ラーメン大好き電(いなずま)ちゃん   作:ゼルガー

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電・・・・・・ラーメン大好き駆逐艦娘。ラーメンも好きだが、蕎麦やうどん、パスタなどの麺類も大好物。麺類大好きにすれば良いと言われるが、そこはこだわっている。


ブッキー・・・・・・元ラスボス。罪滅ぼしの慈善活動として、組織の残党を倒しつつ日本中の美味いご当地グルメを巡る旅をバイクでしている。
尚、服装のセンスは某クロコダイルな人と同じく悪い。
ブッキー「馬鹿な!?素晴らしいと思わないのか!?」
イソッチ「超ダサいな」


酸辣湯麵を食べるのです

 

 

 

究極のラーメンを求めて日本中を巡り、食べ続けて半年。既に私達第一艦隊のメンバーはどんなラーメンにするかは大体絞ってきている。

 

まあ、それはそれ。コレはコレ。

 

美味しいラーメンを食べるのに細かい理屈は必要ないのです!

 

と言う訳で、酸辣湯麵の発祥の地である赤坂にある「榮林 赤坂本店」にやって来たのです。

 

駅から徒歩四分と割とお手頃な距離で歩く人には助かるのです。

 

 

「何故、私がお前と共に行動しなければならないのだ電よ・・・・・・」

 

「それはこちらのセリフなのですよ吹雪」

 

 

不満があるとすれば、司令官さんの命令でかつての強敵であり、私が自身の手で殺めた筈の艦娘吹雪が何故か蘇ってて、私と一緒に行動することになっていた。

 

 

 

―――すまないが電、今日は彼女と共に行動してくれ。お前自身の為でもあり、彼女自身の為でもある。

 

 

 

詳しいことはイソッチちゃんからも聞いてましたが、彼女にはかつての記憶は無く、本当の意味で艦娘と言う存在になったらしいのです。

 

イマイチ信用できませんが。

 

 

「お前が私を信用していないのは重々承知しているし、私自身も覚えていないがお前に酷い事をしたと言うのはイソッチと天満幸助に聞いている。・・・・・・妹同然の第一世代を全員殺めた事もな」

 

 

私以外の第一世代は確かに彼女の所為で亡くなりました。ですが、彼女達は殺されたのではなく、自らの意思で自滅を選んだのです。

 

だから、勘違いして欲しくないのです。

 

 

「第一世代の姉妹たちが沈んだのは自分の意思なのです。殺したなどと自惚れないでください。それに・・・・・・」

 

 

私が彼女を責める権利は無いのです。

 

最後まで彼女達と共に戦う事すら出来ず、プラズマを分離して艦娘の力を失い、自暴自棄になっていた私には。

 

 

「だが、それでもお前は私を倒し止めてくれた。これも覚えてはいないことだが・・・・・・お前が私を沈めたと聞いたとき、何故だか嬉しいと思えたんだ」

 

 

5年前の事を言ってるのですね。あの時はプラズマと元の一人に融合し、本当の意味での私が組織に悪用された貴女を倒したのです。

 

もしかしたら、暴走していた貴女は自我が無くても・・・・・・いえ、これは憶測なのです

 

 

「何にしても私は今の吹雪を信用する気は無いのです。あくまで今のですが・・・・・まあ、貴女のこれからの行動次第なのです」

 

「そうか・・・・・・」

 

 

よく観察すると、第三世代の同位体である吹雪たちと正確が大違いなのですね。・・・・・・よく考えると、他の第一世代の性格は全員アレだったのです。うん、超個性的でした。

 

 

 

「しかし、腹が減ってきたな。そろそろ店に入らないか?」

 

「そうですね。私もお腹が空いてきたのです」

 

 

それにしても・・・・・・

 

 

 

「そのクソダサTシャツは何とかならなかったのですか?なんですかその『安全第一』と大きく描かれたシャツは?」

 

「何?カッコいいTシャツじゃないか。おしゃれだろう?」

 

「全然オシャレじゃないのです!」

 

「ふっ、お前はセンスが分かってないのだな」

 

 

それはこっちのセリフなのです!!

 

周りを見てみるといいのです!皆、吹雪から引いてるのですよ!

 

ジーパンにTシャツはまだ許せますけど、そのTシャツはアウトなのです!

 

はぁ、ツッコミは龍驤ちゃんや島風ちゃんの領分なのに・・・・・・

 

これ以上ツッコむと私の胃が危ないので、とっととラーメンを注文した。

 

 

数分後、注文した酸辣湯麵が目の前に置かれた。

 

うーん、酢の独特の香りが良いのです。

 

見た目はかきたまが入った餡かけラーメンみたいなのです。

 

ではスープを一口。

 

わぁー。爽やかな酸味とラー油の辛みがたまらないのです。それにふんわりとした卵が絡んできて甘味が出てとっても美味しいのです!

 

麵は細麺なのですか・・・・・・では、いつも通りに一気に啜るのです!ズルズル・・・・・・

 

 

う、美味い!

 

 

麵を啜ると、酸味のスープが一気に絡んでくるのです。すっぱ辛いのに、麵を啜るのが止まらないのです!やめられないのです!癖になるのです!

 

 

「凄いな。酸っぱいのに全然嫌になる酸っぱさじゃない。トッピングのタケノコもいい食感だし、トマトと細切りのハムの相性も抜群だな」

 

 

ええ、その通りなのです。

 

くっ、トマトの酸味がスープに加わることで更に美味しくなるとは!

 

醤油、塩、味噌、豚骨、チャンポンとは全く違った別の次元で美味すぎるのです!

 

別で注文したライスを余ったスープに入れ、おじや風にしたらレンゲで一口。

 

・・・・・・・はぁ、生きててよかったぁ

 

 

「成程、余ったスープにご飯を入れるとここまで美味いのか。勉強になるな」

 

 

何マネしてんですかこの女!なのです

 

・・・・・・なんか吹雪がいると、融合しているプラズマの口調が出てきてしまうのですよ。

 

 

「それにしても、美味しいだけあって他のメニューの料理の値段は結構高いな」

 

「確かに、殆どのメニューは千円を超えてるのですよ」

 

 

酸辣湯麵も1300円はしているのです。

 

ふー、何にしても満足なのです

 

 

「さてと、電の付き添いが終わったことだし私は次に行かせてもらう」

 

「は?どういうことなのですか?」

 

「ん?天満幸助に聞いてないのか?私は慈善活動として日本中を巡る旅に出るつもりだ。今日、お前に同行していたのは、お前と一緒に飯を食えと言われたからが?」

 

 

い、いやいやそんな話聞いてないのです!

 

っていくか、彼女一人で行かせる気なのですか司令官さん!?

 

 

「天満幸助には託されたモノもあるしな・・・・・・・日本中のグルメを巡るついでに組織の残党を潰す予定だ」

 

「逆!?ついでが本来の任務だと思うのですが!?」

 

「じゃあな、電。たった一人生き残った我が姉妹よ・・・・・・次合うときは、お前たちが究極のラーメンを作った時だ」

 

「ラーメンたかる気満々なのです?!後、よだれを拭けなのです!」

 

 

言うだけ言って吹雪はバイクで去ってしまったのです。

 

な、なんてマイペースな奴なのですか。

 




ども、ゼルガーです。

最近、異世界スローライフ系(主に飯テロ系)の小説にハマり、本屋で買いあさってます。

私も社畜なので、田舎でのんびりスローライフには憧れますね

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