ガルパンってなによ?ただの大洗の生徒よ(現在、更新遅れ中   作:白桜

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実戦は訓練より良いと言うけど……模擬戦を最初からするのはどうかと思うよ教官さん?

 「ほーIII突が開戦の号砲鳴らしたか。当たってないけど奇襲になり、皆慌てそう」

 

 III号突撃砲が先に見つけたのか砲弾を放つ。

そして、この1射が今回の模擬戦第1号となった。

IV号戦車としては、見えない敵から突如の砲撃が来て驚いてるかな。

彼女なら冷静でしょうが、他の子達はそうでない。

他の子を落ち着かせつつ、現状確認や回避等の指示を休む暇なくする彼女を想像できる。

 

 「と思ってるそばから、ハッチから外確認してるね」

 

 ふむふむ、砲塔側面から秋山さんにあの彼女が出てくる。

となると秋山さんが砲手で彼女が装填手か。

にしても、撃たれたのを知るとすぐさま外を確認するとは流石ね。

彼女だけでなく、秋山さんも頭を出すとは。

てっきり彼女だけかと思ってたんだけどねー

 

 「さてさて、IV号戦車はこれからどう動くのか楽しみね」

 

 模擬戦はまだ始まったばかり、さてさてどうなるのやら?

休む暇なく回避し続けるIV号戦車を見つつ、なんで模擬戦が始まってるのかを思い出す。

 

 

 

 

 急ドリフトを決めた38(t)戦車から降りてきた生徒会長達。

生徒会広報さん(名前なんだっけ……思い出せぬ)が、戦車前に各チーム一列ずつに整列するように指示を出す。

整列が終わってもまだ教官が来ず、次第にどんな人が来るのか話すのが聞こえ始める。

整列するなかのひとりが何かに気付いたのか、ふと見上げる。

何も無い晴れた青空が映るなか、その生徒はふと隅っこにある小さい黒い点に気付く。

それから間もなく点が大きくなるにつれ音が聞こえ始め、他の生徒も気付いた時には遅かった。

 

 なんと、生徒達の頭上を大型の輸送機が通過すると何かを投下した。

投下されたのがパラシュートによって減速しつつ着地する。

投下から着地までの間、私含めてみんな茫然したね……

なお、投下されたのは自衛隊最新戦車の10式戦車でした。

……まさかそれに乗ってくるのかと思うと共に登場方法も、もう少し穏やかに出来なかったのかと呆れたのは内緒。

まぁ、あの教官に穏やかなんて求めても無駄なのは知ってるけど……

 

 そうそう予想通りに教官として来たのはあの人でした。

名は蝶野亜美、陸上自衛隊の1等陸尉さんで今も昔も戦車道にて様々な活躍をしてる。

高校時代から名は知られており、全国大会で単騎で敵戦車十五輌抜きや十二時間に渡る激闘の一騎打ちとか、いろいろなことをしてきてる人。

今は自衛隊所属しつつ、実業団リーグで活躍してるとか。

 

 そんな人だからだろうか。

10式から降りた彼女は、生徒達に挨拶した流れのまま模擬戦をすると言った。

初心者が多いなかいきなりそれはと言う意見が出たが、対して彼女はとても分かりやすい訳を話す。

聞いて訳すると、戦車なんて実際に動かしたら分かるからしてほうがいい。

 

 トテモワカリヤスイデスネー

いろいろと、ツッコミたいけど我慢した私であった……

そうそう、彼女は教官だし教官呼びでいいか。

 

 教官のもと整列し直しみなは始まりの礼し、各戦車に乗った。

そこから戦車長等の役割を決めるため、時間をとる。

全チームの役割決まったところで、教官から発進の号令が。

 

 「パンツァー・フォー!」

 

 決して、決して、パンツのあほーでないから注意よ。

わかった?いいね?

 

 

 

 

 少しの間、模擬戦が始まるまでを思い出してた私。

今のIV号戦車がどんな状況か気になり意識を戻す。

そうそう、模擬戦は各車両がそれぞれのスタート地点に着いて間もなく始まった。

 

 生徒が戦車に慣れるように教官のひと言から始まった、殲滅戦形式の模擬戦。

殲滅戦形式、つまり各車両が敵。

他のに会ったら即ぶっぱしろって……彼女と秋山さん以外は戦車に触れて短いと言うのにあの教官は。

もう少しやり方は無かったのかね?

 

 そんなことを少し離れた場所から見てる私は思った。

ちなみに今いるのは学園艦艦橋、私以外にもここには教官や複数の学園関係者がいる。

撃破判定とかは普通は飛行船や飛行機で確認するけど、今回は艦橋から確認だってさ。

まぁ、艦橋は少し離れてるけどかなり高いから白旗も見やすい。

確認できるから艦橋でもよかったんだろうね。

それに、ここは空調もしっかりしていいところ。

 

 

 

 「にしても、なかなか当たらないものね。見てるこっちがなんか落ち着かない」

 

 操縦手がいいのか戦車長の指示がいいのか分からないけど、IV号戦車は避けてる。

多分だけど、そうじゃなさそう。

他の車両の子達は戦車に不慣れ。

自分も止まり相手も止まってるならまだしも、両車動いてる。

それで当たる方がすごい。

後、多分だけど。

指示がいいのが操縦手か戦車長で無くて、装填手だと思う。

そう、多分だけどね。

 

 IV号戦車は避ける為にも、動き続ける。

そんなIV号戦車の中はどこに何がいて、どこから砲弾来るとかで賑やかそう。

後から狙われ追い立てられるように動くIV号戦車。

私は遠くから見てるから分かるけど、その先からも残りの3両も近づいてくる。

 

 「挟み撃ち狙いか―前後から狙われたらきついね」

 

 前から近づいてくる3両は、迷いが無くIV号戦車に向かう。

普通なら敵がいないか周辺を気にするけど、それが見られない。

なら、始まる前に話し合いによる挟み撃ちか包囲でしょうね。

 

 「ふーん、考えたものね。確かにこれは悪くないかな?」

 

 手を組んで、この中で唯一の経験者が乗っているIV号戦車を倒す。

誰が考えたのか知らないけど、いいと思う。

さっきちらっと見えたけど、彼女は戦車長でなかった。

とはいえ、何かあるたびに指示を出すと思うから安心できない。

それに何かのきっかけで役割が変わるかもね。

試合中の搭乗員の乗り替えは、ルールで認められてるし。

ふとIV号戦車が進む先が知りたく、さっき見た地図を思い出す。

 

 「ふむ、この先は吊り橋か。挟み撃ちや包囲にもってこいの場所ね」

 

 吊り橋で挟み撃ちされると、どうしようもないからな―

左右は当然無理、ならば前か後ろとしても敵がいる。

それも前はともかく後が3両となると、普通だとつみだね。

これがまだ前後1両ずつだったら、どっちか先に殺っただけでなんとかなりそうけど。

殺られたの見て残った方に隙がでるだろうし、そこを狙えばいいんだけど……

さてさて、どうなるのかな?

 

 「ん?……あれ、減速したの?」

 

 前から突撃してきた八九式中戦車を避けるようにすれ違うIV号戦車。

IV号戦車を後ろから追っていたIII号突撃砲は、八九式中戦車とぶつかりそうになる。

両車はぎりぎり衝突を回避できたが、その間にIV号戦車は距離を離す。

何とか2両を撒いたIV号戦車、そろそろ吊り橋が見えてくるところで減速する。

減速したままで切り株を通過したIV号戦車に飛び乗る人が。

いやー驚いた。

減速してるとはいえ、走行中の戦車に飛び乗るとはなかなかやるわね。

とはいえ……

 

 「ふむ、なんであそこに人が?それも模擬戦の前には見かけなかったし」

 

 模擬戦が始まる前、ここから教官が見てたし現地を風紀員達が見て回ってたはずだけど。

安全確認から今まで誰も気づかれずに忍びこむとは。

まさか、忍者なのかな彼女?

大洗って忍道あるから、否定できないのよね……

どうやらそのまま車内に入ったから参加するっぽい。

外で放置なんて危険だしそれがいいか……って、無線で教官に報告したらいいような?

……まぁ、細かいことはいいか、ちょっと離れてる教官は何も言わないし。

 

 「それに、これで5人揃ったのねIV号戦車は。役割は装填手かな?」

 

 飛び入りの子がこのまま参加するなら、戦車長兼通信手を解消するでしょう。

戦車長、砲手、装填手、通信手、操縦手で兼任するなら、2通りかな?

戦車長兼通信手か砲手兼装填手で、他だとやりにくい。

まぁ、これ以外も見るからこれだけとは限らないけど。

 

 今回は隊を組まない殲滅戦、つまり通信手はいてもすることが無い。

なら、戦車道に関係ない子でも問題ない通信手がいい。

それに形だけとはいえ兼任も無くなる、よきことよきこと。

 

 

 

 「へー煙幕で姿を隠し、その間に橋の確認。度胸があるのか怖くないのかどっちかな?」

 

 橋の手前で減速したからか、III号突撃砲と八九式中戦車との距離が縮まった。

そのため再びIV号戦車は、後方より砲撃の嵐に晒される。

そこでIV号戦車は、煙幕を展開することにより一時的に身を隠す。

後方の2両は煙幕越しに撃つが、狙いが定まっておらずIV号戦車には当たる気配がない。

その間にその先にある橋の状態確認ねー

橋渡りました、ですが橋が脆くて崩れました。

ではいけないから、確認って大事ね。

 

 でも、確認するためには外に出なきゃダメ。

それも、後ろから休むことのない砲撃があるなかで生身で確認する。

こんな状況に慣れてないと、決してできないこと。

被弾しても基本的に安全と言われる戦車道。

だけど、生身ではどう?

安全って言われるのは戦車内にいるとき、生身ではそこまでは言われてない。

それも当然でしょうね。

鉄で覆われてる戦車内と、せいぜい服やヘルメットくらいしかない生身では全く違う。

それに、地面に直弾することによってさまざまな破片や石等が勢いよく周りに飛ぶ。

これに当たるだけでも、怪我は避けられないでしょうね。

怪我するかもしれない恐怖に襲われつつ、確認しに行く。

元強豪校のいたからとはいえ、行ける彼女に心からの称賛を。 

 

 

 

 橋の確認が終わったのか、煙幕に隠れているIV号戦車に進むように合図をだす彼女。

それを受け慎重に進み始める。

橋のなかばを通過した所でいつの間にか少しずれてたのか、右履帯先端が橋桁からでる。

その揺れと共に、何か固いものが激しくぶつかる音と衝撃がIV号戦車を襲う。

III号突撃砲の砲撃が当たったのだ。

煙幕が晴れてきたところを、突撃してきたIII号突撃砲が狙いも付けずに発砲。

それが運が悪く、IV号戦車の左履帯後方上部に当たったのだ。

 

 被弾間もなくハッチから身を出す秋山さん。

外にいる彼女に向かって何か叫んでるけど、離れているこちらでは何かはわからない。

だけど、なんとなく想像は出来る。

 

 「多分だけど……誰かが、負傷か気絶をしたんでしょう。続けての衝撃だったしありえる」

 

 「にしても、撃ったIII突もすごい。橋の上の目標を撃つとはね」

 

 「戦闘中とは言え驚いた。もしが浮んだら、撃てないでしょうし」

 

 「戦車内は安全って言われるけど、安全とは限らないからなー」

 

 「もし橋とかにもし当たってたら、ね」

 

 さてさて、被弾からIV号戦車の動きが無い。

と言うことは、操縦者が気絶かな?

怪我だったらもう何かしら対応してるでしょうし。

怪我でないなら安心、気絶なら時間経てば回復するでしょう。

と言っても……操縦手となるともう終わったかな?

操縦となると慣れがいるから、そう簡単に代われるものでない。

それが出来そうな彼女は、まだ外にいて離れてる。

戻る間に、後ろのIII号突撃砲か八九式中戦車によって撃破と。

あぁ……勇者よここまでか、っと呟こうとする。

でも、することは無かった。

 

 「ほう、動くか。だれか、運転の仕方知ってたのね」

 

 それか、もしかしたらその場で覚えたのか?

再び動き出したIV号戦車、何とか出ていた右履帯先端が橋の上に戻る。

まだ完全に煙幕が切れてないため、後方2両からの砲撃は離れた場所に飛んでいく。

渡り始めたときよりかは、少し速めに進むIV号戦車。

 

 そして、撃破されること無く渡りきったところで一度停止する。

彼女が乗りこむと同時に、後方の八九式中戦車が発砲。

砲塔ぎりぎりを掠めていく、この発砲でギリギリ残ってた煙幕が晴れることに。

これで3両はお互いの姿を確認した。

すぐさまIV号戦車が発砲、反応できなかったIII号突撃砲に命中撃破。

そのすきに八九式中戦車が発砲するが、すでにIV号戦車が動いており当たることはなかった。

IV号戦車が停止しすぐさま反撃、八九式中戦車を撃破。

休む暇もなく急速に接近してきた、38(t)戦車との正面からの同時発砲。

発砲による煙がお互いに晴れ、お互いの様子が分かる。

38(t)戦車から白旗が立ち、IV号戦車は立ってない。

 

 「残りは1両。それにしても一気に動いたものね」

 

 橋から3両連続撃破までじっと見ていた。

橋で終わるかと思いしや状況をひっくり返すとは……流石というかすごい。

それに彼女以外はみな戦車に触れて日が浅い。

ぎりぎり秋山さんはまだ詳しいからとはいえ、そんなメンバーでこんなことができるのね。

もし、このまま経験を積んでいったらどうなるのかな?

今でこれだと、かなりのチームになるでしょう。

ほかのチームがどこまでいくかは、分からないけどもしかしたら。

 

 「もし大会で強豪校ぶつかっても、いいところまで戦えるんじゃないかな?」

 

 そんな、復活したばかりの戦車道チームでは思えないことをつぶやく。

でも、そんなことができたらどんなに面白いことになるかな?

残りのチームリタイアを知り、教官が模擬戦の終わりをしめす勝者のチームを告げる。

教官と共に学園に戻るなか、これからの大洗戦車道が楽しみな私であった。

 

 

 




―おまけ―

模擬戦終了後、始まる前のようにガレージ前に整列する。
終わりの礼と共に、軽く各戦車の点検をし待機していた自動車部に引き渡す。
おそらく、これから整備するだろう。
本当にお疲れさまと思いつつ、ある人に近づく私。
勝利しておめでとうって言いたかったのと、朝遅刻ギリギリだったのが気になったから。

彼女の近くにいた秋山さんが最初に私に気付き、声をかけてくれた。
それにより、ほかの子達も気づき秋山さんが私のことを説明してくれた。改めて名乗り、お疲れ様とおめでとうを言う。
彼女たちはへとへとになっていたが、嬉しそうにありがとうっと。

それからひと言二言交わしたところで、気になってたことを聞いた。
なぜ朝遅刻ぎりぎりだったのか?

答えは、登校中にふらふらしてた生徒に肩貸して遅れたっと。
その生徒は模擬戦中に、IV号戦車に飛び乗った生徒だった。
そして、先日に私が登校中に見つけ校門前までいっしょの子であった。

理由が知れたし、彼女達は疲れてお風呂に行くことで別れることに。
お互い自己紹介とアドレス交換もして別れた。

別れ際に小さくつぶやいた。
彼女は聞こえた様子もなかった。

 おめでとう西住さん。これからのあなたの戦車道、楽しみにしてますね

さっき見れた彼女、西住さんの笑み。
なんて今日はいい日だった。
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