ソードアート・オンライン ~幼い心は強く~   作:紅風車

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第二十一話

SAO内のとある日。

まだ暗い雰囲気を醸し出す時間帯で、あと2~3時間もすれば日が昇りきるだろう。

 

「・・・何しに来たの」

 

「・・・貴方に会いたかったからだけれど?」

 

「・・・そ」

 

今まで以上に素っ気ない態度を取るユキ。

その理由は、自身の義理の姉である絢音に会ってしまったからだった。

 

「ユキー?どこー?」

 

「・・・もういい?呼ばれた」

 

ユキを呼ぶその声は聞き慣れたものであり、安心させるものだった。

だが絢音はそれを良しとはしなかった。

 

「・・・なに」

 

「行かないで頂戴」

 

「っ・・・」

 

あまりにも身勝手だろうと優紀は思った。

今までの事を考えても最終的に自分自身に返ってきているのだから。

空っぽのように優紀と話していた絢音がそれに気付くかは別だが。

 

「ユキー?」

 

「ぁ・・・」

 

ぐずぐずとしているとユキの場所へ来てしまったユウキと目が合う。

それに気まずさを感じてすぐに目を逸らした。

 

「・・・ユキ。その人・・・」

 

「ん・・・」

 

近くまで来ていたユウキの元へ行くとその後ろへと隠れる。

義姉の絢音から逃げるように。

 

「あの」

 

「・・・なにか?」

 

「優紀とは・・・どういった関係ですか」

 

絢音は優紀とユウキの関係を察してはいたが、確信を得るためにも聞きたかった。

 

「・・・優紀とは恋人です」

 

木綿季は放った言葉はSAOだけではなく、現実世界でも恋人だという意味で言った。

それを理解した優紀はぎゅっとユウキの手を掴んだ。

 

「・・・そう、ですか」

 

「貴女こそ、優紀とはどういう関係なんですか」

 

「優紀とは・・・義理の姉、です」

 

「そうですか」

 

想像通りの返答をされた木綿季はしっかりと優紀の手を握り返す。

不安そうにしていたそれに優しく大丈夫だと言うように包み込んだ。

 

「ん・・・姉さん。一つだけ、気になった」

 

優紀はあの後どうなったか分からない家族が気になった。

SAOから帰還しても会えるか分からないからこそ。

 

「夜々は、どうしてる?」

 

「・・・あの子は、荒れに荒れたわ。学校にも行かなくなって部屋からは出なくなった」

 

「・・・そう」

 

聞きたいことを聞き終えたユキは、自分とユウキの家へと戻るべく身体を動かした。

 

「えっと・・・お姉さん」

 

「ごめんなさい。優紀の事ちゃんと見てあげれなくて。妹の夜々はいるから大丈夫だと高を括っていたの。本当にごめんなさい」

 

精一杯の誠意を見せてもらったユウキは、もう良いと思いその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家へと戻った二人はベッドで座っていた。

ユウキの膝の上にはユキが座っており、逃がさないと言うべく抱きしめていた。

 

「・・・ユウキ」

 

「どうしたの?」

 

「・・・武器持ってる、よね。鍛造された武器」

 

「・・・うん」

 

画面を操作してストレージから取り出す。

それはユキが依頼して寝てしまったユキの代わりにユウキが受け取っていた武器だった。

それをユキが受け取るとすぐに装備した。

 

「ん・・・どうかな」

 

戦闘時の服装へと変わるとユウキに見せる。

日が出かけていたために、日の出の光が窓から照らされていた。

 

「うん・・・綺麗だよ」

 

女の子からみても美しく綺麗で、とても幻想的に見えていたユウキは、今一度ユキに見惚れた。

ユキの大部分の見た目にもなっている『蒼天の護衣』は和装で長い黒髪と合っていた。

腰に提げられた『霊想刀』は動けばその柄に括り付けられた結び玉がじゃれつく。

そして霊想刀と同じ所に提げられたもう一つの刀。

錆びた剣が完全に姿を取り戻した物であり、和装で整えられたその姿はまるで剣巫女のようだった。

 

「ん・・・」

 

「・・・ねぇ、ユキ」

 

「ん・・・?」

 

「ボクは、ユキと居るからね」

 

「・・・うん」

 

ぎゅうっとユキを抱きしめると少しして離す。

少し吹っ切れたような表情でユキと面向かって話した。

 

「アスナから伝えておいてって言われたから話すね」

 

 

「明日、七十四層に行くらしいんだけどね。ボク達もって誘われてるんだ」

 

「ん・・・ユウキは行きたい?」

 

「うん・・・でも、もしユキが死ぬかもしれないから本当は嫌なんだよ?それでもボクはユキを信じるって決めたから」

 

「死なない、よ。ユウキ残して死なない」

 

何時しか生きる意味が少女の為だった少年は、大きく変わったように良い笑顔でそういった。

一緒に生きていきたい、それがお互いに求めた物へと変わっていったことに気付く事はない。

それでも、生き生きとした二人は気付かなくても良いのかもしれない。

 

 

 

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