宙斗side
目が覚めると僕は何処かの部屋のベッドで寝ていた
「・・・知らない天井だ」
うん、転生物と言ったらやっぱりこの台詞から始まらないとね
『何を言っとるんじゃお主は』
「神様?如何したんですか?」
『うむ、実はのう・・・』
「成る程、じゃあ僕達はリリなのとトリコの世界が合わさった世界に転生しちゃったわけか」
『すまないのう、それで残っていた転生特典なんじゃが』
「確か一つ残ってたね、因みに魔力はどれ位あるの?」
『全員AAAじゃ、美紘だけはAじゃ』
「それじゃあ食材を食べる事で魔力が回復するようにしてくれる?」
『分かったのじゃ』
「あっ所でさ、僕の家族構成はどうなってるの?もしかして一人暮らし?」
『おぉ、それはな・・・』
コンコン
ん?家族の誰かかな?
「宙斗君、朝ご飯出来たよ~」
ガチャ
「!」
僕は驚いた、何故なら部屋に入ってきたのは茶色い髪の車椅子に乗った女の子・・・
「なっ・・・」
『八神はやて』主要人物の一人だった
「ん?どないしたん?」
『お主は空腹で倒れていた所をこの娘に助けられ、帰る家も無いから一緒に暮らしていると言う事になっておる』
なんか無茶苦茶だな・・・空腹で倒れた所を助けられるって・・・
「いや、何でもないよはやて」
side out
はやてに呼ばれリビングで朝食を食べながら周りを見渡し状況を確認していた
(6月、確かはやての誕生日の時に闇の書が覚醒するんだよね、だけどそれはリリなの世界での話しであって、この世界の話じゃない)
この世界はトリコの世界と融合してしまっている為、本来の物語は大きく変わる可能性があると宙斗は思った
(兎に角今は情報が必要だ、神様の方でも調べて貰ってはいるけど、やっぱり自分から収集した方がいい)
宙斗ははやての方を見た
「(出来るだけはやてと行動していた方が良いよね・・・)ねえはやて、今日図書館に行かない?」
「ええよ、でも今日も診察があるからその後でもええかな?」
「分かった」
それから病院や図書館に行き、夕食を終え二人は明日に備えて寝る事にした
「ごめんな宙斗君、いつも運んで貰って」
宙斗ははやてを抱きかかえ(所謂お姫様抱っこ)はやての寝室に向かっていた
「居候させてもらってるんだからこれ位はしないとね」
「あっ待って!」
はやてを布団に降ろし自分の部屋に向かおうとすると、はやてに呼び止められた
「ん?如何したの?」
「今日はなんか、宙斗君とまだお話してたい気分なんやけど、アカンかな?」
「良いけど、あんまり遅くまで起きてると健康に悪いよ?」
「今日一日だけや」
その言葉に折れたのか、宙斗は溜め息を吐きはやての側まで行きその場に座った
「今日だけだよ?」
「うん」
「それじゃあ・・・はやては将来の夢とかある?」
「将来か、あまり考えた事ないな・・・」
暫く考え込むと、はやては何かを思いついたような顔をした
「あっでも、一流の料理人になりたいな」
「料理人?何で?」
「このグルメ時代は食べる事が幸せや、でもその幸せを手にする事が出来へん人も居るんや、私はその人達に一杯ご飯を作ってあげて、私の料理で色んな人達に笑顔になってもらいたいねん」
「へぇ・・・美味い物を食べると、体中に力が漲って来るでしょ?何かを食べるって事は、その食材から命の力を頂くと言う事、『いただきます』とはそう言う意味だ」
「・・・」
はやては顔をキョトンとさせていた
「えっ何?」
「いやなんか、感動したわ・・・そう言う宙斗君の夢は何なん?」
「僕?僕は・・・『人生のフルコース』を完成させる事かな?」
「人生のフルコース?」
「うん、『オードブル』から始まって『スープ』『魚料理』『肉料理』『メインディッシュ』『サラダ』『デザート』『ドリンク』の八つ、その内の一つはもう決まってるんだけどね、僕のメニューは空白だらけだけど、いつか必ず完成させるんだ、この世界にはまだ見ない食材が沢山ある、僕はその全ての食材たち・・・命に出会いたいんだ」
「宙斗君の、フルコース・・・あのな宙斗君」
カチッ
その時部屋に飾られた時計の長針が12を指した