遊戯王5D'sー疾風の決闘者ー   作:佑馬

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皆さんこんにちは佑馬です。今回はいよいよユーゴと原作キャラの絡みがあります。原作キャラを上手く書けたかは分かりませんが楽しんでいただけると嬉しいです。
そして出番は少ないですが新キャラ登場です。



第7話

「俺はレベル4の《ダブルヨーヨー》にレベル3の《三つ目のダイス》をチューニング!その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!シンクロ召喚!《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!」

 

悠吾のデッキの象徴である白竜が召喚される。このドラゴンは何度も悠吾の危機を救ってきた相棒的存在である。

 

「どうだ!これが俺のエースモンスターだ!」

 

「ククク…シンクロモンスターをだしたな?《機皇帝ワイゼル∞》よ!《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を吸収しろ!」

 

機皇帝から延びてきた触手が《クリアウィング》を捕らえその核へと吸収してしまう。

 

「そんな…《クリアウィング》が…」

 

「シンクロモンスターを使う以上私に勝つ術などない!《機皇帝ワイゼル∞》よ!神代悠吾にダイレクトアタック!」

 

「あ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

次の瞬間目を開けるとそこは見慣れた部屋の天井だった。そして部屋の中に鳴り響くのは聞きなれた携帯電話のアラーム音だった。

 

「なんだ…夢かよ…死ぬかと思った。」

 

先ずは今のゴーストとのデュエルが夢であったことに安堵するがそれと同時にあのデュエルの光景が鮮明に蘇る。未知の機皇帝というモンスター、そしてシンクロモンスターを吸収するシンクロキラー効果。デュエルから数日経っているにも関わらずその記憶は薄れるどころか日に日に強くなりこのような夢まで見る始末だ。

 

『結局あいつらは何者だったんだ…』

 

ベッドから体を起こしてデュエルアカデミアに行くために制服に着替える。この生活にも大分慣れたものだ。

デュエルが終了した後セキュリティがゴーストの体を解析したが、データは全て消去されていたらしい。誰がどのような目的でDホイーラーを襲っていたのか、何も分からなかったようだ。

 

『あのデュエル、正直俺は足手まといでしかなかった…竜二がいなかったら危なかったな…それにもう1つ気になることが…』

 

もしもう1度ゴーストとデュエルして勝つことが出来るのか、そう聞かれれば答えはNOだ。自分はこの時代よりカードパワーの強いカードを持っている。だから負けることはないだろうと考えていたがそれは大きな間違いだった。それは悠吾にとって自信をへし折られる気持ちだった。

もう1つ気になることとは彼の前世の記憶についてだ。本来彼はこの世界のことについて熟知しておりゴーストがシンクロキラーの効果を持っていることを知っていたはずだったのだ。しかしデュエル中、そのことを思い出すことはできなかった。しかもそれだけではなく彼が前世で過ごしてきた全ての記憶が日々消えていき代わりに神代悠吾としてネオドミノシティで生きてきた記憶に書き換えられていった。

 

「はぁ…俺もすっかりこっちの世界の住人てことか…」

 

そのうち自分が憑依してこの世界に来たという事実すら忘れてしまうのではないか、そんなことを考えながら今日もデュエルアカデミアに向かう。

 

「おい見ろよ、あいつ神代悠吾だ。」

 

「学年トップクラスのツァンに勝っただけじゃなくてDホイーラー狩りまで倒すなんて何があったんだよ。」

 

アカデミアの中を歩いているとそのような噂話が嫌でも入ってくる。ツァンとのデュエルに勝ったときもそうだったので特に気にならなかったが今回は以前よりよく耳に入る。

確かにいつもはあまり目立たなかった生徒がこうも立て続けに勝ち続ければおかしいと思われても仕方がない。自分が注目されるのは最初は気持ちのよいものだったが今回は尾ひれがついてるだけに複雑な気持ちだ。

 

「よぉー、ユーゴ!相変わらず今日も噂になってんな!」

 

「茶化すなよ…それにツァンとの試合は兎も角ゴーストとのデュエルはお前にかなり助けられたのに俺1人で勝ったみたいになってるし」

 

「確かに噂が事実以上に一人歩きしてるとこあるな。まあ人の噂もなんとやらだし1週間もしたら飽きるんじゃねえの?」

 

「ったく…たまったもんじゃねーな」

 

そう悪態をつく悠吾。竜二の言うとおりそのうち生徒達も飽きるとは思うが力不足で悩んでいるというのに必要以上に噂されるというのは何か気分が悪い。

 

「なんか今日機嫌ワリーじゃん。気晴らしに今日の放課後ライディングデュエルでもどうよ?Dホイールもそろそろ修理終わっただろ。」

 

「あーゴメン、俺今日バイト行かねーとダメなんだ。」

 

「あれ?お前バイトやってたっけ?」

 

「まあ色々物いりなんだよ俺も…」

 

以前まで悠吾はバイトをしていなかったがゴーストとのデュエルで破損したDホイールの修理費、また生活費を稼ぐためには両親の仕送りだけでは心許なかった。

 

「へぇー、お前がバイトねぇ…因みにどんなバイト始めたんだ?」

 

「なんだよその意味深な返しは…トップス地域の清掃員だよ。」

 

「プッ…こりゃまた渋いバイト選んだな!お前だったらてっきりデュエル関係のバイトすると思ったのに。」

 

余程意外だったのか悠吾の答えに吹き出した竜二。確かに清掃員のアルバイトはアカデミアの生徒が進んですることはない。大抵デュエル関連のアルバイトをする生徒がほとんどだ。

 

「笑うなっつの。まあ俺もできるならそっちの方が良かったけど時給が1番高かったし。背に腹は変えられないってことだ。」

 

トップス地域ということだけあって時給は普通の地域より高い。しかも普段あまり立ち入ることができないトップス区画を見て回れるのもいい機会だと考えこのバイトに決めた。

 

「なるほどなー、じゃあ今日はカードショップでも行くか。バイト頑張れよ」

 

「おう、ガッツリ稼いでくるわ」

 

実は少しデュエルから距離をおこうと考えていた。ゴーストとの1件がありデュエル自体に恐怖を抱いたからだ。デュエルに関係のないアルバイトを選んだのもその考えがあったためだった。

 

『デュエルは楽しいもんだと思ってたのに…あんな生き死に決めるデュエルは流石にもう嫌だな。』

 

「どーした?ユーゴ、腹でも痛いのか?」

 

辛辣な顔をしていたのか、竜二が悠吾を見て不思議そうに聞く。

 

「いんや、ちょっと考え事してただけだ。」

 

「そっか、それならいんだけどよ…最近よくそんな顔して考え込んでるけど悩みでもあんのか?相談のるぜ?」

 

自分はそんなにいつも気難しい顔をしているのか、気を付けようと思うと同時にこの悩みを共有できる仲間がいないのは心苦しい。竜二は親友だがこんな突拍子もない話をいきなりするわけにはいかない。いつか話せる日が来ればいい、そんなことを考えていたら始業を知らせるチャイムが鳴った。

 

***************

 

昼休憩、それは学生にとって長い授業時間の中でオアシスとも言える時間だ。デュエルアカデミアでも今まさに昼休憩が始まり学生たちが羽を伸ばしていた。

 

「ユーゴ、学食行くぞぉ!」

 

授業中はほとんど寝ている癖に昼休憩になった瞬間、飛び起きている。

 

「ハイハイ、俺トイレ行ってくるから先に席とっといてくんね?」

 

「おっけ。混むから早くこいよ!」

 

そう言うや否や一目散に教室から出ていってしまった。自分もさっさとやることを済ませて学食に行こうと席を立ち教室を出ようとするとその行く手を阻むようにある人影が立ちふさがる。

 

「神代君、ちょっといい?」

 

そう声を掛けた来た人物には見覚えがあった。赤い髪、特徴的な髪飾りに目のやり場に困る大きな胸。遊戯王5D'sのヒロインである十六夜アキその人であった。

一方話しかけられた悠吾は内心テンパっていた。

 

『ッ…アキじゃん!まさか原作キャラが向こうから話しかけに来てくれるなんてな…何の話だ…?』

 

自分の記憶から察するにアキと個人的に接したことはない。つまり悠吾がこの世界にきてからの行動について何か聞きたいことがあると考えられる。

 

「えっと…神代君?」

 

内心いろいろ考えて上の空だった悠吾が気になったのかアキが不思議そうな顔をする。

 

「…あぁ!うんうん、大丈夫大丈夫!んでなんだっけ?」

 

「ここじゃなんだから別の場所で話さない?」

 

「ああ…行こうか。」

 

場所を移して話すということは他人に聞かれたくない内容を少なからず含んでいるということだ。思わず肩に力が入る悠吾。

 

『女の子に呼び出されるのはなんかワクワクするけど絶対そんな色っぽい話じゃねーよな…まあ大方何の話か予想できるけどな』

 

人気のないアカデミアの校舎裏に到着する。昼休みとはいえど、この場所に近づく生徒はそういない。

 

「呼び出してごめんなさい…けどどうしても聞いておきたいことがあって…」

 

「大丈夫だよ。ところで聞きたいことってもしかしてゴーストについて?」

 

「ええ…それと神代君の持ってるドラゴン、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》について聞きたいの。」

 

そう言ってアキは自分の制服の袖をめくる。そこにはドラゴンの爪のような痣そして自身のデッキから1枚のカード《ブラック・ローズ・ドラゴン》を取り出し悠吾に見せる。

 

「その痣は?ケガって訳じゃなさそうだけど…」

 

「これはシグナーといって5000年周期でダークシグナーと戦う者達に刻まれる赤き竜の体に一部を模した痣なの。そしてこれがシグナーの竜の1枚である《ブラック・ローズ・ドラゴン》よ」

 

「なんか途方もない話だな…でもそれと俺の《クリアウィング》と何か関係があるのか?」

 

「ええ。貴方が初めて授業でそのドラゴンを召喚した時私も見てたのだけど、確かに私たちの持っているシグナーの竜と同じ気配を感じたの。だからそのカードをどうやって手に入れたかを教えてもらえない?」

 

初めて召喚した時は確かツァンとのデュエルのときだ。あのデュエルをアキも見ていたのだろう。しかし困ったことになった。まさか交通事故にあって目が覚めたら別人になっていてその時に《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を手にいれたと言っても信じてもらえないだろう。

シグナーやダークシグナーの存在も十分オカルト染みているがそれ以上に自分の境遇も現実離れしている。

 

「このカードは…そうだな…ある人にもらったんだ。それに確かにこのカードは特別だけど十六夜さんの言うシグナーとは関係ないと思う。俺の腕にはそんな痣もないしね。」

 

そう言って己の制服をまくり腕を見せるが確かに腕に痣はない。それを見たアキは多少残念そうな表情をするが新たな提案を持ち出す。

 

「そう…なら、私達のチームと一緒にゴースト、その裏で手を引いているイリアステルと戦うために力を貸してくれないかしら?神代君ならデュエルの腕も立つし、どうかな?」

 

「あー…お誘いは嬉しいんだけど俺は力になれないや…あんな命懸けのデュエルはもう懲り懲りなんだ」

 

「…分かったわ、ありがとう。時間を取らせてしまってごめんなさい」

 

「いや、こっちこそ力になれなくてゴメン。」

 

チームに誘われたこと、自分の力を見込んでくれたことは素直に嬉しかったが今の自分では足手まといにしかならないだろう。それに面倒事にこれ以上首を突っ込みたくない、そんな本音があった。

そう考えながら竜二の待つ学食へ向かった。

 

「ユーゴ、遅いって!どんだけ長いウンコしてんだよ!」

 

「ちっげぇーよ!しかもデカい声でんなこと言ってんじゃねーっつーの!」

 

デリカシーなく大声で悠吾を呼ぶ竜二。やれやれと思いつつ竜二の横に座り食事を口に運ぶ。先程のアキの落ち込んだ表情が脳裏に浮かぶが頭をボリボリかいてそれを必死で振り払う。後ろめたさは多少あったが後悔はしていなかった。それほどに悠吾にとってゴーストとのデュエルは恐怖でしかなかった。

 

『ハァ……俺に出来ることはない、ないんだ!』

 

そうやって自分に何度も言い聞かせて食堂を後にする。

 

***************

 

今日1日の授業がすべて終わり終業のチャイムがなり響く。悠吾は帰り支度を済ませると教室を出て廊下に出る。竜二は教室でまだ駄弁っているが悠吾はバイトの予定が入っているので久しぶりに1人で下校する。

 

「神代、悠吾さんですか…?」

 

廊下を歩いている悠吾に後ろから声をかけられる。振り替えるとそこには肩にまで伸びたウェーブのかかった髪、身長は悠吾より10センチほど低い女子の中ではそれなりに大きな部類に入る身長、そして何よりも目につくのはアキに負けず劣らずの豊満な胸だ。

 

『何でこの世界の女はどいつもデカパイなんだよ!?』

 

「そうだけど何?」

 

心のなかではそんな風にシャウトしていたが表面的は極めて冷静に対応する。それにしても今日はよく呼びとめられる日だ。まあ2人共美人なので男の悠吾からしたら悪い気分はしない。

 

「少し話がしたいと思っただけですよ。申し遅れました北条エリと申します。」

 

「北条…?」

 

その名字には聞き覚えがあった。確か竜二との雑談の中で聞いたことがある。北条グループと言えば有名な財閥でそこの令嬢らしい。つまり超お嬢様ということだ。思えば雰囲気や話し方からも育ちの良さがにじみ出ている。

 

「話ねぇ…あんまり時間ねーから手短に頼むわ」

 

「あらあら、つれないですね。では手っ取り早くデュエルでもどうですか?」

 

「何でそうなるんだよ…」

 

この後予定もあったためさっさと終わらせたいと考え、突き放した返事をしたつもりだったが相手は全く動じた様子がない。お嬢様だと考え、打たれ弱いと思ったが案外図太い神経をしているようだ。

 

「あなたの噂は聞いています。学年トップのツァンさんに勝利し、その上ゴーストまで退けたらしいですね。それにとても面白いドラゴンをお持ちとか…私もデュエリストの端くれとして1度手合わせしたいと思っただけですよ。」

 

どうやらエリの目的は悠吾で腕試しをしたいということらしい。確かエリは幼い頃から数々のジュニア大会で優勝や入賞を果たしている実力者という話も聞いたことがある。それならば悠吾に興味を持っても不思議ではない。

 

「デュエルなら尚更ダメだ。この後予定あるし今そんな気分じゃねーんだ。」

 

「む…それならしょうがないですね。また後日お願いさせてもらいます。」

 

「…いきなり声をかけてきたわりには直ぐに引き下がるんだな」

 

「私はそんなに無礼者に見えましたか?心外ですねぇ」

 

傷ついたという風な仕草をするがその声色から察するに全くそんな様子はない。いきなりデュエルを申し込んで来るところといい、飄々とした態度といい、何を考えているのか分からない。

 

「まあそのうち機会があればこっちからお願いさせてもらうよ。じゃ、俺は予定あるから」

 

適当な社交辞令を言ってくるりと背を向け歩きだす。その背中にエリも声をかける。

 

「ええ、それではごきげんよう。……また直ぐに会えると思いますが」

 

お嬢様らしい挨拶を述べるがその後の台詞は悠吾にも聞きとれない小さな声でありその言葉を聞いたのはエリ只1人だけであった。

 

 




第7話最後まで読んでいただきありがとうございました。今回は文章量が少ないですがキリが良かったのでこの量にさせてもらいました。
さて、今回デュエルはなかったですが次回はエリとユーゴのデュエルをたっぷり書いていこうと思います。エリがどんなデッキを使うのか楽しみにしてください。
では失礼します。
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