ティラノサウルスの様な体に蜂の体の色をした黄色と黒の鱗、蜂の顔、長く伸びた尾の先は針の様に尖っていた
ギャォオオオオオ!!!
ビーレックス(昆虫獣類) 捕獲レベル9
宙斗とビーレックスは睨みあい、その場の空気は張り詰めていた
「美紘、こいつ食べられる?」
「はい、味も中々の物だとか」
「そっか・・・なら!」
宙斗が走り出すと、ビーレックスは針の付いた尾を宙斗に放つが宙斗はそれを両腕で掴むと遠くへと放り投げた
「ビーレックスの針は猛毒です!掠っただけでも死に至ります!」
「あっやっぱり?じゃあ長引かせると面倒だね、スゥ~、ハァ~」
宙斗は呼吸を整えると、ビーレックスに向き直った
「ビーレックス・・・強靭な顎、毒針を持つ尾、鎧の様に硬い鱗、この森の王者に相応しい風貌、君に敬意を表し僕も見せよう、人間の武器を!」
すると宙斗の体から、ナイフとフォークを持った鬼の様な姿をしたオーラが姿を現すと両手を合わせ、合掌した
「宙斗君?」
「この世の全ての食材に感謝を込めて・・・いただきます!」
宙斗は合掌した両手を離すと、左手をフォーク、右手をナイフの様な形にさせて両手を擦り合わせた
ガキンッ!ガキンッ!
「フォーク!!!」
宙斗は走り出し、左手をビーレックスの胸に突き刺した
「ナイフ!!!」
そしてビーレックスを持ち上げ、右手で切り裂くとビーレックス空高く飛び上がった
「ご馳走様でした」
宙斗が再び合掌をすると、ビーレックスが地面に落ちてきた
「捕獲レベル9の猛獣を、素手で倒しやがった・・・」
「宙斗君、本当に九歳なの?・・・」
「さっ、プディングフルーツ、取りに行こ」
そこ暫く歩いていくと、甘い匂いが漂ってきた
「おっ、プリンの匂いだ!」
「ホンマや、宙斗君、もう直ぐやね・・・って宙斗君!?」
はやてが見ると、宙斗は滝の様な涎を流していた
「アハハ・・・あっ、見えましたよ」
森を抜けると、様々な色の花が咲いた草原に出た、そしてその中心には全体が黄金に輝く実、プディングフルーツがスイカの様に実っていた
「アレがプディングフルーツか!」
宙斗はプディングフルーツの下まで走ると、その実を持ち上げた
「プディングフルーツ、捕獲ですね」
プディングフルーツとビーレックスを持って帰り、現在は美紘が調理していた
「美紘~!まだ~!」
「もう少しで出来ますよ~」
宙斗は椅子に座って子供のように(実際は子供だが)料理を待っていた
「はい、出来ましたよ~ビーレックスのステーキです」
「うわ~美味しそう・・・では!」
宙斗が手を合わせると、シグナム達も手を合わせた
『この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!』
宙斗達はステーキの肉を切ると、そのまま口へと運んだ
『!』
「何だこれ!スゲェギガウマだぞ!」
「ああ、肉も柔らかい」
「それに甘くて美味しいわ、この味は・・・ハチミツかしら?」
「はい、ビーレックスは体内に樹液を溜め込む『蜜袋』があって、その中に入っている蜂蜜を練りこんで焼いたんです、蜂蜜に含まれている酵素が肉を柔らかくしているんです」
「ん~美味しいけど、フルコースにはもう一押しかな~・・・ごめんね美紘」
「いえいえ、なら・・・こちらはどうですか?」
美紘は厨房に行き、トレーを持ったはやての車椅子を押しながら戻ってきた、そのトレーの上には調理されたプディングフルーツがあった
「プディングフルーツ!?」
「はやてちゃんが調理したんですよ」
「さあ宙斗君、お待ち兼ねのプディングフルーツやで」
宙斗ははやてに差し出されたスプーンを受け取ると、プディングフルーツをすくった
(この重さ、まるで金みたいだ・・・)
そしてそれを口に入れると、宙斗の体が大きく震えた
(なっ!口の中で味が変わった!?最初は王道のカスタードプリン、次はイチゴ、そして抹茶にチョコ、ゴマに牛乳!?確かに全ての味がする!しかも・・・この甘さが体全体を満たしてく・・・)
「宙斗君・・・」
はやてが宙斗をみると、宙斗は目から涙を溢れさせていた
「美味い、美味い・・・デザートは、決まりだ」
「!」
「僕の人生のフルコース、デザートは・・・」
宙斗の蓋で閉ざされた八つのフルコースメニュー、その内の一つのデザートの蓋が開けられた
「プディングフルーツだ!」
プディングフルーツ(プリン) 捕獲レベル5
宙斗のフルコースメニューの一つが決定し、八神家は大いに盛り上がった
その頃、とある場所では
「えっ・・・」
「如何したの、『浩将』君」
浩将と呼ばれる少年は、自分の手を見つめていた
「ううん、なんでもないよ(青い虹彩異色の少年と再会を果たす、もしかして・・・宙斗?)」
この作品で決まったフルコースは後々、フルコース一覧に更新する予定です。