ラーメン大好き電(いなずま)ちゃん   作:ゼルガー

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ブッキー・・・・・・記憶喪失の艦娘。いそっち曰く、かつて、世界の敵で沈んだはずだったが・・・・・・?


いそっち・・・・・・第二世代の艦娘。本名は第三世代の同位体と一緒にされたくない(主に料理の腕で)ので偽名として「いそっち」と名乗っている。現在は軍を除隊し、とある孤児院で料理人をしている。


若葉・・・・・・第二世代の艦娘。鉄壁の盾の異名を持っていた。その名の通り、駆逐艦とは思えない防御力を誇っていた。今は軍を除隊し、ハードボイルドな刑事をしている


瑞鳳・・・・・・第二世代の艦娘。かつて、龍驤のライバルであり親友として戦場を駆け巡った。
自分の分身である人形を生み出し、一人艦隊で無双していた。(最大で30体操っていた)
ファンネル使いの龍(龍驤)と人形使いの鳳凰(瑞鳳)と戦場で呼ばれてた。
現在は軍を除隊し、いそっちと同じく孤児院で働いている。


外伝「初めて食べたのはカレーライスだった」

私は何の為に生まれたのだろうか。

 

生きるとは何だったのだろうか。

 

かつての私は、ただ破壊する為だけに存在していた。

 

同じ母なる星から生まれた姉妹達を殺め、死して尚また世界の敵として存在した。

 

私は多くの命を奪った。

 

殺して、壊して、奪って。

 

これが本当に私が望んだことだったのだろうか?

 

鋼鉄の船だった私は、国の為に戦い、沈没した。

 

それがなんだこのザマは。国を守るどころか世界の敵になっていた。

 

 

一番最後の記憶に残っているのは、最後の一人になってしまった姉妹の手で葬られた記憶だった。

 

 

 

―――もう・・・・・・もういいのです。これ以上、苦しまないで欲しいのです

 

―――ハカイ・・・・・・スル・・・・・・スベテヲ

 

―――もし、来世があるなら今度こそ幸せになって欲しいのです。だから、今は眠ってください・・・・・・■■ちゃん

 

 

 

あの仮面ごしから見えた涙は・・・・・・一体・・・・・・わからな・・・・・・い

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、やはり記憶は戻らないか」

 

「はい、そうみたいです」

 

「はぁ、私は医者ではなく料理人だからな。残念だが力にはなれそうにない」

 

「・・・・・・いえ、ありがとうございます。いそっちさん」

 

 

ここは名も無き孤児院。先の大戦で親を失った多くの子供たちが過ごす場所。

 

第二世代である私は軍を引退し、退職金で孤児院を建てた。大戦で大して役に立てなかったから罪滅ぼしみたいなものだな。

 

あの大戦から5年。子供たちの心の傷も大分癒えてきたと思う。が、まだ引きずってる子は多い。

 

つい三日前、孤児院の近くの浜辺にこの記憶喪失の少女が打ち上げられているのを私は見つけた。そして驚いた。

 

何故ならコイツは・・・・・いや、もしかしたら同位体の別人の可能性もある。しかし、一度だけ対峙した私の感が同じだと騒ぐ。

 

ちなみに、いそっちと言う名前は別にふざけている訳じゃないからな?単に第三世代の同位体と一緒にされたくないだけだ。なんだ奴らは。同じ私なのに、あの料理下手は。正直信じられないな。

 

 

「まあ、何にしてもお前次第と言う事だな。ブッキー」

 

「・・・・・・なんとなくですけど、その名前は違うって思うんです」

 

「気にするなブッキー。名前が無いと不便だろうブッキー?」

 

「もういいです・・・・・・」

 

 

ふっ、こうして大人しくなると弄り甲斐があるな。

星に生み出され、組織に改造されたコイツは自我というものは既に無かった。だから、今のコイツが本当のブッキーなのだろうな。

 

 

「いそっち!ブッキー!子供たちが晩御飯を待ってるよ!早く来てよー!」

 

「ああ、すまんな瑞鳳。行くか、ブッキー」

 

「はい。そういえば、なんかいい匂いが・・・・・・」

 

「そうだな。ブッキー、先に行ってくれ。少し片づけてから向かう」

 

「わかりました、いそっちさん」

 

 

この独特のスパイスは間違いなくカレーだな。いい匂いだ。空腹に対してこれは一種の暴力だな。

 

普段は私が料理を担当しているが、今日は瑞鳳が担当している。ふむ、卵焼き以外にもレパートリーがあったとは驚きだな

 

さてと、部屋から出る前に今日のレポートを書いておくか。

 

今の所は大丈夫そうだ。引き続き、監視は怠らないようにする。そっちも調査を頼むぞ、若葉。

 

 

 

さて、ブッキーと同じく第一世代の英雄がこのことを知ったらどうするのだろうな・・・・・・

 

っと、カレーの匂いの所為で空腹感がマズイな。

 

 

「あ、遅いよいそっちねーちゃん!」

 

「そうだよ!もうお腹ペコペコ―!」

 

「ごはん!はやく!カレー!」

 

「あー、そう騒ぐなちびっ子ども。悪いな瑞鳳、待たせた」

 

「全くです。さ、早く食べましょう!」

 

『いただきまーす!』

 

 

さて・・・・・・ほう、卵焼きカレーか。しかもこの卵焼き、半熟だから中身がとろーっと溶け出してルーに絡んでいく。

 

さて、一口・・・・・・くっ、美味いな。

孤児院の子供用に甘口になっているが、それでもスパイスが効いている。甘いのに辛いとは不思議だな。

 

人参が嫌いな子供の為にあえて擦ってあるのか。ちゃんと工夫しているな。

 

ジャガイモはごろっと大きくカットしてあるから、食べ応えはある。肉は鶏肉か。うん、いい弾力だ。

 

隠し味は・・・・・・焼肉のタレを使ったのか。成程、コクが出てるな。

 

お好みでソースもアリかもしれんが、今回のカレーには不要だな。

 

ん?どうしたブッキー?何故泣いている?

 

 

「わからない。でも・・・・・・美味しいって初めて思った気がするんです」

 

 

そうか、ブッキーはカレーを始めて食べたのか。

 

美味しいという感情に戸惑っているんだろうな。この三日間、ブッキーだけは今日の検査までお粥だったしなぁ

 

 

「ひっく、美味しい。美味しいよぉ。甘いのに辛いし、訳わかんないよぉ。手が口が止まらないよー!おかわり!」

 

 

ああ、今のコイツを見ていると、信じてみたくなってくる。

 

なぁ、第一世代の英雄『電』。もしコイツにあったとしても、過去じゃなくて今のコイツを見て欲しいんだ。

 

だって、今物凄く幸せそうにカレーを食べているんだぞ?

 

 

 

・・・・・・・って、ブッキー!食い過ぎだ!!私達のおかわりが無くなるだろうがぁ!!!




ども、ゼルガーです。

ブッキーといそっちの正体、わかる人はわかりますよねぇ。

ブッキーは第一世代に数えられなかった第一世代の艦娘にして、世界の敵として倒された神帝(ゴッドエンペラー)です。吹雪改二神です。電に倒され、海に轟沈して死んだはずでしたが・・・・・・その謎は次回の外伝にて明かされます。

いそっちは磯風です。ただ、本人は第三世代の磯風と違って料理上手なので一緒にされたくないと偽名を使ってます。イソッチダヨー
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