そして気づけばUA数1400突破に加えお気に入り数35となっていました。本当にありがとうございます。
気まぐれで書き始めた作品ですがこれからもよろしくお願いします。
「ユーゴ!昨日のドラゴンどうしたんだよ!?お前あんなカード持ってたのか!?」
「だーかーらー、あれは貰ったって昨日も言っただろ」
翌日教室に入るなり竜二が驚いた様子で悠吾に話しかける。どうやら悠吾がツァンにデュエルで勝ったという噂だけでなく彼が使用する《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》のことも噂になっているようだ。教室に来る道中嫌に視線を感じたのは恐らくそのせいだ。
特に竜二には昨日教室に戻った瞬間から質問攻めにされていた。つい最近まで持っていなかったカードを急に使用しているシーンを見るとしょうがないかもしれない。
「あー眠い…朝きっつ…」
そんな回りの噂とは裏腹に悠吾は眠そうに大きなあくびをする。
「また夜更かしか?もしかして面白いゲームでも見つけた?」
「お前はいいよな呑気で…そんなんじゃねーよ」
実はアカデミアから帰宅した後自分がこれからどうすればいいのか、何をしなければいけないのか、そんなことを考えていたらいつの間にか朝になっていた。
結局答えは出ずに今に至るというわけだ。
「つっても噂って1日でこんな広がんのか…学校てのはどこの世界でも同じだな。」
「何だよお前。まるで別の世界から来たような言い回しして。…もしかしてその歳で厨二か?」
悠吾の不自然な物言いに怪訝そうな顔をする竜二。確かに端から見たらイタい厨二病患者にしか見えない。それを否定するかのように悠吾は首をブンブンと激しく振る。
「んなワケねーだろ!只の一般論だ!一般論!」
「ははっ、焦っちゃって。あ、それはそうと気を付けろよ。お前がデュエル強い上にあんなドラゴン持ってるって広まったら挑戦してくる輩も出てくるかもよ。」
「え!?なんだそれめんどくせーな…」
そんな談笑をしている悠吾をじっと見つめる二人の生徒がいた。
『ボクに1回勝ったくらいで偉そうに…でも昨日のボクの態度ちょっと悪かったかも…べ、別にアイツに対して悪いと思ってるからそういうわけじゃないからね!それにしてもあいついつの間にあんな強く…』
心の中で誰に言うわけでもないのに言い訳をしているのは昨日悠吾に敗北したツァンだ。今までほとんど敗北を知らなかっただけに自分に泥をつけた悠吾のことが朝から気になって仕方がない。
その上ツァンが記憶している限り悠吾の強さなどせいぜい中の上といったところだった。それが自分と渡り合えるまで急に実力をつけたというのがどうにも気になる。
そしてツァンと同じような疑問を持った生徒がもう一人
『彼が昨日使っていたドラゴン…あの感じはシグナーのドラゴンと凄く似てる…』
その人物は、これまた成績トップクラスの十六夜アキだ。悠吾のデュエルの強さにも驚かされたがそれ以上に驚いたのは彼が使用する《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》についてだ。それは彼女たちチーム5D'sが持っているシグナーの竜の気配と一致するものがあった。
『もしかして彼もシグナーなの?でも腕に痣なんてなかった…それに彼があのドラゴンを使ってるの見たの昨日が初めてだし…』
アキも悠吾の変わりっぷりに困惑しているようだ。
そんな二人の視線など露ほども気付かず悠吾は今日もアカデミアの授業に臨むのであった。
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「よーし、じゃあそろそろ帰るか」
授業全てが終了し家に帰ろうと席を立つ悠吾。しかしそんな彼を呼び止める竜二。
「ユーゴ、ちょい待ち!今日暇か?」
「一応予定無いけど…どした?」
予定は無いとは言ってみたものの、放課後はネオドミノシティを見て回るつもりだった。というのもこの街で暮らすことになった以上どんな町並みか少し散策したいと思っての考えだった。
「お!だったらライディングデュエルでもどうだ?なんかお前強くなってるし久々に俺とデュエルだ!」
「Dホイールか…」
『確かDホイールのライセンスは持ってたから一応運転はできるんだろうけど大丈夫かな…』
ネオドミノシティのことを見て回ろうと思っていたので竜二の申し出はむしろ好都合なのだがDホイールの運転というところに少し不安があった。しかし今は何事もやってみることが重要だろう。
「いいぜ!久しぶりにスカッとしたいし」
「そうこなくっちゃ!じゃあ各自Dホイール取りに帰ってダイダロスブリッジのハイウェイ集合な!」
「おっけ、じゃあまた」
そう言うと竜二は嬉しそうに急いで教室からでていく。そんな竜二を見ながら自分もDホイールを運転するのを楽しみにしていた。しかしここである重大なことに悠吾は気づく。
「俺ってDホイール持ってたっけ…」
****************
場所は変わり悠吾宅の駐車場。昨日蘇えった記憶によると自分はDホイールをのりこなしていたので恐らく自分用のものを所有しているだろうと考え自分のマンションの地下にある駐車場に来ていた。そこである白いDホイールが目にはいる。
「このDホイール…《クリアウィング》に似てる…」
自分のエースモンスターに似たDホイールが目に入り思わずその機体に手を触れる。
「うっ…ぐっ……何だ…」
触れた瞬間何かが流れ込んでくる感覚が悠吾を襲った。それは昨日竜二に触れられた時に起きたものとよく似ていた。今回流れ込んで来たのはこのDホイールと自分が幾度となく激戦を繰り広げてきたという記憶だった。
「またこれか…自分の姿で自分の知らない記憶があるってのは変なもんだな…というかこの記憶って誰のなんだ…?俺のもんじゃないのは確かだけど」
この感覚には馴れない上に自分のこの世界での記憶は誰のものなのだろう。考えだすと分からないことはまだまだ多く、謎は深まるばかりだ。
ーピピピピピ、ピピピピピ
突如悠吾の懐でアラームのような音がなる。正体は彼の携帯電話の着信音だ。どうやら竜二からの電話のようだ。
「ユーゴ!お前遅いって!何してんだ!今どこ?」
電話に出るなり怒鳴る竜二。時間を確認してみると約束の時間を大きくすぎていた。
「お、おぅ…わりぃ、まだ家だわ」
「はー!?こっちはもう着いてるぞ!早く来いよ!」
「分かった分かった、なるべく早く行くよ」
電話を切ると急いでDホイールにまたがりエンジンをかける。昨日もテストが終わって家に帰った後夜遅くまで色々考えていたが結局何も分からなかった。ならば考えるより動いてみよう、そうすれば自分の求める答えが見つかるだろう。
「さーてリュウジ待たせてるし飛ばすか!」
アクセルを思い切り踏み込むとDホイールがそれに応えるかのように大きく加速する。
「うお…思ったよりパワー強ぇ…でも風が気持ちいな。」
Dホイールには初めてのるがその風を切る感覚はどこか懐かしさがあった。まるで風と1つになりどこまでも加速していく…元の世界で感じたものとは違う恐らくこの世界での彼の記憶だ。
「お待たせ、リュウジ!」
勢いよくとばしたおかげで思ったよりも早く到着した。しかし遅刻したことに違いはないのだが。
「まったく、待たせすぎだっつの!その代わり今日はとことんデュエルしてもらうぞ!」
「へーへー、分かったっての。でもその前にもうちょいツーリングしね?」
「いいよ、俺ももうちょい馴らしたいし。」
そう言うと二人はハイウェイに繰り出す。いくら操縦の仕方が分かったと言ってもまだ細かい動作をするのは難しい。これからライディングデュエルをするならば緻密な駆け引きや高度なドライビングテクニックが必要だ。なるべくそれを取り戻さなければ自分が思った通りの戦術は出来ないだろう。
『ふう、集中して運転すると結構キツイな。これをデュエルしながらするってのはもっと疲れるだろうな』
今のライディングデュエルのルールでは確かオートパイロットは廃止されていたはずだ。つまり己の運転技術がかなり重要になってくる。
「ユーゴ!そろそろ始めようぜ!」
しびれを切らしたのか竜二がデュエルを始めようと言う。悠吾もこれから始まるライディングデュエルにワクワクしており元気よく応える。
「ああ、いいよ。はじめっか!」
その言葉を皮切りに2台のDホイールが並走を始める。興奮か緊張か分からないが頬を汗が伝うのが分かる。そしてDホイールのデュエル機能を起動させる。
「スピードワールド2、セットオン!」
ライディングデュエルで使用されるフィールド魔法《スピードワールド2》がセットされる。それと同時にコースが設定され、準備が整った合図がされる。
あとはデュエル開始の宣言をするだけだ。悠吾はアニメで遊星が言っていたように叫ぶ。
「「ライディングデュエルアクセラレーション!!」」
竜二も同時に叫ぶ。二人はその宣言を皮切りにアクセルを全開にしてスピードをアップさせる。ライディングデュエルにおいて先攻を決めるのは第一コーナーを制した者だ。悠吾はコーナーが近づいてもスピードを落とすことなく突っ込む。
「ユーゴ!?そのスピードで突っ切るつもりかよ?」
「まあ見てろ!行くぞ!」
コーナーが近づき一瞬スピードを落とした竜二に対しスピードを緩めなかった悠吾のほうがわずかに第一コーナーに入るのが速かった。ディスクには悠吾が先攻と表示される。
「今日は随分攻めるじゃねーか!」
「まあな、悪いけどこのままデュエルも勝たせてまらうよ!俺のターン!」
勢いよくドローする悠吾。Dホイールから手を離して運転するのは正直まだ怖かったがこんなことで恐怖を抱いているようではこの先戦えない。
「俺はモンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ!」
悠吾LP4000
モンスター
セットモンスター
魔法・罠
伏せ二枚
勝たせてもらう、と豪語したもののその立ち上がりは堅実かつ緩やかだ。手札があまり良くなく前回のツァン戦のように1ターン目からシンクロ召喚はできない。
「どうした?偉く大人しいじゃねーの!でもこっちは遠慮なくいかせてもらうぞ、俺のターン!」
悠吾
SPC0→1
竜二
SPC0→1
ここでお互いにスピードカウンターが1つずつのる。ライディングデュエルではこのスピードカウンターをどのように使うかが重要になってくる。なぜなら魔法カードは全て《Sp》でありこれを使用するにはスピードカウンターの数がものを言うからだ。
「俺は手札から《Spーオーバー・ブースト》を発動!エンドフェイズにスピードカウンターが1になるかわりにその数を4増やす!」
竜二
SPC1→5
SPCの数が1つでは発動できるSpの数は非常に限られる。しかし竜二はその弱点をSPCを増やすことで解決した。
「更に《Spーエンジェル・バトン》を発動!カードを二枚ドローして手札を1枚墓地に送る!」
ドローしたカードを確認準備が整ったのだろう。その口角をにやりとあげる。
「いいカードだ!俺は《XXーセイバーボガーナイト》を通常召喚!」
XXーセイバーボガーナイト
ATK1900
「【Xーセイバー】か…昨日の【六武衆】と同じで展開力に優れたテーマだな」
悠吾の言ったとおり【Xーセイバー】は非常に展開を得意としているテーマだ。放っておくとてがつけられなくなるだろう。
「《ボガーナイト》の効果で手札から《XXーセイバーフラムナイト》を特殊召喚!」
XXーセイバーフラムナイト
ATK1300
前回のツァンのデュエルを彷彿とさせるスタートだ。モンスター効果により2体のモンスターをフィールドに並べる。あの時は即座にシンクロ召喚に繋げたが今回は違うようだ。
「バトルフェイズにはいって《ボガーナイト》でセットモンスターを攻撃だ!」
《ボガーナイト》の振り上げた刃が悠吾のセットモンスターに襲いかかる。守備表示なのでダメージをうけることはないがモンスターは破壊される。
「守備モンスターは《SR電々大公》だ。破壊される。」
「先制ダメージはもらうぜ!《フラムナイト》でダイレクトアタックだ!」
次のモンスターが悠吾にダメージを与えようと向かってくる。しかしこのままわざわざ大ダメージを与えてやるつもりは毛頭ない。
「トラップ発動!《オフェンシブ・ガード》!モンスターの直接攻撃宣言時攻撃力を半分にして俺はカードを1枚ドローする!」
XXーセイバーフラムナイト
ATK1300→650
「攻撃力が半分に…だがダメージは受けんだろ、食らいやがれ!」
悠吾
LP4000→3350
「ぐっ…これがライディングデュエルの衝撃か…スタンディングとは大違いだ」
直接的なダメージはないにしてもDホイールにのっているだけでその感覚は全く違ってくる。少しよろけながらなんとか堪える。
「メイン2にはいる。そして俺はレベル4の《ボガーナイト》にレベル3の《フラムナイト》をチューニング!」
「来やがったか…」
☆4+☆3=☆7
「交差する刃持ち、屍の山を踏み越えろ!シンクロ召喚!出でよ、レベル7《Xーセイバーソウザ》!」
Xーセイバーソウザ
ATK2500
「決まったぜシンクロ召喚!ダメージも与えたし幸先いいんじゃねえの?俺はカードを伏せてターンエンドだ!この瞬間俺のSPCは1に戻る。」
竜二LP4000
モンスター
Xーセイバーソウザ
ATK2500
魔法・罠
伏せ2枚
「俺のターン!」
悠吾
SPC1→2
竜二
SPC1→2
『《ソウザ》の攻撃力は2500…あいつの攻撃力を越えるにはっと…』
「俺は《SRバンブーホース》を通常召喚!」
SRバンブーホース
ATK1100
「効果により手札から《SR赤目のダイス》を特殊召喚!」
SR赤目のダイス
DEF100
竜二に負けじと悠吾もモンスターを2体揃える。しかしどちらの攻撃力も《ソウザ》には及ばない。
「確かそのモンスターはレベル変更効果を持ってたな!大方《バンブーホース》のレベルを変えてあのドラゴンでも呼ぶつもりか?」
「主役のあいつはまだまださ!まずはこいつでいく!俺は《赤目のダイス》で《バンブーホース》のレベルを3に変更する!」
SRバンブーホース
☆4→☆3
「俺もシンクロだ!レベル3の《バンブーホース》にレベル1の《赤目のダイス》をチューニング!」
☆3+☆1=☆4
「幾千の顔を持つ迷宮の影よ、その鋭き刃で混沌の闇を切り裂け!シンクロ召喚、レベル4《HSR快刀乱破ズール》!」
HSR快刀乱破ズール
ATK1300
レベル4のシンクロモンスター。攻撃力だけみると下級のモンスターにも負けてしまうだろう。
「何だよ!御大層にシンクロしたわりには大したことねーな!そんなんじゃ俺の《ソウザ》は超えらんねーぞ!」
「焦んなよ。バトル!俺は《ズール》で《ソウザ》を攻撃だ!」
《ソウザ》の攻撃力は2500に対し《ズール》は1300普通にぶつかっても破壊されしかも大ダメージを食らってしまうのは必至だ。
「ダメージステップ、《ズール》の効果で攻撃力を2倍にする!」
HSR快刀乱破ズール
ATK1300→2600
攻撃力が2倍になりそのまま《ソウザ》を両断する《ズール》。ダメージは100と少ないがシンクロモンスターを破壊できたのはいい流れだ。
「やってくれたな…」
竜二
LP4000→3900
「俺はこのままターンエンドだ!さあお前もそろそろエース見せてみろよ!」
「言われなくても【Xーセイバー】の切り札をいまだしてやるよ!」
まだお互いに1ターンしか経過していないが二人のテンションは最大といっても過言ではない。今から竜二のターン、というところでDホイールの画面にある反応が写る。
「何だ…?未登録のDホイール?」
それは二人の後ろから2台のDホイールが近づいてくることを知らせるものだった。別にDホイール自体は珍しくもないがデュエル中に、しかも未登録のDホイールには不信感をいだいた。
「デュエル中になんだよ…テンション下がるな…」
竜二も気づいたようで露骨に嫌そうな顔をする。一方悠吾はその2台のDホイールにコンタクトをとろうと通信昨日をONにしたそのときだった。
ーバトルロイヤルモード強制発動、これよりこのデュエルはバトルロイヤルルールで行われます。ー
悠吾と竜二のDホイールから急にバトルロイヤルモードに移行するアナウンスが流れ始めた。
「な、なんだこりゃ?ユーゴ、お前なんかしたか?」
「いや、俺じゃない!どうやら向こうのDホイールが起動させたらしい!」
突然の出来事に困惑する二人だがどうやら犯人は近づいてくる2台のDホイールらしい。どうしたものかと考えていると二人のDホイールに通信がはいった。
「クックック…お前たち二人には我らとデュエルをしてもらう」
「それもバトルロイヤルモード方式でな。」
聞こえてきた声は明らかに機械で変えたような不自然な声だった。しかし今はそんなことは重要ではない。悠吾の頭のなかにはある出来事が甦る。
『た、確かこいつらゴーストとかいう機械のDホイーラーだ…それで使うカードは…えっと、なんだっけ…』
肝心なところが思い出せない悠吾だったが今は深く考えている余裕はない。突如現れた脅威に今はただデュエルに集中するより方法はなかった。
第4話最後まで読んでいただきありがとうございます。前回の六武衆に続きXーセイバーと少々テーマが被ってしまいましたがご容赦いただけるとうれしいです。
あと文中でユーゴ君が使っていたトラップカードですがOCG化はされておらずアニメで使用されたカードです。それ、和睦でよくね?と思われる方もいらっしゃるでしょうがロマンがあるのでこれからもこのようなカードを使っていきたいと思います。
さて、次回はユーゴと竜二がゴーストと激戦を繰り広げる予定です。
次回も読んでいただけると嬉しいです。