過負荷が斬る!   作:バナナインフィニティ

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初投稿です。
何卒よろしくお願いします



1!

生まれた時からずっとだ。

気がついたら不幸で、何をするにもうまくいかないで、誰からも嫌われた。

きっとこれは僕の運命なんだろう。

みんなの過負荷を僕が背負い込むことで、世の中は均衡してるんだろう。

僕は幸せなんて求めちゃいけないんだろう。

でも、そんなこと―

 

『僕には関係ないよね!』

 

「や、やめて...!」

 

世界はこんなにも理不尽なんだ。

だから僕に殺されたこの人も、言ってみれば、世界に殺されたようなものだ。

だから―

 

『僕は悪くない』

 

 

 

『ふむふむ、ナイトレイドね』

 

今、巷を騒がせている暗殺組織の名、らしい。

らしいというのは、実のところ僕はさっぱりこの、ナイトレイドに対しての知識を有していないからだ。

つい最近帝都に来たばかりだしね。

まぁ、それ以前何をしてたかは、またのちのち話すとして。

この、ナイトレイドという組織は、言ってみれば今の帝都に対する、反乱軍だ。

しかし、軍と呼ぶには、少数で活動していて、一人一人がとても強い、らしい。

何でも帝具持ちが何人もいるとか。

 

『全く、物騒な世の中だなぁ』

 

早く解決してくれよ。

まぁ今の帝都には期待できるわけもないけれど。

何なら帝都自体が、原因なわけだけど。

とりあえず、今日は早く寝る場所を確保しよう。

いい加減、野宿生活とはおさらばしたい。

 

 

 

『・・・・・・』

 

高いよ!帝都!

僕の持ち金では、到底払えるような額ではない。

ふざけんなよ!折角ベッドで寝れると思ったのに!

帝都につけば、なんて甘い幻想は木っ端微塵だ。

 

『今日も野宿かぁ・・・』

 

もう日が暮れてしまった帝都を、一人とぼとぼ歩く。

誰か拾ってくれないかなぁ。

何なら一つ部屋をぽんっと、貸してくれるような優しいお金持ちでも現れないかなぁ。

そんなくだらなくも、真面目にどうするか、考えてると後ろから声をかけられた。

 

「あの、もしかして帝都に出てきた人ですか?」

 

と、まるで帝都から出てきた田舎っ子を、探すような口調で。

 

『え?うん?うん、そうだよ!』

 

それに対して僕は、そのまま答える。

 

「もし良かったら、私の家の来ませんか?」

 

「え?」

 

素っ頓狂な声が出てしまった。

それこそカッコつけることも忘れて。

なんて優しい子なんだ。

暗闇でよく見えなかったけど顔も可愛いし、気に入った!

 

『本当かい?泊めさせてくれるならすごい助かるなぁ』

 

「お、お嬢様・・・」

 

後ろでごちゃごちゃ言っている、付き添い人みたいなのを黙らせると僕に一言。

 

「ええ、もちろん。歓迎するわ。」

 

・・・この世に天使がいた。

 

 

 

あれから少し自己紹介がてら、会話をした後、料理まで振舞ってもらった。

相手の名前はアリア、といい、ここらではかなりのお金持ちらしい。

料理はどれも美味しくて、お腹も減っていたので、かなり食べてしまった。

親子で仲が良く、食事中もずっと喋っていて、僕には眩しく見えた。

そしてなんと、部屋を一部屋ぽんっと、貸してくれたのだ。

こんな家庭に生まれたかったもんだねぇ。

楽しそうで、嬉しそうで、幸せそうで。

しかし、どこか気持ち悪い。

第一、こんな帝都でお金持ちなんてろくなのいないだろうしね。

まぁいいか。とりあえず泊めてくれたことに感謝!

でも、なんだろう、とても眠い。

この感じは―

 

『薬をもられたね・・・』

 

「・・・ごめんね、・・・・・・君。」

 

最後に、僕の名前が聞こえた気がした。

 

 

 

『・・・うーん、痛いなぁ。』

 

起きると、僕は何やら、牢屋のようなところに寝かされていた。

 

「起きたのね。」

 

目の前にいたのは、アリアちゃんの母親。

名前は・・・なんだっけ?

名前を思い出そうと必死になっている僕に対し、彼女は冷酷にこう伝えできた。

あなたは病気にかかったのだと。死ぬまでここに閉じ込める。と。

どこか、気持ち悪い、と思っていたが、こういう事だったのか。

隣にいた、僕と同年代、いや、ちょっと上くらいの子もどうやら病気にかかっているらしい。

体中に斑点が出来ている。

 

「ふざけんなよ!絶対殺す!!」

 

その斑点ができて、もう取り返しがつかないであろう少年は、叫んだ。

憎しみが、全身から溢れているようだった。

 

「うふふ、イエヤス君は元気いいわね。まだ、死なないのかしら。」

 

それに対して、彼女は何ともないふうに、そう返答する。

そして、何やらメモをとると、足早に立ち去ってしまった。

彼女が、出ていくと、少年、イエヤス君?はサヨ・・・サヨ・・・と、呟いて閉じこもってしまった。

うーん、彼以外はみんな死んじゃってるのかなぁ、暇だなぁ。

 

『イエヤス君!しりとりしない?』

 

暇は人を殺すって言うしね。

とりあえず当たり障りのないチョイスをして、イエヤス君に話しかけてみた。

 

「・・・なんだお前?ふざけてんのか?殺されてぇのか?」

 

『何をそんな怒ってるんだい?君の怒る対象は、僕じゃあないだろう?』

 

「ふざけんな!今そんなことやるように見えるか!」

 

すごい怒鳴るなぁ。

正直、君の事情なんて知ったこっちゃないんだよ。

 

『うーん、まぁそうか。じゃあいつからここにいるか、だけ教えてよ』

 

「・・・5日前だ。」

 

『へぇ、5日でそんな病気進んじゃうんだ。怖いねぇ。』

 

「・・・お前は怖くないのかよ?」

 

『ん?別に怖くないよ。このくらい、日常茶飯事だからね。』

 

そう言うと、僕は立ち上がって、牢屋を出た。

 

「え?・・・え?なんで出れて・・・」

 

イエヤス君は、状況を飲み込めていないらしく、随分困惑している。

まぁ、なんのことは無い。ただ牢屋の鍵をなかったことにしただけだ。

 

『いいかい?いい事を教えてあげよう。この世界は理不尽に満ちているんだ。けど、こんな時助けてくれるヒーローなんかいない。自分で立ち上がらなくちゃいけない。どんなに苦しくても自分で頑張らなくちゃいけない。』

 

そこで一度息を整える。

 

『だから、その理不尽を受け入れるんだ。全部仕方が無いことだって。恋人のように受け止めるんだ。そうすれば僕みたいになれるよ。』

 

そうして、もう一度牢屋に近づき―

 

『大嘘憑、君の病気をなかったことにした。』

 

イエヤス君の病気をなかったことした。

 

「・・・は?何言ってんだ?」

 

『君は自由だ。何処にでもいっていいんだよ!』

 

「え?・・・なんで・・・」

 

『なんで助けてくれたか、かい?』

 

特に理由はないけれど、

 

『僕と会話してくれたからね。』

 

あと、強いて言うなら、過負荷らしい。

似合う、と言ってもいいかな?

 

『じゃあ僕は行くね。また明日とか。』

 

そう言い残し、僕は扉を開けた。

その時―

扉が吹き飛んだ。

当然僕も一緒になって吹き飛ぶ。

痛いなぁ・・・

 

「これがこの家の真実さ!」

 

空いた扉の先には巨乳のお姉さんがいた。

 

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