ男が険しい顔付きでトラックの傍にいたフォトの方へ歩いてきた。万が一、襲われた時の対応だろう。確かに不穏な感じがする。言ってしまえば薄気味悪い。
女はそのまま湖の方へ、誘われるように向かう。よく見れば裸足じゃねえか。泥だらけ以前に赤く滲んでいる。横顔も角度が悪くて見えないし、その顔を見せようともしない。つまり、こっちを気にも留めていない。
そのままざぶざぶと湖へ入っていく。一体何を考えて……?
その時だった。
「!」
パシャリ、とシャッター音が聞こえた。誰だ? こんな時にノンキに写真撮ってるのは。
こんなことするのは一人しかいない。
「……」
フォトだった。何を考えているのか、吸い込まれるようにカメラを取り出し、女ごと湖の写真に収めた。
音で女がやっとこっちに気付いた。
トタトタとフォトがそちらへ向かう。お、おい、とダメ男が引き留めようも、行ってしまった。
「ごめんなさい、迷惑でした?」
「……?」
女は状況が良く分かっていないようだった。ええい! こうなりゃ全部話してしまえ!
「フォト! まず自己紹介しとけよ!」
「!」
ビクッと、オレの方を見る。……まさか、モトラドを見るのが初めてなのか? 見た目は一般的なモノとは違うから戸惑うかもしれないがな。
「あ、うん! ……私はあっちの国で写真屋をしてるフォトって言います。仕事でここの写真を撮ってるんです。……お姉さんがきれいだから、湖と一緒に撮ったらどうかなって。迷惑だったら処分しますから!」
「あ……えっと……」
とてもか細い声だ。元気がない。
「別に構いませんよ。……もう、未練はありませんから……」
「?」
未練? フォトには少し難しい話になりそうだ。
そう思っていると、ダメ男たちが二人の方へ足を運んでいた。
「怪しいのは変わりないけど、敵意はないみたいだ。事を起こす前にちょっと話していかないか?」
「あなたは……?」
ダメ男とフーも軽く自己紹介をした。
「そうなんですか……。フォトさんに頼まれて……お若いのに……」
「とりあえず、そのまま足浸かってると風邪引くよ。しかもこれから冷えるから、その格好じゃなおさらだ」
「……」
それすらも迷っているように見える。相当思い詰めているようだな。
すると、思い切らしたダメ男が一緒に湖に入り、
「ちょ、ちょっと……!」
がっとお姫様抱っこして、強引に連れ戻す。
「軽いな。ここ数日、ロクに食べてないのか」
なかなかカッコイイところ見せてくれるじゃないか。
「とりあえずあっちで一緒に夕食にしませんか? 私、美味しい紅茶持ってきてるんですよー」
「……」
キョトンとしている。しかし、
「いただきます」
微笑んだ。
フォトは女に夕食を振る舞った。夕食は昼に食べた濃厚な野菜スープ。食後は紅茶でもてなす。冷える夜には恋しくなる温かさだろうな。
「……おいしい」
女の表情もようやく緩んできた。
もう夜だ。今日は天気が良かったから、星空満天。きらきらして綺麗だ。
ダメ男たちは夜の警戒ということもあり、今はここから離れて見回りをしている。ダメ男たちの仕事はむしろこれからなのかもしれない。
だからフォトも無理に話しかけず、帰ってきた時に食べ物飲み物を用意する程度にしていた。その時に軽く話すと、ほんわかと応えてくれる。ただ、このまま集中しているのを邪魔しちゃいけない。オレらの命を預かってもらってるしな。
オレらはトラックの近くで携帯電灯を点けて談笑していた。オレンジ色の光で森と湖の境界が灯される。湖側にテントが二つ立てられていた。一つはフォトの、もう一つはダメ男が持参していたものだ。女のためにテントを譲るらしい。
「えっと、お名前は?」
「“クリス”です」
「クリスさんかあ」
白いワンピース姿の女はクリスという。
「クリスさんはどうしてここへ?」
「私は……死のうと思って……」
「……え……?」
目を丸くした。そりゃそうだ。
「なんでっ?」
「……愛していた男性に捨てられてしまったんです。他に好きな人ができたって……」
よくありがちな話だな。だが、こうして面として聞くと良い気分はしない。
「そんなのひどい! ねえソウっ?」
「え? ああ、そうだな」
男女の話はオレには分からん。複雑な事情があるんだろうとしか。
「でも、どうしてその男はフッたんだ? クリス以上の女は中々いないと思うぜ?」
「私が病弱だからでしょうか。……今となっては……」
「えっと、部外者がこう言うのもなんだが、死ぬにはまだまだ早いんじゃないか?」
「そうだよ! 死んじゃだめだと思う!」
「……」
カップを持ったまま膝の上に置いた。
「私にはあの人しかいなかったから……生き甲斐も何もなくて……」
フォトとはまるで逆だな。フォトは生きがいを見つけたくてあれこれと生き延びてきた。クリスは生きがいを失って死にに来た。そう思えて仕方ない。でも、こういう人間はゴマンといるんだろうよ。
「あの、私から提案があるんだけど……」
「?」
フォトから打診するなんて珍しい。
「私たちと一緒にやってみない? きっと楽しいよ!」
「え、ええっ?」
今度はクリスが驚いた。そりゃそうだ。
そいつは悪くない提案だが、途中で野盗に襲われたらどうすんだ? それにクリス自身も身体が強くない。あっちこっち連れ回して体調がもっと悪くなったりでもしたら、もっと大変になるんだ。
そう言おうとしたオレを見越してか、オレの方を見て笑った。
「大丈夫! なんとかなる!」
「……」
ああ、こうなったらこいつは意地でも屈しない。それを考えるのはオレとダメ男たちなんだぞ? また頭が痛くなる……。
「クリスは大丈夫か? こうなったらこいつは説得できない。だから、お前さんがはっきり意見をしないと、」
「はは、あははは」
突然、笑い出した。少し、笑いが続いた。
「眩しいくらいに明るいんですね」
綻んでいる。
「お付き合いしたいです」
「決まり! 後でダメ男さんたちにも話してみよう!」
「お、おお……」
無鉄砲というか命知らずというか。……似たもの同士なのか?
おー、とダメ男たちが帰ってきた。
「なんだかやけに盛り上がってたようだけど、何かあったのか?」
熱意というか何というか。
「実は、クリスさんも一緒に働いてみたいって」
「……」
ダメ男は険しい表情を隠さなかった。フォト自身に悪気があるわけじゃないから、ダメ男も怒りはしない。ただ、
「本当にいいのか?」
念を押して尋ねた。
「ダメ男さんが良ければ……なんですけど……」
「……」
ふぅ、と小さく溜め息をついた。これは呆れてなのか悩んでなのかは分からない。どちらもかもしれない。
ダメ男の反応を見て、フォトが申し訳なさそうに、
「ダメですか……?」
おそるおそる聞いた。まあ、実質、オレらの命をダメ男たちが守ってくれてるようなもんだ。クリスが同伴することで危険を伴うことがあれば、あっさり断ると思う。
しかしダメ男は断りはしなかった。
「オレは全然構わないよ。依頼主のフォトがそうするなら、その意向に叶うようにオレが頑張ればいいし。今回依頼された時点で何がしかの負担がかかるのは分かってたから辛くはないし」
ややキツ目の言い回しだ。
「たださ、もう少し人を疑うことを覚えた方がいいよ」
「? どういうことですか?」
「クリスはどうして靴を履いてないんだ?」
「!」
はっとクリスが何かを思い出したように、ダメ男を見た。
「自殺しに来たんだから履く必要もない。これは分かるんだけど、一体どこから歩いてきたんだ? オレが知る限り、ここら一帯には国はないはずなんだ。一番近くてフォトがいた国だ。休みなしで歩いたって二日以上はかかるし、クリスの体調じゃもっとかかるよ、きっと」
クリスは俯いてダメ男の話を聞いていた。というかフォトとオレもよく要領がつかめてない。
「単刀直入に申し上げます」
今度はフーに代わった。
「あなたは誰かに追われて、逃げている最中なのではありませんか?」
「誰かに? ……って?」
「オレに聞くなよ」
「……」
クリスは答えなかった。深い事情があるだろうからオレらはそっとしたが、ダメ男はズバズバと突き進むように追及する。
「分かりました。では質問を変えましょう。フォト様の前では言いたくはありませんでしたが」
「?」
「見回りの最中に十二人の追手を始末してきました。身に覚えはありませんか?」
「えっ!」
なんてこったい。オレらは包囲されてたってのか!
それを何の事なしに済ますとは、やっぱり護衛を頼んでおいて良かった! ……嬉しい事じゃないけどな。でも、もしフォトが見ちまったら、それも惨殺死体なら間違いなく失神するぞ。
「安心していいよ。死体は目につかない所に弔っておいたから」
わ、わざわざご丁寧にどうも。
「はっきりおっしゃってください」
「……」
まるっきり尋問だ。こういう場面を生で見るのは初めてだから、フォトもおどおどしてやがる。ダメ男たちは全く気にしていないようだが、そんなフォトに投げかけた。
「フォト、どうする? オレとフーの質問に答えられない怪しいやつを一緒に連れてくか? もしかしたらオレらを騙してるかもしれない」
「だ、だましてなんかっ、」
「騙してはないけど本当のことはちっともって感じか?」
「……」
「正直に言えば、クリスを連れて行くのはオレは反対だ。ヘタするとフォトの家までこいつのお仲間か関係者が襲ってくるぞ。悪いけどそこまでお守りはできないよ。オレも旅しないと」
「……ごめんなさい。私、やっぱり死にます」
すくっと急に立ったクリス。ま、まさかどっか行く気じゃ、
「!」
ふぉ、フォトっ?
「一緒に来てください!」
フォトがクリスの腕をつかんだ。
「フォ、トさん……」
「信じるのか? クリスの話を」
「もし、ダメ男さんが言うように追われてきたなら、クリスさんだってつらい思いをしてここまで来たんです! 本当に私たちを騙そうとしてるなら、あんな寂しい表情はしません!」
「?」
あ、そう言えばダメ男たちにはまだ話してなかった。
「頼れるのは私たちだけなんです! だからクリスさんを助けないとダメなんですっ!」
「……!」
ダメ男に対峙して言い放った。こっちからじゃ顔は見えないが、まあ真剣な表情なんだろうな。こうなると、フォトは引き下がらない。大の男に怯まずに怒鳴りつけるくらい胆があるんだ。
ダメ男もそれを十分に感じたようで、もう一度溜め息をついた。
「……分かったよ」
観念した。
「だけど、もし連れてくならやらなきゃいけないことがある」
「? それって?」
「まぁ待っててくれ。連れてくるから」
誰を?
フォトとオレとクリスがそう聞こうとしたが、ダメ男は森の暗闇に消えていった。
数十分待っていると、縄でぐるぐる巻きにされた一人の男が一緒にいた。二十代後半くらいの男か? 身なりの良いお坊ちゃんってとこだ。
見ると酷い顔だ。醜いって意味じゃなくて、ボコボコにされてアザや傷が酷いって意味だ。原型は多分カッコいい方だ。
「こ、この人……!」
「知ってるんですか?」
「ええ」
クリスが知ってる顔か。
「ってことは、こいつがクリスを捨てた男ってとこか」
「そうです!」
「じゃあ、一から話してくれるよな、クリス?」
「……はい」
クリスが男を睨みながら語り始めた。
「私がこの人を好きになったのは三ヶ月前でした。ここからすごく遠い国でこの人にナンパされたんです。ただ見ての通り、私は身体が弱くて満足にも出掛けられない。でもこの男は私の身体目当てで近づいたんです!」
ギッ、と怒りに打ち震えて睨んでいる。おー、怖い怖い。
「それからストーカー行為をされて、最後に拉致されてここに……」
「追っ手は全員銃火器を持ってなかった。多分クリスを
男の頭をつかんでぐいっと引き寄せた。その様子だと、じっくりと身体にも聞いたようだな。
「クリス以外にも同じような手口でここでやらかしてたらしい。今回のターゲットはクリスだったわけだ。危なかったなぁ」
クリスはツイてた。たまたま今回の依頼を受けてなかったら、出会うことはなかった。クリスも幸運の星に生まれついてるようだ。
「フォト、何枚か頼めるか?」
「え? 写真ですか?」
「写真ってのは何も風景や人を撮るためだけにあるわけじゃないんだ。悪い使い方もできるんだよ」
「それは覚えたくないです」
「でも、いつか必ず覚えなきゃいけない時が来る。商売のためだけってわけじゃなく、誰かのために」
「?」
フォトにはイマイチ分からない話だろう。
オレはフォトに撮影の準備をするように命じた。この意味を後で教える代わりに。
ぐるぐる巻きになったお坊ちゃんをクリスに引き渡す。そして湖の方へ。
オレの考え通りなら、殺しはしない。いや、ひょっとしたらそこで殺してくれた方が幸せだったかもしれない。多分……。
翌日、仕事を終えたフォトは一日かけて戻り、いつも世話になっている現像屋に頼んだ。現像屋は驚いていたし、さぞかしフォトを疑っただろうな。ダメ男が付き添いで説明してくれなきゃ、フォトの株が落ちるってもんだ。ただ、事情をきちんと説明すると、納得してもらえた。
「それじゃ仕方ないね。お知り合いの安全の保証のためなら、フォトさんも協力せざるを得ない」
「オレ個人の依頼だから、フォトに迷惑をかけることだけはしたくない。だから、ここだけの話にしてくれないかな?」
「私も一応商売人。プライバシーは徹底して守りますよ」
「ありがたい」
すっと一枚の封筒をそっと差し出したダメ男。いわゆる“心付け”ってやつだろう。フォトから見えない角度で上手いこと渡していた。
「オレも今度、ここを頼るかもしれない」
「え?」
例の品を受け取った“ダメ男”は丁重に自分のリュックにしまった。
出る間際、ダメ男はそう呟いていた。
昼過ぎ。フォトの家にお邪魔しているダメ男はいろいろと話していた。
「後味悪いか?」
「気持ち良くはありません。だって、あの男の人を脅してるみたいで……」
「うん。脅してるんだよ。そうしないと、クリスが死ぬことになるんだから」
「……」
フォトの表情は曇っている。多分、初めてに近いな。仕事をやりきっても、もやもやするのは。
でも、ダメ男の言い分は真っ当でもある。どうやってもクリスが助かる道はこれ以外思い当たらない。でも、フォトは自分の仕事を薄汚くて悪いことに使われて、でも人を助けていることはできている現実に複雑な感情を抱いている。だから、前みたいに自分の考えを主張したり押し通したりしない。
きっと、ダメ男に対する印象も悪くなってるだろうな。
「悪いな。こっちが仕事を依頼した立場なのに、気分悪くさせてさ」
「いいよ、嫌われる分には。そういうの慣れてるし」
「ダメ男さんは悪い人を捕まえたのに、悪い人なんですか?」
フォトがキツく言い切った。
「良い人ではないな。何人も殺してるし、何人も助けられなかったし……」
「世の中の人がフォト様のような方ばかりなら、こうする必要もないのに心苦しいです」
「え?」
フォトが驚いてフーを見る。
「悪いことは悪いと言える人間は多くはありません。正直、こちらとしても良い行為とは到底言えません。できることなら、こんなこともしたくもありません」
「でも、現実はそうじゃない。クリスみたいな女の人をいたぶったり、もっと
「……はい」
フォトとダメ男はそんなに年は違わないように見える。けど、ダメ男の方が良く言えば大人に見えた。悪く言えば汚くてゲスいヤツ。だが、そうでもしないと今まで生きてこられなかったんだろう。
「なんかごめん。説教っぽくなっちゃった」
「ダメ男はいつも説教される身分なのに、偉そうに気持ち悪いです。吐き気を催します」
「そのナリでどうやって吐くんだっ」
ダメ男とフーが笑い合った。
「さて、そろそろ行くか」
「ええ」
ダメ男が荷物を持って立ち上がると、店から出た。フォトも見送りする。
「護衛の報酬はあの写真で大丈夫ですよ」
「いやです」
「?」
「報酬はきちんと払います。悪い人でも手伝ってくれましたから」
「……」
意外そうに、ダメ男は見開いていた。
「……いいやつだな。フォトは」
「ええ」
ダメ男がフーを開いて、何かを操作しだした。初めて見るものだけど、何してるんだ?
すると、オレを挟むようにフォトとダメ男が立った。
「ほら、レンズ見て」
「!」
レンズってことは……。
「はいピース!」
カシャン、とシャッター音がした。フーってカメラだったのかっ?
「フーさんってカメラだったんだ」
「いやカメラってわけでもないんだけど、まぁ、色んな機能があるんだよ。オレの旅はフーがいるおかげで成り立ってるようなもんだ」
ダメ男がまた操作して、オレらに見せてくれた。真ん中にカッコいいモトラドがいて、隣には驚いた表情のフォト、反対側に笑顔のダメ男がいる。デジタルだからフォトの写真より質は落ちてるのか? でも、面白い写真だ。
「フーさんが写ってないけどいいの?」
「驚いた表情をたくさん残せれば大満足なのです」
他にも写真を見せてくれた。大体の写真は困惑している顔だ。でも、笑ってるものがたくさんあった。風景は少なく、主に人物写真。
その背景は様々だ。街並み、民家の前、城の中、瓦礫の山、軍隊の行進中。人々も高貴な大人から、服がボロボロの子供まで、本当にたくさん。ダメ男たちが壮絶な旅をしてきた証がフーに残されていた。
フォトがそれを見て、
「見てるだけなのに、こんなに楽しい写真が撮れるんだ……」
感動していた。
「さて……行くか」
「はい」
フーをしまって、
「あ、待って、」
「またいつか!」
笑いながら去っていった。
翌朝。郵便受けには本来の仕事の謝礼とお礼の手紙、そして、
「あ」
一枚の封筒が入っていた。
まずはお礼の手紙だな。フォトがいつものように見せてくれた。
「『極上の風景ありがとうございました。一日の流れが想像できるような写真に、とても感動しました。これら写真は私の思い出にし、家に飾ろうと思います。この度は本当にありがとうございました。』か。まさか、撮りまくった写真を全部繋げるように送るなんてな。フォトもよく考えたもんだ」
「たくさん喜んでほしいからね!」
依頼主はさぞかし嬉しがってるだろうよ。なにせ、謝礼の封筒が手紙に書いてあった分の三倍以上の厚みがあるんだから。
フォトはこんなにいらないって言うが、これは依頼主の満足度みたいなもんだから受け取っておけ、と言い伏せた。ずるい言い方だが、フォトは言葉の意味を真っ直ぐ受け取って、喜んでいた。事も言いよう、だな。
そしてダメ男の方は、と。
「……」
フォトが恥ずかしそうに見せた。あは、フォトの困り顔がいい感じだ。オレも相変わらずカッコよく写ってる。
「ねえ、ソウ」
「なんだ?」
「ダメ男さんたちって良い人悪い人どっちなのかなあ」
「さあな。良いか悪いかなんてどっちだっていいじゃねえか。その写真を見て、フォトがどうなのか判断すればいい」
「……」
じっと見てる。バカ正直というか生真面目というか。でもそこがいかにもフォトらしい。
「うん!」
にこりとして、オレを見た。
「ありがとうございます、ダメ男さん。ここまで付き合ってくれて」
「いやいや、頼まれればやるよ。それに次の国を探す手間も省けたしな」
「楽しかったですしね」
「ああ。またいつかフォトに写真を頼みたいな。しかもあれ、高いやつだろ?」
「はい。専門店でもそう簡単には手に入らない逸品と思われます。それをフォト様のような女の子が扱えるとは、よほど写真が好きなのだと思います」
「それもあって今回は神経使ったわ……。運が良かったとしか言えないな」
「そうですね。ところでダメ男、この男をどうしますか? 警察に突き出しますか?」
「ひ、ひぃ、おっお助けを……!」
「クリスに任せるよ」
「私は……この人と付き合います」
「……えっ!」
「なっなぜですっ?」
「だって最高の脅し道具が手に入ったんですもの。この人は貴族の息子ですし、玉の輿に乗らない手はありません」
「え、ほっ、そっそれだけはっひぇっ」
「もちろん、結婚してくれますよね? あなたのこの写真をバラまいてもいいというならいいですけどね。最悪、あなたの一族は一生の恥を背負うことになるのでしょう。そうすれば一族は没落、国外追放も免れません」
「はっはひ、わっかりましたっ! 結婚します! だからバラまかないでええっ!」
「さて今回のお礼のおもてなしをさせてください、ダメ男さん、フーさん。一国の最高貴族のおもてなしをいたしますわ」
「おーまじかー。楽しみだなー」
「ダメ男も悪い人です。その悪人変態ヅラをフォト様に見られたら、完全に嫌われるでしょうね」
「ん? なんか言った?」
「いえ、何もありません」
「そもそも、フーがこの作戦を思いついたんだから、オレが悪人なら、フーは極悪人だろ。お前、完全に楽しんでるよな?」
「失礼ですね。弱者を甚振り虐げる人間には相応の罰が必要だということです。何事も穏便に、そして平和的がいいですよね。ふふふ……」
皆様どうも、水霧でございます。
一ヶ月以内にと言っていたのに、投稿がこんなにも遅くなってしまって申し訳ありませんでした。活動報告にも記しましたが、これからは一気に投稿するのではなく、一話ずつ投稿していきたいと思います。
さて、初めてシズたちや師匠たち、フォトたちを書きました。実際に手を付けてみると、原作ってすごいなあと思い知らされます。キャラクターの話し方や仕草、物語の進み方がまるっきり違くて、原作を何回も読み直しながらの作業でした。あと、銃とカメラの描写が詳しすぎて水霧の浅識では限界が……(汗)
ですが、どのお話も書いていて楽しかったです。師匠はこんな話し方しないだろ、とかシズがこういう風になったらどうなるんだろうとか、一人でボケツッコミして気持ち悪かった(笑)
さて、あとがき(という名の感想)は以上になります。もし、読者様でご要望等あれば、時間が空き次第受け付けていきたいと思います。次からはご要望を先に投稿して、第二章を後出しで投稿する形になると思います。
重ねながら、投稿が遅くなってすみませんでした。早めに投稿できるように努力しつつも、長い目でお待ちいただけたらと思います。
そして今回、素敵なご要望をしていただいたalias(nonentity)様、十六夜の月様、本当にありがとうございました!
それではまたいつか!