遊戯王5D'sー疾風の決闘者ー   作:佑馬

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皆さんこんにちは、佑馬です。なんとか第2話につなげることができました。今回いよいよユーゴ君のデッキ内容が明らかになり、少しだけですがデュエルもあります。相変わらず文章はヘタクソですがお楽しみください。


第2話

ーピピピピ、ピピピピ、ピピピピ……

 

耳障りな音が部屋中に響く。この音を朝に聞くと憂鬱に感じる人が多くいるのではなかろうか。その正体は毎朝7時にセットされている目覚まし時計だった。

 

「うるっせーな…もう朝かよ……」

 

そう1人ぼやくと目覚まし時計の上に設置されているボタンを静かに押しアラームを止める。どこぞの漫画の主人公のように壊れるほど叩いたりはしない。ましてや投げつけるなどもっての他だ。モノは大切に、が彼のモットーである。

まだぼやけている視界で自分の部屋を見渡し頭を覚醒させる。そして覚醒していく意識のなかで思いだされるのは昨日確かに自分がトラックに跳ねられたということだ。

 

「そうだ…俺確か昨日トラックに跳ねられたんじゃなかったっけ?なんで無傷なんだ…?確実に終わったと思ったんだけど…」

 

よくできた夢だと考えることもできたがあの感覚は夢と言って終わらせるには鮮明すぎだった。色々考えても頭が混乱するのでとりあえず後回しにしようと思いカーテンを開けるとそこに広がっている光景に愕然とした。

窓から見えた景色はいつも彼が見慣れている東京の景色ではなく見たこともない高層ビル、3Dの立体映像、それはまるで漫画で見た近未来の光景そのものであった。そして最も驚いたのがデュエルモンスターズという文字が至るところで目についたことだ。

まさか…と思い急いでテレビをつけるとそこに流れていたのはライディングデュエル、サテライト、ネオドミノシティというアニメ遊戯王5D'sで見た懐かしい単語だった。

 

「これってまさか…いわゆるトリップやら転生とか言うやつか?」

 

二次小説では王道な、死んだと思ったら漫画やアニメの世界に飛ばされているというものだが現実で、しかも自分がそうなるとは夢にも思ってなかったので激しく動揺してしまう。

 

『落ち着け~俺。とりあえず状況を整理するんだ。まず昨日の事故は夢なんかじゃない、現実に起こったことだ。そしてここは東京じゃなくて遊戯王、しかも5D'sの世界である可能性が非常に高い…』

 

現時点で分かってる事はこの二つだ。幸運なことに自分の部屋は昨日までいた部屋と変わらなかったのでとりあえず何か以前と違っているモノはないか調べることにした。

 

「通帳はなくなってないな、よしよし。免許証も……Dホイール用になってるけどある…と。学生証は…なんだコレ、『デュエルアカデミア』?年齢も17になってるし…。細かいとこは色々変わってるけど大体前と同じ感じだな。あれを除いては…」

 

そう言って目を向けた先には前の世界にいた時には絶対に見かけない機械があった。それは遊戯王のアニメや漫画でしか見たことのないデュエルディスクだった。

 

「コレ見ちゃうともう遊戯王の世界だって信じるかしかないよなぁ…とりあえず動かしてみるか!」

 

デュエルディスクに触れると機械音と共に起動する。それは正にアニメで見て憧れていた光景だった。

 

「おー!すっげ!早速デュエルしてみてぇな!あ、そういやデッキどうなったんだろ。」

 

思い出したようにデッキを探し回る。ここが本当に遊戯王の世界ならデュエルをすることが重要になってくるのは間違いない。ならばこの世界ではデッキは命と言っても過言でない。

 

「うっそ…。これだけしかねえの?」

 

部屋中探し回って見つけ出せたのは昨日事故に遭う前に組んでいたデッキのみだった。エクストラデッキに至ってはシンクロのカード以外全て無くなりしかもその一部のカードも消えていた。

 

「あんなに必死こいて集めたのに…まあこのカードがあるだけよしとするか。」

 

分かりやすくヘコむ悠吾だったが1枚のカードを見つけてその表情も和らぐ。そのカードは彼がずっと気に入って使ってきた『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』だ。

 

「そーいや事故の瞬間も財布ん中いれてたっけ。こいつが俺をここに飛ばしたのかな…。つうか俺これからどうなるんだろ。」

 

漠然とそんなことを考えていた。とりあえず住むところはあるが貯金はそう多くないからいつまでも働かない訳にはいかないだろう。デュエルアカデミアに通っているようだがそこはどんな場所なのだろう。そもそも自分は本当に生きているのだろうか。一度考えるととめどなくそんな思いが浮かんでくる。

 

「ハァ~色々考えてもしょうがない。今日は月曜日だし多分学校あるよな。とりあえずデュエルアカデミアに行ってみるか!」

 

悩んでいるといつまでたっても動けないので無理矢理気持ちを切り替えることにした。アカデミアの制服らしき服を見つけて着替えるとデッキとディスクを持つと部屋を後にする。

 

『近くで見るとホントにデカイビルだ。道行く人もほとんどディスクつけてるしデュエルが生活に根付いてるってマジなんだな。』

 

先ほど窓から見たとはいえ実際近くでみてみるとその迫力はまるで違う。また、周りを歩いている人からもこの世界が遊戯王の世界だと実感させられる。

 

《いよいよWRGPの開催まであと300日!Dホイーラーよネオドミノシティに集まれ!》

 

ふとビルに設置されているディスプレイに目を向けると『ワールド・ライディング・デュエル・グランプリ』通称WRGPに関する宣伝映像が流れていた。

 

『WRGPってことはもうダークシグナーの件は終わってるみたいだな。サテライトもシティも1つになってイリアステルが来る辺りかな。』

 

アニメを見ていた頃の記憶を呼び起こし時系列を整理する。幸いなことに彼が知っている時系列で物語が進んでいたのでネオドミノシティがいまどのような状況なのかは安易に知ることができた。

 

「ナビによるとここの角を曲がって…あ、これか。」

 

携帯電話のナビ機能を頼りにたどり着いた施設は巨大で学校というよりは何かの研究施設のように見えた。

 

「ここがデュエルアカデミアか。教室とか全然分かんないけど大丈夫かな…。」

 

「よぉーユーゴじゃん。おーっす。」

 

どこから入っていいのか分からず校門の前でぼんやり呆けていると後ろから挨拶と共に肩を叩かれる。するとその瞬間悠吾は自分のなかに何かが流れ込んでくるのを感じた。

それはこの世界で生まれて今まで生きてきたという別の誰かの記憶だった。自分が知らないはずの人物の顔、その人物と仲良く話している自分の顔。最後に浮かんできたのは自分がDホイールを巧みに乗りこなしているという記憶だった。

 

「ーッ!?」

 

時間にすると一瞬の出来事だったが彼にとっては数時間ほどにも感じた。なぜ今この記憶が流れ込んできたのか、それについて考え込もうとしたとき先ほどあいさつをしてきた少年が心配そうな顔で声をかける。

 

「ユーゴ、大丈夫か?腹でも痛いの?」

 

「いや、いきなり声かけられてびっくりしただけだよ。それよか早く教室行こう。リュウジ」

 

何事もなかったかのように反応するが内心悠吾は混乱していた。理由は分からないが自分が今までこの世界で生きてきた記憶が急に頭のなかに流れ込んできたので無理はない。しかし今取り乱してしまうと目の前にいる赤髪の少年、万丈竜二に怪しまれてしまう。

悠吾の記憶によると竜二とは幼なじみで親友でありデュエルの腕を競ってきたことになっている。自分の記憶のはずなのに全く身に覚えがないというのはなんとも変な感覚だが今は何もない風を装うしかない。

 

「つーかなんで昨日メール返信しなかったんだよ。おかげで宿題めちゃ苦労したんだぞ。」

 

「あー…、昨日は早めに寝ちゃってケータイ見てなかった。てか宿題くらい自分でしろ」

 

そんな他愛ない会話をしながら教室を目指す二人。まさか自分が事故にあって今日の朝この世界に初めてきたとは口がさけても言えない。言ったところで信じてもらえるかも怪しいのだが。

 

「そういや今日スタンディングデュエルのテストあったよな。成績にも大きく関わるからデッキ調整してこいって言われたけど、ユーゴちゃんと調整してきた?」

 

「マジか…忘れてた。まあなんとかなるか。」

 

たとえ知っていたとしても今持っているデッキは1つだからあまり関係はないのだかテストと聞くとやはり少々身構えてしまう。

 

「ユーゴはそんな強くねーんだから下手したら落第かもな~。あの十六夜アキくらい強かったら何の不安もねーんだろうけどよ。」

 

「えっ、あの十六夜アキ?リュウジ知り合いなの?」

 

「なに言ってんだよ。俺もお前も同じクラスだろ。」

 

「あっ…そうかそうか、そーだった!何でもなーい。」

 

この世界での記憶があったとはいえついさっき戻ったばかりで整理もできていないので細かいところは抜け落ちている。これからボロがでないように注意する必要がある。

 

「変なやつ…。まあ兎に角テストはお互い頑張ろうな!」

 

「おう!絶対最高評価とってやる!」

 

考えることは山ほどあるがまずは目の前の問題を片付けるのが優先だろう。テストを乗り切らないことには何も始まらない。その上アカデミアの授業もどんな内容なのか気になる。そう考えて改めて気を引きしめる。

 

教室のなかに入ってみると30人ほどが座れる意外とこじんまりした広さだった。外観が巨大であったので教室も大学のような広い講義室を予想していただけに、ユーゴからすると拍子抜けだった。

 

『えーと…俺の席は確かあそこだったよな。』

 

自分の席を思い出すだけで一苦労なのは我ながら滑稽だと感じた。正直竜二以外のクラスメイトはまだ顔と名前が一致しない。今日1日かけてゆっくり思い出すしかないと心のなかでため息を吐く。

 

「はーい全員席つけー、授業始めるぞー」

 

1人考えているうちにチャイムがなり、担任教師が教室に入ってきて授業が始まる。テストがあるのは午後の1番最後の授業でそれ以外は普通の座学の授業らしいので先生には悪いが授業そっちのけで記憶の整理に当てさせてもらおうと悠吾は心のなかで決めた。

 

***********

 

「ふぅー…記憶整理するっていうのもなかなか疲れるな。」

 

机の上に突っ伏してぼやく悠吾。先程決めた通り授業全てを自分の記憶整理と今後の身の振り方について考えていた。おかげで授業内容はさっぱり覚えていない。しかしその甲斐あって学校生活で困らない程度にはなった。

 

「ユーゴぉ~次いよいよテストじゃん。やっべ、緊張してきた」

 

見るからに不安げな表情をして近づいて来たのは竜二だった。朝は自信げにしていたのに直前になった途端弱気になっている。

しかし一方悠吾はというとこの世界に来て初めてのデュエルということで、テストとはいえ楽しみの気持ちの方が大きいほどだった。

 

「まあ負けても死にはしないんだし、デュエルだから楽しんだほうがいいでしょ。」

 

「そうなんだけどさー、強いやつとあたってフルボッコにされたらと思うと…」

 

「お前…派手な髪色してるくせに気が小さいな。」

 

「俺は気が小さいんじゃなくて繊細なんだよ!!それに髪色関係ないだろ!」

 

顔をその赤い髪と同じくらい真っ赤にしてまくしたてる。その瞬間次の授業開始を告げるチャイムがなり担任教師が教室に入ってくる。

 

「はーい。じゃあ今日は以前から言ってある通り実践のテストするぞー。対戦の組み合わせはこっちで決めたからこのリストの順番でしてもらう。」

 

教室の前にあるディスプレイに対戦相手が表示されていく。生徒のなかには自分の対戦相手をみて嘆く者や歓喜の声をあげるものもいた。まだ勝敗も決まっていないのに呑気なものだと思いながら悠吾も自分の名前を探す。

 

『えーと…神代悠吾、、と。あった。対戦相手はツァン・ディレ?誰だっけ…?』

 

記憶をたどってもツァン・ディレという生徒のことは顔ぐらいしか分からない。元々絡んだことがあまりなかったのかもしれない。

覚えていることといえば男子生徒にあたりが強く近寄り難い雰囲気があるということぐらいだ。

 

『うだうだ考えてもしょうがないし俺は俺のできる全力をだそう。』

 

そう考えてデッキケースから自分の魂とも言えるデッキを取り出した。元の世界では何個もデッキを持っていたがこのデッキは何度も構築し直している悠吾が最も気に入っているカテゴリだ。この世界に持ってこれたのはこのデッキ1つで最初はショックだったが1つを選ぶのだったら間違いなくこのデッキなので結果としては良かったかもしれない。

 

『よーし。デビュー戦だからな、頼むぞお前たち。』

 

アニメで見たようにカードに心のなかで語りかけてみる悠吾。改めて考えると恥ずかしさが込み上げてきたがそれと同時にドラゴンの咆哮が聞こえた気がした。

 

「じゃあ次、神代悠吾とツァン・ディレ演習場に来ーい」

 

いよいよ自分の出番になり気を引きしめる悠吾。席を立って教室をでようとすると血相を変えた竜二に呼び止められた。

 

「ユーゴ!お前の対戦相手最悪じゃねーか!あのツァン・ディレが相手なんて、負け確定じゃん。」

 

「え!?そんなにあの人強いの?」

 

「お前…ツァン・ディレといえばこのアカデミアでも指折りの実力者だろ!勝率だけでいえば学年トップだぞ!」

 

「へぇーそれは面白いこと聞いた。精々ボコられないように頑張るよ。」

 

相手が強敵ということを聞き悠吾は不安がるどころか逆に喜んで笑みをこぼすほどだった。

その気持ちのまま演習場へ向かうと対戦相手であるツァンは既に到着しており不機嫌そうな顔をしながら待ち受けていた。

 

「早くしてよね。さっさと終わらせてボク帰りたいし。」

 

「わりわり、待たせちゃって。じゃあ早速初めるか!」

 

『神代…あまり知らないけど今までの成績見る限りパッとしないしボクの楽勝で終わりそうだね。』

 

ツァンは内心そんな事を考えながらデッキをシャッフルしディスクにセットする。二人ともいつでもデュエル可能だ。

 

「二人とも準備はいいな。それではデュエル開始ィ!」

 

「「デュエル!!!」」

 

悠吾LP4000

ツァンLP4000

 

教師の一声でデュエルが開始される。ディスクに表示された先攻を知らせる表示。先攻は悠吾からスタートのようだ。

 

「よっし!俺のターンドロー!」

 

悠吾がもといた世界では先攻ドローは廃止されていたがここではマスタールール2が適用されているようだ。この世界では先攻から発動できる手札誘発などの妨害カードが少ないので手札6枚で先攻をとれるのはそれだけで有利に働く。

 

「んじゃ、初っぱなから飛ばすぞ!俺は手札から《SR三つ目のダイス》を通常召喚!」

 

SR三つ目のダイス/ATK300

 

「更にフィールドに風属性がいることで手札から《SRタケトンボーグ》は特殊召喚できる!」

 

SRタケトンボーグ/DEF1200

 

フィールドに2体のモンスターを並べる。悠吾が使用する【SR】は竹トンボなどの昔のおもちゃをモチーフとしたテーマで主に風属性のモンスターを展開することに長けている。

 

「さあ、いくぞ!俺は《タケトンボーグ》に《三つ目のダイス》をチューニング!」

 

《三つ目のダイス》が光の輪となり、《タケトンボーグ》がその中心を3つの光となり駆け抜ける。

 

「十文字の姿持つ魔剣よ!その力で全ての敵を切り裂け!シンクロ召喚!レベル6!《HSR魔剣ダーマ》!」

 

HSR魔剣ダーマ/ATK2200

 

けん玉をモチーフにしているであろうモンスターが現れる。悠吾はソリッドビジョンでのシンクロ召喚は初めてだったので内心興奮しまくっていた。

 

『ヤッベー!ホントにシンクロ召喚成功した!そういやテンションあがって口上言っちゃったけど大丈夫かな?こっちの世界では普通だよね!?』

 

「何ニヤニヤしてるの?気持ち悪いんだけど…」

 

シンクロ召喚が成功して大満足の悠吾を尻目に若干引いた目をするツァン。その視線に気付き悠吾はハッと我に帰る。

 

「ス、スマン。じゃあ続きだ!《魔剣ダーマ》の効果発動!墓地の【SR】モンスターの《タケトンボーグ》を除外することであんたに500ダメージを与える!」

 

「やってくれるね…」

 

ツァンLP4000→3500

 

「先制パンチはもらったぜ!俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

悠吾

LP4000

 

モンスター

HSR魔剣ダーマ

 

罠・魔法

伏せ1枚

 

先攻は攻撃ができないが効果ダメージを与えることはできる。ダメージ量は500と多いわけではないが上級モンスターな加えリバースカードを2枚セットできれば上々といえるだろう。だがそれは相手が並みのデュエリストなら…という場合だ。

 

「ボクのターン、ドロー。」

 

静かにドローをして手札を眺めるツァン。彼女がどのような戦略をたててくるのか、どんなデッキなのか、悠吾は楽しみでならなかった。




最後までお読みいただきありがとうございます。
原作キャラはまだでてないですがTFキャラを出してみました。TFはあまりやったことがないのでツァンのしゃべり方があっているか不安ですが多目にみてくれると嬉しいです。
デュエルのほうはガチ構築にはせずにアニメのようなあまり知られてないカードをなるべく使っていこうと考えています。
では、次回もよろしくお願いします。
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